ピナレロのドグマF10は、超高性能なフラッグシップロードバイクとして知られています。
当然、価格もそれに見合うほどに高額です。
しかし、他社のフラッグシップロードバイクと比較して、どれほど値段が高いのでしょうか。
今回の記事ではそれを調べ、ドグマF10とどういった点で異なり、どちらのロードバイクがおすすめであるのかを記します。
ピナレロの技術の粋を結集したピナレロドグマF10!
ピナレロのドグマF10は、ピナレロ社のフラッグシップロードバイクです。
ドグマF10は、フラッグシップに相応しく、軽量オールラウンドロードバイクでありながら、エアロロードバイクとしての性能を持ち合わせる、正にスーパーロードバイクです。
使用するカーボン繊維は、東レ社の「T1100G」という最上級のカーボン繊維です。
フレームの形状は、ピナレロ独自のアシンメトリックデザインであり、それによってペダルからの入力が最適化され推進力に変換されます。
また、各チューブの形状をエアロダイナミクス化させることにより、先代のドグマF8よりも20%以上もエアロダイナミクスが向上しています。
このように、ピナレロのドグマF10は、数々の技術を惜しみなく投入し、正しくメーカーの威信をかけたフラッグシップロードバイクです。
そして、価格はそれに見合う価格であり、かなり高額です。
そのドグマF10の価格は、フレームセットで680,000円です。
このドグマF10のフレームセットの価格を、他社のフラッグシップロードバイクのフレームセットの価格と比較していきます。
ピナレロのドグマF10の半額以下!TCR ADVANCED SL
では、最初にピナレロのドグマF10と、ジャイアントのTCR ADVANCED SLの価格を比較します。
ジャイアントのTCR ADVANCED SLは、ジャイアントの軽量オールラウンドバイクです。
ヘッドチューブには、上側に1-1/4インチ径、下側に1-1/2インチ径の異なるヘッドセットベアリングを使用するOVERDRIVE2を採用し、テーパー形状のステアリングコラムと合わさり、ステアリング性能を向上させています。
シートポストは、フレームと一体化しているインテグラルシートポストです。
それにより、シートチューブ周りの剛性が最適化され、同時に軽量性に貢献しています。
価格は、フレームセットで300,000円です。
ピナレロのドグマF10と比較すると半額以下の価格設定です。
この価格差は、ドグマF10が高価すぎるというよりは、ジャイアントのTCR ADVANCED SLが非常に低価格であることの表れでしょう。
ブランド力という面では、ピナレロに劣るかもしれませんが、このロープライスで、フラッグシップロードバイクを手に入れられるのは大変魅力的です。
価格はピナレロのドグマF10を下回るがエアロ性能は抜群!SYSTEMSIX HI-MOD
続いては、ピナレロのドグマF10と、キャノンデールの最新フラッグシップロードバイク、SYSTEMSIX HI-MODの価格を比較します。
このSYSTEMSIX HI-MODは、ディスクブレーキに最適化されたエアロダイナミクスデザインで設計されています。
ハンドルやホイールは、フレームと共に設計された「KNØT(ノット)」シリーズが用意されており、これらにより、さらに高度なエアロダイナミクスを実現しています。
登板性能でもそのエアロ効果が発揮され、計算上では6%までの登りであれば、軽量オールラウンドモデルのSUPERSIX EVOよりも、SYSTEMSIX HI-MODが速いとされています。
価格は、フレームセットで460,000円です。
ピナレロのドグマF10の680,000円と比較すると、220,000円も安い価格です。
伝統的な設計のドグマF10に比べ、SYSTEMSIX HI-MODは先進的な設計であり、なおかつ200,000円も安いと考えますと、SYSTEMSIX HI-MODは非常に魅力的に思えます。
エアロロードバイクの見た目が好きな方や、エアロ効果を最優先に考えているのであれば、ドグマF10よりも220,000円も安く手に入るSYSTEMSIX HI-MODをおすすめします。
IsoSpeedにより快適性を実現したエアロロードバイク!マドン9
今度は、ピナレロのドグマF10と、トレックのマドン9のフレームセットの価格を比較します。
マドン9は、トレックのエアロロードバイクです。
トレックのマドン9には、トレック独自の振動吸収技術である、IsoSpeedが搭載されています。
これは、シートチューブを、トップチューブとシートステーから独立させることで、剛性を犠牲にせずに、縦方向への柔軟性を高めた技術です。
さらに、IsoSpeedは、その柔軟性を自分の好みや路面の状況に応じて変更ができます。
使用されるカーボン素材は、トレックが特許を取得したOCLVカーボンです。
その高品質のOCLVカーボンは、カーボン層のすき間(空隙)の基準が、航空宇宙産業の基準さえ満たしているとされています。
そのトレックのマドン9のフレームセットでの販売価格は、453,704円です。
ドグマF10よりも約230,000円、マドン9が安価です。
ドグマF10にはない、ギミック要素を求める方にはマドン9がおすすめです。
また、ドグマF10を含め、高剛性に偏りがちなフラッグシップロードバイクにおいて、IsoSpeedによって柔軟性を確保できるマドン9は、乗り心地がよく、なおかつ速いロードバイクを探している方にぴったりです。
ピナレロVSデ・ローザ!イタリアスーパーバイク対決!?
この章では、ピナレロと同じイタリアのロードバイクメーカーである、デ・ローザのプロトスとピナレロのドグマF10のフレームセットの価格を比較します。
プロトスは、直線的なチューブのデザインで作られた、シンプルで無駄が一切ないロードバイクです。
プロトスは、4種類のカーボン素材を適切に組み合わせて作られており、それにより前モデルに対して剛性は向上させつつ、20%の軽量化に成功しています。
しかし、剛性が向上しても適度な弾性があるため、足にやさしく、なおかつ気持ちよく加速します。
これも、ロードバイクの設計を知り尽くし、膨大なノウハウを持つ老舗メーカーだからこそ可能だったと言えます。
価格は、フレームセットで695,000円です。
ピナレロのドグマF10の価格を15,000円上回りましたが、この価格帯では、価格差はほぼ無いと言えます。
ブランド力は、両者老舗の有名ロードバイクメーカーであり、数々のスター選手が両者のロードバイクを駆ったことからも、どちらのメーカーも高いと言えます。
デザインの面で見れば、曲線的なデザインを好む方はドグマF10に惹かれ、反対に、直線的なデザインを好む方はプロトスに魅力を感じるでしょう。
無骨なデザインは高剛性の表れ!Teammachine SLR01と価格比較!
最後は、BMCのTeammachine SLR01と価格の比較を行います。
Teammachine SLR01は、BMCのオールラウンドロードバイクです。
先代より、チューブ形状とカーボン積層を改善したことにより、BB周りの剛性が強化され、より加速性に磨きがかかりました。
また、カーボンの特性を生かして作られたリア三角は、振動吸収性とパワー伝達率の向上に大いに貢献しています。
ハンドル回りは、専用設計のパーツを用いることにより、すっきりとした外観です。
リアディレイラーのハンガーは、ダイレクトマウント向けに改良されています。
Teammachine SLR01の価格は、フレームセットで500,000円です。
ピナレロのドグマF10よりも、無骨なデザインを好む方には、Teammachine SLR01が魅力的に映るでしょう。
しかし、オールランドバイクとしての性能と、エアロロードバイク並みのエアロ効果の両立を求めるのであれば、ドグマF10に軍配があがりますので、そちらをおすすめします。
ピナレロドグマF10はやっぱり高い!でも「高くても680,000円」
フラッグシップモデルの価格を見ると、ピナレロのドグマF10は、一般的なフラッグシップモデルより20万円以上高いことがうかがえます。
やはり、ピナレロのドグマF10は、同クラス内で比較しても高価でした。
しかし、世界最高の逸品を680,000円で買えると考えれば、悪い選択ではないかもしれません。