自転車のベアリングという言葉を聞いたことはありますか?
ベアリングは、自転車にとって大切な部品の一つです。
ここでは、ベアリングの説明や、自分でできるベアリングの交換方法に加え、主な自転車修理にかかる費用や工賃をご紹介します。
ベアリングとは
ベアリングは、軸受けと日本語で呼ばれるもので、歴史的に見ると、ルーツは紀元前650年ごろのアッシリア時代に「転がり運動」の原理を応用することで、巨像を運ぶ様子が描かれているところまで遡ることができます。
その後、産業革命から今日までの間で、機械装置の駆動を支えたり、摩擦を減らしたり、スムーズな機械の回転運動をしたりするためのパーツとして、便利な機械部品となっています。
そのため、機械だけでなく、電化製品や自転車といった身近なものでも、回転する箇所のすべてにベアリングが使われています。
現在のベアリングを大別すると、転動体(ボール)と、保持器で作られている転がり軸受、転動体(ボール)の代わりに油や空気を介在させる滑り軸受、その二つに分けられます。
転がり軸受のほうが、摩擦が小さく、高速な回転が可能で、修理などの保守が簡単です。
そのため、ベアリングの大半は、転がり軸受が使われています。
対して滑り軸受は、大きな多重に耐えられることが利点となります。
ベアリングの回転精度について
自転車にも使われているベアリングの回転精度は、軸受リングの肉厚の差である、ラジアル振れ、軸道と軸受の差である、アキシアル振れの影響を受けます。
さらに、ラジアルベアリングの場合は、スラスト方向の荷重を受けられますが、ラジアル振れとアキシアル振れが互いに影響し合ってしまいます。
転動体(ボール)の相互の誤差によっても、回転精度に影響が出ますが、実際的な問題としてはほとんど影響ありませんし、転動体が弾性変形するので正確な影響が把握できていません。
転がり軸受の場合は、ISO規格によって、P6、P5、P4、P2というような精度等級が分けられており、スピンドルベアリングに関しては、各種の精度要求の標準公差よりも、厳しい精度等級を設定していることが多いです。
そのため、多くの場合は、規格に許されている公差までの大きな偏差はありません。
そのように、精度に気をつけているベアリングは、丈夫で長く使えるものですが、それでも磨耗してしまうこともあります。
自転車のペダルなら、ぐらついてチェーンが外れるくらいになってしまうので、そのような場合には、修理や交換するしかありません。
自転車のベアリングの交換方法
自転車のハブからベアリングを外すには、ベアリングプーラーをセットしてから、上のナットをスパナなどで回していくだけです。
反対に、自転車のハブにベアリングを取り付ける場合は、少し工夫が必要になるのですが、試行錯誤の結果、ベアリングプーラーのみで取り付けることができました。
カセット部のベアリングの取り付けは、まずは、15mmのチャックをベアリング部に乗っけます。
アメリカンクラシックのベアリングなら、ぴったりとフィットします。
次に、プーラー本体の中心部分を抜いてから、反対側に入れて、15mmチャックとくっつけます。
後は、プーラー側のナットを締めていくと、ベアリングを圧着することができます。逆側も同様に圧着できます。
ハブ部のベアリングの取り付けは、15mmチャックを使えば、ギリギリでネジが届くので、本体側のネジを締めることで、ベアリングを圧着できます。逆側も同様です。
ベアリングの修理は、自転車屋さんに頼むのが楽ではないかと思うかもしれませんが、実際にはそうでもありません。
上記のように、ベアリングプーラーが1つあれば、取り外しも取り付けもできますし、工賃がかかりませんし、カスタマイズも自分できるメリットがあります。
自転車の主な修理費用:パンク
自転車の場合は、自転車屋さんにベアリングの修理を頼むと高くつきます。
一番安いのはパンク修理です。パンク修理であれば、だいたい1,000円で行ってくれます。
2ヶ所目からは、100円追加するだけで請け負ってくれることがほとんどです。それでも注意があります。
車輪を外して、パンク修理をしてくれません。
後輪なんかは、チェーンを外したり、ブレーキワイヤーを外したりと大変なので、追加料金が請求されるか、そもそも車輪を外してくれません。
また、水を使っても穴が確認できなかった場合でも、作業工賃として1,000円かかります。
その他にも、チューブの破損が大きかったり、磨耗して寿命が来ていたり、チューブかすが大量にあったりする場合でも、パンク修理をしてくれません。
そのため、自転車屋さんでもっとも安価な修理だとしても、パンクを起さないように、日頃から注意して、走行するのか良いでしょう。
一番気をつけてもらいたいのは、タイヤの空気圧です。
パンク修理しているにも関わらず、さらなるパンクをしてしまうという場合は、タイヤの空気圧が足りないことがほとんどです。
また、パンクしているのに走行してしまうと、チューブがダメになって、パンク修理ができず、チューブを交換するしかなくなります。
その場合は、車輪を外さないとチューブ交換できないため、工賃が高くなってしまいます。
自転車の主な修理費用:タイヤ・チューブ交換
自転車屋さんで、自転車のベアリング修理やメンテナンスを頼むと、4,000円くらい取られます。
パンク修理に比べると、高価だと思うかもしれません。しかし、4,000円クラスのメンテナンスというのは他にもあります。
タイヤ交換です。
タイヤ交換というのは、チューブ交換を含めていて、ママチャリで使われている一般的なタイヤだと、前輪で3,500円、後輪で4,000円が相場になっています。
耐久力のあるタイヤを使用するなら、前輪4,000円、後輪4,500円となります。
チューブ交換だけだと、タイヤ分の価格がないため、少し安くなって、前輪で2,000円、後輪で2,500円となります。
それから、タイヤだけの交換というのは、普通してくれないことに注意しておきましょう。
自転車本体の値段は、1万円だとか3万円だとか5万円だとか様々ありますが、自転車本体の価格で、修理価格が変わることはありません。
修理にかかる費用は、部品代と工賃だけです。つまり、ボルトをちょっと締めただけでも、工賃がかかるということです。
簡単な作業だから無料でやってくれると思うと、数百円という小額ながら取られることがあるので注意してください。
その他の部品の修理・メンテナンス費
自転車屋さんに自転車の修理を頼むと、当然のことですが、作業料金がかかります。
ハンドル周りだと2,000円前後、ブレーキ周りでも2,000円前後、変速機周りだと3,000円前後、フロント周りだと1,000円前後となります。
それら料金の中には、交換部品の値段は含まれていません。
そのため、交換部品も購入することでさらなる料金となります。
交換部品にしても、ブランドがありますから、高いものから安いものまで幅があります。
さらに、調整を細かくすることで更なる料金が発生します。
ホイールの触れ取りや、ポジション調整などは、やろうと思えば限りなく調整できますし、凝り性の方が来店されると、それだけで一日終わってしまうことから、調整回数や調整時間で料金が変動する自転車屋さんもあります。
また、細かいパーツにも注意しましょう。
ハンドルを交換しただけでも、ワイヤーの長さが足りなくなって、新規でワイヤーを購入しなければならないこともあります。
それから、回転部分にはベアリングを使われていますが、ベアリングはメンテナンスしてくれないこともあるので注意が必要です。
修理は自分で行えば手間はかかるが工賃はかからない
ベアリングは、精度によって等級が変わってくるようですね。
また、ベアリングに限らず、自転車屋さんに交換や修理を頼むと部品費だけでなく、工賃がかかります。
自分で修理やメンテナンスをすれば手間がかかる分、工賃を抑えることができるので、手間を惜しまない方は、ご自分で修理されてみてはいかがですか?