コラテックという、スポーツ自転車メーカーをご存知でしょうか?
ドイツに本拠を置き、プロチームにも車体を提供しているメーカーですが、日本での知名度はまだ低いようです。
しかし、小さいサイズだったり、短いトップチューブなど、日本人の体型に合いそうなロードバイクが多いです。
そこで今回は、コラテックのロードバイクを確認してみましょう。
コラテックとは
コラテックは、創業が1990年と伝統のヨーロッパメーカーの中では、新興勢力となります。
創始者である「コンラッド」は、1982年に父親が経営していた小さなスポーツショップで、バイクビジネスを始めます。
彼の元でスポーツ自転車製造のノウハウが構築され、1990年にコラテックブランドが誕生しました。
コラテックの名を一躍バイク界に知らしめたのが、世界初のセミスリックタイヤ「DIAMANT SLICK」です。
発表当初は「無意味」などと揶揄されることもありましたが、6ヶ月後に早くも大レースで勝利を収めるようになります。
今では、定番と言ってもよい、セミスリックタイヤの生みの親だったことは、覚えておきたいですね。
現在のコラテックを語る上で外せないのが、世界的なフレームビルダーである「マウロ・サニーノ」の存在です。
コラテックは、彼がイタリアに工房を構えて以来の付き合いだそうです。
サニーノは10年以上前からコラテック専属のフレームビルダーとなり、完全オーダーメイドのカーボンフレームのみ製造しています。
また、コラテックのロードバイクの特徴は、トップチューブ長の長さを重視する「プロサイズシステム」を採用している点です。
これによって、自分の体型に、より合わせやすいサイズ展開となっています。
コラテックのロードバイク
コラテックの歴史は、MTBからスタートしています。
しかし、現在はプロのロードレースチームにも機材が提供されているほど、ロードバイクの知名度が上昇中です。
日本で販売されているロードバイクは4種類で、マウロ・サニーノのオーダーメイドフレームを合わせ全5種類となります。
マウロ・サニーノも含めて、カーボンフレームが3種、スチール1種類、アルミが1種類となります。
カーボンフレームは、プロにも提供されているエアロロードの【CCT EVO】、エアロ形状ながらオールラウンドモデルに仕上がっている【R.T. CARBON】です。
フレームに「スカンジウム合金」を使用している【CORONES SL】と、アルミフレームの【DOLOMITI SL】は、フルカーボンフォークを採用しています。
先述しましたが、プロサイズシステムにより、ホリゾンタル換算のトップチューブ長に合わせたサイズ展開になっています。
後述しますが、どちらかと言えばトップチューブが短めなので、日本人の体型に合ったバイクが多いように感じます。
ロードバイクのサイズの選び方①【トップチューブ長が重要】
コラテックのロードバイクのサイズは、トップチューブ長を重視しています。
しかし、これは現在のスローピングスタイル全盛のロードバイクにおいては、当たり前のことと言えなくもありません。
ロードバイクのフレームサイズは、通常シートチューブの長さが基準になっています。
シートチューブ長は、BBシェルの中心からシートポストの根元までの長さですので、フレームの高さを表しています。
これを元に、適合身長が決められているメーカーが多く、ユーザーもそれを参考にしてサイズを選びます。
ところが、身長は同じでも腕の長さや、身体の柔らかさは人それぞれのため、身長だけでは判断できません。
そこで、考えなくてはいけないのが、乗車姿勢に大きく関わってくる、トップチューブ長です。
トップチューブは、ヘッドチューブからシートチューブに伸びるフレーム上端のチューブで、その長さはハンドルとサドルの距離を表します。
ジオメトリ表に載っているトップチューブ長は、実測値ではなく地面と水平になっていると仮定した値です。
そのため、ハンドルからサドルまでの距離と言えます。
ハンドルからサドルまでの距離が遠いほど、前傾姿勢がきつくなり、近くなれば上体は起き気味になります。
そのため、同じ身長でも体の特徴や乗り方によって、選ぶサイズが変わってくるのです。
ロードバイクのサイズの選び方②【ヘッドアングルとチェーンステー】
ロードバイクのサイズ選びの話を続けますが、トップチューブの長さはロードバイクのモデルによっても違います。
例えば、きつめの前傾姿勢が要求されるレースモデルは、トップチューブが長く、ハンドルとサドルの距離が遠くなります。
一方、長距離をゆったりと走ることが目的のエンデュランスモデルでは、上体を起こした姿勢が適しているので、トップチューブは短くなります。
なお、コラテックはトップチューブが全体的に短めのため、モデルによって大きな差は見られません。
また、ロードバイクのサイズでは、ヘッドアングルも注目点のひとつです。
ヘッドアングルは、地面に対して、ヘッドチューブが取り付けられている角度を示すものです。
73°が基本と言われていますが、これよりも鋭角になると前傾姿勢になり、鈍角になると上体が起きてきます。
他にも特にレース仕様車を見る場合は、チェーンステーというフレームの後ろ三角を形成するチューブが短い方が有利です。
このようにロードバイクのサイズは、適合身長だけでは決められないのが難しいところです。
コラテックのロードバイクのサイズの特徴
コラテックのロードバイクは、全体的に小さめのサイズのものが多いです。
アルミフレームの【DOLOMITI SL】以外は、46(cm)・48・51の3サイズで、トップチューブ長は長くて550mm前後です。
このサイズ展開がホビーライダーに受け、一般市場で爆発的な人気が出たと分析する専門家がいます。
特に、アルミフレームのDOLOMITI(ドロミテ)には42サイズがあり、トップチューブ長508mm、ヘッドアングル71°は、小柄な人や女性にも嬉しいサイズです。
ドロミテはコラテックのロードバイクの入門機的存在ではありますが、日本モデルはシマノのリア9速から11速までのコンポが搭載されています。
中でも、ハイエンドモデルの【DOLOMITI SL 6800 ULTEGRA】は、アルテグラのフルコンポで20万円を切るというコスパの良さです。
ドイツのメーカーらしく、奇をてらったような派手さはありませんが、誠実な物作りが伝わってくるフレームです。
コラテックのMTBとクロスバイク
コラテックはロードバイクの他にも、MTBとクロスバイクを展開しています。
MTBから歴史が始まったとお伝えしましたが、そのコラテック内のパイオニアとしての地位が、しっかりと守られています。
ハイエンドモデルの【INSIDE LINK CARBON 10HZ XTR】は、148万円です。
私はMTBに詳しいほうではありませんが、ここまで高価格なMTBは正直初めてです。
また、最低価格の機種でも48万円ですから、MTBの特にプロに提供する機材としてのステータスにこだわりを感じます。
一方、クロスバイクは2機種ですが、6万円台と手ごろな価格になっています。
アッセンブルされているパーツも、サイズ展開も街乗りを意識しつつ、シマノのコンポでスポーツライクを加味しています。
コラテックの癖のなさは、スポーツ自転車最初の1台として最適です。
コラテックは日本人向き
今回は、コラテックのロードバイクを中心に見てきました。
サイズが小さめでトップチューブが短いので、日本人の体型向きと言えるでしょう。
ロードバイクとしての基本性能を備えた上で、乗り心地や扱いやすさを加味しているので、幅広い層に受け入れられると思います。