自転車のパーツであるスポーク。自転車を知っている人はスポークを知っていると思います。しかしママチャリなどの一般的な自転車に乗っている人は、スポーク自体を知らないのではないでしょうか。また、スポークには組み方が幾つかあるので解説していきます。
自転車のスポークとはどのパーツ?
自転車のタイヤの軸(ハブ)と外周部分(リム)を結んでいる金属の棒のことをスポークと言います。
それにはいくつかの組み方があるのですが、基本的にはハブからから放射状に伸びています。
また、スポークのような金属の棒がないタイヤのディスクホイールもあるので、それと区別するために、スポークのあるタイヤのことをスポークホイールと呼ぶこともあります。
スポークは部分によって頭、エルボ、胴、ネジと四つの名前で呼ばれます。
頭と呼ばれる部分は、ハブの穴から抜けないようにするためにスポークの外径より大きくした部分です。
エルボと呼ばれる部分は、スポークをリム方向へと肘のように曲がるようにした部分です。
胴と呼ばれる部分は、棒の部分のことです。
ネジと呼ばれる部分は、ニップルとも呼ばれてスポークとリムを固定すると同時に初期張力を設定する部分になります。
スポークのネジは一般的に転造ネジです。
ネジとなる金属を回すのではなく、ダイスというネジ山を作る工具のほうを回転させる工法から転造ネジと呼びます。
そうすると外周にネジ山を持つことになり、なおかつネジ山はネジ素材の直径より大きくなります。
自転車のスポークの種類について
スポークの組み方の前にスポークの種類を紹介します。
ずん胴スポークは、断面は円形で、もっとも一般的なスポークです。
段付きスポークは、中間を細くしたもの。
ハブとリム周辺では、応力が大きくスポークが破損しやすいので、取り付け部分の太さは変えず中間だけを細く軽量に、そして空気抵抗を減らしたものになります。
また段付きスポークはいくつ段差をつけるかでも分かれます。
片端段付きスポークは、エルボ部分だけを太くしたもので、丈夫になるため旅行車やマウンテンバイクで使われます。
両端(ダブル)段付スポークは、エルボ部分とネジ部分が普通で中間部が細くしており、軽量になるので競技用車に使われます。
3段(トリプル)段付きスポークは、エルボ部分・中間部分・ネジ部分でそれぞれ異なる太さのもので、丈夫さと軽さを両立を求めたもので、丈夫さを求めていることから、旅行車やマウンテンバイクで使われます。
空力スポークは、空気抵抗を減らすために中間部分を楕円形にしたもので、楕円スポークだったり扁平スポークだったりとも呼ばれます。
空気抵抗の軽減は進行方向のみで横風には対応していません。またリムのほうが空気抵抗が多いので、リムも空力リム(エアロリム)であることが望ましいです。
真直ぐスポークはエルボのないスポークです。ストレートプルスポークやエルボレススポークと呼ばれます。特殊ハブが必要で簡単に言えば自転車と言えます。
自転車のスポークの組み方①
自分で自転車のホイールを組もうと思う前に、ホイールの組み方の種類も知っておくと良いでしょう。
最も一般的なのは「6本組」と呼ばれる組み方です。
スポークは色々な方向に伸びているので、ハブから数えると分かりやすいのですが、交差があるのが数えて6本目であることから6本組と呼ばれます。
英語では「3cross」と呼びますが、それは「6本組」と同じ組み方を指します。一般的なハブのホール(穴)数は32個で、その場合は6本組がスタンダードとなります。
ハブの穴が28個でも6本組が一般的となります。
ハブの穴が24個や16個になると4本組が使われ、ハブの穴が36個だと8本組が使われます。
8本組は、長距離走る自転車やトラック競技用の自転車に使われています。
4本組、6本組、8本組と増加していくとスポークは長くなるので自転車全体の重みが増します。
その分ホイールが丈夫になるので、スポークのテンションをすこし柔らかくできて、そのことでショックを吸収しやすいホイールを作り上げることができます。
それでも昔に比べて、リムやスポークの強度が向上しているため、スポークの本数を減らして軽量化を測る傾向があります。
自転車のスポークの組み方②
スポークの交差している箇所がないスポークの組み方をラジアル組と呼びます。
ハブからスポークが放射線状に伸びてリムにまっすぐつながっています。
交差している箇所がないので強度(剛性)が比較的少なくなるのですが、スポークテンションを強く組むことができます。
またスポークが短くなるので軽量化を測ることができます。
テンションを強くした分、地面からの振動がそのままハブから自転車全体へと伝わりますし、スポークテンションが強いことはニップルの負担が高まり破損しやすくなります。
メリットとしては、見た目でマニアックな雰囲気を出せることでしょうか。
スポーツ車でもっとも普及している組み方はイタリアン組と呼ばれるものになります。
ベダルを踏んで自転車を前に進めるときに、引っ張られるスポークのすべてがハブフランジの外側にある組み方です。
また名称はないのですが、シマノがディスクブレーキを発表したのと同時に専用のスポークの組み方をマニュアルで定めたことがありました。
組み方が分かったところで自分で自転車のスポークを組む手順
自分で自転車のホイールを組むときは、色々な組み方があるでしょうが、以下のような手順になると思います。
まずはリムを選ぶ。
オンロード用やオフロード用など自分の自転車に合った規格やリム幅を考慮します。
つける予定のタイヤのリム幅を選びましょう。
またつける予定のチューブのバルブ(米、英、仏)に合わせる必要もあります。
次にハブを選びます。後輪の幅にあったハブにしましょう。
そしてスポークの本数を決めます。それには組み方も一緒に考えてしまうと良いでしょう。
しかしハブの穴の数(36個や32個や28個など)などで、6本組や4本組が良いという基本的な組み方がありますから、考える必要はあまりないかもしれません。
そしてスポークの長さを計算します。
リムのERD、ハブの左右フリンジの長さ・フリンジの直径・スポーク穴の直径、それらからリムの長さを算出できます。
それらを決めてからようやく実際にホイールを組む上げることになると思います。
自転車のスポークが折れて修理するならいくらぐらい?
スポークは、1本でも折れると他のスポークに大きな負担がかかってしまい連鎖的にスポークが折れていくことがあります。
しかも折れていく間隔はどんどんと早くなります。
ですから、折れたことに気づいたら早めに修理したほうが良いです。
自分でスポークの組み方を知っている方は自分で修理すればよいのですが、自転車屋さんではスポーク1本につき2,000円から3,000円で修理してもらうことができます。
1本でも結構な値段なので何本もスポークを折る前に修理してもらうのがコスト的にも良いと言えます。
スポークは全部揃うことでバランスを保っています。
1本なくなっただけでもいびつに力が加わってしまいます。
だいたい5本も折れるとリムまで歪んでしまって車輪を回すと車体のどこかに接触するといったことが起こります。
それでは常にブレーキをかけているようなものなので、走行自体が大変なものになるでしょうし、また自転車は時速30km以上の速度も出るので、命に関わる前に修理するのが良いでしょう。
自転車のスポークの組み方は一つじゃない
自転車のスポークは、ホイールに張る棒で種類も何種類かあり、組み方も何パターンかあるんですね。スポークの調整に関しては専用の道具があり、意外に難しいです。
そのためスポークの組み換えや修理の際は、お店に依頼することをおすすめします。
ホイールについている棒ですが、一本一本が大事なパーツなんですね。
スポークが一本折れても大丈夫と放置している人は、事故にならないように修理してください。