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FSAのクランクのグレードをまとめる!シマノとも比較!

2019.10.12

皆さんは「FSA」というパーツメーカーをご存じでしょうか?

ロードバイクでは完成車に付属してくることも珍しくありませんし、アメリカの「キャノンデール」では積極的に採用していますので、ユーザーの方はなじみが深いかと思います。

コンポ一式で導入されることが無いので、グレードやデザインなど何かと比較されて評価されることもありますが、実際にはどんな使用感になるのか気になるところです。

そこで今回は、FSAのクランクを総合的に検証してみましょう。

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FSAとはどんなメーカー?

FSAは台湾で発足した、自転車総合パーツメーカーです。

現在はイタリアとアメリカに販売拠点を置き、イタリアでは開発も行っており、創業の地である台湾では製造のみを行っているようですが、台湾ブランドのイメージがまだ強いですね。

台湾にはスポーツバイクの販売台数世界一とも言われる「ジャイアント」や、ロードバイクがすさまじい勢いで成長を遂げている「メリダ」などの世界的メーカーがあります。

そして、欧米の多くのメーカーが自社工場を構えて生産を行っており、まさに自転車大国という言葉がぴったりの国です。

その中でFSAはBB(ボトムブラケット)やヘッドパーツのベアリング生産工場からスタートしており、特にヘッドパーツは最高グレードの完成車に採用されているほど精度が高いです。

また、コンポに分類されるパーツは全て製造を行っており、グレードさえ確立できればいつ一式導入されてもおかしくない状況にあります。

そして、FSAの大きな特徴でもあり、ウィークポイントと認識されてもいますが、安価なパーツを製造することに長けているため、グレードの高くない完成車に採用されることが多くなります。

特にコンポでも単価の高いクランクは、コンポメーカー以外のもので代用してコストカットを図るのですが、そこに採用されるのがFSA製というわけです。

FSAのロードバイク用クランクのグレード

FSAのロードバイク用クランクは、グレード上位から順に下記のようなラインナップになります。

●POWERBOX
●K-FORCE
●SL-K
●ENERGY
●GOSSAMER
●OMEGA
●TEMPO
●VERO

この中で完成車に採用されるのは、GOSSAMER(ゴッサマー)より下のグレードが中心になります。

前項でも触れましたが、コストカットを図りたいフレームメーカーと折り合いが付くのがGOSSAMER辺りまでで、そこから上のグレードになると、シマノやカンパニョーロと遜色のない金額になってきます。

特にK-FORCEやSL-Kはシマノやカンパニョーロを出し抜いたとさえ言われた、カーボン製のアームを使用しており、シマノの最高グレード「デュラエース」よりも高額になります。

そして、新たにラインアップに加わったPOWERBOXはパワーメーター付きのクランクですから、他のメーカーの物でも滅多に完成車には装備されないモデルです。

ロードバイクにおけるコンポ事情とFSAとの関係

話が若干前後しますが、ロードバイクの完成車にはコンポという概念があり、同じメーカー製の複数のパーツがセットとして一式導入されます。

その一式導入されるコンポを製造するメーカーは、日本の「シマノ」、イタリアの「カンパニョーロ」、アメリカの「SRAM(スラム)」の3社であり、この3社のみが正式なコンポメーカーとされています。

そして、コンポメーカーの中でも、世界の8割の完成車に採用されていると言われているのがシマノですので、ロードバイク乗りの方はデュラエースやアルテグラといったグレード名を知っているのではないかと思います。

その他のメーカーで、コンポ関係のパーツを製造しているところはひとくくりで「サードパーティ」などと呼ばれ、その代表格がFSAです。

そういった関係から、シマノのコンポをメインとしているところにFSAのクランクが導入されていることが多いので、次項では前項でご紹介したFSAのクランクを、シマノのコンポのグレードに照らし合わせてみます。

FSAのクランクのグレードをシマノに照らし合わせる

シマノのロードバイク用コンポ最高グレードは「デュラエース」といって、プロのロードレーサーの使用率が極めて高いコンポです。

価格も他とは一線を画しているところから見て、FSAのクランクではK-FORCEとSL-Kがそれに当たり、デュラエースにはパワーメーター付きのクランクもありますので、POWERBOXもデュラエース級と言えます。

シマノのセカンドグレードは「アルテグラ」といって、30万円~50万円の完成車のメインコンポになっていることが多いです。

このグレードに当てはまるFSAのクランクは、価格だけで判断すればENERGYです。

そして、ここからがよく比較される部分で、特にシマノのサードグレードコンポ「105」がメインの完成車に、FSAのGOSSAMERが採用されることが多くなります。

ただし、両クランクの使用感を比較すると、105の方がグレードが高いと認識している方が多く、あくまでもイメージですが105のコストカット用にGOSSAMERが採用されているという考えが一般的です。

GOSSAMERよりも下位のグレードになると、シマノとは変速段数が違うためすり合わせにくいのですが、OMEGAがシマノのティアグラ、TEMPOとVEROがソラに近いグレードというイメージです。

FSAのクランクの変速性能の評価

ここまでお伝えしている通り、FSAのクランクは中位から下位グレードが完成車に採用されています。

そのため、サードパーティの宿命とも言えるのですが、厳しい評価が多いのも事実です。

中でも変速のスムーズさや正確さでは一歩劣るという評価になっています。

シマノではデュラエースやアルテグラになるとほぼ音がせず、スムーズにチェーンがギアに収まります。

例えば、105は筆者が長いこと使用してきましたが、「カチャッ」という変速音はするものの、振動などは少なくストレスを感じることは皆無でした。

しかし、GOSSAMERに関しては、ストレスを感じるほどではないにせよ、変速時に振動がありますのでロスは否めません。

105に比べると変速がワンテンポ遅れるというイメージと言えば、分かりやすいかもしれません。

FSAのクランクの使用感や評価が主にGOSSAMERに集中しているため、FSAのイメージとして同じような感覚を持つ方も多いですが、上位グレードであればまた違う評価であることは付け加えておきます。

グレードとは関係なくFSAのクランクの評価に関わる問題があった?

FSAのクランクは上位グレードが流通量からして評価の対象になりづらいことが、全体の評価を微妙にしているということなのですが、もう1つ大きな要因となっているのが「BB30」の問題です。

BB30はクランクとフレームを繋ぐBB(ボトムブラケット)の規格の1つで、キャノンデールがシマノに対抗して開発したBBです。

従来よりもクランクの軸を太くして剛性を高め、ベアリングをフレームに直接圧入することで、フレームメーカーの負担を減らすという、開発当時としては画期的な規格でした。

画期的かつ合理的であったため、爆発的に広まりを見せ、これに大いに賛同して拡充の手助けをしたのがFSAと言われています。

今でもキャノンデールとは親密な関係が続いていますので、BB30に関しても相当のサポートをしたと見られています。

しかし、BB30は使用している内に異音が発生するという欠点があったため、急速にイメージを落とし、やがて下火になっていきます。

1度付いてしまった悪評は拭い去るのが難しいと言われますが、BB30はいまだにBB業界の黒歴史のような扱いをされており、積極的に関わったFSAもそのあおりを受けています。

ただし、現在のBB30は改良を加えられ、2016年にキャノンデールが数百台のロードバイクを対象に行った実験では、1台も異音の発生は無かったと報告されています。

しかも、FSAは独自にBB30を改良した「BB386EVO」を開発しており、今では世界のスタンダートも言える規格にまでなっています。

そのため、かつてのBB30と現在のFSAのクランクは、切り離して考えるべきと言えるでしょう。

グレード下位のクランクの評価だけでFSAを判断してはいけない!

FSAのクランクにはかなりグレードの高い物もあるのですが、完成車に付属してくるのが中位~下位グレードになるため、そこの評価が定着しています。

また、流通量の関係で上位グレードで評価を巻き返すことが難しいので、全体の評価が上がってこないという現状です。

しかし、クランクとして著しく欠如している部分があるわけではないですし、FSAのもの作りのレベルの高さは歴史が証明しています。

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