こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
「クロスバイクとロードバイクって、どのくらいスピードが違うの?」
クロスバイクをしばらく乗っていると疑問に思いますよね。
あるいは、どちらを買おうか悩んでいる方も、少なからずいらっしゃるでしょう。
今回は、その辺のお話をしていこうと思います。
クロスバイクとロードバイクのスピード差①
ロードバイクの方がスピードが速いということは、恐らく、みなさん何となくイメージできるかもしれません。
問題は、「どのくらい速いの?」ということじゃないでしょうか。
ひと口に時速何kmというのも難しいですが。
簡単なイメージとしては、長距離を漕ぐときに疲れやすいかどうかという問題になります。
僕の場合、「よし、今日はいっぱい乗るぞ!」と思ったとき、
・ロードバイク→250kmくらい
・クロスバイク→150kmくらい
の差はあります。
あくまでざっくりのイメージですが、まあ疲れるので、そんなにしょっちゅう、いっぱい乗りませんが。
さらに言えば、
・山岳がある場合→ロードバイクで行こう
・向かい風のある海辺の場合→ロードバイクで行こう
・市街地でお茶したい場合→クロスバイクで行こう
というイメージです。
分かりやすいようで分かりにくいですね。
クロスバイクとロードバイクのスピード差②
どうしてそういう使い分けになるのか、という理由を考えていくと分かりやすいかもしれません。
まず、長距離でロードバイクが有利な理由から考えてみましょう。
3パターンのハンドルの握り方ができるということです。
ぐにゃっと曲がったようなハンドル、ドロップハンドルと言うのですが。
下側を持つドロップポジション、レバーの上を持つブラケットポジション、手前の真っ直ぐなところを握るポジションという握り方が可能です。
自動車の運転で考えると、分かりやすいかもしれません。
ハンドルを握る場所が1ヶ所で固定されていると、すごく肩が凝りますよね。
ロードバイクのハンドルの握る位置を変えると、自動車のハンドルと違い、前傾の角度など体全身の使う筋肉が変わります。
また、向かい風の場合は前傾を強くして、できるだけ受ける風を減らしたいですので、ロードバイクが有利ですね。
とにかく長く乗れる。
スピードを出しても疲れにくい。
これがロードバイクのメリットその1です。
クロスバイクとロードバイクのスピード差③
「じゃあ、クロスバイクでも、無理やりドロップハンドルに換えればスピード出せるの?」
クロスバイクは元々、真っ直ぐなハンドル用にフレームのサイズを作っていますから、現実的には難しいです。
ドロップハンドルの場合、真っ直ぐハンドルよりも握る位置が遠くなってしまいますね。
真っ直ぐハンドル用のフレームサイズに、無理にドロップハンドルを付けると、遠くて腰やら何やら痛くなります。
「じゃあ、クロスバイク、真っ直ぐハンドルにはメリットはないの?」
まず、初心者の方に優しいですよね。
初めてでも、割と抵抗なく乗れますよね。
でも、初心者じゃない僕も、真っ直ぐハンドルも乗ります。
真っ直ぐハンドルのメリットは、市街地でのストップアンドゴーに強いということです。
安定感があるんですね。
マウンテンバイクも真っ直ぐハンドルを使っているのを考えると、分かりやすいですね。
真っ直ぐハンドルなら、デコボコの山道でも安定して走りやすいのです。
ストップアンドゴーが多い場合、二輪の乗り物は最初の加速時に、どうしてもふらつきやすいです。
安定感のある真っ直ぐハンドルは、この点で楽です。
また、ドロップハンドル=値段が高いというイメージがありますよね。
盗難的な意味では、真っ直ぐハンドルが有利です。
街で珈琲でも飲みに行こうかなというときには、自転車を駐輪しないといけませんよね。
そういう使い方をするなら、クロスバイクは便利です。
クロスバイクとロードバイクのスピード差④
坂道でロードバイクが有利な理由は、車体の軽さですね。
坂道を登るときには、重力の影響で後ろに引っ張られる力が掛かります。
当然、質量が重い物体の方が、重力を受けるのも大きいです。
そのため、坂を登るときには、軽いロードバイクの方が速いです。
しかし、まだ脚力がない初心者の方の場合、ロードバイクのギアは大きくて、重たいと感じる方もいるかもしれません。
ロードバイクは元々がレース用で作られているので、最初に付いているギアだと一番軽くしても、それなりの重いギアになっています。
ですが、あとからでもギアが換えれますので、さほど気にしなくても良い問題かもしれません。
「どうしてクロスバイクは軽く作らないの?」という疑問もあるでしょう。
軽く作ると、当然ですが強度は弱くなります。
クロスバイクの場合、街中で使います。
買い物の途中、隣の重たいママチャリが倒れてくる可能性もあります。
街中には、いろいろな可能性が潜んでいます。
クロスバイクには頑丈さも、いくらか求められます。
それに対し、ロードバイクは頑丈さよりも、軽さやスピードを求めて造られています。
近年、ロードバイクが広まりつつあり、初心者でも安心して乗れるという車体も増えつつあります。
しかし、やはり元々のコンセプトは、ロードバイクは走行性能を求めて造られています。
例えば、ママチャリのようにスタンドを付けるということは、メーカー側は基本的には考えていません。
クロスバイクとロードバイクのスピード差⑤
ロードバイクとクロスバイクでは、使っている部品の値段の差もあります。
もちろん、クロスバイクでも良い部品を使えば、ある程度まではスピードが出ます。
例えば、ロードバイクと同じホイール・タイヤを使えば、それなりに速くなります。
それでも、やはりここまでに書いてきた元々のフレームの造りの違いは、どうしても越えることができません。
はてさて、そういうコツコツとした積み重ねで、どのくらい速度の違いが出るのか。
ロードバイクでは1年も乗っていれば、体力などの差はありますが、時速30kmくらいは簡単に出し続けられる人が多いです。
対するクロスバイクは時速25kmくらいじゃないでしょうか。
(あくまで目安です)
「オレはクロスバイクで時速60km出したよ」
という人は、素敵なことなので、それはそれで良いと思います。
最高速度に関しては、頑張り次第である程度までは、クロスバイクでも、それなりに出ます。
ただ、メーカーが元々想定している速度域というものがあります。
クロスバイクは時速40kmで走り続けるというのは、あまり考えていない場合が多いです。
対するロードバイクでは、時速40kmで走り続けられない車体は問題外です。
下りは時速100km近い速度が出ることまで想定して造っています。
高速域での安定感が違います。
別にスピードは求めていない!?
「いや、自分は速く走りたいっていうのはあまりないんだ。のんびり遠くまで行きたいだけだからクロスバイクでも良いかな」
という人も多いですよね。
どちらに乗るかは個人の自由です。
どちらが向いているかというのも、厳密に言うと、その人次第でもあります。
ただ、力の伝達効率の問題を考えると、比較しやすいかもしれません。
自転車の場合、速く走れる=力の伝達効率が良いということです。
エンジンを大きくできませんからね。
ロードバイクとクロスバイクで比較すると、そこが違うんですね。
それでも、やはりその人によって、スタイルというものもあるでしょう。
長距離の自転車旅行の場合、ロードバイクを使う人は少ないです。
頑丈さを優先して車体を選びます。
なので、遠くまで走る=ロードバイクが良いとは、一概に言えません。
それでも、アフリカ大陸縦断世界最速を目指すような人は、ロードバイクに近い車体を使っているようです。
やはり、スピードを求めれば、ロードバイクが強いのでしょうか。
本当に、使う人によりけりです。
それでも、先進国・日本の中で、趣味として自転車で日帰りの遠乗りしようという場合は、ロードバイクが有利なことが多いでしょう。
自転車屋さんもたくさんありますし、携帯電話はほぼどこでも通じますし、路面も綺麗なところがほとんどですからね。
軽くて、力の伝達効率の良いロードバイクの方が、楽な場合が多いです。
まとめ「速く遠くまで走るための乗り物」
ロードバイクの方がスピードが何km速いとか、クロスバイクの方がどれだけ頑丈とか、そういう具体的な数字での説明は難しいです。
それでも、ロードバイクは元々が100km以上の道のりをレースするためにできた乗り物です。
1日で遠く速く行きたいという意味では、ロードバイクが一番適した乗り物です。
「元々はレースのための乗り物である」ということで発生するメリット・デメリットを理解して選ぶと、失敗が少ないと思います。