最近の自動車は、オイル交換が必要になると、走行距離によって自動車本体からコールがあります。
ロードバイクのチェーンも、交換時期をコールしてもらえるようになると、非常に有り難いのですが、未だその機能を備えたロードバイクはありません。
ロードバイクにとって、チェーンが持つ重要性とメンテナンス方法をはじめ、交換時期はいつなのかを探っていきたいと思います。
ロードバイクのチェーンの役割
ロードバイクのチェーンの役割ってなんでしょうか?
必死になってペダルを漕いだ力を、タイヤに加えるためのものですね。
ロードバイクの場合、エンジンは自分そのものです。
自分の力を駆動に変換していくわけですから、少しでもロスが無いように伝えていきたいですよね。
まず、ペダルを漕ぐことで、クランクの付いているフロントチェーンホイールを回すことになります。
チェーンホイールにチェーンが巻き付いて動くことで、もう片方巻き付いているホイールのスプロケットを回すことができます。
ホイールが回ることで推進力が生まれ、ロードバイクが進むということですね。
このとき、チェーンがスムーズに動くのか、抵抗がたくさんあるのかで、推進力が全く違ってくるわけです。
せっかく生み出したエネルギーですから、無駄な抵抗に使われることなく動いてほしいものです。
この役割を十分に担ってもらうためにも、ロードバイクのチェーンの交換時期は大切になってくるわけですね。
ロードバイクのチェーンの重要性
ロードバイクのチェーンが、エネルギーを駆動力に変換するために、いかに重要かということです。
人間は、とても非力で、0.6馬力といわれています。
少ない力で、早く遠くへ進んでいくことが目的のロードバイクにとって、抵抗は少ないことに越したことはありません。
ロードバイクで、もっとも多い抵抗は空気抵抗で全体の約8割だそうで、フレームやホイールでその空気抵抗を軽減しようと、航空力学を用いた技術開発が盛んに行われています。
特にここ数年、空気抵抗軽減を目指すフレームが、各完成車メーカーのメイングレードとなっています。
ロードバイクの他の抵抗というのは、摩擦抵抗と転がり抵抗で、この摩擦抵抗の軽減に大きく影響を及ぼすのが、チェーンですね。
とにかく抵抗を少なくしてスムーズに動かすため、様々な工夫がチェーンには施されいるわけです。
当然、チェーンとマッチするチェーンホイール・スプロケットについても、形状・材質も工夫されています。
チェーン本体の材質や使われるチェーンオイルなど、航空機で使用されている高価なものも、ふんだんに使われています。
ただ、かなりの負荷がかかりますので、ストレスの蓄積も大きくなり、交換時期を見誤るとロードバイクにとって重要な部分であり、せっかくの高級品も意味をなさなくなるということです。
ロードバイクのチェーンの価格
ロードバイクチェーンの価格は、一般的には1,000円~9,000円程度ですが、最高級品になると20,000円するものまであります。
価格が上がると、どこが違ってくるかというと、コーティングの処理です。
材質自体は、ほとんどが「鋼」ですが、そこへ様々なコーティングを施して、スムーズに動くように工夫をしているわけです。
余談ですが、以前、軽量マニアの間で、チタンチェーンというものが流通した時期がありました。
ですが、交換時期が早く、チェンジ性能が著しく低下する割に数万円と高価だったため、ごく一部のマニアだけがごく短い期間使用していました。
アルミチェーンというのもありましたが、こちらも高価格の割に、性能と耐久性には問題があり、変速回数の多いロードバイクには、あまり向かなかったようです。
軽量チェーンというと、今でも残っているのは、チェーンのリンクひとつずつを中空にしたり、肉抜きをしたりしたモノでしょうか。
ロードバイクですので軽量に越したことはなく、予算が許せば、同じ抵抗であれば、軽量の方が有り難いのは確かですね。
コーティングですが、各社工夫を凝らしているらしく、ニッケルだったり、チタンだったりします。
チェーンの交換時期①
一般的にロードバイクチェーンの交換時期は、3,000km~5,000kmと言われています。
ただ、乗り方の違いで、大きく違ってくることは想像できるかと思います。
ゆっくりのんびりと走ることが多い人・トルクを掛け、加速感を楽しみながら走る人でも、大きく違ってきます。
一定のアベレージをキープして走り続けるタイムトライアルや、トライアスロンの人・ロードレースで他の選手のアタックに反応し続けて、常にシフトチェンジを繰り返しながら走る人とでは、チェーンへのストレスに相当差が出てくるはずです。
ですので、一概に距離数だけでチェーンの交換時期を測るのは、なかなか難しいかと思います。
目安になるのは「伸び」といわれる、摩擦による変形具合を確認することで、専門の測りを使用し、交換時期を正確に把握することが大切です。
ロードバイクのチェーンの交換時期を正確に把握するための「測り」自体は安価なものですから、ひとつ用意しておくのもいいですし、販売店に立ち寄ったときに依頼すれば、すぐに測ってもらえることもあります。
チェーンの交換時期②
ロードバイクの交換時期に影響を及ぼす「腐食」について考えてみます。
一般的に、レースやイベント以外で、雨天時にロードバイクを乗ることは、あまりないかと思います。
雨天時に乗らないのに、なぜか腐食してしまうのは、汗やスポーツドリンクがチェーンにかかってしまうことが、とても多いからです。
汗は雨よりも、金属の腐食を早く進ませることになりますので、トレーニング等の後は、必ずメンテナンスをする癖をつけることが大切です。
他に、通勤・通学で使用する人の中には、屋外保管の方が多いのではないでょうか?
また、雨天でも通勤・通学には利用されるはずです。
高温多湿の日本です。
雨に降られない場合でも、できることならシート等をかけておくと、腐食の度合いは、ずいぶん変わるかと思います。
腐食したから、即交換時期ということではないですが、腐食が確認できたら、進まないようにすることは大切です。
腐食を防ぐために1番有効なのは「注油」ですので、次にメンテナンスについて少しご説明します。
チェーンの交換時期③
ロードバイクのチェーン交換時期を左右する、メンテナンスについてです。
チェーンのメンテナンスに必要なことは「洗浄」と「注油」です。
チェーンオイルは、各メーカーから様々な用途に合わせたグレードのものが販売されていますので、自分の使い方に合ったものを選ぶことが大切です。
粘度の高いものから低いもの・抵抗軽減性能が高いものから「持ち」が良いものと様々で、「しっとりした乗り味」「乾いた乗り味」など、ロードバイクの乗り味を左右することもあります。
大体の傾向として、粘度が高いもののほうが「持ち」が良いです。
また、注油の頻度は低くて良いことが多いため、通勤・通学のように毎日使用する場合に向いているようです。
ただし、多くつけすぎると粘度が高いぶん、ほこりなどを吸い寄せる能力も高くなるので、未舗装道路の走行や冬の風の多い日などは、汚れをこまめにチェックする必要があります。
汚れが目立ってきたら洗浄しましょう。
洗浄専用のオイルもありますが、ひどい汚れの場合は、中性洗剤を利用すると簡単に汚れが落ちます。
当然、汚れを落とした後には、再びきちんと注油しましょう。
この繰り返しが毎回のこととなると、かなり面倒になる人も多いかと思いますので、そんな人のために洗浄と注油が1本で済むという優れものもありますので、ぜひお試しください。
チェーンの交換時期④
レース使用のためのロードバイクチェーンのメンテナンスと、交換時期についてです。
いわゆる「決戦用」となるため、ちょっと高価でも特殊コーテングされたチェーンとか使いたくなりますね。
ただ、やはりここは、確実なメーカー純正品を選んだ方が「安心」ということには、なるかと思います。
純正品の最高級品なんか、良いのではないでしょうか。
ただし、グレードによって互換性がありますので、販売店で確認のうえ、交換しましょう。
そしてチェーンの交換時期ですが、レース直前に前日だったり新品をそのまま使用することは、避けて欲しいものです。
新品のロードバイクのチェーンは、工場出荷の段階では上位グレードでもバリ等が付いたままのものあり、また「馴染み」が出ていなので100%の能力を発揮してくれません。
まずは袋から出し保存用のオイルを洗浄し、自分好みのオイルを一晩かけて染み込ませ、300km~500kmくらい馴染みを出した状態で使いたいものです。
そんな準備をすると気分も盛り上がり、アドレナリンの分泌も良くなるのではないかと。
ロードバイクのチェーンの交換時期
ロードバイクのチェーンは、性能全体を左右する重要部品であり消耗品です。
適正なメンテナンスを行い、自分なりの適正な交換時期を見極め100%の性能を発揮させましょう。
せっかく生み出すエネルギーを無駄にすることなく駆動力に変え、楽しいロードバイクライフを送れるようにしましょう!
最後までお読みくださり、誠にありがとうございました。