スポーツバイクの流行とともに女性にもロードバイクが注目され、近年では人気アニメの影響で、そのブームはさらに盛り上がりを見せています。
そんな中で、新たにローダーを目指す女性の間からこんな声が多く上がっています。
「最近、若い女の子にもロードバイクはブームなのに、どうして身長が低い女性用のモデルって、こんなに少ないの?」
なぜなんでしょう?
そこには何か理由があるのでしょうか?
というわけで、ロードバイクに身長の低い女性用モデルが少ない理由を、ちょっと探ってみました。
ロードバイクに身長の低い女性用モデルが少ない理由①
ロードバイクがブームになって、女性ローダーが増えても、女性用のモデルが思ったほど増えない。
ましてや、身長の低い小柄な人には、なかなか適応サイズのロードバイクが見つからない。
流行っているのだから、もっと増えてもいいのになぜだろう?
別に女性専用モデルじゃなくたって、フレームサイズが小さいのは、なぜ作らないのだろう?
その疑問、よく解ります。
売れるのだから、市場の原理として、たくさん出てきてもいいように思いますよね。
しかし、残念ながらロードバイクの市場に占める女性ローダーの絶対数は男性に比べ、まだまだ少ないといえます。
さらに、この市場規模に関する要因の他にも、女性モデルが少ない幾つかの理由があります。
そのひとつが、現在のロードバイクで主流となっている700Cというホイールの問題。
このホイールのサイズは、180㎝以上ある男性の外国人選手でも、ほとんど同じです。
これより、大きくても小さくても効率が悪いようで、ホイールのサイズとしては、これが世界標準となっています。
問題というのは、このホイールに載せられるフレームは汎用性を考えてデザインすると、最小サイズが基本的に適応身長160㎝前後になってしまうことにあります。
その理由は、単純にフレーム各部の寸法を同率で縮小すると、フレームにホイールが干渉してしまうためです。
そのため、同じデザインのままで作ろうとしても、残念ながら身長の低い女性用までは対応できません。
ロードバイクに身長の低い女性用モデルが少ない理由②
身長の低い女性用のロードバイクが少ない幾つかの理由として、次に挙げるとすれば、設計基準が外国人サイズということも大きな理由です。
日本でもスポーツバイクがブームとはいえ、ロードレースが盛んで国民的なスポーツとなってる国といえば、フランスやイタリア、ベルギーなど、やはりヨーロッパの国々。
そして、スポーツバイクの世界的なメーカーも、米国やヨーロッパがほとんどです。
必然的に設計の基準となるのは、小柄な日本の女性よりも身長が高く、手足も長い欧米の女性となります。
そのため、新たに女性用モデルが増えても、身長150㎝前後の小柄な日本人女性に対応したモデルは限られてしまうのです。
また、日本の女性と欧米の女性では、体型が違うことも適応サイズが少ない理由でもあります。
例えば、メーカーがカタログやWebサイトに掲載している適応身長が155㎝とあっても、日本の女性ではハンドルが遠すぎて、手が届かないといったことも往々にしてあります。
最近は日本女性も身長が伸び、スタイルが良くなったといっても、まだまだ欧米の女性は敵いません。
日本にも大小さまざまなメーカーがあり、身長が低い日本の女性に合わせたモデルがありますが、当然のことながら、それだけでは多くの女性たちの欲求を満たすことはできません。
洋服や靴などファッションと同様、様々なデザインやカラーの中から選びたいというのが、乙女心というものでしょう。
ロードバイクに身長の低い女性用モデルが少ない理由③
ロードバイクが欲しいと思っても、背の低い女性に合ったサイズがないという理由はまだあります。
それは、国内に入ってくる輸入台数の問題ということも、また少ない理由のひとつです。
最初の項目でも書きましたが、身長が低い女性ローダーというのがロードバイク人口に占める割合として、どの程度いるのかということです。
いかにブームとはいえ、男性に比べて女性のローダーの数は、まだまだ少ないというのは否めません。
絶対的な女性需要が少なければ、それに比例して生産台数も少なくならざるを得ません。
そして、背の低い女性は日本の女性の方々に限らず、外国の女性でもいます。
そうした方々と少ないパイを分けると、当然のことながら、海外で生産されたものが日本へ輸入される台数が少なくなるのは当然です。
例えば、カタログに掲載されていても、「在庫はありません。次はいつ入ってくるのかは不明です」とか「今年のモデルは完売です。今後の入荷予定はありません」といったことも結構あるようです。
メーカーとしては潜在的な需要をある程度計算しても、必要以上の在庫を持つリスクは避けるというのが当然でしょう。
これまでの実績や販売台数から、身長の低い女性にも対応したロードバイクの輸入台数は、結果として限られたものにならざるを得ません。
ロードバイクに身長の低い女性用モデルが少ない理由④
ロードバイクが身長の低い女性用モデルが少ない理由には、設計上の問題もいろいろあります。
700Cのホイール問題のところでも少し触れましたが、男性用モデルのフレームを小さくすれば女性用のモデルになるかといえば、フレームとホイールが干渉するのでならないと話しましたが、設計上の問題はそれだけではありません。
例えば、フレームだけでなくホイールも小さくすれば問題は解決するかといえば、そうではないのです。
ホイールは650Cという、ひと回り小さなサイズがあるのですが、この他にもクランクやスプロケット、ディレーラーといったコンポーネントをはじめ、ハンドル、ブレーキ、チェーンなどロードバイクを構成するパーツはたくさんあります。
それらのパーツによっても、全体のバランスが変わるので、フレームとタイヤだけ小さくすれば良いというわけにはいきません。
また、体形や骨格など女性用モデルには、女性特有の要素を加味してデザインしなければならず、男性用のモデルをベースにした女性用モデルであっても、様々な部分でデザインが異なる専用設計がなされています。
こうした手間暇を、絶対数が少ない女性用に多くつぎ込むということは、コストの面で釣り合いません。
ということで、設計上の問題からも必然的に、身長の低い女性にも対応したモデルの設計は限られてくるということになります。
このように、日本の女性に合ったロードバイクが少ないのには様々な要因があり、ブームだからといって新しいモデルがどんどん登場するというのは、なかなか難しいのが現状です。
それでも以前に比べれば、女性ローダーが増えた分だけ、着実に適合サイズは多くなっています。
そして、選べるモデルも増えているので、身長の低い女性も諦めずに今後の発展に期待しましょう。
まとめ。身長の低い女性は最新モデルを早い者勝ちで
ロードバイクに身長の低い女性用のモデルが少ない理由について、皆さんお解りいただけましたか。
では、適合するモデルが少ないと、どうなるのでしょうか。
少なければ、当然、みんなで奪い合いになります。
デザインの人気が高いモデル。
コストパフォーマンスに優れているモデル。
入門者にお手頃のリーズナブルなモデルなどなど。
誰かがいいなと思うものは、他の誰かもいいと思うものです。
良いものは先にどんどんなくなります。
早い者勝ちというわけですね。
そこで、早い者勝ちの競争に勝つためには、どうすれば良いのでしょう?
方法はひとつ、常にお気に入りのモデルの最新情報をチェックするようにしましょう。
例えば、今欲しいモデルがあっても手に入らない場合、もともと数が少ないので次に入荷する予定はないということが往々にしてあります。
そうなれば、ないものを一生懸命に探すより、そのモデルの最新版が出た時を狙った方が、手に入る確率はずっと高いといえるでしょう。
同じシリーズのモデルなら、基本的なスペックやデザインなどは同じで、カラーバリエーションが少し違うだけというような場合も結構あります。
というわけで、お気に入りモデルを手に入れたいなら早い者勝ち、常に最新情報をチェックせよというわけです。