必見!これを読めばロードバイクホイールのことが全て分かる

こんにちは、じてんしゃライターふくだです。

ロードバイクで、最も重要な部品は間違いなくホイールです。
もちろん、全ての部品が重要ですが、ホイールの重要さは別格です。

自転車の構成要素は、フレーム・ホイール・コンポーネントの3つです。

ディレイラー(変速機)やクランク(ペダルの付いている根元の部分)はいかに重要と言えど、フレーム・ホイール以外の、その他の部品という括りです。

ホイールは、それ1つで自転車の三大構成要素と呼ばれるほどに重要です。
今回は手組、完組の長所と短所、そして、それぞれの選ぶときの基準について考えてみましょう。

良いロードバイクホイールとはどういうものか?

ロードバイクのホイールについて考えていく上で、まずは良いホイールと呼ぶべき基準について考えてみましょう。

使い方によって良いホイールの基準は変わってきますが、考えるべき点は以下の通りになるでしょう。

【走行性能】

ホイールの良し悪しを決める上で、最も重要なのは当然ですが走行性能です。

回転の抵抗を、できうる限り小さくするベアリング性能。
回転軸がスムーズに回れば、軽い力で進みますね。

軽さ。
物体の運動は、軽ければ軽いほど最高速まで早く到達できます。
またヒルクライム、坂を登る際には軽いほど楽です。

平地での巡航性能。
力を入れないと速度は落ちていきます。
力を入れなくても速度が落ちにくいほうが、当然ですが楽ですね。

剛性。
特にダンシング、立ち漕ぎをするとき、自転車には瞬間的に大きな力が掛かります。
このとき、力に負けてホイールが変形してしまうと、せっかく入れた力が逃げてしまいます

柔らかさ。
剛性は重要ですが、硬いだけのホイールは地面の凹凸がダイレクトに伝わってきて疲れます。
しなやかに、路面からの振動を吸収してくれるということは重要です。

【値段】

たくさんスポンサーの付いているプロのレーサーの場合、値段は特に気にする必要はないですが、趣味で乗っている人はもちろん、プロの選手でもスポンサーが少ない場合には、値段は非常に重要な要素になります。

【耐久性と修理のしやすさ】

いかに値段が安く走行性能も良いホイールでも、数時間乗ったら壊れてしまうというホイールは困りますね。
また、壊れてしまったときに悪いところだけ修理ができれば、ホイールをまるごと買い替えるよりも、安く済むので助かりますよね。
ホイールによっては、修理は不可能に近いものもありますので、この点は非常に重要になります。

自分にとって走行性能・値段・耐久性のバランスの良いホイールこそ、『良いホイール』と呼ぶべきでしょう。

レースで勝ちたい人と、日々の通勤を自転車で爽やかに楽しみたい人とでは、『良いホイール』の意味するところは違ってきます

手組ホイールと完組ホイール

ロードバイクのホイールについての話をすると、必ず出てくる疑問が手組と完組の問題です。

手組ホイールとは、自転車屋さんで組み立てるホイールです。
完組ホイールとは、工場で組み立ててから出荷されるホイールです。

「ホイールを組み立てるって何?」という人もいるでしょう。

ホイールとは、ハブ(中心部分)、リム(外側の外周部分)、スポーク(リムとハブをつないでいる針金のような部品)の3つの要素で構成されています。

この3つを組み立てることを、『ホイールを組む』と呼びます。

「手組の方が安くて良いんでしょ?」
「でも、走行性能だけで言えば、完組なんでしょ?」

そういった疑問もよく聞きますが、手組だからコストパフォーマンスに優れるとは限りませんし、完組だから走行性能が良いとは限りません。

ただ、完組ホイールと手組ホイールの一番の違いがあります。

《完組ホイール》
メーカーの技術者たちが大きな実験施設研究費を掛けて、その値段帯の中で可能な限りの最高の組み合わせの部品を開発し組み立てられています。
なので、スポークの本数や材質なども自由に作れます。

《手組ホイール》
自転車屋さんで組み立てるので、部品は既存の部品を組み合わせて組むので、その点では完組ホイールより不利です。
また、自転車屋さんの腕によって、良いホイールが組めるかどうか別れます

親しい自転車屋さんであれば、その人の走り方を分かってくれていて、好みにあったホイールに仕上げてくれるというメリットがあります。
また、壊れたときも、部品だけ交換してもらえるので安上がりです。

特に昨今は、完組ホイールが多くなっているので、ホイール組の腕の良い自転車屋さんは減りつつあります。
昔の自転車屋さんは、毎日閉店後にホイールを何本か組んでいました。

完組ホイールがなかった時代には、手組をするしかないですからね。
やはり、職人的な腕の良さとは、何回繰り返しているかが非常に重要になります。

昨今では、そういうお店は少ないですし、工場で完組ホイールを作る機械の精度が高くなっているので、完組ホイールの方が、良いものが手に入りやすいというのが現状です。

日本でも、有数のホイール組の上手いメカニックさえ、
「工場の機械が最も高い精度でホイールを組めば、ほとんどの人間が負けてしまう」
というほどです。

それでも、機械にはできないレベルの技術を持った自転車屋さんもいます。
ただ、全体的な傾向としては、完組ホイールの方が良いものが手に入りやすいというのが現状です。

ロードバイクのホイール組の上手い下手

ロードバイクのホイール組は自転車整備の中で、最も難しい技術のひとつです。

それでも、とりあえずホイールの形にするだけであれば、道具さえ揃えば、さほど難しくはありません。
スポークを正しい穴に正しい順序に通して、ニップル(スポークを固定するネジ)を締めれば、とりあえずはホイールの形になります。

ホイール組が最も難しい技術と呼ばれる理由は、ニップルを締める順番力加減が数字で表しにくい職人的な感覚を要する作業だからです。

もちろん、大きな工場であれば、職人的感覚がなくとも、数字で計算して適正なニップルを締める順番、力加減が分かります。
ただ、非常に大きくて高価な機械ですので、町の自転車屋さんでは購入が難しいですので、職人的感覚が重要になります。

「ニップルを締める力のバランスが悪いとどうなるの?」という疑問もあるかと思います。

下手なホイールは、リム(ホイールの外周部)がまっすぐ回りません
上から見ると、左右に波を打って歪んでいるように見えますし、横から見ればリムが楕円になってしまいます。

横から肉眼で見て明らかに楕円ということはまずありませんが、見た目には分からずとも、円の形が崩れていると、走行性能は非常に不利になります。

「全部同じ力で、順番にトルクレンチで締めれば良いんじゃないの?」
私も昔はそう思っていました。

しかし、現実にはスポークは金属で、金属とは伸び縮みするという性格があるんですね。
ですから、同じトルクで締めても、しばらくするとズレてしまいます

ホイールを組むときにはニップルを締める力、トルクではなく、スポークテンション(スポークに掛かっている張力)を測って組んでいきます。

理想は全てのスポークテンションが同じで、なおかつリムが完全な真ん丸で、上から見ても一切左右にブレていないものです。
(横から見て真ん丸じゃないことをホイールに縦フレがある、上から見て左右にブレていることをホイールに横フレがあると言います)

しかし、スポークもリムも、そしてハブも金属である限り、伸び縮みしますので不可能です。

優先順位は横フレ、縦フレ、スポークテンションが均一という順番になります。
これらのバランスがピッタリになるようホイールを組むには、正に職人技が必要になります。

そして、昨今では職人技に近い作業を、機械ができるようになりつつあるという事実があります。

ロードバイクの手組ホイールのおすすめ

ロードバイクホイールの全体としては、完組ホイールの方が有利になりつつあるとは言えど、もしもあなたの家の近くにホイール組の腕の良い自転車屋さんがあれば、手組ホイールにはメリットが多いです。

特に3万円~10万円の値段帯に関しては、腕の良い職人の作る手組ホイールが、走行性能・耐久性・値段と、全ての点において有利な場合が多いです。

10万円以上となると、完組ホイールの方が有利な場合が多くなります

バラバラで手に入るリム・ハブ・スポークの組み合わせの限界がきます。
メーカーが、完全にそのホイールのための最高の組み合わせのために作った、リム・ハブ・ホイールに勝つのが難しくなるんですね。

手組は壊れても、そのお店で修理ができますし、壊れにくいように、定期点検時のメンテナンスも完璧にしてくれます。

また、工場の機械が高い精度でホイールを組めるようになっていても、値段の高いホイールにしか高精度は使わないんですね。
機械の精度を高めると、1本のホイールを組むのに多く時間がかかります

特に、ホイール組のマシンの精度など消費者には絶対に分からないことですので、可能な限りは精度を落として多く作った方が、ビジネスとして有利です。

それに対して、腕の良い自転車屋さんは職人です。
職人は自分の作品に誇りを持ちますので、どんな場合も、自分の可能な最高精度でホイールを組んでくれます

何よりも、手組ホイールは一種のロマンです。
信頼する自転車屋さんが自分のために組んでくれたホイール。
気持ち良く走れること間違いありません。

ただ、やはり現在では、ホイール組の腕の良いお店が少なくなっているので、良い手組ホイールを近くで買えるというのは、非常に幸運なことです。

インターネットで通販をしているお店もありますが、修理での有利さや、ロマンという手組ホイールのメリットが欠けてしまうのが現実です。

チューブラー?クリンチャー?カーボンホイール?

そして、ロードバイクホイールで、もうひとつ悩むのがチューブラークリンチャーですね。

これは高価格帯で出てくる悩みですね。
低価格帯では、チューブラーのラインナップはないですからね。

クリンチャーは、タイヤを外すと中にチューブが入っています。
チューブラーは、チューブがタイヤの中に縫って閉じられています。

高価格帯にしかチューブラーがないということは、やはり走行性能は高いということだと、言ってしまって良いと思います。
そして、扱いは厄介です。

「チューブラーも慣れれば簡単」
と言う人もいますが、それはあくまで一部の自転車オタクの方々です。

やはり、パンク修理のために予備のタイヤを1本持たないといけないのは邪魔ですし、リムセメント(あるいは粘着テープ)を使うのも厄介です。

「テープなら簡単」
という人もいますが、テープは剝がすのが結構面倒なんです。

そういうデメリットがあるからこそ、低価格帯の普段使いのラインナップには、チューブラーはないんでしょう。

しかし、走行性能は高いですから、レースで使う高価格帯には、ラインナップがあると考えて良いでしょう。

チューブラーの方が性能が高くなる理由は、いくつかあるんですが、一番はフルカーボンホイールが作りやすいということでしょう。

クリンチャーホイールの場合、タイヤを固定するための構造が少し複雑なんです。

チューブラーは簡単に言えば、タイヤをホイールに乗せて、タイヤの空気圧とリムセメントなどの接着剤で固定しているだけなので、構造がシンプルです。

構造がシンプルな方が、軽く作れます。
昨今はカーボンクリンチャーもありますが、以前はカーボンといえばチューブラーしかなかったのは、そういう理由もあったんですね。

そして、タイヤ自体もチューブラーの方が断面が真ん丸に近いので、路面との接地も滑らかですので、走行性能の面でも有利です。

また、プロがチューブラーを使う大きな理由として、クリンチャーよりパンクしにくいということもあります。
タイヤ交換、パンク修理が面倒だということが気にならなければ、チューブラーの方がオススメではありますが、やはり現実には面倒だと思います。

とりあえずシマノの完組ホイールが間違いない

シマノ・デュラエース

 

 

 

 

手組ホイールが手に入りにくい現在、完組ホイールを使うことが一般的になります。

ここからは、予算別にオススメのホイールをご紹介していきます。

まず3万円以下では、圧倒的にシマノのホイールが優秀です。

正確にいえば、10万円以下のシマノのホイールは、全てのモデルが他メーカーより優秀と言ってしまって問題ないでしょう。

シマノというメーカーがなぜ凄いのかというと、安い値段帯でも、非常にクオリティの高い製品を作る技術を持っているということがひとつです。

それでいて、高価格帯のモデルも、プロのレースで最も多く使われるクオリティの製品を作ります。
なおかつ、メンテナンス性も良く、耐久性も良い

文句の付けようがないホイールを作ります。

かつては、高価格帯のホイールに関しては剛性が足りないという欠点がありましたが、現在は改善されていますので、本当に欠点が一切ないと言ってしまって良いでしょう。

シマノの最高グレードで組んだロードバイクが、現実的な意味で、世界最速の1台であると断言してしまって良いと思います。

もちろん、それより速い車体になるパーツの組み合わせはありますが、値段が異常なまでに高くなってしまったり、半分使い捨ての完全にレース一発勝負といった車体になってしまいます。

それでも、シマノが唯一持っている欠点は「面白味がない」ということです。

シマノで組めば間違いないので、みんなシマノで組みますし、それでは「芸がない」「個性がない」となってしまいます。
本当に欠点はそれだけと、言ってしまえると思います。

最初のホイールからワンランクアップなら、税込みで5万円ちょっとのWH-6800 Ultegra(アルテグラ)ホイールが人気がありますね。

アルテグラの1つ上はDuraAce(デュラエース)かと思いきや、間にWH-RS81というシリーズがあります。
このラインナップが、隠れた非常に良いホイールです。

人によってはデュラエースよりは、ほんの少し劣るものの、かなり遜色ない性能を発揮してくれるという人もいます。

リムハイトが24mm・35mm・50mmの3種類があります。

リムハイトとは、ホイールの高さです。
高いものは、見た目がカッコイイです。

見た目だけでなく、空気抵抗が少ないので、あまり減速しません。
高速をキープしやすいです。

ただ、重いので、加速やヒルクライムには不利です。

RS81の24mmハイトは税込み約83,000円重量1,500gと、他メーカーでは10万円を越えないと作れない重量を実現しています。

また、50mmハイトのディープリムホイールも約13万円と、コストパフォーマンス最強と呼んでも差し支えない値段です。

そして、最高クラスのデュラエースですね。
こちらは現行モデルからリムハイトが24mm、40mm(厳密には37mm)、60mmとなっています。

前のモデルまでは、RS81と同じだったのですが、時代の変化でしょう。
そして、デュラエースではチューブラーホイールという選択肢が出てきます。
レースで勝負に使うなら、チューブラーがオススメです。

カンパニョーロのコスパ最強ホイールZonda

カンパ・ゾンダ

 

 

 

 

 

引用元:カンパニョーロホームページ

シマノは優秀とは言えど面白味がない、やはり見た目の良いホイールが欲しい
そういう方には、カンパニョーロです。

カンパニョーロのホイールでは、G3組という特殊なスポークの通し方のモデルがあります。

普通は均等にスポークが張られているのですが、G3では3本のスポークがワンセットになって近くに集まり、少し間隔を空けて、また3本ワンセットのスポークという形で、遠目に見ても明らかに違います。

カンパニョーロというメーカーは、コンポーネント(変速機やブレーキなど)で高級メーカーとして有名ですので、ホイールに関しても、カンパニョーロのロゴが入っていると何だか嬉しい気分になれます。

ホイール以外のコンポーネントに関しては値段が高いのですが、ホイールに関しては、特別に高いわけではありません。(というか、コンポについてはシマノが安過ぎるのですが)

人気が高いモデルはZonda(ゾンダ)ですね。

6万円台中盤という定価です。
ホイールとしては、非常に手頃な価格なんですね。

もちろんカンパニョーロでも、もう少し安いモデルもありますし、高いモデルもありますが、この価格がロードバイク好きの間では、人気のある価格なんです。

10万円を越えると、やはり高級ホイールですし、5万円以下だと安過ぎる。
性能も期待できて、なおかつ高過ぎない

しかも、G3組で見た目もカッコイイので、Zondaは昔から人気のホイールです。

G3組とはカッコイイですし、魅力であることは間違いないのですが、その反面、メンテナンスがすこぶる面倒という弱点もあります。

やはりこの値段帯で無難なのは、シマノのアルテグラかRS81です。
ただ、それにしたって、やはりG3がカッコイイんですよね。

悩みどころですね。
ここは好みですね。

ちなみに、私ならノータイムでZondaです。
カッコいいですから。

この値段で、こんなにカッコよくて走行性能もそれなりに良いホイールは、なかなか無いですからね。

高額なラインナップでも人気のあるものは多いですが、BORA ONEという、フルカーボンのディープリムが人気ですね。

上位モデルにBORA ULTRAがあるのですが、BORA ONEは安いんですね。
50mmハイトのディープリムフルカーボンなのに、定価で25万円程度

これはシマノよりも安いですね。
それでいて、天下のお洒落メーカー、カンパニョーロです。
さらにG3組ですから、カッコ良すぎます。

ちなみに、BORA ONEとBORA ULTRAの違いは何なのか?という疑問を持つ人も多いようです。

簡単に言ってしまうと、ULTRAの方が10万円ほど高くて、50gほど軽いです。

カンパニョーロさんの言い分だと、ハブが違うとのことです。
ULTRAはカーボンハブですね。
ONEは普通の金属ですね。

そして、中身もULTRAは、CULTベアリングというものを採用しています。

CULTは、ボールベアリングがセラミックで、ベアリングを受ける部分もセラミックです。
セラミックは硬いので、グリスが必要ないそうです。

グリスがあると、ぬるぬると滑らかに動いてくれそうな気もしますが、ベアリングがきちんと動作してくれる限りは、グリスは逆にぬるぬるべちゃべちゃと摩擦になってしまいます。

さらに、グリスが不要ということは、グリスの入れ替えというメンテナンスが不要ということでもあります。

BORA ONEのベアリングはUSB、ウルトラスムースベアリングの略だそうです。
こちらも、実はボールベアリングはセラミックです。

ただ、受け側が普通の金属ですので、グリスが必要です。

差はそれだけです。
10万円の差があるかと言うと、どうでしょう。

あなたの価値観次第ですね。

さらに言えば、大きな差であるCULTベアリングについては、BORA ONEでも後からCULT化可能です。
お店によって工賃などの差はありますが、前後ホイールで大体5万円程度くらいでしょう。

ただ、その値段を出して、後からCULTはナンセンスだと思います。

カーボンハブは手に入りませんし、何よりもCULTになってもBORA ONEはBORA ONEです。
BORA ULTRAではないのです。

5万円差なら、ULTRAがかっこいいんです。

BORA ONEを使っていて、ベアリングが調子が悪くなってから、CULT化なんかは良いかもしれませんが、最初からCULT化は微妙です。

ちなみに、CULTがそんなに効果があるかといえば、やはり微妙です。

もちろん、効果がないわけじゃないんですけどね。
ベアリング系の改造は大体そうなんです。

効果がいまいち実感しにくい割に値段も高いし、外からの見た目は全く変わらないんです。
でも、なぜか自転車にハマると、不思議と人間ってセラミックベアリングに憧れるようになるんです。

また、カンパニョーロの系列で、フルクラムというホイールメーカーもあります。

基本的には同じ会社なので、おおむね同じなのですが、ひと口に言えばスポークがG3じゃないので、見た目は大きく違いますし、G3の弱点であるメンテナンス性の悪さも避けられます

走りの性格もスポークの組み方が違うぶん、いくらか違いますが、大きく気になるほどではないと思います。

フルクラムの方が、癖のない普通のスポーク構成なので、走りも癖が少ないです。

「コンポーネントがシマノなのに、ホイールだけカンパを使うのは、ちょっと気まずいな」
と感じる人は、フルクラムという選択肢もアリですね。

完組ホイールの元祖・MAVIC(マヴィック)

マビック・エグザリット

 

 

 

 

 

 

引用元:マヴィックホームページ

シマノ、カンパはコンポーネント全般を作っているメーカーですが、ホイールだけ専門のメーカーもあります。

MAVICは、完組ホイールの元祖といっても良いメーカーじゃないでしょうか。
フランスの名門ホイールメーカーです。

MAVICがツール・ド・フランスでも使える完組ホイールを出すようになってから、現在の完組ホイール全盛の時代につながったと言えると思います。

手組では到達できない軽さを、MAVICのホイールが実現したんですね。
手組では、スポークの本数を減らしたりはできませんからね。

もちろん、完組ホイールより前の時代も、MAVICはリムなどで人気がありました。

昨今はホイールメーカーも増えて、特にフルカーボンの技術が強いメーカーが増えているので、かつてほどMAVICがダントツで良いとは言われなくなりつつあります。

ですが、やはり今も世界中の大きなレースでは、MAVICのサポートカーが走っていますし、ホイールと言えばMAVICと感じる人は少なからずいます。

オススメは10万円より上のモデルです。
安い値段帯のMAVICは、特にオススメするほどのモデルはないと思います。

ただ、MAVICのホイールを試してみたいという人には良いかもしれませんが、MAVICの美味しい値段帯は10万円前後でしょう。

最近のMAVICは、とにかくすぐにモデル名が変わりますから、モデル名を覚えていてもあまり意味がないので、覚えなくていいと思います。

それでいてモデル数も多く、細かい技術も違い、さらにカタログがものすごく見にくいんです。

そう、MAVICは良い製品は作るんですけど、そういうビジネスみたいなのはあまり上手くないんですね。
色々なことが、ものすごく分かりにくいです。

突然、TIMEのペダルにMAVICというシールを貼り付けて売り始めたり、不思議なことをする会社です。
ただ、ホイールに関しては良いものを作ります

MAVICがホイールメーカーとしてシマノ、カンパニョーロとひと味違うのが、スポークへのこだわりですね。

ある程度グレードが上がるにつれ、軽量なアルミスポークのモデルや、より高いモデルにはMAVICの独自スポークである、カーボンスポーク『トラコンプ』を搭載しています。

スポークの違いは単純な軽量化だけではなく、走りの性質が全く変わってきます

手組ホイールのところでも書きましたが、スポークが伸び縮みしてしまうことによって、ホイールのバランスは崩れてしまいます。
同時にスポークがしなやかだからこそ、ホイールは地面からの衝撃を吸収してくれます。

その点、カーボンスポークは両方の性質を持ち合わせていると言って良いでしょう。
軽量でホイール剛性がキビキビしていて、なおかつ路面の衝撃もまろやかにしてくれます。

アルミのリムを特殊コーティングすることで、ブレーキ性能を高めるエグザリットもMAVIC特有の技術です。

エグザリットについては、リムの見た目が黒になり、遠目に見るとカーボンホイールのように見えるのも嬉しいポイントです。

お金があれば、MAVICのコスミックカーボンアルティメイトは、全てのロードバイク乗りの憧れのホイールです。
50万円近いお値段ですが、性能が素晴らしいのは当然ながら、頑丈でもあります

カーボンが強いホイールメーカー

MAVICは言うまでもなくホイールの大御所ですし、シマノ、カンパニョーロも昔からの総合コンポーネントメーカーですので、特にホイールのハブについては昔から作っていました。

元々、ある程度ホイールを作る技術のあるメーカーですね。

ただ、昨今はフルカーボンホイールの人気が高まっている時代です。
フルカーボンとアルミや鉄といった金属素材では、加工の技術、ノウハウが全く違います。

ですから、元々は自転車のメーカーじゃなかったものの、カーボンの時代になってから自転車部品を作るようになったメーカーや、あるいは以前も自転車部品を作っていたにせよ、カーボンの時代になってから伸びたメーカーもあります。

誰にでも分かりやすい例ですと、テニスのYONEXがロードバイクを作るようになりましたよね。
他にも、ゴルフのシャフトを作っていた企業がグラファイトデザインというロードバイクも出していました。
(現在は撤退してしまいましたが、隠れた人気のある良いメーカーでした)

ボントレガー

 

 

 

 

 

 

 

引用元:ボントレガーホームページ

カーボンホイールが強いメーカーとしては、Bontrager(ボントレガー)があります。
ロードバイク本体のメーカーTREK(トレック)の子会社ですね。

TREK自体もカーボンの技術に定評のある会社ですので、子会社のBontragerのカーボンホイール、アイオロスシリーズも非常に人気の高い製品です。

また、SPECIALIZED(スペシャライズド)ROVALも、自転車メーカーの技術を駆使している人気のカーボンホイールですね。

FFWDはツール・ド・フランスなどでもよく見掛けて、なおかつ値段もカーボンホイールとしては手の届きやすい価格帯ですので、人気があります。

ただ、やはり値段が安いモデルは値段が安いなりの理由もあるでしょうから、不安な人は、やはりもう少し高価格帯のホイールをオススメします。
フルカーボンホイールとしては安いと言えども、決して安い買い物ではありません。

もちろん、プロも使っているレベルの機材ですので、大きな問題を抱えることはないでしょうが、他メーカーのカーボンホイールと比べたときに、あまりに価格の安いものについては、じっくり考えた方が良いでしょう。

LIGHT WEIGHTは、ものすごい値段が高いですが、ロードバイク乗りなら一度は所有したい夢のホイールですね。
ものすごく軽いですし、ものすごく良いです。
ただ、ものすごく高いんです。

平気で50万円以上します。
なんと、ライダーの体重制限もあります。
すべてのことに関して、ものすごいホイールです。

少しマニアックなところでは、日本のGOKISOですね。
ホイールメーカーというより、正確にはハブメーカーです。

とにかくベアリング性能がすごく一度回すと延々とくるくると回ります
一番高級なスーパークライマーハブは、ハブのみで60万円を越える壮絶な価格です。

ホイールセットとなると税込みで100万円と、とんでもない価格になります。
ただ、保証内容も素晴らしく29年間、無償で3回以内ならリムの交換までしてくれます。

まとめ「低価格帯ホイールはシマノが間違いないけど」

今回はロードバイクのホイールについて、手組ホイールから完組ホイールまで、有名どころをとりあげて考えてみました。
いかがだったでしょうか。

とりあえずは、シマノ、カンパニョーロ、MAVICの3社と、いくつか有名どころのカーボンホイールにLIGHT WEIGHTを知っておけば、完組ホイールについては問題ないんじゃないでしょうか。

もちろん、それ以外にも有名なホイールはあります。

スピナジーのカーボンスポークは評判が良いですし、イーストンも人気がありますね。
アンブロシスのリムで手組のホイールなんかは、「お、ツウですな」と声が掛かるかもしれません。

ただ、全ては覚えられないですし、やはり基本はシマノです。
値段と性能のバランスだけ考えれば、シマノが圧倒的に強いですね。
どこの店も必ず取り扱いがありますので、修理の面でも有利です。

それでも、みんなシマノだと面白味がないですから、興味が出れば、いろんなホイールを試してみるのがオススメです。

なかなか値段が高いので、手軽に買えるものではないですが、ホイールも何年も使っていれば消耗しますから、買い替えの時に、違うメーカーに移ってみるのも面白いと思います。