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ロードバイクのクランクを取り付けるときの注意点

      2017/01/23

ロードバイクのクランクを取り付けるときの注意点

ロードバイクのクランクは、サイクリストのほぼ全体重を支えています。
その取り付け方が不十分だと、非常に危ないだけでなく、大切な愛車を壊してしまうこともあります。
取り付けの手順については、この文章よりも映像で見た方が分かりやすいでしょう。

ですから今回は、シマノのホロ―テックⅡクランク、スラムのロードバイククランクを中心に、メンテナンス初心者が陥りがちな取り付けの際の注意点についてみてみましょう。

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ロードバイクのクランクをしっかり取り付けよう

ロードバイクにクランクがちゃんと取り付けられていないと、どんなことが起こるのでしょうか。

写真でお伝えできないのが残念ですが、とあるヨーロッパチームの選手のシマノ・クランクが走行中に、完全に外れてしまった写真があります。
ビンディングシューズに、クランクとペダルをプランプランしながら困っているという写真を見たことがあります。

おそらく、締め付けボルトのトルクが足りず、拍子で外れてしまったのでしょう。
そんな状態で、その選手はどのように自転車から降りたのか不思議なところです。

もし、ビンディングシューズでなければ、クランクはそのまま後ろに吹っ飛んでしまうでしょう。
他にも、きちんとクランクを取り付けていないと、フレームを傷めてしまい、フレーム廃棄ということになりかねません。

クランクがグラグラする状態で、そのまま走ったりダンシングすると、BB周辺に大きな負荷をかけます。
場合によっては、フレームやBBが割れたり歪んだりしてしまいます。

そんな悲しい事態にならないように、しっかり取り付けのマニュアルなどを熟読しましょう。
締め付けボルトのトルクなども、ちゃんと確認してみましょう。

ロードバイク、シマノクランクの取り付け

先ほどご紹介したロードバイクの写真に写っていたクランクは、明らかにシマノのFC9000でした。

FC9000に代表されるホロ―テックⅡクランクの取り付けについてお話ししましょう。

シマノのクランクは、すべて分解すると

・右クランク
・左クランク
・大小のチェーンリング
・取り付けボルト2つ
・締め付けボルト1つ
・脱落防止用のプレート

があります。

取り付けボルトと脱落防止用のプレートは、普段外すことはないでしょう。

シマノのクランクで一番注意したいのは、右クランクを入れて、そこから左クランクを装着するときです。
左クランクを装着した後は、最初に脱落防止用のプレートをクランク軸の穴に通し、その後締め付けボルトを装着しましょう。

BBがBB86の場合は、すんなりとプレートが穴に通ります。
しかし、BSAやトレックのBB90の場合では、BB86よりも幅が大きいため、すんなりと通ってくれません。

先に締め付けボルトをある程度締めてから、プレートを落としましょう。
次に取り付けボルトです。

取り付けボルトの指定トルクは14N・mとなっていますが、一気に14Nまでもっていかないようにしましょう。
左右少しずつトルクをかけ、最終的にどちらも14Nになるようにしましょう。

片方を14Nにしても、もう片方を14N・mまで締め上げると、最初に締めた方のボルトのトルクは、かなり下がってしまいます。

スラムのロードバイククランクの取り付け

スラムのロードバイクのクランクには、BB30、GXPという規格があります。

最近のパワーメーターを後付けできるタイプのものには、BB386にも取り付けられるタイプのBB30・クランク軸延長版のような規格もあります。
基本的には、BB30クランクにシムを足していく形だと認識してください。

BB30とGXPの大きな違いは、クランク軸の太さです。
BB30は30㎜、GXPは右24㎜左22㎜という規格になっています。

取り付け方は、それぞれ少しずつ異なるので、マニュアルを熟読してみましょう。

BB30の取り付け注意点です。
Redの場合は、プレロード調整器で最後のガタをとることです。
他のグレードならば、スペーサーを忘れずに入れることです。

他にも、全グレードに共通しますが、最後の締め付けボルトの指定トルクが48N・mから54N・mとなっており、かなり強力に締め付けなければいけません。

トルクレンチにしても、一般的な小さいトルクレンチでは、そこまでのトルクはカバーしていません。
大きなトルクレンチを購入するか、またはお店でやってもらうかという選択になります。

ちなみに私は、普通の六角レンチに延長用のパイプを継ぎ足して、力任せに締めました。
おすすめできない方法ですが、最終手段としては使えます。

GXPの場合は、スペーサーでの調節はほとんど不要です。
ですが、最後の締め付けボルトの取り付けに難儀してしまいます。
BB30クランクと同じです。

このように、スラムのクランクはシマノと比べると、あまりユーザーフレンドリーではない部分が多いと感じます。

また、RedとForceで微妙にクランク軸の長さが異なったり、同じRedの中でもちょっとずつ規格が違ったりするので、自分の取り付けたいフレームのBB規格とにらめっこが必要です。

この部分も、ユーザーを無駄に混乱させていると思います。

しかし、BB30のRedクランクで公称550gというのは、群を抜いた軽さで魅力的です。
この軽さを下回ることができるクランクは、FSAのK-forceか、THMのカーボンクランクぐらいでしょう。

FSAにしてもTHMにしても、値段は目が飛び出るほど高いです。
現実的な軽量ロードを組もうとすると、スラムのクランクは真っ先に取り付けたいクランクではあります。

GXPのクランクは、24㎜軸で、BB86などにも取り付けられますが、BB30のクランクに比べると重いです。
2016年に発売された新型デュラエースのクランクとは、ほとんど重量面での差がなくなってしまい、敢えて選ぶ必要のないクランクになってしまったと感じます。

カンパのロードバイククランクの取り付け

カンパのクランクは取り付けの経験がないと、あまりに高価な純正工具を使わないと取り付けできないので、お店でやってもらった方が、安くて早くて安全です。

カンパのロードバイククランクの取り付けには、上記の問題以外にも無視できない難関があります。

まずは、日本語での解説がほとんどないということです。
シマノは、ディーラーズマニュアルというお店の人が読むようなマニュアルをネット上に公開しており、メンテナンスや調整の基本が、しっかりと書かれています。

しかしカンパは、そこまでしているメーカーではありません。
日本語の詳しいマニュアルは存在せず、英語で探すのも一苦労です。

次の難関としては、対応するBBがカンパの純正しか、ほぼ選択肢がないということです。
シマノやスラムは、サードパーティーが沢山BBを制作していて、純正のBBを用いなくても、いろいろなBBを試すことができます。

しかし、カンパはそうはいきません。
純正BBが調子が悪かったからといって、他のメーカーのBBを試すこともままならないのです。

そして最後に、メンテナンス頻度がシマノやスラムに比べると、高くなってしまうということです。

カンパのBBは耐水性が弱く、グリスも専用品の粘度の低いものを使わなければならないようです。
そのため、5000㎞に1回は、絶対にメンテナンスをしなければいけないと言われています。

しかも、そのメンテナンスをするにも、BBをクランクから外すにも、高価な純正工具が必要です。

カンパはクランクだけでなく、他の部品においても、部品自体が高価・保守費も高価・メンテナンス頻度も高いという面を持っています。

カンパでロードを組む場合には、半端ではないカンパ愛が必要となります。

結局どのロードバイククランクが一番扱いやすいのか

結論を先にしてしまうと、シマノが圧倒的に楽です。
しかし、シマノクランクのデザインが許せないという層も一定数いるはずなのです。

とくに4本アームになってからのシマノクランクは、デザインに対して賛否両論があります。
シマノクランクを取り付けしたくない場合には、シマノクランクとほぼ同じ構造を持つクランクを試してみることをおすすめします。

例えば、フルクラムやLiteproのクランクは、シマノとほとんど同じ取り付け手順です。
FSAのクランクは、シムのことなどを考えなければいけないので、スラムと同じですこし面倒です。

ロードバイクのクランクには、シマノ・スラム・カンパ・FSA以外にも面白いクランクがあるので、いろいろ探してみることをおすすめします。

まとめ:クランク取り付けは奥が深い

シマノのクランクを選ぶと楽ができるという結論でしたが、シマノにしても、ボルトを力任せに締めて良いわけではないのです。
ましてや、スラムやカンパのクランクはもっと繊細です。

適度な力加減が、ガタがない、そしてスムーズに回るクランクを維持するために必要です。
シマノ以外のクランクは、自分でやろうとするよりも、信頼できるロードバイクの専門店にお任せしてしまうほうが、安全だと思います。

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