自転車のスポークは、色々なメーカーが作っており、材質や値段も様々です。
スポークはどれも同じではなく、いろいろな性質があります。
そして色や質感、太さ、形状なども様々で、ホイールに個性を添えてくれます。
今回の記事では、スポークの値段、コスパ、そしてその性質について、詳しくお話をしていこうと思います。
自転車スポークの値段
自転車スポークの値段自体は、スポーク単品で売っているものしか分かりません。
完組ホイールの補修用の部品などで、スポーク単品で売っていますが、それはあくまでも補修用であり、あまり値段はあてにできません。
また、補修以外では単品で買うことは無いので、これまた参考にはなりません。
この場合ですと、スポークの値段というのは、ほぼ手組み用のホイールの話になります。
スポークの値段は、どのように決まっているのでしょうか。
それは、スポークの材質と軽量性、そして空力です。
ブランドの効果もあるにはあるのですが、先にあげた3つの要素のほうが大切です。
スポークの材質は、カーボン・チタン・アルミ・ステンレス・クロモリなどが挙げられます。
チタンやカーボンが材質上、一番高価なものになります。
なぜなら、チタンやカーボンは加工が難しく、そもそもの材料費が高価だからです。
アルミ・ステンレス・クロモリのスポークは、加工も簡単で、材料費もあまり高くありません。
また、加工の方法でも値段が変わってきます。
バテットやCNの技術などで、高くなります。
ホシの自転車スポークの値段
ホシ(星)は、大正時代から続く老舗自転車スポークメーカーです。
ホシのスポークには、ストレート・ダブルバテット・エアロスポークといった種類があります。
1本あたりの値段は、ストレートが40円、ダブルバテットが60円、エアロスポークは100円ほどします。
しかし、高ければ高いほど良いというわけではありません。
とくにエアロスポークは、装着できるホイールが限定されます。
そして、エアロスポークは空力には優れるものの、剛性は普通のスポークと違って、あげられないことが多いです。
そのため、丈夫なツーリングバイクなどを組みたいときには、よくストレートやダブルバテットが採用されます。
なぜなら、丈夫さが重要なシーンでは、こういった丈夫なスポークを、本数多く装着することが必要だからです。
ホシのスポークは、自転車スポークとしては、かなりのコスパを誇り日本企業でもあることから、補修のスポークには事欠きません。
ホシは、スポークのシマノのような存在です。
ですから、スポークでホシを選ぶことも良い選択だと思います。
しかし、軽量性という面では、あまりオススメできないスポークです。
ですから、スポークを選ぶときに軽量なホイールを作りたいときには、ほかのメーカーの自転車スポークを選んだほうが良いでしょう。
DTの自転車スポークの値段
DTは、ヨーロッパを中心として、アメリカや台湾に会社を持つ自転車スポークメーカーです。
DTのスポークは、モノによっては、かなり高級なスポークですが、かなりパフォーマンスの高いホイールが出来上がります。
DTのチャンピオンやコンペテーションといったスポークは、ホシとあまり値段は変わりませんが、エアロライトというスポークは、1本で定価370円もします。
自作ホイールでスポークを少なくとも前20本・後ろ24本は必要ですから、エアロライトで組むと、スポークだけでも2万円ちかくしてしまいます。
ホイールの値段を気にしない人には良いでしょうが、ホイールのコスパを考えるには少々高いと感じるはずです。
DTのスポークは、全体的に軽量であり、軽いホイールを作るには重要です。
しかし、スポークの重量は神経質に重量を削らなくても、リムの重量のほうが重要であり、ほとんど走りには関係が有りません。
スポークが扁平な形状ならば、超高速域で空気抵抗が少ないというメリットはありますが、基本的には、あまり気にしないほうが良いかもしれません。
Sapimの自転車スポークの値段
Sapim(サピム)は、1918年にベルギーで設立された自転車スポーク・ニップルメーカーです。
そのSapimのスポークで一番有名なのが、CX Rayという製品です。
Sapimのなかで一番有名というよりも、CX Rayはすべての自転車スポークの中で、一番有名なスポークでしょう。
手組みのホイールを提供しているお店の中には、このスポークで組んでいることを売りにしているお店も有ります。
それほど日本人の中には、このスポークは、高性能スポークとして認識されているでしょう。
これほどまでに有名になった理由は何でしょうか。
まずは、エアロスポークなのに組みやすい、ということでしょう。
そして、ベントスポークの中では、かなり首折れに強い・ステンレス製で丈夫で乗り心地が良い・ステンレスのわりにかなり軽量である、ということでしょう。
しかし、値段は高くなります。
シルバーのストレートで1本385円、ブラックのストレートで1本500円という値段設定です。
そのため、このスポークは高級完組ホイールによく使われます。
しかし、値段が高いからといって、このスポークが一番性能が良く、万能だということを示すものでは有りません。
横剛性に関しては、ほかのスポークのほうが軽量で、値段も安く組めることがあると思います。
ですから、何でもかんでもこのスポークを使っていれば良い、というわけではありません。
Sapimには、さらにCX superというスポークがあります。
このスポークは高性能ですが、値段がさらに高くなるので、あまり使われることはありません。
さらに、2016年にはCX Carbonという、カーボン製スポークが発売されました。
こちらのスポークも値段が高く、ほとんど市場に出回っていません。
カーボンスポークは、扱いが難しいです。
カーボンスポークは、ライトウェイトやMavicの高級ホイールなどに使われていますが、手組みで組むのは難しく、スポークがちょっとした衝撃や段差で割れてしまうことがあります。
ですから、実際に使うシーンは皆無でしょう。
Pillarの自転車スポークの値段
Pillar(ピラー)は、台湾生まれの自転車スポークメーカーです。
Pillarのことを知っている人は、あまり多くないでしょう。
しかし、中華カーボンホイールを扱ったり、購入したりしたことがある人は知っていると思います。
中華ホイールには、コスパが求められます。
なので、Pillarのスポークがよく使われるのです。
CX rayなどと比べると、6割ほどの値段で購入できます。
しかも、Pillarは安いスポークだけではなくて、高級チタンエアロスポークなども展開しています。
例えば、X-TRA Lite Tiというスポークは、1本あたり2.6gという驚異的な軽量性を誇ります。
そして、カラーも揃っています。
Pillarというメーカーは、スポークにこだわりたい人には、かなりおすすめのメーカーです。
まとめ:自転車のスポーク値段を決めること
スポークの値段は、かならずしも性能には一致していません。
そして、自分に合うスポークも、高ければ高いほど良いというわけでもありません。
スポークを交換して試す、ということは、ペダルやサドルのように容易にはいきませんが、いろいろなスポークやその性質は、勉強しておくに越したことは無いでしょう。