こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
ロードバイクのメーカーって、本当にたくさんありますよね。
中には自転車屋さんでも、聞いたことのないようなメーカーもあります。
正直、ARGON18が2015年に初めてツール・ド・フランスに出てきたときには、「え?何そのメーカー?」って思いました。
ツールに出てくるくらいですから、それなりの製品を作るメーカーなのですが、正直、全く知りませんでした。
本当に世界には、自転車メーカーがいっぱいあります。
さらに、メーカーによって一体何が違うかって、すごく分かりにくい話だと思います。
今回は日本でも人気のあるメーカーをいくつか取り上げて、メーカーごとの違いについて、できるだけ初心者にも分かりやすいように書いていこうと思います。
- 1 ロードバイクメーカーのざっくりした違い
- 2 世界トップクラスのロードバイクメーカー GIANT(ジャイアント)
- 3 アメリカ発!世界トップクラスメーカー TREK(トレック)
- 4 派手なロゴが素敵なメーカー Cannondale(キャノンデール)
- 5 ツールを走るロードバイク SPECIALIZED(スペシャライズド)
- 6 ツールを勝つロードバイク PINARELLO(ピナレロ)
- 7 イタリアの老舗メーカー Bianchi(ビアンキ)
- 8 我らが日本のロードバイク ブリヂストン・アンカー(ANCHOR)
- 9 高級ロードバイクメーカー LOOK、TIME、COLNAGO、DE・ROSA
- 10 ロードバイクのお手本 CINELLI(チネリ)
- 11 ざっくりその他のメーカー
- 12 まとめ「主要メーカーだけでも覚えておくと便利」
ロードバイクメーカーのざっくりした違い
まず、具体的なメーカーを見ていく前に、どういうところがメーカーによって違うのかを書いていきましょう。
まずユーザーが一番気にすべき点は、『販売台数が多いかどうか』です。
『日本国内での販売台数が多い=スペアパーツなどに関しても、日本国内でも多く持っている可能性が高い。サイズや色の在庫も多く持っている可能性が高い』ということです。
具体的な数字までは企業もオープンにはしないですが、多いか少ないかくらいは分かることです。
また、世界では販売台数が多いけれど、日本国内ではそうでもないというメーカーもありますし、その逆もあります。
具体的に言えば、ブリヂストン・アンカーは日本では人気がありますが、世界全体で見れば、大きいメーカーとは言えないでしょう。
日本で自転車を購入する我々が気にしないといけないのは、日本国内での販売台数ですね。
また、他の人と違う車体に乗りたいと考える人も、少なからずいるでしょう。
そういう人には、日本での販売台数が少ないということは魅力になります。
全くの余談ですが、最近の私の欲しい車体は、アフリカのザンビアという国のZAMBIKESというメーカーで作られている竹製のロードバイクです。
単に国内では珍しいですし、この記事を書く少し前にザンビアを走ってきたからと言う単純な理由ですが。
ちなみに、ザンビアではZambeefという牛肉の会社もありました。
余談はさておき、国内での珍しさというのは、自転車好きには重要なポイントでもあります。
次に『値段』ですね。
一般的によく言われるところでは、
「ジャイアントがコスパ最高!」
というのがあります。
その件の審議については、後ほど詳しく書いていきましょう。
正直、値段は判断がとても難しい問題です。
販売価格が安くても、消費者に分かりにくいところで性能をごまかしているような製品は「良い値段」とは言えません。
販売価格が高くても、細かいところまで非常によくこだわっている車体は決して「悪い値段」とは言いませんよね。
なので、一概に判断しづらいところではありますが、購入するときに値段の問題は重要になりますので、そこも考えていきましょう。
『走りが良いかどうか』というのも気になりますよね。
でも、大丈夫です。
基本的に一般的な人が耳にするほどの世界的メーカーの場合、どこもそれなりに走りは良いです。
『ツール・ド・フランスに出ているかどうか』というのも重要なところじゃないでしょうか。
やはりロードバイクである以上、レースとは切っても切れませんから、世界最高のレース『ツール・ド・フランスに出ているか』は重要でしょう。
ツール・ド・フランスに出られるかどうかは、スポンサーなどの関係もありますから、ツール・ド・フランスに出ている=走りが良い、素晴らしい自転車というわけでもないのですが、ロードバイク愛好家にとっては重要な要素ですね。
『どこの地域のメーカーか』というのも重要です。
ひと口に言ってしまえば、ヨーロッパかアメリカか台湾かです。
自転車は元々はヨーロッパが本場ですので、歴史の長いメーカーはヨーロッパです。
しかし、現在、販売台数が多いのは、後からできたアメリカメーカー、世界の自転車工場とさえ言われる台湾です。
ヨーロッパのロードバイクももちろん良いのですが、アルミやカーボンという新素材の登場と、アメリカ式のビジネスの上手さで販売台数に関しては逆転されています。
アメリカメーカーは販売台数を伸ばすために、風洞実験や数値化など新しい方法を積極的に取り入れますし、やはり効率が良いですね。
対して、ヨーロッパメーカーは伝統ですね。
販売網の作り方など、あまり効率が良いとは言い難い面も多いのですが、数字に出せない良いロードバイクを作るノウハウみたいなものを持ったメーカーが多い、というイメージで良いと思います。
ただ、やはりアメリカメーカーと比較すると値段は総じて高めになりやすく、日本に入ってくる台数、特に小さいサイズなどは少ない傾向にあります。
そして、台湾ですね。
台湾はジャイアントによって、爆発的に伸びました。
元々はOEMの下請け、図面や技術を教えてもらって、安い人件費で作るだけの工場だったのですが、次第に技術を吸収していき、ジャイアントは一躍世界トップのメーカーになりました。
前置きが長くなりましたが、順に見ていきましょう。
世界トップクラスのロードバイクメーカー GIANT(ジャイアント)
様々な意見があるでしょうが、ジャイアントは世界トップのロードバイクメーカーだと思います。
世界中の多くのメーカーの車体が、台湾のジャイアントの工場で作られています。
少し雑な言い方ですが、ある意味では世界中の多くのロードバイクは、ジャイアント製だと言えなくもないのです。
ですから、販売台数は世界的にも日本国内でもトップの部類に入ります。
もちろん、ツール・ド・フランスにも出場していますね。
「でも、ジャイアントって安かろう、悪かろうじゃないんですか?」
そう言った声もよく聞きますが、私はジャイアントの製品は全く悪くないと思っています。
確かに、値段相応の製品という側面はあります。
「コスパ最高!」と取り立てて言う人もいますが、商品によると思います。
非常にコストパフォーマンスに優れた良い製品もあれば、値段通りの性能の製品もあります。
それでも、確かに値段の割に全く駄目といった製品は、基本的にないと思います。
特に、クロスバイクやビギナー向けの安価な製品の値段設定は、良心的だとも思います。
ただ、手放しで「コスパ最高!」と叫ぶような過度の期待は禁物でしょう。
安い値段のものは、やはり安い走りをします。
ジャイアントが、悪い意味での安物というイメージを日本で抱かれてしまっているのは、一時期、円高の時代にクロスバイクのエスケープシリーズを安い価格に設定しました。
そして、それをショッピングセンターなどに入っている、スポーツ量販店などの販売網に流してしまったことが原因じゃないかと思います。
現在でも、スポーツ量販店でジャイアントを見掛けることはありますね。
スポーツ量販店などで販売すると、ものすごくSALEで値引きされますし、安っぽく見えます。
そして、スポーツ量販店の自転車コーナーで初めてのクロスバイクを買うと、後のメンテナンスまでしてくれるかが分かりません。
結果、メンテナンスしていないボロボロのジャイアントが駅前の駐輪場なんかで、よく見掛けられるようになり、安物というイメージが、どんどん定着してしまいます。
実際にジャイアントは技術もありますし、生産台数・販売台数も多いですから、他メーカーと比べると、安く作れるノウハウを持っています。
また、様々な部品メーカーも持っていますので、特に完成車を販売するとなると、シマノのコンポーネント以外のすべてのパーツを自社で作れるので、値段を抑えられるという強みもあります。
そういった背景から、「ジャイアントは悪い意味で安物」というイメージを持たれてしまっていますが、実際には間違いなく世界トップクラスのメーカーです。
ジャイアントの名車と言えば、TCRでしょう。
TCRは、すごいと思います。
何年も同じモデル名でずっと続いている名車です。
シンプルな車体ですが、1996年からずっと、ジャイアントのロードバイクの看板を背負い続けているロードバイクです。
スローピングフレームを生み出したのもジャイアントです。
スローピングフレームというと、トップチューブ(自転車にまたがったときに股の下にくるパイプ)が斜めになっているものですね。
従来はホリゾンタルフレームという、トップチューブが地面と水平のものでした。
昔のロードバイクは、全てホリゾンタルフレームですね。
トップチューブが斜めになっていることで得られるメリットは、軽量化・乗り味のしなやかさ・ひとつのサイズで対応できる範囲が広がることです。
今もいくつかのメーカーでは、ホリゾンタルフレームを採用していますが、ホリゾンタルの車種はサイズ選びが難しいんです。
ハンドルが、低くなりやすいんですね。
特に我々日本人は、欧米人ほど手足が長くないので、難しいです。
また、近年ではPropelによって、エアロロードバイクというジャンルを確立してきました。
発表当初は私個人としては正直なところ、
「いや、タイムトライアルじゃない通常のロードバイクに、そこまでのエアロは必要ないでしょう。むしろ、エアロ形状にチューブ加工することで重くなるし、剛性感や乗り心地が損なわれるでしょう。見た目はかっこいいけどさ」
と思いましたが、気付けば各メーカーからどんどんエアロロードバイクが発表され、ロードバイクの新しい1つのジャンルとして確立しつつあります。
私個人としては、今もエアロロードバイクについてはあまり好きではないのですが、事実、多くのメーカーが生産し、プロのレースでも使用されているのが現実です。
ジャイアントは良いメーカーだと思いますが、私が一点だけ気になっているのが、サイズ展開が少ないということです。
ライバルのトレックなどと比べると、サイズ展開が少ないんです。
サイズはフィッティングする上で、非常に重要なファクターですので、私は気になります。
ただ、確かにスローピングフレームの場合、ひとつのサイズで対応できる範囲が広いですし、サイズ展開を絞れば大幅なコスト削減にもつながりますので、一概に悪いことだとも言えないです。
アメリカ発!世界トップクラスメーカー TREK(トレック)
トレックは、アメリカの自転車メーカーです。
ジャイアントと並んで、世界のスポーツ自転車販売台数上位のメーカーですね。
ジャイアントと違って、安いというイメージはあまりないですが、ロードバイクメーカーの中では、手頃な値段で安定した良い製品を作っているメーカーだと思います。
もちろん、ツール・ド・フランスにも出ています。
今となってはドーピングが発覚してしまいましたが、伝説のツール7連覇ランス・アームストロングが乗っていたのもトレックです。
ドーピングに関しては残念ですが、当時はほぼすべての選手がドーピングをしていましたし、ランス・アームストロングのおかげで、トレックのMADONEの人気が世界的に高まったのは事実でしょう。
トレックの名車と言えば、やはりMADONE(マドン)ですね。
ただ、現在のモデルでは、MADONEはエアロロードバイクになってしまっています。
非常に良い車体ですが、昔からの自転車ファンの間でのトレックの名車=MADONEでイメージする、かつてのMADONEとは別物になってしまっていますね。
それでも、確かにMADONEの名前を付けているだけのことはあります。
まだ、現行の新しいMADONEはツール・ド・フランスで総合優勝などはできていませんが、実際に乗ってみると、エアロロードバイクとは思えないほどに快適で、重さもなく、踏み込んだ感触も非常に良い車体です。
ただ、MADONEは最上位モデルしかラインナップがないので、値段的に、なかなか一般向けとは言い難いですね。
かつてのMADONEのようにオールラウンダーでシンプルなロードバイクの位置には、現行モデルではEmonda(エモンダ)というモデルがあります。
メーカーは軽さを重視したモデルと言っていますが、軽さというより無駄なもののない、シンプルな王道的なロードバイクと言った方が良いかもしれません。
それにしても、軽さは驚異的です。
最上位モデルは、完成車重量5kgを切ります。
実際に乗ると、もはや、ちょっと気持ち悪いほどに軽いです。
Emondaには、アルミのモデルまでラインナップがありますので、初心者の人でも手が届きますね。
ちなみに、アルミのEmonda ALRは初めてのロードバイクとして、おすすめの1台です。
20万円前後と最初の1台としては少々高いかもしれませんが、この値段で本当によく走ります。
アルミなので、繊細なカーボンに抵抗がある人でも使いやすいと思います。
ただ、かなり軽量に作っているので、アルミでも注意して取り扱わないといけませんが。
そして、もう引退してしまいましたが、ファビアン・カンチェラーラという人気の高い選手のために開発された、Domane(ドマーネ)という車種も人気があります。
こちらはヨーロッパの石畳の上を走るレースを、最も速く快適に走れるというコンセプトの自転車です。
非常に振動吸収性が良く、乗っていて、ものすごく快適です。
ランス・アームストロング時代のMADONEの影響もあるのでしょうが、今でもトレックのカーボンは非常に人気が高いです。
独自の形成技術で作るOCLVカーボンは振動吸収性が良く、乗り味が良いということで定評があります。
短所としては、BB90でしょう。
BB90は性能自体は良いのですが、トレックの独自規格ですので、少々面倒です。
個人的には汎用性の高いシマノのプレスフィットBBにして欲しいところですが、今さら規格を変えるわけにもいかないでしょう。
トレックは大きいメーカーですし、BB90が独自規格でもトレックのショップに行けば、すぐに取り寄せも可能なので、さほど深刻な短所ではないです。
ですが、BB90以外でも時々、妙な独自規格の部品を使ったりすることがあるので、少々厄介です。
新しい技術の開発に熱心とも言えるので、一概に短所とは言えないのですが、独自規格は失敗して消滅してしまったときが怖いので、買う側としては厄介ですね。
派手なロゴが素敵なメーカー Cannondale(キャノンデール)
キャノンデールも、トレックと同様アメリカのメーカーです。
販売台数としてはジャイアント、トレックよりはいくらか劣るものの、やはり世界トップクラスのロードバイクメーカーですね。
もちろん、ツール・ド・フランスだって出場しています。
キャノンデールは、とにかく派手ですね。
色使いとメーカーロゴが、非常に派手でかっこいいです。
さらに、スローピングフレームが多い昨今としては、珍しくホリゾンタルフレームですので、シルエットも美しいですね。
もちろん、好みは分かれるかもしれませんが、キャノンデールの車体はひと目で分かりますね。
キャノンデールの派手さはロードバイクのみならず、マウンテンバイクもすごいです。
レフティという、片持ちのフロントフォークを採用しています。
現行の人気車種は、スーパーシックスとCAAD 12ですね。
いずれも、軽量性を売りにしている良い車体です。
スーパーシックスが、カーボンのモデルになります。
プロご用達のハイエンドモデルから一般ユーザーにも、手の届きやすい値段帯のモデルまでラインナップしています。
CAAD 12は、高級軽量アルミロードバイクですね。
アルミのロードバイクとしては高級な20万円以上と言う値段ですが、非常に素晴らしい車体です。
高級軽量アルミロードバイクは、カーボンが主流になって、一時期各メーカー離れていたのですが、キャノンデールはずっとCAADシリーズを作ってきました。
昨今になって、トレック、ジャイアントも積極的に作るようになりましたが、やはり高級軽量アルミでは、キャノンデールが本家といったところがあります。
CAAD 12は、初めてのロードバイクとしてオススメしたい車種ですね。
ツールを走るロードバイク SPECIALIZED(スペシャライズド)
スペシャライズドもジャイアント、トレックに次ぐ大メーカーです。
やはり、アメリカメーカーですね。
スペシャライズドと言うと、ツールでやたらたくさん見ます。
「あれ?このチームもスペシャライズド?」
と思うほど、たくさん車体提供していますね。
近年では、ニーバリという選手がスペシャライズドのロードバイクで、ツール総合優勝をしていますね。
ツールに多く出ているということもあってか、レース志向の人から人気が高いメーカーですね。
人気車種は、Tarmac(ターマック)、Venge(ヴェンジ)、ルーベです。
ターマックは、オールラウンダーですね。
硬くてガンガン踏めるので、脚力のあるレース志向の人から人気があります。
ヴェンジは、エアロモデルでかっこいいですね。
ルーベは、ヨーロッパの石畳の上を走るレース用に開発された車体で、振動吸収性が良く快適です。
スペシャライズドはビギナー向けの手頃な値段のロードバイクまで展開していますが、最上位モデルのフレームだけ「S-WORKS」と呼び、メーカーロゴも「スペシャライズド」ではなく「S-WORKS」となります。
レース志向の人から人気が高いこともあり、S-WORKSのターマックが走っているだけで、
「あ、速い人だ」
と、ついつい思ってしまいます。
実際には、別に速くない人もいますし、当然ですが、初心者がS-WORKSに乗っても何ら問題はないです。
あくまでイメージ的な問題ですが、S-WORKSのターマックはレースバリバリのバイクと思ってしまいますね。
実際、硬いですから、レースで勝ちたい人にはぴったりです。
ツールを勝つロードバイク PINARELLO(ピナレロ)
ピナレロはイタリアのメーカーで、とにかくツール・ド・フランスで総合優勝しまくるメーカーですね。
特に近年は、ピナレロを使うチーム・スカイが、非常に戦略的なレース展開を強い選手を揃えてやってくるので、本当に強いです。
イタリアメーカーとあって伝統もあり、フレームのデザインは、どこかお洒落さが漂います。
値段はここまでみてきたアメリカや台湾のメーカーと比較すると、少々割高な感じはありますが、近年は初心者向けに手頃な値段のアルミのロードバイクも作っています。
人気車種はズバリ、最高グレードのDOGMA(ドグマ)ですね。
値段は高いですが、ツール・ド・フランスを勝利するロードバイクです。
さらにDOGMAは今年の新年、2017年1月からDOGMA F10という新しいモデルが発表されています。
新型は今年のツールを制することができるか、今から楽しみですね。
イタリアの老舗メーカー Bianchi(ビアンキ)
ビアンキはイタリアの老舗メーカーです。
日本でも、非常に人気のあるメーカーですね。
ビアンキと言えばチェレステカラー。
イタリア語で碧空を意味するチェレステには、完全な青でも緑でもない独特の美しさがあります。
ちなみに、ビアンキのチェレステカラーは、年によって微妙に色合いを変えているということも聞いたことがあります。
チェレステはロードバイクに興味のない若い女性にも人気があり、ビアンキのクロスバイク・ローマⅡやカメレオンテといった車種は、街で見掛けることも多いですね。
そのせいか時々、
「ビアンキはお洒落な街乗り自転車」
と思われていることがありますが、ミゲル・インデュラインやマルコ・パンターニといった名選手たちによって、ツール・ド・フランスを何度も勝っています。
また、現在あるロードバイクメーカーでは、世界で最も歴史あるメーカーのひとつです。
アメリカや台湾メーカーと比較すると、値段が高くなりやすいのがヨーロッパメーカーです。
ですが、ビアンキは老舗ということもあり、世界的にも販売台数はある程度あるので、初心者向けの価格帯からトッププロの使うモデルまで、幅広くラインナップしています。
我らが日本のロードバイク ブリヂストン・アンカー(ANCHOR)
ロードバイクはヨーロッパが本場ですが、日本も頑張っています。
かつてはパナソニックのロードバイクが、ツール・ド・フランスで活躍していた時期もあります。
「え?パナソニックってあの電気屋さんの?」
そうです、あのパナソニックです。
現在の自転車はフレーム素材が、アルミやカーボンが主流になってしまいましたが、クロモリの時代には、パナソニックのロードバイクってすごかったんですよ。
現在も、パナソニックのクロモリフレームは販売されています。
自転車好きの間では、人気があります。
クロモリだけでなく、アルミ、カーボンと現在の素材でも頑張っているのが、ブリヂストン・アンカーです。
F1のタイヤを作っているブリヂストンですね。
ママチャリなどの一般車がブリヂストン、ロードバイクなどのスポーツ車のブランドとしてアンカーがあります。
ブリヂストン・アンカーは学生の自転車部の場合、店舗によってはいくらか割引をしてくれる場合もありますし、最初の部品の構成が選べるなど、細かい気配りがあり、非常に良いですね。
かゆいところに手が届きます。
また、カラーもオーダーできるのも良いですね。
特殊カラーはアップチャージがかかりますが、普通の色は無料です。
また、日本のメーカーで、日本国内での販売がメインなので、日本人の乗りやすい自転車を作るメーカーというのも嬉しいポイントです。
背の低い女性でも乗りやすい車体があるのも、大きな魅力でしょう。
ただ、背の低い女性サイクリストは、
「これまでアンカーしか乗れる車種がなかったから、アンカー以外に乗ってみたい」
と言う人が多いですが(笑)
最近では、海外メーカーも小柄な女性向けのモデルを展開してきていますからね。
それでも、昔から小柄な女性の乗れるロードバイクを出し続けてきたアンカーは、やはり信頼があります。
小柄な女性には、特におすすめのメーカーです。
また、自転車屋さんだけしか分からないことですが、アンカーのロードバイクは、本当に全バラに近い状態で車体がメーカーから届きます。
普通のメーカーは、ある程度組まれた状態で店舗に車体が届きます。
このある程度組まれた状態というのが、メーカーによりけりですが、時々、すごく微妙なことがあります。
走るには問題ないけれど、細かいことを言えば、組み付けが荒いというときですね。
結局、バラバラにして組み直しということになるので、非常に面倒くさいです。
その点、アンカーは最初からバラバラなので、自転車屋さんとしては、ある意味では楽ですし、ある意味では面倒なところもあります。
コラムくらいは、一般的な長さでカットしてから、出荷してくれれば良いのにと思います。
ただ、購入する人にとっては、全バラから自転車屋さんで組んでもらえる方が間違いないですから、メリットだと思います。
高級ロードバイクメーカー LOOK、TIME、COLNAGO、DE・ROSA
LOOK(ルック)、TIME(タイム)は、ともにフランスのロードバイクメーカーですね。
どちらも、超高級車を作るメーカーで、良いペダルを作るメーカーです。
まあ、お高いです。
特にルックは、ルックというメーカーロゴを見るだけで「鼻血が出るほど高いんだろうな」と思います。
かつては「いつかはルック」と、多くのロードバイク愛好家が夢見たメーカーです。
しかし、昨今は一般ユーザーにも手の届きやすい価格帯の完成車も、ラインナップし始めました。
大手メーカーも100万円以上のラインナップを積極的に展開していることもあり、冷静に考えればルックやタイムも、昔ほど夢のブランドではなくなってきているのかもしれません。
COLNAGO(コルナゴ)も、なかなかの高級車メーカーですね。
イタリアです。
クロモリのアラベスクが欲しい、と思うあなたは自転車マニアですね。
良いですよね、アラベスク。
ラグがすこぶるかっこいいですよね。
馬鹿みたいにお高いですが。
もちろん、クロモリだけじゃなく、フルカーボンのレースモデルも人気があります。
ただ、タイム、ルックと比べれば、初心者にも手の届く価格帯のアルミのロードバイクもラインナップしています。
イタリアと言えば、前に出てきたビアンキと、そしてハートマークのDE・ROSA(デ・ローザ)、そしてこのコルナゴと、3つでイタリアロードバイクの御三家ですね。
ハートマークというのは、車体のメーカーロゴが、DE(ハートマーク)ROSAとなっているんですね。
このハートマークが、非常に美しいんですね。
普通、ハートマークが描かれた自転車におじさんが乗っていると変ですけど、デ・ローザのデザインにかかれば、お洒落になるんですよね。
やっぱりその辺りは、イタリア人のセンスはすごいです。
まあ、乗るおじさんにもよりけりですけど。
昨今は、その美しいデザインから、女性にも人気が高いです。
ただ、非常に個人的な考えですが、あれはやっぱり自転車が速そうな髭もじゃの白人さんが、ちょっと無造作に乗っているくらいがカッコイイ気がします。
もちろん、誰が乗っても自由ですが。
デ・ローザもクロモリが人気がありますね。
カーボンの方も頑張ってはいますが、昨今は他のカーボンメーカーに押されて、少し元気がないような気もします。
ロードバイクのお手本 CINELLI(チネリ)
チネリは素晴らしいですね。
美しいです。
チネリも、やはりイタリアです。
クロモリのスーパーコルサが欲しいです。
かつては、ロードバイクのお手本とさえ言われたメーカーです。
ただ、やはりデ・ローザ同様、カーボンの時代になってからレースシーンでは、少し元気がなくなりつつあるメーカーのようにも思います。
クロモリからアルミやカーボンへと素材が変わった時代は、自転車メーカーには激動の時代だったんですね。
何せ、素材の特性も加工の方法も全く変わってしまいましたから、それまでのクロモリのノウハウがあっても、また一からカーボンのノウハウを身に付けていかないといけませんからね。
それでも、デ・ローザもチネリも、今でも自転車愛好家から愛され続けているメーカーです。
単なる懐古主義ではなく、やはり自転車の美しさというのは、かつてのクロモリの時代に、すでに完成されているものです。
素材が変わり、外見の形は大きく変わったものの、ペダルを踏んで人間の脚力だけで何千キロも、いくつもの峠を越えて走るという本質は変わりませんから、その中で生まれてきた美しさの概念というのも、やはり本質的には変わりません。
個人的には、性能面などではアメリカメーカーや台湾メーカーが好きですが、やはりヨーロッパのデザインは本場の自転車という感じがして好きですね。
特にチネリやデ・ローザ、コルナゴのように、今でも人気を持っているメーカーの作る、美しくレトロなクロモリの雰囲気は、アメリカや台湾じゃ真似できないだろうと思います。
やはり、年季が違います。
ざっくりその他のメーカー
全てのメーカーを紹介したかったところですが、自由に各メーカーについて思うままに書いていると、気付けば原稿用紙もわずかになりました。
まだ、主要メーカーすら全て書けていないので駆け足になりますが、覚えておきたい主要メーカーを書いておきます。
《GT》
アメリカですね。
割と大きいメーカーです。
《FELT(フェルト)》
エントリーモデルからレースモデルまで広く展開しています。
こちらも、かなり大きいメーカーです。
トレックなどの日本で幅を利かせているメーカーと違い、日本支社を持っていないので、日本ではイメージが薄いですが、海外では人気も高いと聞いたことがあります。
元はドイツですが、現在はドイツとアメリカ両方に拠点を持っています。
《MERIDA(メリダ)》
GIANTと同じで台湾メーカーですね。
最近はツール・ド・フランス参加にも積極的。
日本の星、新城幸也選手も乗っていますね。
《CERVELO(サーベロ)》
一時期、日本国内でも流行りましたね。
ツールにも出ていますし。
高額な車体しかラインナップしていません。
タイムトライアル系のエアロな車体ですので、メンテナンスがものすごく面倒で自転車屋泣かせで、
「ネットで買った!直してください!」
と、ある日突然に店に現れる、少々困ったお客さんのイメージです。
ツールにも出ているので悪くない自転車ですが、個人的には嫌な思い出を彷彿とさせられるメーカーです(笑)
カナダです。
《ARGON18(アルゴンエイティーン)》
今回の記事の最初にも出てきました。
日本では、まだあまり見かけませんね。
こちらもカナダで、TTが強いメーカーですね。
ぺったんこのエアロ系ですね。
サーベロと違って、まだ日本ではさほど流行っていないので、嫌な思い出にはなっていないです(笑)
《Willier(ウィリエール)》
イタリアですね。
美しいですね。
本当、イタリアの歴史あるメーカーは、どこも息をのむ美しさがありますね。
《KUOTA(クオータ)》
こちらもイタリアですが、カーボンの時代から有名になった割と最近のメーカーです。イタリアですが、やはりクロモリをやっていないメーカーだからか、他のイタリアメーカーと比べると少し異質な雰囲気です。
《FOCUS(フォーカス)》
ドイツですね。
1992年に創業です。
《CANYON(キャニオン)》
ドイツです。
最近、注目が高まっています。
というのも、ロードバイクの世界では異質な、メーカーから直売のネット通販でだけの販売なんですね。
ツール・ド・フランスでもモビスターのキンタナという良い選手のおかげで、レースバイクとしての実力も証明されました。
ネット通販のメーカー直売。
本当に新しいやり方です。
コストカットや効率化などメリットは多いものの、メンテナンスの問題がつきまとう自転車で、果たしてどこまでできるものなのか。
注目の集まるメーカーです。
《SCOTT(スコット)》
スイスですね。
元々はスキー用品の会社ですね。
ちなみに高級ブランドLOOKも元々はスキー。
ヨーロッパの自転車メーカーは、スキー出身が多いですね。
《BMC》
こちらもスイス。
近年、ツール・ド・フランスで活躍しているので、人気が出てきていますね。
《RIDLEY(リドレー)》
自転車大国ベルギーですね。
全くの余談ですが、海外で自転車に乗っていてベルギー人に会っても、「ベルジャム」みたいに言われるので、「え?どこの国?」と思って聞き返すと、「自転車とチョコで有名な国だよ」と言われます。
後になってから「ああ、ベルギーか」と気付きます。
少し前はFENIXが手頃な値段で、フルカーボンでデザインも良かったので、人気があった時期がありましたね。
《ORBEA(オルベア)》
スペインですね。
バスクです。
スペインの中でも、やたらと濃い地域だそうです。
ツールも勝つし、人気の高いメーカーです。
スペインメーカーだからか山岳に強いというイメージがありますね。
初心者にも手の届く値段帯のラインナップもあります。
《BH》
スペインですね。
少々お高めです。
《GIOS(ジオス)》
イタリアですね。
以前は日本国内でもよく見掛けたのですが、最近減りましたね。
独特の濃いジオスブルーが渋くてカッコイイですね。
《LOUIS GARNEAU(ルイガノ)》
カナダです。
まあ、まず初めて読むとルイガノとは読めませんね。
レースバリバリ路線はGARNEAU(ガノー)ですね。
余談ですが、僕が初めて買ったロードバイクもルイガノでした。
まとめ「主要メーカーだけでも覚えておくと便利」
その他、CORRATEC(コラテック)やLAPIERRE(ラピエール)やDACCORDI(ダッコルディ)、SCHWINN(シュウィン)、CARRERA(カレラ)、EDDY MERCKX(エディ・メルクス)と、いっぱいありますね。
さらに日本のハンドメイドのメーカーや、少し前に倒産したグラファイトデザインや、買収されてなくなったKLEIN(クライン)。
予算別のおすすめロードバイクをご紹介している記事はこちらです!
僕が知っているだけで、良いメーカーはまだまだいっぱいあります。
僕が知らないだけで良いメーカーっていうのは、恐らくいくらでもあるでしょう。
ただ、すべて覚える必要はありません。
ジャイアント、トレック、キャノンデール、スペシャライズド、フェルト、ビアンキ辺りの、販売台数もラインナップ数も多いメーカーを、どれか1社だけざっくり覚えておけば、大体の値段相場が分かります。
あとは、
「この値段でヨーロッパだから、まあ、こういった感じだな」
と感覚的に分かるようになってきます。
メーカーか販売店に行って、「購入を検討しているのでカタログください」と言えば、立派なカタログをもらえるか売ってもらえるので、一冊持っておけば暇なときに眺めていると楽しいですよ。
個人的には、ビアンキのカタログが写真集みたいで綺麗で好きですね。
情報は分かりにくいんですけど、眺めていて美しいです。