ホイールやスポークは、ロードバイクを構成する重要な部品の一つです。
しかし、ロードバイク初心者で、そういった部品の名前や特徴などに詳しくないという方は、いらっしゃるかと思います。
今回は、そんなロードバイクのホイールやスポークについてご説明します。
ロードバイクのホイールとスポーク①
ロードバイクのホイールには、工場の機械によって組み上げられた状態の「完組」と、整備士や技術者も手から組み上げられた「手組」の2種類が存在します。
完組はテンションが強いので固くしっかりとしていて、手組は柔らかいのでクッションのように衝撃を受け止めてくれます。
現在は、ほとんどのホイールに完組が使われています。
素材は、主にアルミやカーボンが用いられております。
全てを同じ素材で作ることもあれば、リムとスポークだけがアルミになっていたり、リムはカーボンでスポークはアルミだったりと、目的に応じて組み合わせを変更します。
何を使うかによって重さや耐久性、乗り心地などに影響を及ぼすため、慎重に選ばなくてはいけません。
特にレース専用のものは、スピードを重視するため、なるべく軽いホイールを使います。
メインとなりやすい素材は、アルミです。
値段が手頃で、性能も悪くありません。
カーボンは、軽さを追求するにはうってつけですが、高価なのが難点です。
スポークは、メーカーによって使う数やデザインが異なります。
形も普通の針金のようなタイプから、刃物を思わせる形のようなタイプまでと実に様々です。
カーボンのみで出来ている自転車には、耐久性を上げるために本数を減らし、代わりに1本1本を太くしています。
ロードバイクのホイールとスポーク②
ロードバイクに使われるスポークはいろんな形がありますが、現在は無難な円形のタイプか、刃のような平たいタイプのスポークが多く使われています。
本数は16~28本くらいと、自転車の種類によって異なります。
ホイールの側面を覆い隠しているディスクホイールは、向かい風や追い風には強い抵抗力を発揮しますが、横合いから吹き付けてくる風には弱いという特徴があります。
ホイールの真ん中にある軸をハブと呼びます。
前側のハブはホイールハブ、後ろ側のハブはフリーハブと言い、中には回転を促す、小さな球が入っています。
ホイールハブは「ボディ」「ベアリング」「シャフト」の3つで作られている、とてもシンプルなもので、左右は関係なくどちらにも回転します。
また、回転する際の抵抗力が少ないほど漕ぎやすく、快適に走れることでしょう。
こまめにオーバーホールをしなければ、ベアリングの調子を維持出来ないところが、多少のネックです。
一方、フリーハブは形も造りも違い、チェーンからのエネルギーを動力源としているので、一方向にしか回転しません。
メーカーによって、造りは微妙に変わってきますが、回る方向が片方だけという仕組みは、基本的に同じのようです。
ロードバイクのホイールに求めること
ロードバイクのホイールは、ペダルを漕ぐことで発せられるエネルギーを無駄にすることなく地面に伝え、ブレーキを掛けた時には、しっかりと止まれるようになっていることが求められます。
そのため、ハブの周辺の抵抗力が少なく、なるべく真円を維持出来るホイールが理想とされています。
ホイールの形は重要です。
どんなに脚力が強くても、折れ曲がったホイールを使っていては前に進むことが出来ません。
ですが、常に真円でいられるホイールは、ディスクホイールなど一部の例外を除き、基本的には存在しないのです。
それはホイールがタイヤと接している「リム」、中央で回転している「ハブ」、ハブとリムを繋ぎ止める「スポーク」の3つから成り立っているからです。
このうち、スポークは長く乗っていると、やがて張りがなくなってきます。
これを放置していると間もなく折れてしまい、1本が折れると他のスポークも次々と折れていくので、早めに交換する必要があります。
重要なパーツではあるものの、とても脆く消耗品として扱われているスポークが組み込まれている限り、永続的に真円を保つことは不可能と言えるでしょう。
ホイールにおけるスポークの重要性①
ロードバイクのホイールは、基本的にリムとハブ、そしてスポークの3つが組み合わさっています。
これは重量を減らし、少しでも長く、真円を維持するために開発された形です。
ですが、スポークが曲がることだけは避けられないので、確実にホイールは歪みます。
歪みが少なければ少ないほど、回転率が良いと見なされます。
自動車なら、ホイールに重りを取り付けてバランスを取ります。
最近では、ロードバイクでも自動車と同じ方法で、バランスをコントロールするサービスを行っているところがあるようです。
ですが、やはり最も重要となるのはスポークです。
例えば、張り具合を変えてみると、乗り心地も変わります。
張る力が強いほど、ホイールが歪むことは少なくなります。
だからといって、あまりにも固くしてしまうと、今度は大したことのない溝や段差に差し掛かった時に予想以上の勢いで跳ねたりします。
そして、リムにも同等の負荷が掛かるので、リムの形が変わってしまう可能性があります。
さらに、強度を上げたことによる反動として、スポークが切れやすくなってしまうというデメリットも備わってしまうのです。
ホイールはもちろんですが、スポークのバランスも上手く調整しなければ、自転車は機能しないものと思いましょう。
ホイールにおけるスポークの重要性②
ロードバイクのホイールを真円に近付けるには、スポークを調整する必要があります。
簡単なのは、単純に数を増やすことです。
スポークの本数が多いと、そのぶんだけ負荷を分散させることが出来るので、1本に掛かる負担を減らすことが出来ます。
そうすれば、真円率は高まりますが、引き替えに重くなるというデメリットが加わります。
スポークは、1本がおよそ6gと非常に軽いものですが、それを束にすればするほど重量は増していきます。
さらに空気抵抗も増えるため、増やしすぎると今度は快適に走れなくなってしまうかもしれません。
もうひとつは、スポークを短くするという方法があります。
短いスポークほど歪みにくくなる傾向があり、それだけ数も減らすことが出来ます。
ディープリムなど、最初から短いスポークが組み込まれている種類も存在します。
ただし、リムの高さによっては、リムそのものが重くなってしまいます。
リムは、ホイールの外側に取り付けられているものなので、リムが重くなると、バイクの動きも鈍くなってしまいます。
ホイールは定期的にメンテナンスすべし
ロードバイクのホイールは常に動いている部分なので、それだけ負担が掛かり、空気抵抗もあらゆる方向から受けています。
抵抗力を保つためには、こまめにメンテナンスをして、不具合が出ないようにしなければなりません。
自転車やバイクを構成するパーツは、普通に使っているだけで徐々に劣化していきます。
ブレーキシューは、ブレーキを掛けるたびに削れるものですし、スポークは長く使えば折れていきます。
隙間にゴミや小石が詰まってしまうことも珍しくありません。
その中でもホイールは、安定した走行をするための重要なパーツで、乗り手の安全にも大きく関わっているところでもあるのです。
メンテナンスを行うことで大事なのは、異常がないかどうかを念入りに調べることです。
自動車なら、不備があれば音で知らせてくれるシステムが搭載されていますが、ロードバイクには備わっていません。
そもそも同じ速度で同じ距離を走ったとしても、路面の状況や天気などによって、ロードバイクにどれくらいの負荷が掛かるのかは違ってきます。
見過ごしてしまいそうな細かいネジの緩みなど、思わぬ発見をすることもあるので、メンテナンスは手を抜かず、頻繁にやるようにしましょう。
自転車屋さんでメンテナンスを
ホイールが歪んだり、スポークが折れたりと、ロードバイクに長年乗っていれば、不具合や故障が起こることがあると思います。
ロードバイクの知識が十分にあり、修理や交換も全て自分でできて、完璧だという方はそれで構いません。
ですが、初心者であったり、自分で行う修理に不安があったりする人は、自転車屋さんに依頼しましょう。
また、修理だけでなく、メンテナンスも定期的に自転車屋さんで行うと良いでしょう。