シマノ・デュラエースのプーリーについて

シマノのデュラエースのリアディレーラーに付属しているプーリーは、アルテグラ以下のグレードのものとは異なります。
デュラエースのプーリーに変更するだけ、というカスタムも聞きますし、もっと大きなプーリーに交換するというカスタムもあります。
今回はデュラエースのプーリー、そして大きなプーリーについてお話ししましょう。

シマノ・デュラエースプーリーの違い

シマノのコンポには、グレードがあるということをご存知の方は多いと思います。
2017年2月現在では、105シリーズは5800系、アルテグラは6800系となっています。

プーリーは、自転車の駆動系では、小さくて交換しやすいパーツです。
種類が2つあり、チェーンをスプロケットに案内するガイドプーリーと、チェーンに張りを出すテンションプーリーがあります。

105・5800やアルテグラ・6800のプーリーに使われているプーリーは、プッシュピンが押されているだけで、ベアリングなどはついていません。

一方で、デュラエースのプーリーには、ベアリングが付いています。

ベアリングがあるのと無いのとで、どんな性能の違いがあるかというのは、よくわからないと思います。
実際、どちらにも乗ったことがありますが、本当に誤差程度しかないです。

しかし、機材にこだわるプロ選手の中には、プーリーやプーリーゲージまでカスタムしている選手もいます。
極限まで速さを追い求めないといけない人たちには、プーリーの抵抗も見逃せないのです。

実際にシマノ・デュラエースのプーリーに変えてみた

私はシマノのコンポを4つ所有しています。
先ほどご紹介した5800と6800のほかに、デュラエースの9000と9100のリアディレーラーを所有しています。
そこで、まずは、5800のプーリーを9000のものに変えてみました。

交換自体は、チェーンなどをつけたまま行なえて、10分ほど完了する作業です。

同じ11速ですし、世代も同じなので、特に変更してしまっても違和感はないはずです。

実際に、ほぼ平坦32㎞を50分ほどのペースで走ってみましたが、変速性能もペダルの軽さも特に変わらない様です。

原因として考えられるのは、3つあると思います。

1つめは、同じ11tのテンションプーリー・ガイドプーリーでは、ベアリングでもプッシュピンでも、対して差が出ないということです。

2つめは、私の出力不足でしょうか。

プロが出すような、常時400wという出力は私には出せません。
プロが出すような出力で走り続ければ、差が出るのかもしれません。

そして3つ目は、平坦であるということです。

私の住んでいる周辺には、ヒルクライムできる山が全くありません。
そのため、全力を出さなくてもスピードを出せてしまいます。
逆に、全力で走らなければいけないところでインプレッションなどできないでしょうけど。

シマノ・9100デュラエースのプーリー

9100デュラエースのリアディレーラーを入手してみました。

プーリーの質感や、回り方などは9000と、ほとんど変わりがありません。
形状は変化があり、多少の軽量化がなされているようです。

しかしシマノは、今回リアディレーラーのプーリーゲージに大きな変更を加えてきました。

今までのGS、つまり29t以上のスプロケットに対応するディレーラーのような長さになったのです。
実際、9100デュラエースのリアディレーラーは、30tまでの対応をうたっています。

そして、リアディレーラーのプーリーゲージが長くなったことで、13tのプーリーを入れられるスペースが出来ました。
しかし、単純に新しい13tのプーリーをいれていいかというと、そうではありません。

シマノだけでなく、3大コンポーネントメーカーのプーリーは、チェーンの歯をしっかりととらえられるように、特殊な加工をしています。

安いプーリーなどもありますが、そのようなプーリーに安易に変えてしまうのは止めましょう。
変速性能が落ちてしまったり、違う変速段数の環境で使えなかったりして、逆にストレスが増してしまうでしょう。

つまり、ゲージが長くなったからといって、安易にサードパーティー製のプーリーに変更することは、しないでほしいということです。

9100のプーリーを5800や6800、そして段数の違う5700や6700に付けるのも止めた方がよいです。

シマノ9000デュラエースのプーリーゲージを交換してみよう

私は、プーリーだけを変更するということは、あまりおすすめしません。

プーリーだけを変更してもおそらくほとんど効果はなく、見た目もあまり変わらず、そして逆に変速性能を落とすことになりかねないからです。

そのため、値段は張りますがプーリーだけではなく、プーリーゲージとセットになっているような商品を購入し、付け換えるのが良いでしょう。

代表的なゲージ付きプーリーといえば、TNI、Carbon dry Japan、Ceramic Speed(セラミックスピード)、Rideaなどが挙げられるでしょう。

この中で一番有名なのは、Ceramic Speedでしょうか。
プロ自転車選手として好成績を残しているカベンディッシュも使用しています。

私はSram Etapと9000デュラエースのリアディレーラーを、Ridea製の15t-15tカーボンプーリーゲージに換装しています。

Rideaのカーボンゲージプーリーは迫力がありますし、変速性能もまったく変わりません。

Rideaはシマノだと、9000用、5800・6800用、5700・4600・4700用、スラムだとSram red用、Sram Etap用、そしてカンパ用など、細かいラインナップで展開しています。

しかも、プーリー自体にも細かい加工がしてあり、変速性能を落とさないように工夫されています。
プーリー換装に興味のある人は、ぜひ見てみるとよいでしょう。

シマノ・デュラエースのプーリーを変更してのインプレッション

ゲージごと変更すると、とても派手な見た目になります。
ですが、実際に速く走れるようになるか、若しくは楽に走れるようになるかわからないと、最低でも1万5千円はするゲージ付きプーリーを買うのには躊躇してしまうでしょう。

私が使ってみた感想は、かなりケイデンスがあげやすくなりました。

重いギアでがっつりトルクをかけてもまったく違いは感じませんが、ゼロスタートから徐々にケイデンスとスピードを上げていくような走り方をすると、とても効果的だと感じました。

もともと私はケイデンス重視で走るので、ハイケイデンスを支えてくれるRideaのプーリーは、かなりお気に入りアイテムになりました。

そのあと、シマノの9100ノーマルで乗ってみましたが、やっぱり加速がのっそりしているようです。

最高速度・巡航速度などはまったく変わらないし、坂でも違いは感じませんでした。

ですので、加速の軽さは、やはりプーリーゲージを換装している9000で乗ったほうが上のように感じました。

トルク重視の人が、違いを感じることができるかは、残念ながら分かりませんが、敏感な人なら感じるのではないでしょうか。

まとめ:シマノ・デュラエースのプーリーを交換すべき人

結論としては、ハイケイデンスでペダルを回せる人、そしてレースで一瞬を争う人がつけるべきアイテムだと感じました。

プーリー交換はカスタムの最後の最後にすべきです。

シマノが未だ11tでリアディレーラーを出し続けているのも、ほとんどの人にはデカいプーリーやよく回るプーリーは必要がない、という結論を出しているからでしょう。

このように人を選ぶアイテムですが、ゲージごと変えると迫力満点ですので、ロードの見た目重視の人にもおすすめしたいと思います。