皆さんは自転車を選ぶときに何を参考にしますか?
インチ別になっているので、そこから判断される方も多いのではないでしょうか。
さらにサイズ別に適応身長が記載されているので、それが決定打になったりしますね。
しかし、それだけで本当に大丈夫でしょうか?
特に24インチには子供用、大人用両方ありますので、幅が広すぎて基準はあいまいに思えます。
そこで今回は、自転車サイズの選び方についてお話していきます。
自転車のインチと適応身長の関係性
そもそも24インチなどの表記は、何を表しているのかご存知でしょうか?
自転車全体のサイズだと思っている方も多いようなのですが、これはタイヤの大きさを表しています。
タイヤの直径をインチで表記しているのですが、1インチは2.54cmなので、24インチは直径約61cmのタイヤということになります。
タイヤのサイズに伴って、各メーカーが適応身長と年齢を目安として出しており、それを消費者が参考にしているという訳です。
しかしタイヤのサイズで適応身長や年齢を割り出しているのは、ママチャリや子供用自転車の考え方であり、ロードバイクなどのスポーツ自転車はタイヤのサイズが、おおむね決まっています。
従って、身長が高かろうが低かろうがタイヤのサイズは同じで、選択基準はフレームのサイズです。
ということを考えても、ママチャリや子供用だけがタイヤのサイズで選ぶことは少し危険と言えるので、選び方のポイントをおさらいしてみたいと思います。
24インチのタイヤサイズの適応身長は?子供用自転車編
ではまず、各メーカーが目安として出しているタイヤサイズによる適応身長と対応年齢を平均したものを見てみましょう。
まず子供用自転車から。
12インチ・身長85~105cm 年齢2~4歳
14インチ・身長95~110cm 年齢3~5歳
16インチ・身長105~120cm 年齢3~6歳
18インチ・身長110~125cm 年齢4~8歳
20インチ・身長115~130cm 年齢5~9歳
22インチ・身長120~140cm 年齢6~11歳
24インチ・身長125~155cm 年齢7歳~
結構驚いたのは、2歳から自転車に乗っている子どもがいるんですね。
それはさておき、この身長や年齢を目安にどう選ぶかですが、まず両足が地面にかかとまで、べた付きになるものが良いです。
一般的には、つま先が付けばOKとされているようなので、自転車屋さんにも、それでおすすめされるはずです。
でも最初の1台だったり、補助輪を外したばかりとなると、それでは少し危険です。
足がべた付きできれば、つま先立ちより安定するのは当たり前ですし、ハンドルへの距離も短くなるのでブレーキをしっかり握れます。
「大は小を兼ねる」は最初の自転車には当てはまりませんので、現時点でぴったりと思えるサイズを選びましょう。
24インチのタイヤサイズの適応身長は?ママチャリ編
では次に、ママチャリの目安を見てみましょう。
ママチャリの場合、年齢はそれほど制限もないでしょうが、イメージとしては中学生以上ですかね。
サイズは24インチ~28インチまでが主流で、適応身長は24インチなら130cm~、26インチは150cm~、27インチは160cm~、28インチは170cm~が目安となります。
両足が付くかどうか、ブレーキや変速レバーをスムーズに握れるかなどは、インチに関係なく確認して、自分に合ったサイズを選んでください。
こちらも大は小を兼ねるの発想は好ましくなく、大きなサイズにしてしまうと、サドルを下げて乗らざる得なくなります。
そうすると腰が引けて余計に負担が掛かりますし、しかもハンドルが高い位置にくるので、ハンドルが切りにくくなりますし、安定感を欠いて自転車がふらつくようになります。
ですから、少し小さめのサイズを選び、サドルを上げて乗ることをおすすめします。
一般的には中学生や女性の方が24インチ、男性の方が26インチ以上の自転車に乗っていることが多いようですが、やはり自分に合ったサイズは実際に乗ってみないと分かりませんので、試乗させてくれるお店で購入するのが一番でしょうね。
24インチの自転車を子供用とママチャリで比較すると
子供用の自転車と、ママチャリの両方に見られるサイズが24インチです。
各メーカーが目安として出している適応身長も同じくらいですから、何が違うのか気になります。
そこで、ここでは、ある通販サイトで売れ行きの高い機種同士を比較してみようと思います。
まず自転車の高さ(車高)ですが、自転車で一番高い位置にあるハンドルはどうでしょうか?
子供用:905mm~94mm
ママチャリ:970mm~1010mm
規格通りであるならば、高さは65mm(6.5cm)の違いです。
サドルはどうでしょうか?
子供用:640mm~760mm
ママチャリ:750mm~860mm
100mm(10cm)と大きな差があります。
次に全長です。
子供用:1600mm
ママチャリ:1730mm
130mm(13cm)と差がありますね。
最後に重量。
子供用:17kg
ママチャリ:19kg
ここまで見てきてお分かりのように、同じ24インチという表記でもサイズは全く違います。
例えば、中学生になるタイミングで、子供用の24インチからママチャリの24インチに買い替えたとすると、最初はかなり戸惑う差だと思います。
確かにタイヤのサイズが小さいと、漕いでも漕いでも前に進まない感覚はありますから、早い段階でインチアップをしたくなるのは理解できます。
しかしタイヤのサイズだけで、適応身長や年齢を考えるのは、このような結果からも自分に合わない危険性があるのも事実でしょう。
失敗しない自転車選びのコツ①
ここまでは主にサイズや適応身長について見てきましたが、同じ24インチでも規格が大きく異なることが分かりました。
従って、サイズ以外にも重要な要素はたくさんあるので、ここからは自転車選びに必要な別の要素を説明したいと思います。
まず始めに通勤・通学や買い物に使うなどの用途は漠然としたことだけではなく、毎日なのか?何分乗るのか?買い物に行く際には1回でどのくらいの量を買うのかなど、細かいことが把握されていれば、比較的迷わずに自分に合った自転車が選べると思います。
また道中に坂が多いとか、舗装されていない道を頻繁に走るとかの事情があれば、ママチャリでもギアの付いたタイプや電動アシスト付きも視野に入ってきますし、耐パンク性の高いタイヤを履いたタイプが良いことになります。
さらには、ライトなども重要な要素です。
従来のライトは発電機をタイヤにこすりつけて、車輪を回す力で発電していました。
しかしペダルが重くなるのと、音が出るのが欠点で、無灯火運転を頻発させる結果になっていました。
しかし最近は、発電機をホイールのハブに取り付けることでタイヤとの接触をなくした、オートライト付きのものが出ていますので、おすすめします。
失敗しない自転車選びのコツ②
そして自転車選びに欠かせないのがフレーム、いわゆる本体ですが、サイズと共に形状も重要です。
女性の方には、スカートを履いていてもフレームを跨ぎやすいように、トップチューブが下がっているものや、チューブが1本の形状がおすすめです。
また前カゴは当然ですが、後ろにも荷物を積む必要がある方は、カゴを取り付けるためのキャリアが付いているタイプじゃないとダメですね。
構造上、付いていないタイプもあるので注意してください。
さらに言えば、自転車を使用する用途によって、ママチャリだけでなく、スポーツ自転車も選択肢に入れてみましょう。
特にクロスバイクは街乗り仕様ですし、比較的安価なものが多いので、比較的スムーズに馴染めるはずです。
クロスバイクの大きな特徴でもあるスピードと快適性は、通勤・通学などで毎日30分~1時間程度走るなんて方には最適です。
スポーツ系のサイズはタイヤのインチ数ではなく、フレームの大きさによって適応身長が提示されているので、それを参考に選ぶと良いです。
ただ、ママチャリでは定番のタイヤサイズの24インチはクロスバイクでは小さすぎるので、多少タイヤが大きくなることは心得ておいてください。
自転車のインチ数はあくまでも目安程度に!
今回はインチ数から自転車を選ぶ危険性と、自転車選びのコツについてお話させていただきました。
インチ数がある程度の目安になることは確かですが、同じメーカーの同じインチ数であってもフレームサイズが違ったりするものなので、やはり実際に試乗してみて購入するのが一番だと思いますね。
自分に合った1台を見つけてください。