自転車の前輪ブレーキは自分でメンテナンスできる?!

通勤・通学、またはちょっとしたお出かけの足に便利な自転車は、生活必需品という方も多いかと思います。

ある日突然、前輪ブレーキからすごい音がしたことなんてありませんか?

ブレーキって、自分でメンテナンスできる部分もあるんですよ。

今回は、前輪ブレーキのメンテナンスの方法について、ご説明していきたいと思います。

自転車の前輪ブレーキの異音の原因

自転車の前輪のブレーキから異音がする場合、まずはクレンザーや台所用洗剤などを使って洗浄してみましょう。
油分が含まれているものを使うと、ブレーキが効きにくくなるので、気を付けてください。

それでも異音が鳴り止まなければ、ブレーキシューを外して、こびり付いている汚れを落とし、やすりで擦ってざらつかせてみましょう。

取り付けるところにあるステーを工具で捻り、ブレーキシューの角度を変えるのも良いでしょう。
力加減を間違えると反応が鈍くなってしまうため、くれぐれも力を入れすぎないようにしてください。

ブレーキシューを新しいものに取り替えるタイミングは、表面に刻まれている溝を見て判断しましょう。
目安は溝の深さが1mmくらいになる頃です。

ブレーキシューは金属製のパーツにゴム製のカバーを被せているため、使っているとカバーが破れて、金属が出てきてしまいます。

擦り切れたブレーキシューがホイールとぶつかることで、ホイールも削り取ってしまうので、早めに交換するようにしてください。

自転車の前輪ブレーキシューの取り外し

自転車の前輪のブレーキシューを交換するためには、

「アーレンキー」
「ブレーキシュー」
「小さいプラスドライバー」
「軍手」

を用意してください。

軍手はなくても構いませんが、あれば手の怪我や汚れを防げます。

ブレーキシューについては、シマノなどが販売している純正タイプを購入しましょう。
なお、油分が付着すると反応しにくくなるので、作業の前には手を洗うか、新しい軍手を使ってください。

まずはブレーキの両側を手で掴み、ホイールがある方向に寄せてから、ワイヤーを緩めてブレーキアームの上側に付いているフックを外しましょう。

ロードバイクにはキャリパーブレーキが取り付けられていますが、これはブレーキを緩めるためのレバーがあるので、それを起こしてやりましょう。

続いて、古いブレーキシューと同じサイズのアーレンキーを、ホイールの反対側にあるネジ穴に差し込んで、時計回りに回してください。

そうすればネジが緩むので、そのまま抜き取ってしまいましょう。
これで、ブレーキシューを外すことができるはずです。

前輪ブレーキシューの取り付け

自転車の前輪に新しいブレーキシューを取り付けるときは、6つのパーツの順番を間違えないように気を付けてください。

まずはブレーキシューに「長くてへこんでいるパーツ」と「一部分が突き出ているパーツ」を取り付けて、ブレーキアームに空いている楕円形の穴に通します。

2つのパーツは、へこみと出っ張りを組み合わせるように取り付けましょう。

続いて、残りのパーツを「出っ張っているパーツ」「短くてへこんでいるパーツ」「ワッシャー」「ネジ」の順に付けていきます。

このとき、アームから外れないように、ネジを軽く締めてください。

この時点ではブレーキシューが上下に動かせるので、ブレーキアームを内側に動かして、ブレーキシューをホイールに押し当てます。

そして上下がホイールの金属部分から、はみ出さないくらいの位置に、地面と水平になるように移動させます。

上手く収まったら、ネジをきつく締めましょう。
片手で押さえながら、もう片方の手でアーレンキーを使えば、締めやすいかと思われます。

最後に前輪ブレーキシューの調整

自転車の前輪にブレーキシューを取り付けたら、細かい部分を調整していきます。

まずは、ブレーキアームを元の位置に戻して、フックをしっかりと掛けましょう。
キャリパーブレーキの場合は、ブレーキレバーを倒してください。

その次に、前輪を浮かせて、ホイールを回してみましょう。
滑らかな動きになっていなければ、ブレーキシューがホイールに当たっているということになります。

ブレーキシューとホイールの隙間が2mm以下になっていたら、ブレーキがやや効きすぎています。
レバーとワイヤーを繋ぐネジで、ブレーキの効きを調節してください。

ブレーキシューの左右の間隔がどちらかに偏っているときは、ブレーキアーチの根元にあるネジを、プラスドライバーで回します。
締めれば外側に、緩めれば内側にアーチが動きます。

調整が終わったら、もう一度ホイールを回してみましょう。
まだ、ぎこちないようなら再び調整を行って、ブレーキアーチのバランスを取ります。

ひと通りの調整が済んだら、運転する前に必ずブレーキがきちんと効くかを確かめましょう。
もしも反応が鈍いと、停止できずに事故を起こしてしまうかもしれません。

前輪ブレーキワイヤーも交換してみよう

自転車の前輪のブレーキシューが交換できたら、ワイヤーも取り替えてみましょう。
経年劣化してしまったワイヤーを放置しておくと、突然切れてしまうことがあるので、早めに交換することをおすすめします。

作業は15分程度で行えます。
費用は専門店に頼むと1,000~2,000円ほど掛かりますが、自分でやれば400円ほどで済むので、節約にもなってお得です。

ママチャリに使うものなら、ホームセンターへ行けば購入できるため、気軽に取り替えやすいというのも利点と言えるでしょう。

用意するものは

「ペンチ(刃が付いているものにしましょう)」
「10mmの工具(10mmナットが回せれば何でも構いません)」
「新品のワイヤー」

です。

まずは、ブレーキワイヤーの先端に付いているキャップを、ペンチでつまんで引き抜いてください。
抜けなければ、ワイヤーごと切ってしまっても良いでしょう。

続いて、ナットをワイヤーを抜き取れるくらいまで緩めます。
あとはワイヤーを交換して、緩めたナットを締め直し、キャップを戻せば完了となります。

自転車のブレーキワイヤーを入れ替える

自転車のブレーキワイヤーが劣化してきたら、早めに取り替えてください。
前輪のものなら、自分でも交換することができます。

古いブレーキワイヤーは、まずレバーの根本にあるキャップを引っ張って外したら、ワイヤーを窪みまでずらしてやります。

それから上に引っ張り上げれば、抜き取れます。

あとは新しいワイヤーを差し込み、古いワイヤーがあった位置に取り付けたら、キャップとワイヤーチューブを差し込んでください。

ブレーキ側のワイヤーは、ブレーキアームのアウター受けと締め付けナットの穴に通します。

ブレーキシューとリムの間隔は3mmくらいを目安として、隙間を微調整しながらブレーキの左右にあるナットを手で締めていきましょう。

ナットを締めたら、きちんと停止できるかどうかを確認してください。

平地へ行き、ゆっくりと走っていって、適当なタイミングでブレーキレバーを握ります。
しっかりと止まれれば、問題ありません。

仕上げに余分なワイヤーを切り取って、先端に付属のキャップを被せたら、ペンチで潰してください。

そして軽く引っ張ってやり、外れなければ作業終了です。

ブレーキは自転車の要

自転車のブレーキの異変は乗る距離や経年劣化、保管環境など要因がさまざまで、いつトラブルが起きるか予測ができません。

ですが、前後どちらかのブレーキが効かなくなった場合でも、どちらかのブレーキがしっかり効けば、安全に停止できる可能性が高くなります。

ブレーキは、自転車を止める重要なパーツです。
しっかり効くように、メンテしておくことが大切だと思います。
自分では無理な部分は、必ず専門店に相談して修理してもらいましょう。