街中にいる時に「ギーィ」や「キー」などの、何ともいえないうるさい音を耳にしたことはないでしょうか?
全てがそうではありませんが、これは自転車のブレーキ音である可能性が高いです。
乗っている本人もうるさいのは当然で、恥ずかしくてブレーキを掛けるのを躊躇してしまう、という意見もあります。
こんなうるさいブレーキ音、どうすれば解消できるのか考えていきましょう。
自転車のブレーキ音で最もうるさいのは?
今回は自転車のブレーキ音について考えていきますが、周りに響き渡るほどうるさい音が出てしまうのは、主にママチャリの後輪に採用されている「バンドブレーキ」が原因です。
ママチャリの後輪ブレーキは、最初からブレーキ機能が組み込まれている「ハブブレーキ」で、中でも歴史が古いのがバンドブレーキです。
ハブに組み込まれた「ドラム」をゴムバンドで締め付けて回転を止める仕組みですが、この流れの際にあのうるさい音が鳴ります。
コストが掛からないということもあり、1万円前後の安価なママチャリに採用されていることが多いです。
ただし、全てのバンドブレーキで音が鳴るかといえばそうではなく、購入してすぐに鳴り出すものもあれば、音とは無縁の場合もあります。
そういう意味では運次第のような部分もありますが、鳴ってしまうととてもじゃありませんが我慢できません。
ですから、今後自転車を購入される方は、最初からバンドブレーキ以外のブレーキが装着されているものをおすすめします。
バンドブレーキからのうるさいブレーキ音は修理ができない
今後自転車を購入する予定がある方には、バンドブレーキを選ばないという手がありますが、現状でバンドブレーキのブレーキ音に悩まされている方も大勢いらっしゃることでしょう。
バンドブレーキのあのうるさい音は先述した通り、構造上の問題なので故障や調整不足ではありません。
そのため、バンドブレーキのブレーキ音は、修理という概念では解消できないことになります。
趣味で自転車に乗っている方は別ですが、生活の足として乗っているだけですと、パーツを交換するというのはイメージが湧きづらいかもしれません。
筆者のところにも何件かバンドブレーキの音についての相談がありますので、修理できると思っている人が多いことが伺えます。
さらに最近では、最初からバンドブレーキ搭載の自転車を販売しない自転車屋さんもあるそうです。
いずれにせよ、バンドブレーキは音が鳴ってしまったら運が悪かったと思ってあきらめ、ブレーキを交換するのが賢明ということになります。
ママチャリのブレーキにもうるさいブレーキ音がしないモノがある
自転車のあの「ギーィ」といううるさいブレーキ音はバンドブレーキのものであり、解消するにはブレーキ自体を交換するしかないとお伝えしました。
では、どんなものに交換すればよいのか、となりますが、ママチャリの後輪に残された選択肢は「サーボブレーキ」と「ローラーブレーキ」になります。
ローラーブレーキはママチャリのブレーキとしては非常に画期的で、メンテナンスが効くので耐久性があります。
現在は高級なママチャリに採用されていますが、近い将来では広く普及していくと期待されています。
しかし、残念ながら現在はバンドブレーキとの互換性がないので、そのままでは交換できません。
唯一の道は車輪ごとローラーブレーキ仕様にすることですが、もともと安価なママチャリを使用していた方は、高い交換費用を払ってまで交換することに躊躇してしまうでしょう。
そこまでするなら新しい自転車を購入するという話になるので、現実味がありません。
そうなると残るのは「サーボブレーキ」となり、現実的にも筆者が知る限りサーボブレーキが最適です。
バンドブレーキの交換は自転車屋さんで
バンドブレーキのうるさいブレーキ音は、サーボブレーキに交換することで解消されます。
サーボブレーキはブレーキ自体の価格は安いので、自力での交換も考えたいところです。
しかし、バンドブレーキとは車輪の互換性はあっても構造が違うので、ドラムを外さなければなりません。
そして、バンドブレーキのドラムは専用の工具がなければ取り外しが困難ですが、この工具が通販サイトで値引きされていても約5,000円はします。
それならば、自転車屋さんで交換してもらうほうが安く済みますし、微妙な調整も行ってくれます。
ブレーキは乗り手の命綱ですから、万全を期して専門家にお願いするのが賢明です。
なお、音が鳴らないといわれるサーボブレーキも、絶対音が鳴らないとはいいきれません。
ただし、これはバンドブレーキと違い構造上の音ではなく、寿命であることのサインですので、継続して使い続けると危険なサインでもあります。
もし、サーボブレーキから音が鳴っている場合は、すぐに自転車専門店で見てもらいましょう。
自転車のリムブレーキもうるさいブレーキ音が発生することがある
ここまでは、ママチャリの後輪から発生するブレーキ音のお話をしてきました。
ママチャリの前輪やスポーツバイクには、バンドブレーキなどとは全く構造の違う「リムブレーキ」が多く採用されています。
リムというのは、車輪の外周のことでタイヤがはまる部分です。
そのリムにゴム製の「ブレーキシュー」を押し当てて摩擦を起こすことで、車輪の回転を止める仕組みです。
摩擦が起きると聞くと、いかにも音がしそうなイメージですが、その通り自転車に関する異音の中でも事例が多い方です。
バンドブレーキほどうるさい音はしませんが、原因はリムの汚れや傷、ブレーキシューの摩耗や異物が挟まっていることが挙げられます。
リムの汚れは自転車用の洗剤や家庭用の中性洗剤を使って落としますが、油が付いてしまうと滑ってブレーキが効かなくなります。
そのため、成分が分からないものを使うよりは、洗剤無しで水だけでも汚れが落ちるメラミンスポンジがおすすめです。
また、それでも落ちない頑固な汚れは、リムを研磨する必要があります。
リムを磨くとブレーキシューがピタッとリムに付くので、嫌な摩擦音がしなくなります。
なお、工業の砥石を使用しますが、リムの研磨には型番「K-141」が最適です。
自転車のブレーキシューは小まめにチェック
自転車のリムブレーキからのブレーキ音は、ブレーキシューにも原因があります。
リムブレーキは常に地面の近くで働きかけるものですので、ブレーキシューには金属片や小石が挟まってしまうことも少なくありません。
それを取り除かずにブレーキを掛けると、リムに当たった時に「キンキン」したうるさい金属音がすることがあります。
また、リムを傷付けてしまうことにもなるので、小まめに取り除くようにしてください。
さらに、ブレーキシューは長期間の使用ですり減り、徐々に表面がツルツルしてきます。
そうなってくるとリムへの押し付けが弱くなり効きが甘くなってくるのと同時に、リムとこすれて音がするようになります。
その状態になったら、シューの表面がざらつく程度にヤスリで軽くこすると、グリップ力が戻り音が消えます。
そして、ブレーキシューはゴムの部分がなくなると、制動力を得ることができない状態になります。
そうなる前に交換が必要ですが、表面に彫ってある溝が1ミリ程度の深さになったらそのサインだと思ってください。
バンドブレーキは交換!他のブレーキはメンテ次第で異音は防げる
今回は自転車のうるさいブレーキ音について、その解消法をご紹介しました。
うるさい音の代名詞的存在のバンドブレーキは、交換しか手がありませんので、もし悩まれているのであれば自転車屋さんに行きましょう。
しかし、リムブレーキは小まめにメンテナンスすることで音鳴りは防止できますので、定期的に行うことを意識してください。