自転車の輪行を楽しむ!〜電車では専用の袋に入れて〜

自転車での輪行はとても人気があります。全国を旅行し、その先々ではお気に入りのバイクで移動する。聞いただけでワクワクしますね。あなたも電車の中で輪行する方を見かけたことはありませんか。輪行はマナーが重要です。電車での移動も専用の袋でコンパクトにして、周囲に気を配らないといけませんね。今回はそんな楽しい輪行のお話です。
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自転車での輪行、電車移動のマナー①

自転車輪行は自転車乗りにとって、是非とも覚えておくべきものです。
自転車輪行が可能になれば、少し無茶かも知れない行程に繰り出すことも出来るようになりますし、見知らぬ土地に行くことにも躊躇がなくなります。
もちろん、遠方のレースに出場するときも活躍します。

さて、そんな夢の広がる自転車輪行ですが、世間一般からは決して良い目で見られていない側面があります。
まずは、自転車輪行で問題になった事例を見てみましょう。

代表的なものは、「ゴミ袋輪行」でしょうか。
JR東日本の無料手回り品第308条を見ると、自転車は専用の袋に収納しなければならないとなっています。

ところが、ゴミ袋で自転車を包んで鉄道を利用している事例がいくつも見つかります。
ゴミ袋は専用の袋ではありませんから、これはもちろんNGです。
ルールに違反していることはもちろん、不十分な包み方が原因で、一般客の服を汚してしまったり、何かを傷つけてしまうことになりかねません。

たまたま、ゴミ袋輪行が黙認されているのを見かけたからと言って、真似してはいけません。

自転車での輪行、電車移動のマナー②

違反行為だけを気にしていれば良いわけではありません。
むしろ、違反行為では無いにせよ、意識していないところで周囲に迷惑をかけてしまうことがあるのが輪行です。
どんな行為が周囲に迷惑と感じられているのか、これから輪行にチャレンジしようとしている方も、何度かやってみた方も覚えておいてください。

輪行は非常に広くスペースを使います。通勤・通学および帰宅時間帯は避けるほうが良いでしょう。
仲間同士でワイワイ輪行を楽しんでいる姿もよく見かけるようになりましたが、これも占有スペースを取りすぎていて、周囲には迷惑に思われていることがあります。
可能な限り混み合っている時間帯や優先席、混み合った車両を避けると良いでしょう。

車内にだけ気を回すだけでは不十分です。
輪行をするときは、自転車の解体、組立、パッキングを駅周辺あるいは、駅構内で行う必要がありますが、これも人の流れを邪魔するようなところで行なってはいけません。
加えて、輪行バッグを持って歩くときは、とくに周囲の人にペダルやハンドルなどの先端部分を接触させないように注意する必要があります。
時間に余裕が無いときほど、こういった気配りが出来なくなりがちなものです。
いつも余裕を持って、電車を待てるようにしたいですね。

電車に乗る時の輪行袋の種類と選び方①

輪行バッグにも様々な種類があります。
ロードバイク用のものはもちろん、マウンテンバイクやフォールディングバイクなども専用のものがありますので、購入時はうっかり間違えないようにする必要があります。

輪行バッグそのものには、明確な用途の違いがありません。
自転車を覆うだけのサイズがあれば、どんなものであっても良いでしょう。
気をつけるべきなのは「エンド金具」です。

自転車輪行の方法には、縦置き型と横置き型がありますが、この縦置き型で輪行する場合、前述の「エンド金具」が必要になります。

輪行するときには、自転車の前後輪を外すことになりますが、縦置き型の輪行の場合、サドルとリアディレイラー付近の二点で自転車を立てる事になります。

もちろんそのまま置いたのでは、リアディレイラーが壊れてしまいますから、その保護のために、後輪を外したリアエンドに、保護兼スタビライザ代わりの金具をはめ込むというわけです。

このエンド金具付属の輪行バッグであった場合、リアエンド幅に注意が必要です。
御存知の通り、ロードバイクは主にリアエンド幅130mm、大半のクロスバイクやマウンテンバイクは135mmです。
このエンド金具の規格が合わなければ、縦置き輪行が出来ませんので、購入時は確認が必要です。

電車に乗る時の輪行袋の種類と選び方②

前項で縦置き型輪行と横置き型輪行について触れましたので、どちらのメリット・デメリットにも触れつつ輪行バッグの種類を考えて見ましょう。

縦置き型輪行のメリットは、最も床占有面積が狭くて済むところでしょう。
前後輪を外したところで、自転車は自転車、電車に持ち込むには、流石に大きすぎます。

少しでも小さい方が、周囲に掛けるであろう迷惑や、不快感も少なくて済むというものです。
僅かでも専有面積が小さくて済むという特徴上、バッグの大きさも僅かですが小さくて済みます。

ただし、縦置き型は自立させるのに慣れが必要なため、最初は苦労することも多いかも知れません。
加えて、縦置き型はその名が示す通り縦に長いため、身長が低すぎると持ち上げられない、ということもあります。

そこで、女性や背の低めな人には、横置き型輪行です。
横置き型は、極めてシンプルで、両輪を外した自転車を逆さまにしてサドルとハンドルで自立させる形式です。
非常に安定しやすく、殆どの人が持ち上げるのに不都合は無いでしょう。

一方で、やはり占有面積が縦置き型に比べて大きくなるため、バッグ自体の大きさも少々大きく重くなる傾向があります。

輪行バッグは、コンパクトなものであればボ、トルケージに収納することが出来て手軽ですが、それほどコンパクトで軽いものは当然布地が薄く、少々のダメージで破れてしまう傾向があります。

重さ、あるいは大きさと軽さは、トレードオフの関係にあるということですね。

自転車を袋に収めましょう①

まずは、スタンダードな手順を覚えましょう。
誰の邪魔にもならないところで輪行バッグを広げます。

このとき、雑に広げないようにします。大抵の縦置き型輪行バッグには、サドルとエンド金具がどこに乗るべきか印が付けられている事が多いのですが、これをしっかり守らないと、収納し切れない事がおきやすいです。

しっかりと輪行バッグを広げ、サドルとエンド金具を設置する場所が見えるようにします。
自転車本体は、輪行準備として変速しておきます。

フロントはアウターに、リアはトップ、つまりチェーンが一番外側に来る、最も重いギア比にしておきます。

続いて忘れがちなポイントですが、ブレーキを開放しておいてください。
それらが出来たら、自転車をひっくり返してハンドルとサドルで自立させます。

それから両輪を外してください。
次にいよいよ、エンド金具を装着して、サドルとエンド金具によって自転車を自立させます。
そのままでは倒れてしまいますから、左右から外した前後輪で、挟み込んで固定します。

ホイールバッグあるいはホイールの収納スペースがある輪行バッグなら、スペースにホイールを収納してから車体を挟みます。

そこまで出来たら、あとはフレームとホイールを縛ってバッグのジッパーを閉めるだけです。

自転車を袋に収めましょう②

最も多く見られる縦置き型輪行について説明致しましたが、横置き型輪行はもっとインスタントです。

エンド金具装着の必要は無く、自転車自体もフレームをひっくり返して置くだけで安定しますから、ホイールでキッチリと挟み込まなくても倒れる心配はあまりありません。

縦置き型輪行バッグ、横置き型輪行バッグともに古くからあるスタンダードなものは、各部を結束する必要があります。

これには慣れが必要で、固すぎず弛すぎない丁度よい程度に結束出来ると、衝撃や振動が加わっても倒れにくくなります。

自身で、丁度よい具合を掴むまで、練習しておくと良いでしょう。

最後に、例外をご紹介しておきます。
輪行バッグのなかには、前輪のみを外すだけで収納可能なものがあります。

このタイプの輪行バッグは収納が極めて手軽なうえ、後輪が装着されたままなので転がして移動することが可能です。
と、良いことづくめに見えなくも無いのですが、この手の商品を利用するときは、慎重になったほうが良い点があります。

最も基本的なところで、鉄道会社が定める大きさをオーバーしてしまわないことに気をつける必要があります。

また、このタイプの輪行バッグは後輪で転がして移動が可能という場合、当然のことながら後輪が袋からはみ出していることになりますから、これも規定違反になってしまいます。

輪行にこそ、いぶし銀の技を。

自転車の移動範囲を更に広げる夢の手段である輪行ですが、その便利さとは裏腹に、とにかく周囲に迷惑になりがちです。

まずは、それを自覚するところから始めましょう。
そのうえで、何度も自宅で練習しておきましょう。
さり気なく、誰に気にとめられることもなく、もちろんトラブルもなく輪行が出来れば、それが最高の輪行です。

駅についたら、さっとバッグを広げてさっと収納する。
飄々とホームまで歩き、ひと気の無い車両に乗り込む。
目的地についたら、人波を邪魔すること無く余裕のある足取りで改札を出て、さっと自転車を組立ててまた走り出す。

そんな渋い輪行が出来るたらかっこいいですよ!