危険!自転車の飲酒運転でも検挙される!法律を知っておこう

自転車で飲み会に来て、勧められるがままにお酒を飲み、自転車に乗って帰ってしまった!
この状態は、飲酒運転で検挙されることがあります。
「乗るなら飲むな。飲むなら乗るな」という言葉がありますが、この言葉は何も自動車だけに当てはまる言葉ではありません。自転車にも当てはまります。

今回は、自転車の飲酒運転について詳しくお伝えします。

自転車の飲酒運転検挙は自動車と違う

道路交通法上、飲酒運転は重い刑罰の対象とされています。飲酒運転の中でも、その程度はさらに分類されています。

酒気帯び運転、酒酔い運転の二種類で、
前者は飲酒の程度がアルコール濃度  血液1ml中0.3mg、または呼気1ℓ中0.15ml、罰則が3年以下の懲役、又は50万円以下の罰金になっています。

後者は、飲酒の程度が「アルコールの影響により、正常な運転ができないおそれがある状態」、罰則が5年以下の懲役又は100万円以下の罰金になっています。

飲酒運転により検挙されると、略式裁判を経て罰金が科されることもありますが、一般的には起訴されて裁判を受けることになります。

いずれになるかは、多くの事情を総合考慮して決定されるものの、昨今の厳罰化の要請を受け、ほとんどが起訴をされ、刑事罰を受けることになります。

自転車でも飲酒運転は禁止されており、酒酔い運転について、自動車同様、道路交通法の適用があります。
酒気帯び運転については、対象とはなりません。
もっとも、いずれの場合も民事事件として損害賠償責任などを負うことになり、他人および自身の一生を台無しにします。
飲酒をしたら、自転車に乗るのはやめましょう。

自転車の飲酒運転で検挙された事例

自転車の飲酒運転による重大な事故も増えています。

大阪・都島区にある大阪拘置所の30代の刑務官は、飲食店でビールや焼酎を飲んだ後、自転車に乗って帰宅途中に、路上に停車していた乗用車と接触する事故を起こしました。

京都市東山区では、男が乗った自転車が、通学途中の小学2年の男児(8)と小学1年の男児(7)を撥ねるという痛ましい事件が発生。
男は、呼気から1ℓ当たり0.65mlのアルコールが検出され、酔ってふらついている状態でした。
府警は、酒酔い運転と重過失障害の現行犯で男を逮捕しています。

自転車の保有率が全国1位の埼玉県では、自転車飲酒運転の平成23年の摘発数が、前年比で4倍近い74件にまで膨れ上がりました。
県警は、飲酒運転や整備不良の自転車を運転するなど厳格な取締をしています。

このように、自転車の飲酒運転による検挙が大変多くなっています。
刑事罰をうければ、他者を傷つけるだけではなく、仕事に影響が出るとともに、家族などの大切な人にも迷惑がかかります。
刑期が終わっても、人の一生を台無しにした重みと、損害賠償の重みを一生背負うことになるのです。絶対に、飲酒をしたら自転車に乗るのはやめましょう。

自転車の飲酒運転以外の罰則

自転車は、自動車と同様道路交通法が定めるルールに従わなければならず、違反をすれば罰則が適用されます。飲酒運転以外の自転車に対する罰則は以下の通りです。

まず、信号無視運転。3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。

次に、一時不停止・徐行違反・片手運転・右側通行・整備不良については、5万円以下の罰金となります。

また、よくやってしまいがちな傘さし運転、そして昨今検挙率が増加している携帯電話を操作しながらの片手運転なども禁止されています。
これらには、2万円以下の罰金又は科料が課されます。

雨の日はレインコートを着用したり、自動車同様、携帯電話の操作は停止してから行いましょう。
また、イヤホンなども禁止されています。イヤホンをしての運転は、周囲の音が聞こえず大変危険です。
自動車と比べると、油断しやすい自転車ですが、立派な「車両」であることにかわりはなく、歩行者からすれば交通強者であることにかわりありません。

交通ルールを遵守し、安心・安全に自転車を楽しみましょう。

自転車の飲酒運転で検挙されると

2015年6月1日より、愛知県警は、自転車免許の保有者が酒に酔った状態で、自転車を運転した場合、最大180日間の免停処分を下すことを決定しました。

自転車の飲酒運転により人身事故を起こした場合、自動車免許の停止処分を受けます。
さらに、人身事故まではいかずとも、過去の違反歴などから再度事故を起こす危険があると警察官により判断された場合にも、免許停止処分を受けます。

さらに大阪府でも、自転車の酒酔い運転をした場合、赤切符となり、免許停止処分をうけます。

これは、愛知県や大阪府など限られた都道府県の場合ですが、昨今の自転車運転検挙率の増加、厳罰化の機運を受けて、今後多くの都道府県や自治体で導入されていくと考えられます。

「ちょっとくらいいいだろう」という甘えが事故を招きます。
特に、飲酒運転は習慣化してしまうこともあります。今のうちから認識をしっかりと改め、飲酒運転はしないようにしましょう。刑罰を科され、民事上の賠償責任を負い、他者と自身の体を傷つけ、せっかくの免許も停止になる。何もいいことはありません。

飲酒からどのくらいで飲酒運転じゃない?

アルコールは、主に肝臓で分解されます。
肝臓がアルコールを処理する速度は、
アルコールの処理時間(時間) =飲酒量(ml)×0.8×アルコール度数(%)×0.01÷{体質係数×体重(kg)}という公式で求められます。

ここにいう「体質」が、いわゆる「お酒の強さ」になります。もっとも、お酒が強いからといって、アルコールの分解速度が速いとは限りません。

たとえば、体重68キロ、お酒の強さは普通(係数=0.11)、
生ビール1杯を飲酒した(アルコール5%、300ml)という例で考えてみましょう。この場合、処理時間は300×0.8×5×0.01÷(0.11×68)=1.604ですので、1杯を処理するのに1時間30分はかかるのです。

2杯飲んだ場合には、3時間ちょっと。5杯以上飲んだ場合ですと、8時間以上も処理にかかるのです。

「お酒につよいから、ちょっとくらい飲んで自転車を運転しても飲酒運転にならない」「もうお酒は処理されたはず」という過信、安易な判断はやめましょう。

実際に、そのような言い訳をしている人の多くが大事故をおこし、検挙に至っています。

検挙と逮捕の違い

逮捕とは、「事件で特定された被疑者の身柄を強制的に拘束・留置すること」と定義され、逮捕状による通常逮捕、緊急逮捕、現行犯逮捕の3種類があります。

検挙とは、警察や検察などの捜査機関が、犯罪の被疑者や違反行為を特定することをいいます。警察の内部で用いられる用語で、任意の取り調べ・逮捕・書類送検なども含めた言葉になっています。

検挙されたからといって、必ず身柄拘束としての逮捕がされるわけではなく、犯罪が軽微であったり、逃亡や証拠隠滅のおそれがない、など一定の条件を満たした場合には、自宅に居ながらにして起訴され、裁判手続きを受ける場合もあります。

さらに、よく聞く「摘発」とは、悪事などをあばいて世間に公表することをいいます。検挙は犯人、人を特定すること、摘発は犯罪の事実を公表することです。

自転車の飲酒運転により検挙される場合は、現行犯逮捕などにより身柄拘束を伴う場合と、任意に警察署への同行を求められたり、自宅で取り調べや起訴をされるなど身柄拘束を伴わない場合があります。

危険!自転車の飲酒運転でも検挙される!法律を知っておこう まとめ

ちょっとくらい大丈夫だろうという気持ちは、誰しもあると思います。
ですが、そのちょっとの気持ちが、人生に大きな影響を与える可能性があります。
対人事故は、誰一人幸せにならないので、飲酒時に限らず、普段からも事故を起こさないように気をつけましょう。