シマノのコンポ!アルテグラ6800のインプレッション!

シマノ・アルテグラ6800といえば、カーボンフレームの完成車なら30万円から、アルミフレームなら20万円前後の完成車に搭載されているコンポーネントです。

アルテグラにアップグレードしたいとお考えの方も多いでしょう。

今回はアルテグラ6800について、11速のデュラエース9000、105の5800と比較しながらインプレッションを行っていきたいと思います。

9100デュラエースに関しては、未だ使用したことがないので、今回の記事では言及しません。

アルテグラ6800とは?

シマノ・アルテグラ6800は、2013年に発売されたコンポーネントで、シマノのコンポーネントの中ではセカンドグレードにあたります。

下のグレードには105、上のグレードにはデュラエースがあります。

デュラエースの値段は、アルテグラの2倍もしますから、アップグレードするとしたら、アルテグラを選ぶという方はとても多いです。

105は、完成車についている場合のコストパフォーマンスは高いけれども、アップグレードするならアルテグラと、ある自転車漫画でも説明されているのですが、私もそう思います。

6800という数字について説明すると、最初の6はアルテグラのグレードのことを指し、8は世代のことを指します。

残りの2桁には、派生部品に対して0以外の数字がつけられることがあります。

例えば、チェーンのCN-6701であったり、電動変速用の6870です。

アルテグラ6800には、電動変速グレードも設定されておりますが、今回の記事では言及しません。

またブレーキに関しても、通常のキャリパーブレーキについてのみ言及します。

そんなアップグレードに人気のアルテグラについて、インプレッションしていきましょう。

アルテグラ6800のディレーラーのインプレッション

最初に、フロントディレーラー・リアディレーラーについて述べていきましょう。

フロントディレーラーの金属の羽の部分は、デュラエースや105のものと材質が変わっていません。

デュラエースとの違いは、この部分のコーティングの強度と、ボルトぐらいです。

デュラエース・アルテグラ・105のフロントディレーラーをすべて使用したことがありますが、デュラエースだからといってアルテグラや105に対して、フロント変速への優位性は少ないと感じました。

何千キロも走った後に、耐久性の高いデュラエースやアルテグラなら、105よりもフロントの変速性能を保てる感じです。

私のインプレッションでは、むしろフロント変速性能は、もっと別の部分に左右されると感じました。

次にリアディレーラーについて、みていきましょう。

リアディレーラーには、デュラエースにのみ、ベアリングつきのプーリーが装備されています。

しかし、自分で回してみたところ、3つのグレードのプーリーの回転の差は感じません。

変速性能もデュラエース・アルテグラ・105の間でそこまで差があるようには感じませんでした。

耐久性や軽量性を求めるためのパーツと言えるでしょう。

リアの変速性能も、やはりディレーラーそのもののグレードではなく、別の部品に左右されると感じました。

アルテグラ6800クランクセットのインプレッション

メタリックグレーに輝くアルテグラ6800のクランクセット。

これについても、デュラエースや105と比較インプレッションしていきましょう。

チェーンリングに関しては、フロントの変速性能に露骨に差がつけられているように感じます。

アルテグラやデュラエースのクランクセットを装備してフロント変速を行うと、殆ど音もせずに、チェーンがアウターに上がっていくのを感じることができます。

しかし105では、時々失敗してガリガリと音がしたり、チェーンが落ち着くまで、一呼吸置かなければいけないときもあります。

その原因は、チェーンリングの剛性にあると思います。

デュラエース・アルテグラのチェーンリングの裏側はツルツルなのに対して、105は大量の肉抜きが見えます。

チェーンリングの剛性が上がると、フロント変速を行った時に、殆どチェーンリングが変形せずにチェーンがアウターに上がります。

クランクに関しては、ご自分の脚力や走りたいコースによって選ぶのがいいと思います。
レースをしたいなら断然デュラエースですが、ツーリングを快適にしたい、という目的ならアルテグラが一番良い良いと思います。

105は、チェーンリングのことを考えると、アップグレードしたくなるかもしれません。

私の理想としては、脚力を考えてクランクはアルテグラ、チェーンリングはデュラエースにしたいところですが、色違いで非常に不格好なので実行できずにいます。

アルテグラ6800スプロケットのインプレッション

スプロケットはデュラエース・アルテグラ・105で三者三様の構造になっています。

デュラエースは、大きなギアがチタンで作られていて非常に軽量です。

しかし、チタン部分のギアは少し噛り付きやすく、耐久性に疑問符がつきます。

アルテグラのスプロケットは、すべて鉄で作られていますが、支柱となるスパイダーは、デュラエースと同じカーボンでできています。

105のスプロケットは、アルテグラと同じ材料でできていますが、コーティングの質がアルテグラと違います。

また、支柱の部分はカーボンではなく、鉄でできています。

スプロケットは、どれがベストなのでしょうか?

デュラエースと言いたいところですが、私のインプレッションでは、アルテグラがベストだと思います。

何故なら、小さいギアの部分はデュラエースと同じですし、チタンが使われていないので丈夫です。

変速性能も、デュラエース9000とアルテグラ6800には、差がないように思います。

しかし105は、アルテグラと変速性能の差があります。

コーティングが違うため、シフトダウンのときに少し重いです。

また、シフトアップの時にアルテグラと比べてカチンカチンと、金属の響く音がします。

アルテグラ6800チェーンのインプレッション

シマノの公式発表では、デュラエース9000・アルテグラ6800・105の5800のチェーンには、材質の差は無いそうです。

しかし、デュラエースのチェーンは105の2倍、アルテグラのチェーンは105の1.5倍ほどの値段で売られています。

その差は、コーティングとチェーンピンの差です。

デュラエース・アルテグラに用いられているコーティングが、105には施されていません。

またチェーンピンは、デュラエースのものはアルテグラ・105に比べて軽いものが使われています。

デュラエースが一番良いのかと言われると、私のインプレッションでは迷うところです。

何故なら、チェーンの性能は伸びていないか・ちゃんと潤滑油が塗られているか・汚れていないかに左右されてしまうからです。

ブルぺや雨の中のレースで、潤滑油がすべて流れ出てしまうような状況であれば、デュラエースが一番良く、次いでアルテグラが良いということになります。

チェーンは、どのグレードを選んでも良いと思います。
それよりも、メンテナンスを頻繁に行うほうがよっぽど大切です。

アルテグラ6800ブレーキのインプレッション

デュラエース9000・アルテグラ6800・105の5800のブレーキの差は、重量と引きの軽さです。

重量は軽量化マニアでもない限り、無視できるような差ですが、引きの軽さ、それに伴うスピードコントロールのしやすさには、やはり無視できない差があります。

105のブレーキは、バネが少し固めに設定されていて、アルテグラ以上のグレードと比べると少し引きが重いです。

ダウンヒルなどで、比較インプレッションするとよくわかるのですが、アルテグラ以上だとコーナー前できっちり減速できるので、恐怖を感じにくくなります。

一方で105でダウンヒルをすると、アルテグラ以上のグレードよりも少し制動距離が大きくなるように感じます。

引きの軽さについては、ブレーキケーブルをアルテグラ以上のグレードに変更することで解決できますが、制動力自体を上げるには、なるべく上のグレードを使ってもらいたいと思います。

ブレーキの利き具合は、自分が心理的に出せるスピード、そして安全に直結するので、あまり妥協してほしくない部分です。

まとめ:アルテグラ6800の全体のインプレッション

アルテグラ6800は、非常に性能よくまとめられた良いコンポーネントだと思います。

絶対的な性能を求めるならば、勿論フルデュラエースにしてもらいたいところですが、予算には限りがあるものです。

アルテグラ6800が、デュラエース9000に対して明確に劣る部分は、シフトケーブル・ブレーキケーブルの質と重量と耐久性だけだと感じます。

レースでゴリゴリ踏む方でない限りは、アルテグラ6800で、非常に質の高いライドを楽しむことができると思います。

私のインプレッションを読んで、もっとスムーズな変速とブレーキングをもとめる方が増えていただければ幸いです。