ロードバイクの話をしていると「コンポ載せ替えようかと思って」「コンポ換装してみたよ」などよく聞きます。ロードバイクのパーツ交換て速く走るため、という印象が強い気がしますがコンポ載せ替えのメリットってそういえばなんでしょう。今回はそんなお話です。
ロードバイクの「コンポ」って?
「コンポ」と連呼していますが、まずはこの「コンポ」って何、というところから説明をしたいと思います。様々な部品で構成されるロードバイクですが、コンポはセットで設計され、製造されるパーツ群です。コンポはコンポーネントの略です。
もともと部品は単体で設計・製造されるのが当たり前で、それらが組み合わさり取り付けられていたのです。それが次第に、性能が高まり、精密さを求められるようになって、関連する部品をセットで設計・製造するようになったことがコンポーネントの始まりです。また、コンポーネントに含まれている部品は、駆動や制動に関する部品が主です。タイヤやチューブ、サドルなどは含まれていません。
ロードバイク、コンポを載せ替えたら速くなる?
ではコンポを載せ替えたら速くなるのでしょうか。ズバリ言ってしまえばコンポの載せ替えイコール速くなる、という図式にはなりません。もっと言ってしまうと、初心者はどれでもいい、そのままでいい、というかあまり気にしなくていいでしょう。
「速くなりたい」という目的のもとにパーツ交換を考えるのであれば、タイヤ、ホイールが真っ先にあげられます。「速くなりたい」など走行性能の点でコンポ載せ替えに力を入れられてしまってもそんなに意味はありません。
ではコンポを載せ替える意味なんてないの?となってしまいますが、そうではないのです。上位グレードの載せ替えはコストもかかりますが、もちろんメリットもたくさんあります。
ロードバイク、コンポ載せ替えのメリット①
それではロードバイクのコンポの載せ替えにはどんなメリットがあるのか。具体的に見ていきましょう。
まずは「耐久性」があがります。上位モデルのコンポほど耐久性は高いものになります。たくさん走ればもちろんその分コンポは劣化します。下位モデルは上位に比べると耐久性が低いので壊れやすいということになります。下位のものと上位のものでは倍の距離分、耐久性に違いが出たりしますので、ヒルクライムをやったり、悪天候な中でも走り回ることが予想される場合は、上位モデルに載せ替えたほうが結果的にコストパフォーマンスが良い、ということも考えられます。自分の走りのスタイルをよく考えて、載せ替えをしましょう。
ロードバイク、コンポ載せ替えのメリット②
次のメリットは「上質な変速」です。滑らかな変速フィーリングは快適な走りに大きく貢献するものです。代表的なメーカーであるシマノのグレードですと、上位に行けば行くほど滑らかに動きます。また変速の段数も増えます。変速の段数が多いということは、自分の欲しいギアが選べるということです。ヒルクライムなど、特にストレスを感じやすい状態での走りにはこういったストレスの軽減が何より重要になってきます。余計な能力を使わないことは、特に長い走りの際に影響が出てきますので、上位モデルをおすすめします。
ロードバイク、コンポ載せ替えのメリット③
コンポ上位への載せ替えのメリット。やはり他のパーツと同様に「軽い」こと。やはり自転車の話に重量の話題はつきものですね。
上位モデルになるほど、コンポ自体の重量は軽くなります。少しでも軽くしたい方には重要なことですね。やはりヒルクライムに挑戦する方などは軽さを追求したくなると思いますので、上位に変えることをおすすめします。
ちなみに「軽くなると耐久性は下がる?」と思われるでしょうが、不思議なことに重量は軽くなっても耐久性はあがっていくのです。メーカーの技術って本当にすごいですね。
ロードバイク、コンポ載せ替えのメリット④
最後に挙げるメリット、それは「ルックスの良さ」です。性能に関係ない、と思わないで頂きたい!格好良さは大事なことなのです。数あるロードバイクメーカーは乗る人に求められる性能を実現するため技術の研鑽を積むわけですが、それと同じくらい大切なことは一目見た時の個性の打ち出し方です。まず選んでもらわなければ、乗ってもらえなければその良さは伝わらないのです。
カラーの良さ、自己顕示欲を満たせるかどうか、大いに重要視してください。そしてやはり上位に行けば、そのデザイン性は付加されるのです。まさにいろんな意味での「余裕」の集大成。格好良いかどうかでコンポを決める、それは「アリ」です。
ロードバイク、コンポ載せ替えに必要なもの
さて、実際にコンポを載せ替えるとして、「自分で作業します」というかたも多いでしょう。コンポの交換に必要なものをピックアップしてみます。
工具は、六角レンチ(アーレンキーセット)、チェーンカッター、スプロケ回し、クランク取り外し工具、グリスです。工具も安価なものではありませんが、何度も使ったり、あるとメンテナンス時にも便利なものなので買いそろえておくと良いでしょう。
そうそう、そういえば、メンテナンス。コンポ載せ替えのお話をしてるところですが、メンテナンスもしっかりしましょう。載せ替えの作業はもちろん自分でやるという選択肢だけでなくお店でも出来ますし(お金はかかりますが)、安全で手間もかかりません。ですが、部品をよく知り、自分で簡単なメンテナンスくらいはできるといいでしょう。スプロケも分解して掃除するところまではいかなくても丁寧に汚れを落とすくらいのことはしましょう。これだけでも長持ちします。今回上位モデルをおすすめしているだけに、こういった日々の手入れやチェックが大事になってきます。頭に入れておいてくださいね。
おすすめコンポはこれ!
コンポで名の知られているところは「シマノ」「カンパニョーロ」「スラム」「マヴィック」でしょう。シマノは日本、カンパニョーロはイタリア、スラムはアメリカでマヴィックはフランスです。今回はやはり日本が誇る「シマノ」のモデルを簡単におすすめしたいと思います。
シマノのコンポは、「TOURNEY(ターニー)」「CLARIS(クラリス)」「SORA(ソラ)」「TIAGRA(ティアグラ)」「105(イチマルゴ)」「ULTEGRA(アルテグラ)」「DURA-ACE(デュラエース)」とあり、DURA-ACE(デュラエース)が最上位のモデルです。下位のモデルから順番に見ていくと、本当にルックスから変わっていくのです。最上位のDURA-ACE(デュラエース)はもう自転車がよくわからない人が見ても「美しい」と思わせる外観です。超軽量の高耐久性。趣味の範囲でロードバイクを楽しむ人には高額すぎるかもしれませんが、「憧れ」にふさわしいモデルと言えます。
ULTEGRA(アルテグラ)は現実的に最高のモデルで、コストパフォーマンスも良いコンポと言えるでしょう。1台目からULTEGRA(アルテグラ)、とはなかなかいきませんが「載せ替え」と考えるなら是非選択肢に入れたいコンポです。
まとめ、ロードバイクのコンポ載せ替え
最初に「速く走るにはコンポの載せ替えに意味はない」と書きましたが、途中途中にもお話ししましたように、コンポによっては変速がスムースになったり、コンポ自体が軽量化されていたりして、結果疲れにくい→スピードの効率化と考えられます。「無意味」なことは何一つありません。自分の走りに合ったコンポを考えて載せ替えしましょう、というお話でした。