シマノsoraって、名前は聞いたことがあるけれど一体なんだろう?
そう思っている方は多いのではないでしょうか。
ここでは、ロードバイク用のコンポーネントであるシマノsoraについてのご紹介と、ロードバイク乗りにとって重要なシフトチェンジのコツについてお話します。
シマノ soraとは
シマノのsora(ソラ)は、シマノが提供しているロードバイク用のコンポーネントです。
グレードで言えば、上から、デュラエース・アルテグラ・105・ティアグラに次ぐ5番目。
このコンポーネントの下にはClaris(クラリス)があります。
定価は10万円程度で、入門用スポーツ自転車の完成車によく搭載されています。
変速はリア9段であり、スラスト角の違いから、他のグレードのリア11変速やリア10変速や、MTB系コンポーネントと互換性はありません。
ブレーキ系は、互換性があるものもあります。
クランクは2ピース構成。
デュアルコントロールレバーには、オプティカルギアディスプレイを装備しており、4600系ティアグラに準じた構成となっています。
クランクセットは、アウターギア50Tのコンパクトクランクが標準となっています。
フロントはトリプルギア、そしてロングケージリアディレイラー。
2016年6月には、soraのフルモデルチェンジでR3000系となり、シフトチェンジを行うデュアルコントロールレバーのシフトワイヤーが、ハンドルに内蔵されるようになりました。
シマノ sora開発の経緯とシリーズの歴史
1990年代には、ロードバイクの楽しみ方が多様化したため、レースだけでなく、通勤や通学でもロードバイクが使われるようになりました。
そういったユーザーを狙って、1995年にシマノは低価格コンポーネントとして、RSXを開発して、2000年になってリア8速になったsora(3300番台)という後継モデルを発表しました。
リア8速の耐久性、優良なメンテナンス性、そのため、エントリー向けロードバイクにも用いられるようになりました。
2007年には、3400番台がデビューしてリア9速になり、デュアルコントロールレバー(ブレーキとシフトチェンジ操作用のレバー)のワイヤー巻き取りレバーとワイヤーリリースレバーが離れており、コンフォート系のポジション、ブラケットポジションで扱いやすくなりました。
2012年には、3500番台がデビューし、上位グレードと同様に、ワイヤーリリースのレバーがブレキーレバーに隣接したデュアルコントロールレバーとなりました。
そして2016年にはR3000番台がデビューし、クランクセットがチェーンカバー付きを除いて、上位グレードと同様の4アームになり、シフトワイヤーがハンドル内蔵となりました。
シマノ soraの魅力
シマノのsoraは、2016年6月にR3000系となりました。
soraのフルモデルチェンジで最大の変更点は、上位グレードと同じようにレースバイク仕様になったところです。
デュラエース・アルテグラ・105・ティアグラと、上位4グレードに受け継がれてきたクランクセットの4アーム化の流れが、ついに5番目のsoraまで到達しました。
コンポーネントのアイキャッチであるクランクが、上位グレードと遜色のないルックスになりました。
そしてシフトチェンジ用のワイヤーは、内蔵になってハンドル周りがすっきり見えるようになりました。
クランク・シフター・ブレーキ・ディレイラーの4点のカラーリングは、上位グレードのコンポーネントと同様のブラック(もしくはグレー)のグロス仕上げとなりました。
そのため、soraが搭載された完成車の見た目と雰囲気が、一気に変わっています。
リアのギアに関しては変わりなく、9段変速です。
ただし、11-34Tのワイドレンジのカセットスプロケットのため、旧来のsoraよりもヒルクライムに対応しやすくなっています。
フロントのギア、つまりクランクセットは、50-34Tというダブルと50-39-30Tというトリプルの2種類になっています。
シフトチェンジのコツ
シフトチェンジのコツは、変速のタイミングでペダルにトルクをかけないことです。
シフトレバーを押してから、ペダルを回転させるとギアが切り替わるわけですが、そのときに踏み込まないようにします。
トルクをかけてしまうと、変速機からガッチャンと大きな音が鳴ります。
それは、スプロケットとチェーンがぶつかり合っている音なので、両方のパーツにダメージを与えています。
ダメージを与えないような、スムーズなシフトチェンジをするには、踏み込まずに力を抜いてペダルを回します。
そうすると、カチャッという最小限の音で変速できます。
フロント変速にもコツがあって、インナーからアウターに変速するのに、soraなどのシマノのコンポーネントなら段階を踏むことで、しっかりとシフトチェンジできます。
まず、シフトレバーを押してペダルを回し続けます。
アウターに、チェーンが入ったと認識できたら、レバーから指を離します。
それだけでフロントのギアが切り替わります。
そのときにおすすめしたいのは、リアのギアも一緒に切り替えてしまうことです。
フロントギアの変更で大きくペダルの重さが変わるので、リアのギアを一緒に変更することで適切な重さにできます。
リアを2枚や3枚上げることで、ペダリングのロスが少なくなるでしょう。
シフトチェンジのタイミング
シマノの入門者用コンポーネントsoraでも、十分に使い勝手はよいものですが、使い勝手をより良くするために自転車走行のシフトチェンジに着目してみましょう。
漕ぎ出しにはシフトダウン。
軽いギアにすることで、発進時に疲れ難くなります。
漕ぎ出し時にシフトダウンするのは大変なので、停止する前にあらかじめシフトダウンしておくと良いでしょう。
ギアが重いまま停止したら、サドルを持ち上げて、後輪を浮かせてシフトチェンジしましょう。
ビンディングペダルを使用しているなら、簡単に後輪を浮かせられることでしょう。
そのテクニックは、不意に停止したあとに有効なので、覚えておきましょう。
巡航速度を上げているときにはシフトアップ。
1枚1枚と、徐々にシフトアップすることで速度を上げていくことができます。
そのときに大切なのは、ケイデンスを一定にすることです。
ケイデンスとは、ペダルの回転数のことです。
ケイデンスを維持することで、スムーズに高速域に到達できます。
立ち漕ぎの一種である、ダンシングをしているときもシフトアップ。
2クリックダンシングというのは、とても理にかなっているといえます。
加速のためのダンシングは体重を乗せて踏み込むので、普段より強い力で踏み込むことになります。
それを無駄にしないためのシフトアップです。
2枚上げることで、踏み込む力を無駄にしません。
シフトチェンジのトレーニング
シマノのsoraを使っている方は、上位グレードに交換することで、走行性能を上げようと思うこともありますが、パーツ交換の前に走行の仕方を見直してみましょう。
走行に工夫を加えることで、走行性能を上げることができます。
起伏の変化に対応するように、シフトチェンジできるようになると、レースでもロングライドでも非常に楽になります。
勾配がどれくらいだと、ギアをどのように変化させるべきなのかということを、練習でも意識しておくと良いです。
経験を積むほど上手になることでしょう。
シフトチェンジのトレーニングとして、おすすめなのは信号での停止です。
軽すぎても、重すぎても、漕ぎ出しが難しいので、適切なギアを意識することができます。
それから、下り坂から登り坂への返しでは、ちょっとコツがあります。
下がっているときのスピードを活かしたいので、登り返しで遅くなるたびにギアを下げて、軽くしていくのが良いです。
そして、登り坂でダンシングするのであれば、シフトチェンジは控えたほうが良いでしょう。
ダンシング中は、チェーンテンションが高い状態なので、変速することでギアやチェーンに大きな力が加わって、それらパーツへのダメージにつながってしまいます。
そのため、できることなら、ダンシング中にシフトチェンジしないほうが良いです。
シフトチェンジの練習は快適走行に繋がる
この記事を読んだ人はこちらの記事も読まれています⇒「シマノのコンポ。soraと105の違いはどれくらいあるのか」
シフトチェンジのコツをつかむことで、長距離旅やレースの際に脚への負担が減ります。
このため、シフトチェンジは、ロードバイクのレースには必須スキルとも言えるでしょう。
シフトチェンジのコツをつかむには、何度も練習を重ねることが重要です。
トレーニングを重ね、乗りこなしたいものです。