26インチって標準?自転車のサイズってどうなってるの?

自転車、ママチャリ購入の際にも「26インチサイズで」とか、この「インチ」何が基準のサイズなんでしょうか。自分にあったサイズは何インチかみなさんおわかりですか?今回は26インチのママチャリを基準に、そのサイズ感についていろいろお話ししてみたいと思います。

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「自転車の26インチ」のインチって何が基準のサイズ?

ママチャリの主力のタイヤサイズは主に26インチです。さて、この26インチは実際にタイヤのどの部分を指しているのでしょうか。タイヤと言ってもタイヤのゴム部分まで含めた全体の外径なのか内径なのか、考えてみるとよくわからないな…と思う方もいることでしょう。
1インチは2.54cmですが、タイヤの外径あるいは内径が26×2.54で660.4mmということなのでしょうか。近いですが、正解ではありません。では26インチのタイヤはどのくらいの大きさなのか、ということを知ろうと思うと、これが一筋縄ではいかないのですね。
ママチャリは「インチ」を使うのに、ロードバイクのタイヤは「mm」で表記されています(700というのは700mmのことなんですね)。ではロードバイクのタイヤ径は実際に700mmなのかと言えば、これもそうではありません。なぜ表記がバラバラなのか、そして実際の大きさが違うのかというと、複雑に規格が絡み合って乱立してしまっている、という背景があります。
現行でも主力として使われているのは英国規格、仏国規格、米国規格の3種類で、「インチ」を採用するのは英国と米国の規格です。そして、すべての規格で大きさはタイヤ外径を示しています。
しかし冒頭で述べたとおり、26インチであってもタイヤ外径が660.4mmではありません。その理由を見ていきましょう。

インチの数字が一つ違うと、その違いはどのくらい?①

単純に考えれば1インチは2.54cmなわけですから、1インチ大きければタイヤ外形が2.54cm大きくなる、と考えたいものです。しかし実際にはそんなことにならず、1インチの差に含まれるサイズの話は非常に複雑になっています。
まずそれぞれの国が規定するタイヤサイズにおける表記のルールとその意味を見ていきましょう。
英国規格はWO(ワイヤード・オン)といって、タイヤ外径inchi x タイヤ幅inchi-分数表記で表します。例えば最近国内でも増えているシティサイクルの27インチタイヤには27 x 1-3/8というように表記されています。
仏国規格も同様にWOですが、タイヤ外径mm x タイヤ幅mmリム外径規格で表記されます。最もポピュラーなロードバイクでは700 x 23cといった具合です。
最後は米国規格です。HE(フックドエッジ)という規格で、タイヤ外径inchi x タイヤ幅inchi(小数点表記)と表記されます。主にマウンテンバイクに採用されている規格で、26 x 1.5というように表記されます。

インチの数字が一つ違うと、その違いはどのくらい?②

同じインチを採用している英国規格と米国規格で犯しがちな間違いを見てみましょう。
英国規格:26 x 1-1/2
米国規格:26 x 1.5
この2つは同じサイズを指しているように見えますよね。ところが、英国規格ではタイヤ外形が622mmほどで、米国規格だとタイヤ外形は635mmほどになっています。どうしてそんなことになるのでしょうか。その理由はリムの規格が違うことにあります。
英国規格ではWOというリム形状を採用する一方、米国規格ではHEというリム形状を採用します。同じタイヤ外径26インチタイヤ幅1.5インチの規格であっても、リム径が違うために実際のタイヤ外径の差が発生するわけです。
それでは同じ26インチ用のタイヤを購入したとしても、英国規格のタイヤは米国規格のリムに使用できないことになるのでしょうか。まさにその通りです。このようなややこしさに困ったのは、決して少数の人に留まりませんでした。そこでその問題を解決すべく、統一規格を策定しようということになりました。それがETRTOといいます。

インチの数字が一つ違うと、その違いはどのくらい?③

それでは先に見てきたそれぞれの規格とETRTOを交えて見ていきましょう。
ETRTOはタイヤ幅mm x リム(ビード)径mmで表記されます。例えば、29er(ツーナイナー)と呼ばれるマウンテンバイクに使用されるタイヤのうちHEで28 x 1.6は、ETRTOだと42-622となります。これは仏規格の700 x 42cとも同じETRTOです。つまり英国・仏国・米国規格のどれであっても、ETRTO表記が同一のものであれば、タイヤ幅とリム径が同じであるため共通のタイヤが利用できる事になります。ただし、WOとHEはビードワイヤーの引っ掛け方が少々異なる規格であるため、確実にETRTOさえ同じなら使用可能であるとは言えませんから注意が必要です。前述した仏国規格の700 x 42cとマウンテンバイクの29erに使用される28 x 1.6などは実際に互換するなどとされ、実際に使用されている例も多く見かけますが、各メーカーの対応はまちまちです。ETRTOが同じであってもWOとHEは互換しないとするメーカーもあるため、実際に使用するときはメーカーに問い合わせるのが確実でしょう。

インチの数字が一つ違うと、その違いはどのくらい?④

ここまで見てきた中で、如何にインチが大雑把で「大体どのくらいか」を指しているのかがご理解頂けたと思います。実際のところ、26インチサイズのバリエーションの幅をETRTOで見ていくと、リム径は560mmから600mmほどまであります。同じ26インチの中に40mmも幅が持たされているわけで、インチ換算してみれば1.57インチほども差があることになります。同じ26インチと呼ぶには少々抵抗がありますよね。
そういうわけで、タイヤの大きさを考えるとき、「大体このくらいの大きさ」という意味ではインチを使うのも良いでしょうが、実際のサイズを考えるときはETRTOを見るようにすると確実です。有名なメーカーのタイヤでは多くの場合57 – 559 / 26 x 2.25、23 – 622 / 700 x 23cといった形でETRTOが併記されています。サイズはETRTOを確認して、タイヤ幅あるいはリム規格の表記で実際のリム規格を確認すると間違いが無いでしょう。57 – 559 / 26 x 2.25ならETRTOは見たまま57 – 559、リムの規格は小数点で表記されているからHEである、といった具合です。

結局インチは大きい方がいい?

一時期、マウンテンバイクでは圧倒的主力であった26インチより走破性に優れるとして、29インチサイズのタイヤが持て囃されたことがありました。実際にタイヤが大きいことは思う以上に走破性が高く、悪路走行やギャップ超えに極めて有利です。また、大径であるがゆえにスピードが上がるほど慣性による運動エネルギーを得やすくなるため、小径に比べて高速巡航がしやすくなります。しかし良い事ずくめなわけではありません。タイヤが大きくなることで、当然のことながらそれを収納するフレームも大きくならざるを得ません。29erはそのタイヤサイズを収納するために適合身長のボトムラインが随分高くなってしまったモデルが多いのです。160cm台の身長で29erに乗ろうとすると、身長の割に随分股下が高い方以外は脚付き時に股間をフレームに打ち付けてしまうことになるでしょう。そういうわけで、29erは適合身長が170cm以上と小柄な日本人には少々縁が遠い設計となってしまっています。もちろん、小柄な人にだけデメリットがあるということではなく、大径タイヤは漕ぎ出しが重くなるのは当然ですし、取り回しも大味になるため旋回性能も劣ります。
結局のところ、目的によって大径化のメリットがデメリットを上回る場合には選択肢として有効ですが、何事にも程の良いラインというものがあります。26インチから27インチが最も中庸であり、29インチなどは特定の目的に特化したものと考えるのが良いでしょう。

タイヤ経とタイヤ幅の特徴を掴んでおこう!

かなりややこしい話となってしまいましたが、ここではまとめとして2つのポイントをおさえておいてください。
ひとつは、タイヤのサイズを間違えずに選ぶために、ETRTOを確認することと、忘れずにタイヤの規格も合わせて確認することです。
もうひとつは、タイヤの大きさには理由があり、目的に応じたものを選ぶように心がけるべきだということです。大雑把には、小さいほど漕ぎ出しが軽く取り回しが良い、大きいほど高速領域が楽で走破性が高い、と覚えておくと良いでしょう。