随分昔になりますが、私の学生時代は駅前に自転車を安易に止めれば(鍵をかけないなど)帰りには、もう絶対に自分の自転車を発見できないくらい盗難に遭いました。
友人の話を聞いても、「また自転車盗まれちゃった」などの会話が、結構な頻度でありました。
防犯登録も進んでいる今、この状況はどのように変化しているのでしょう。
今回は、そんな自転車盗難のお話です。
自転車の盗難状況、最近はどうなの?犯人は逮捕できる?
警察庁による犯罪統計によりますと、日本の自転車の盗難件数は平成25年度でなんと、30万3,273件にものぼるそうです。
これに比べて検挙率は5.5%とのことですので、盗まれてもほぼ犯人は見つからない、と考えて良さそうです。
やはり、自転車の盗難はいつの時代も変わらず発生し、ほぼ泣き寝入りの状態と考えるべきなのでしょうか。
窃盗犯の内訳的には、乗り物を盗むのが36.7%、そして、乗り物の盗難被害の8割以上が自転車の盗難なのです。
自分自身の経験から言えば、駅に置いた自転車が盗まれたので、そういった箇所での盗難が多いのかな?と調べてみました。
その結果、自宅で盗難に遭った方は、なんと約5割!
半分なのです。
家に置いておいても、安心ではないのですね。
自宅に置いたときには、安心してしまって鍵をかけない方が多いようです。
油断することなく鍵はしっかりかけましょう。
自転車が盗難にあったら、犯人は逮捕できる?
先ほどもお伝えしましたように、検挙率は5.5%と相当低い確率です。
犯人を逮捕して欲しい。
お気に入りの自転車であるならば、特に「返してほしい」と思いますよね。
ロードバイクやクロスバイクを趣味にしている方も多いと思いますが、こういった高級なスポーツバイクは転売されやすいようで、一般的なシティサイクル(ママチャリなど)よりも盗難に遭いやすいのです。
先ほど「鍵はしっかりと」とお話ししましたが、鍵もひとつだけでなく、何重にもロックするなど防犯対策を施しましょう。
それでも盗まれてしまった場合、途方に暮れているだけでは仕方ありません。
どのような行動に出るべきか、お話ししていきます。
自転車の盗難被害に遭ったら
何よりもまず、警察に出向き自転車盗難の被害届を出します。
盗まれた場所の所轄の警察に行きましょう。
その際に必要なものは、防犯登録番号や自転車の車体番号などが分かるもの。
これは購入時に自転車屋さんなどで防犯登録をし、それらの情報が記載されている書類です。
きちんと保管しているでしょうか。
そして、盗難された自転車の特徴、被害に遭った場所と日時など、しっかり報告できるようにしておきましょう。
自転車の特徴は、細かければ細かいほど良いでしょう。
写真など撮ってあれば、なお良いですね。
警察では、盗難に遭った自転車の時価も聞かれます。
高すぎる申告はモラルとしてどうかと思いますが、変にへりくだって低すぎる価格を提示することもありません。
買った当時の値段から乗った状況を考えて、ざっと計算しておきましょう。
自転車を盗んだ犯人は逮捕できる?
やはり気になるのは、犯人を逮捕できるのかどうかですよね。
まず、自転車を盗むとどんな罪に問われるのか。
刑法上で可能性があるのは
・窃盗
・使用窃盗
・占有離脱物横領
このいずれかでしょう。
「窃盗」に問われる場合は、「誰かの所有物を、自分のものにしてしまおうという意思がある場合」です。
これは10年以下の懲役、または50万円以下の罰金が課されます。
「使用窃盗」は「他人の物を無断で、一時的に使ってしまうこと」があたります。
線引きが難しいですが、窃盗との違いは盗んだ人の考え方によるところが大きいのです。
判断する材料となるのは、例えばその自転車を乗り回していた時間や、持ち主がどれだけの不便を強いられたか、盗んだ人と持ち主の関係性などの事情です。
「占有離脱物横領」は、「その持ち主が明らかでないものを持ち出すこと」にあたります。
明らかに「捨てられている」状態でないものを、持ち主は不明でも勝手に使ってしまうとこの罪に問われます。
1年以下の懲役、または10万円以下の罰金、または科料(行為者の財産を、強制的に徴収する)に処せられます。
1回でも懲役または罰金刑に?
実際は、自転車を盗難しただけで懲役刑を受ける人はいないようです。
捕まると、警察で取り調べは行われます。
初犯に限り、微罪処分ということで刑事手続きを行わないこともあるようです。
ただ、2016年の春にこんなニュースがありました。
「自転車窃盗疑いで52歳男を逮捕、自宅に計23台、被害品とみて押収」
福岡での事件です。
全てスポーツタイプの自転車で、常習犯だったのですね。
また、北海道でも同様のニュースが5月にありました。
こちらは「自転車窃盗の疑いで男を逮捕、自宅からさらに70台」。
やはりこちらも、ほとんどがスポーツタイプのバイクだったようです。
盗まれないために。自転車盗難、防犯対策グッズ
防犯対策について考えてみましょう。
まずはなんといってもしっかり鍵をかけることです。
ポピュラーで手に入りやすいのが「U字ロック」。
自転車と一緒に購入しておくべきでしょう。
その他には、頑丈さと携帯性の高さを両立した「多関節ロック」というものも販売されています。
ワイヤーカッターが効かない丈夫さで、備えておけば安心です。
頑丈な鍵を複数使うようにすることも大切です。
ワイヤーロックも大きなワイヤーカッターがあればすぐに切られてしまいます。
鍵のかけ方にも工夫が必要です。
テクニックの基本は、地面に固定されたものに自転車を固定する方法です。
スポーツタイプの自転車はホイール部分へ鍵をかけても、ホイール自体を外しやすくなっているので要注意です。
また、盗難防止のアラームなども効果的です。
種類も様々で、調べればたくさん出てくると思いますので、備えておくのはいかがでしょう。
80デシベルのアラームを鳴らしてくれます。
また、最先端の防犯グッズだな、と思ったのが「LOCK8」というものです。
なんと、スマートフォンを鍵にするという大胆な発想の商品。
強固なセキュリティとネットワーク経由によるお知らせ機能を搭載しています。
GPSによる位置情報、対象のスマートフォンが近くにない状態で揺らすと警報が鳴り、スマートフォン側にもアラートが鳴るバーナー対策の温度センサーから、切断耐性の高さも。
ありとあらゆる、といっていいほどのセキュリティが特徴です。
ただ、価格は1万円を超えます。
高いととるか、愛車を守るにはこのくらいは投資できるととるか、それはあなた次第です。
まとめ、自転車の盗難に遭わないために
ご紹介したように、多くの防犯グッズを揃えて頑丈にロックしておくのも大変良いことです。
他にも対策はいろいろあります。
例えば、自宅においての盗難率は非常に高いものでした。これは「自宅の敷地内だから」という油断から生まれるものです。
自宅でも、ちょっと立ち寄ったコンビニでも必ず鍵をかける習慣を身に付けましょう。
そして、保管場所も大切なことです。
屋外に停めるのであれば、明るい場所や人目につくような場所に保管しましょう。
いざという時のために、盗難保険に入っておくこともおすすめします。
ネットで調べればすぐに出てきますので、チェックしてみてくださいね。