こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
今回は、ジャイアントのクロスバイクの型落ちのお話をしていきましょう。
「型落ちって何さ?」
と答えますと、旧モデルですね。
自転車って、なぜか毎年モデルチェンジします。(だいたい色が変わるだけなんですが)
型落ちの自転車は安く売られていたりと、お得なことが多いですが、注意点もあるのです。
ジャイアント以外は型落ちしないの?
さて、型落ち。
色が変わっているだけで、性能が変わっていないのに型落ちという扱いを受けて、残り物は処分品として値段が安くなるという、自転車の世界七不思議のひとつですね。
この不思議現象、一体何が原因なのかと言うと、明確に間違いないことは何とも言えませんが、ひとつに為替レートの変動などがあるようです。
ジャイアントに限らず、現行のスポーツ自転車大手メーカー・トレックにせよキャノンデール、デ・ローザ、ピナレロ、コルナゴ、スぺシャライズド、その他もろもろのメーカーは2016年モデルと言ったら、世界中で共通の製品を販売します。
ヨーロッパモデルとかアジアモデルとかはないです。
さて、この世界共通の製品たちですが、現在は、ほとんどが台湾。
安い価格帯のものは、中国本土で作られます。
ここから世界に向けて出荷されるわけですが、問題になるのがお値段。
仮にアメリカドルを基準にして、各国の通貨の価値を計っても、毎年変動していくのです。
小さい部品くらいなら、少々の差額は放置しても良いのですが、自転車本体って結構なお値段するじゃないですか。
それで、毎年価格を更新したいわけです。
しかしです。
何も変わってない自転車が突然に、「今日から値上がりでーす」「今日から値下がりでーす」となると、不満が出ますよね。
恐らく、この辺の問題を解決するために、毎年モデルチェンジという名の価格変更のためのカラーチェンジが行われているとか何とか。
まあ、七不思議ですので、真偽のほどは分かりませんが。
そんなわけで、ジャイアントに限らず型落ちの自転車っていうのは、毎年いくらか発生するのです。
ジャイアントのクロスバイクは日本在庫量も多い
しかし、型落ち値下がりと言えばジャイアントのクロスバイク、エスケープがイメージが強いです。
あくまでイメージの問題ですが。
安いというイメージのひとつの理由は、ジャイアントはかつて、販路拡大のために量販店でもどこでも「たくさん売ってさえくれれば、どこにでもクロスバイクを卸す」に近いことをした時期がありました。
もちろん、巨大な資本を背景にしている量販店は大量仕入れをして、大量値下げを行ったわけです。
それもひとつの要因となって、ジャイアント=安いというイメージが今でも残っています。
(イメージだけでなく、実際にリーズナブルな価格設定の車体もあるのは事実です)
型落ちするというイメージのもうひとつの理由は、実際に販売台数が多く、輸入量・日本国内在庫量も多いという理由があるようです。
円高の時期のクロスバイクの型落ち
さらに拍車をかけて型落ち=安いの感覚は、円高から円安に転じた、今の日本の景気が背景にあります。
型落ちのクロスバイクは値引きしなくても、去年の円高状態の価格設定なので、定価自体も安いのです。
通常の輸入物の商売の場合、定価が上がった場合は値引きせずに販売することも多いです。
しかし、自転車の場合は体積が大きいので、売ってしまわないと新商品を日本に入れることができないので、やはりいくらか値引きしてでも型落ち品を処分する傾向にあります。
そんなわけで、モデルチェンジの時期になると、型落ち品を探し求めて安売りハンターたちは自転車店をさまようわけです。
型落ちのクロスバイクのデメリット
色が変わっただけで値段が安くなっているというと、メリットばかりのように聞こえます。
しかし、型落ち品=残り少ない在庫から出ているということです。
つまり、サイズ、色が合った車体とは限らないということです。
クロスバイクの場合、ロードバイクほどシビアにサイズにこだわらなくても、ある程度は乗れてしまうのですが、やはり体格に合ったサイズの自転車が一番乗りやすいです。
色も気に入った色があれば良いですが、ついつい安いからという理由で、さほど気に入ってない色を購入して、後から少々後悔するということも。
また、型落ち品は店頭展示在庫の場合もありますので、お店によっては埃が積もっていたり、いろいろな人の指紋が付いていたりすることもあり得ます。
場合によっては、お客さんが触って倒したという可能性も、決してゼロとは言えません。
「店頭展示だから値引きしてよ」
と言っても、パソコンなどの電化製品と違い、走行性能に支障なく、目視できる傷がない場合は難しいです。
そもそも、店頭展示していたものかメーカー倉庫から今朝来たばかりのものかっていうのは、誰も判断ができません。
そういうのが気になるという人は、新品を在庫が豊富な時期に購入するのが一番間違いないですね。
また、量販店では時期に関係なく店頭展示をそのまま売るお店も多いので、傷などの確認は必ずさせてもらいましょう。
一度乗ってしまうと、元からある傷か、乗ってできた傷か証明できませんからね。
ジャイアントのクロスバイクに限らず
型落ちのデメリットは、ジャイアントのクロスバイクに限った話ではありません。
どこのメーカーでもある問題です。
どうしても自転車は体積が大きいですから、ストックしておく倉庫の大きさの問題や、配送コストなどが避けられない問題のようです。
また、外国の人の感覚としては、使っていれば、いずれコケて傷が付くものというのがあるらしく、メーカーから小売店に来た時点で、すでに傷が付いているものもあります。
これはメーカーや小売店によって違います。
在庫が豊富な時期の場合は、別の新品に交換してもらえることもありますが、型落ち品のようにメーカー在庫自体がない場合は、傷の分を値引きという形になることもあります。
もちろん、走行性能については問題ないものが多いですが、予期せぬ配送中のダメージなどの可能性も、ゼロではないです。
気になる方は、避けるのが無難でしょう。
そうは言っても型落ちプライスは魅力的
デメリットを挙げていきましたが、やはり型落ちで値下げされているクロスバイクは魅力的です。
特に通勤・通学など日々の足に使う予定で、「良いよ、どうせ傷なんか1週間も乗ればいくらか付くでしょ」という、外国人的スピリットを持っている人には、とても良いかもしれません。
ただ、メーカーも小売店も値下げする=自腹を切るということなので、型が落ちる前に頑張って売る努力をします。
早いところだと、モデルチェンジの3ヶ月前くらいから、キャンペーンをしたりすることもあるようです。
この時期であれば、メーカー在庫もいくらか残っている可能性もあるので、比較的少ないリスクで、なおかつキャンペーンでいくらかお得に購入することもできます。
ただ、注意点としては、モデルチェンジ前にメーカー在庫がなくなる車種もあります。
欲しいと思った車体は、型落ちやSALEを狙わず、早めに購入しておいた方が無難です。
クロスバイクの型落ちについてのまとめ
自転車の世界七不思議の型落ちのお話をしてきました。
そうは言えど、今日のお話はすべての自転車小売店やメーカーで共通の話とは限りません。
私が自転車に携わってきた中で知っているお話です。
いろいろな小売店やメーカーがありますから。
値引きや型落ちについては、それぞれのお店などで、それぞれの理由があります。
ただ、モデルチェンジの時期前後は、確かにSALEしやすいという傾向はあります。
モデルチェンジの時期はメーカーによっても違いますし、年によって前後もするので、明確な時期は何とも言えません。
それでも、購入予定があって自転車屋さんで相談するときに、それとなく「自転車ってモデルチェンジってするんですか?」と聞いてみて、なんとなくいつ頃か聞いてみるのも手です。
無理して、その時期に合わせるほどではないにせよ、元々の購入予定時期が合えば、お得に手に入れられる可能性もありますね。