街中で、たまに信号無視をしている自転車を見かけることがありませんか?
本人は軽い気持ちで信号無視をしているのかもしれませんが、立派な交通違反であり、懲役や罰金を科せられることがあったり、一歩間違えれば、人の命を奪いかねない行為です。
そこで今回は、信号無視を始めとした交通違反・違反した際の処分についてご紹介します。
自転車運転中の信号無視で懲役や罰金も?!
自転車に乗るときは、免許が必要な自動車やバイクほど、交通規制を気にしてる人は少ないのではないでしょうか。
しかし、自転車にも交通規制があり、違反してしまうと講習を受けなければならないことや、懲役や罰金を科せられることさえあるのです。
では、どのような場合、交通違反になるのでしょうか。
・飲酒運転
→5年以下の懲役、又は100万円以下の罰金
「今日はお酒を飲むから自転車で行こう」などといって出かけていませんか?
自転車でも、飲酒運転は交通違反になってしまいます。
・手で持つ傘差し運転や携帯電話を使用しながらの運転
→3ヵ月以下の懲役、又は5万円以下の罰金
ついつい、やってしまいそうですね。
でも、実はとっても危険な行為なので、絶対にやめましょう。
・ブレーキが故障した自転車で走行する
→5万円以下の罰金
ブレーキが効かない自転車が坂道を下ってくるのは、想像するだけで恐ろしいです。
・信号無視
→3ヶ月以下の懲役、又は5万円以下の罰金
自転車だからいいだろうと、赤信号を無視して渡っていませんか?
自転車での信号無視は、立派な交通違反です。
ほんの一例ですが、ちょっと意外なものもあるかもしれませんね。
でも、知らないでは済まされない自転車の交通規制。
自転車ならいいだろうと、信号無視をすると大変なことになるかもしれません。
自転車運転中の信号無視で前科がつく?!
では、実際に自転車での走行中に信号無視で捕まり、裁判で有罪になると、どうなるのでしょうか。
多くの場合、5,000円前後の罰金という判決が出ます。
普通自動車の場合は9,000円の罰金が取られますが、それよりは安いことになります。
これは、自転車が自動車やバイクよりは軽い軽車両という扱いで、免許制度がなく、歩行者に次ぐ交通弱者にあたるため、自動車などに比べると軽い処分になるのです。
しかし、「なんだ、ラッキー!」などと思ってはいけません。
実は自転車の場合、青切符という制度がないので、問答無用で赤切符が交付されることになります。
これはどういうことかというと、有罪になると『前科』がついてしまうということなのです。
前科一犯、なんて言葉を聞きますよね。
自転車による信号無視は、あなたを前科持ちにする可能性があるのです。
もちろん、殺人などの犯罪歴とは全然違うものですので、前科がついたからといって、社会生活に影響することはほとんどありません。
ですが、犯罪歴と同じものが記録として残ってしまうということは、避けたいものですよね。
信号無視をしたら、自転車運転者講習を受講しなければならない?!
自転車運転者講習というものをご存知でしょうか。
14歳以上が対象で、自転車走行中の信号無視や泥酔運転といった14項目の危険行為を、3年以内に2回以上した者に受講が義務付けられている講習です。
都道府県公安委員会から受講命令が出されたら、手数料5,700円を支払い、約3時間の講習を受けなければなりません。
「手数料払ってまで誰が行くか!」と、受講命令を無視してはいけません。
その場合、5万円以下の罰金を科せられます。
危険行為14項目の中には、傘を差しての運転や携帯電話の操作をしながらの運転といった「安全運転義務違反」も含まれます。
ついつい、知らないうちに、行いがちな行為ですので、注意が必要です。
14歳以上が対象ということで、子供による危険運転が多いのでしょう。
よく、道路にはみ出して何人かで並走したり、メールを打ちながら自転車に乗ったりしている子供を見かけます。
子供だからといって、危険運転は許されません。
家庭での教育だけでなく、学校での安全運転指導も必要かもしれません。
自転車運転中の交通違反によって引き起こされる事故
自転車運転中の交通違反によって、重大な事故が引き起こされるケースが近年増えています。
特に、自転車が歩行者にぶつかる事故はここ数年、年間3,000件近く、10年前の1.5倍の水準です。
自動車での事故の悲惨さは、よくニュースなどでも見聞きしますね。
被害者の悲惨さはいうまでもありませんが、加害者となった場合でも莫大な賠償命令が下され、人生を棒に振る事例がよくあります。
実は、自転車でも同じなのです。
自転車で信号無視をした結果、歩行者をはね死亡させた事故で、自転車を運転していた女性に約5,400万円の支払い命令が出された事例が実際にあります。
また、自分が直接ぶつかっていなくても、間接的に重大な事故を引き起こすこともあります。
自転車で国道を横断した自転車を避けるために乗用車が車線を変更し、その乗用車を避けようとしたタンクローリーが歩道に乗り上げ、2人を死亡させた事故がありました。
その事故では、自転車に乗っていた男性に過失致死罪による禁固2年の実刑が下ったこともあります。
いずれも、自転車の運転を軽くみたことが原因の非常に悲惨な事故です。
自転車を運転する以上、このような事故とは無関係でないという自覚を持つ必要があります。
信号無視で事故を起こした場合の自転車の過失は?
自転車と自動車の交通事故では、基本的には自動車の方が過失割合は高くなります。
自転車は交通弱者とされており、実際に事故になったときの被害の大きさも違いますので、自転車に有利になっているのです。
例えば、お互いに信号など順守している状態で衝突した場合、過失割合は自動車側が100%というのが基本割合になります。
しかし、必ずしも自転車の過失割合が低いとは限りません。
例えば、赤信号を無視して交差点に進入した自転車と、青信号を横断してきた自動車が衝突した場合、自転車側の過失割合は80%が基本になります。
自転車側は交通弱者といえども、信号無視など明らかに自転車側の運転に問題がある場合は、過失割合が大きくなるのです。
過失が大きい場合、さらに過失割合が大きくなることもあり得ます。
当然と言えば当然のことですね。
自転車は交通弱者とされ、守られていることは確かですが、交通規制を守らない運転の末の事故の責任は、しっかりと取らなければなりません。
自転車を運転するなら、保険の加入をしよう!
自転車での重大事故が増加する近年、都道府県によっては自転車保険の加入を義務化するところも出てきており、自転車保険の加入が広がっています。
信号無視などの交通違反を犯さないことは当然ですが、公道を走る以上、事故の危険性は無視できません。
万が一に備え、自転車保険に加入することをおすすめします。
最近では月々数百円でコンビニでも気軽に加入でき、他人に損害を与えた場合はもちろん、自分が死亡した場合や後遺障害が残った場合、入院や通院・手術した場合の補償などが受けられます。
国や都道府県による様々な施策、学校などによる教育によっての安全運転意識の向上。
いずれも、大切で意義あることですね。
しかし、最終的に大切なことは、一人ひとりが安全運転への高い意識を持つとともに、自転車の危険性を把握し、万が一に備えることではないでしょうか。
これからも安全運転を心掛け、自転車という、私たちの生活に欠かすことのできない便利な乗り物を、楽しく利用していきましょう。
交通規則を守って、安全に運転しよう!
今回は、自転車の交通規則について詳しくご紹介しました。
なにか心当たりのある行為はありませんでしたか?
軽い気持ちで犯した違反が、大きな事故を引き起こしかねません。
しっかりと交通規則を守って、安全に自転車を運転しましょう!