ロードバイクのタイヤをチューブレス化!その影響は!?

ロードバイクなど、自転車人口が年々増加しています。
しかし、その自転車が走るための道路整備は、追いついていないのが現状です。

ロードバイクやクロスバイクの細いタイヤは、荒れた道ではパンクしやすく不向きです。
では、パンクを防ぐためにタイヤをチューブレスにすると、どうなるのでしょうか。

チューブレスタイヤの影響や効果をお伝えします。

ロードバイクをチューブレスタイヤにするメリット

1番大きなメリットは、走行中の予期せぬパンクを防げるということです。

現在、ロードバイクに限らずあらゆる自転車に使用されているのは、ゴムのタイヤと、その中にゴムのチューブが入っているというものがほとんどです。

そして、ゴムタイヤ・チューブは、チューブレスに比較して汎用的であり、修理も容易で乗りやすいメリットがあります。

しかし、チューブに空気を入れ、タイヤをまとい走行をしているので、鋭利な針やとがったものがチューブに刺さってしまうと、風船に針が刺さって破裂するのと同じように、空気が抜け、パンクしてしまうというリスクがついてまわります。

パンクする要因として

①とがったものが刺さってパンク
②急な段差の乗りあげや、高いところからなどの落下の衝撃によるもの(リム打ちパンク)
③バルブ内の虫ゴムの劣化によるもの(英式バルブの場合)
④いたずら

など、さまざまな要因が挙げられます

③に関しては、チューブに穴が開いているわけではないので、パンクとは言いにくいかもしれませんが、そのほかはパンクに分類されます。

また、こういったトラブルは自身の自転車云々ではなく、環境(ぼこぼこした道、段差の多い道路などの悪路)によっても、引き起こされてしまいます。

ですが、チューブレスにするとそういった不具合や手間が一切なくなるので、普段から自転車を乗る人、パンクに悩まされている人にとって、この点は大きなメリットになるでしょう。

ロードバイクをチューブレスタイヤにするデメリット

すべてのチューブレス・ノーパンク自転車に言われていることは、タイヤ・ゴムに比べて「重い」ということです。

ロードバイクは、軽量に軽量を重ねて生まれた自転車です。

フレームの形から素材、サドルポストやディレーラーのネジひとつにしても、そこには「軽量化」が最重要視されております。

速さを追及するロードバイクにとって、無駄なものは徹底的にそぎ落とします。

そんなロードバイクに、重たいチューブレスが付いたらどうでしょうか。

車体は重くなり、スピードは一気に落ち、ロードバイクの最大の魅力が、そこで一気に損なわれてしまうのです。

そして、交換時間や費用などの「コスト」がかかります。

万が一、チューブレスを取り外すことになった場合、通常のタイヤ・チューブと異なる構造をしているので、技術を要します。

トラブルに遭遇しても、1人で修理・リカバリーできれば、さほど大きな問題には発展しませんが、それでも手間はかかってしまうでしょう。

販売店に依頼した場合でも、プロショップでもない限り、対応は難しいかもしれません。

中には、修理不可と言われ受付を拒否する販売店もあるでしょう。

仮に修理を受け付けてくれても、時間と修理代が大きくかかってしまうことが予想されます。

チューブレスタイヤにするために必要なこと

パンクしないという目先のメリットにとらわれがちですが、アフターフォローをどうするかも考えておくべきです。

トラブルが発生したときに自分で対応するのか・購入店に依頼するのかを考えておきましょう。

また依頼した場合、金額はいくらで、修理にどのくらい日を要するのかも、視野に入れておく必要があります。

それに合わせて、自分でも何かが起きた時にどうするのか、修理方法や必要なスペアパーツ、工具を用意しておくのも良いかもしれません。

もっと欲を言えば、実際に修理の練習をしてみるのも良いでしょう。

百聞は一見にしかず、ロードバイクのあらゆる修理は、知識だけでは何もできません。

何事もやってみることが大事です。

また、乗り方に関しても、チューブレスが悪路に強いとはいえ、パンクしにくくなるだけです。
タイヤが外れたり、リムが歪んだり、スポークが折れたり「別」の不具合が発生することが大いに考えられます。

別の部位で修理が発生する可能性があることも考え、可能であれば、悪路の走行は極力控えたいものです。

チューブレスタイヤとはどういうものなのか、考えた上で使用したいものです。

ロードバイク以外にもチューブレスはあるの?

先述の通り、チューブレス=パンクしないという意味であれば、一般的な自転車にもチューブレスは使用されています。

チューブレスタイヤは、チューブはないけど空気の入ったタイヤです。

タイヤの中に固いウレタンのような素材が入っているもの・チューブが弾力のある筒状のものに変わるもの・タイヤ自体が固い発泡スチロールのようなものでできているものなどは、ノーパンクタイヤと呼ばれるものです。

チューブレスとは、また別ものになります。

子供車から軽快車、スポーツタイプの自転車など、現在ではさまざまなニーズに対応できるようチューブレスタイヤを使用した自転車が広がっております。

しかし、ロードバイク、電動自転車においては、まだまだ浸透していないようです。

その要因として
ロードバイク→交換・修理などのアフターの問題
電動自転車→通常の自転車よりバッテリーやモーターを搭載しているため重く、自転車本体にかかる負担が大きいということが考えられます。

ロードバイクのチューブレスは、個人ブログなどで使用感について綴られているものを見かけますが、電動自転車に関しては危険・ありえないなどの固定観念が拭い去れておりません。

こちらに関しては、新しいチューブレスタイヤの開発など、開拓の余地がありそうです。

チューブレスタイヤと耐久性の高いタイヤの寿命は違う?

寿命に関しては、その人のロードバイクなどの乗り方、保管環境などによって大きく左右されます。

舗装路を通勤や通学に往復30分程度、室内保管であれば、何年でも持ちます。

反対に、悪路を何時間も走る・倒す・急ブレーキをかけるなど、タイヤに負担をかける乱暴な乗り方をし、雨風にさらして保管をしていると1年も持たないでしょう。

タイヤはゴム製なので、屋外保管であれば、たとえ乗っていなくても、地熱によりタイヤに大きな負担がかかります。

暑いところに保管していれば、タイヤの寿命は大きく縮みます。
一般的なタイヤ・チューブは保証がききません。

なぜなら、上記のように使用状況、保管状況で大きく変わる「消耗部品」だからです。

使用が良くないと、1年たたずに劣化によるバーストや突然のパンクに見舞われ、トラブルに発展することが少なくありません。

ですが、使用を守り、丁寧な乗り方を心がけていれば、1年以上、3~4年の連続使用が見込まれます。

そういった意味で、タイヤとチューブレスタイヤ、常識的な乗り方をした場合であれば、寿命に大きな差はないと言われています。

おすすめなチューブレスタイヤ

IRCのFormula Pro TUBELESS 700×23Cです。

IRCは井上ゴムというゴムメーカーでもあるため、タイヤの品質・評判は良いです。

完成車のロードバイクに元々装着されていることはまずなく、チューブレスにしたい、ハイエンドユーザーに好まれているようです。

チューブレスでもパンクすることはありますが、品質が良ければパンクというパンクは免れますし、高品質=劣化防止にもつながります。

ですが、これはあくまで常識の範囲内での使用でのものです。
評判が良いとはいえ、間違った使い方をすれば故障の原因にもなるでしょう。

ミシュランのPro4 エンデュランスもおすすめです。

高寿命とパンクに強いこちらは、車のタイヤメーカーでも有名です。
車のタイヤですでに実績があるので、信頼感は抜群です。

「ミシュランなら安心して走れる」そういった声がユーザーからはあがっています。

普通のタイヤ・チューブかチューブレスにするかはユーザー次第

チューブレスにすると、パンクという手間・トラブルに対し、ストレスフリーになります。

一方で、現在あまり普及していないので、交換・修理アフターや金銭面で若干の不安があります。

ですが、自分ですべて行い、それに時間とお金は惜しまないという強い意思、繰り返されるパンクにトラウマがあり、うんざりしている人は、チューブレスタイヤは最高のタイヤになるでしょう。

通常のタイヤ・チューブも適正な空気圧であれば、走行中の異物ははじかれるのでパンクすることはありません。

なので、そのままでも良いという考えもあります。

ですが、構造上、パンクは発生します。

チューブレスにし、パンクする要素を排除することに比重を置くのか。
それとも、パンクの可能性がありながらも、舗装路などパンクしないような道を通ることを心がけ、いつも通りのゴムタイヤ・チューブを使用するのか。

ロードバイクに乗る人にとって、どちらにするか決め難い選択です。