ロードバイクのメンテナンス用品、初心者が買うべきものは?

自転車ブームの昨今、スポーツバイクに乗る人を街中で見かけるのはもはや当たり前の光景になりました。休日ともなればサイクルウェアに身を包み、ビンディンペダルを装着した本格的なロードバイクを走らせる人もよく見かけます。
そんなロードバイクといえば、軽くて、速くて、颯爽と風を切って走らせる快適なスポーツサイクルとしてイメージされている人も多いでしょう。
確かに、そのイメージは間違いではありません。が…、ロードバイクを快適に走らせるためには、ママチャリやシティサイクルとは違い、日頃からしっかりとメンテナンスをしなければならないことは意外に知られていません。
そこで今回は、これからロードバイクを購入しようかと考えている初心者の人のために、日頃のメンテナンスとそれに必要なアイテムをまとめてみました。

ロードバイク初心者が買うべきメンテナンス用品〈基本工具〉

まずはじめに、ロードバイクの購入に合わせて買っておいた方が良い基本的なメンテナンス用工具から紹介しましょう。メンテナンスをしようにもちゃんとした工具がなければ始まりません。
では、初心者が買うべき基本工具一式のリストです。

[初心者用メンテナンス基本工具]
●ドライバーセット(+/-)&ミニドライバー ●6角レンチセット(アーレンキー)
●オープンスパナ(8/10mm) ●モンキーレンチ ●スプロケットリムーバーセット
●ヘッドセットレンチ(30/32㎜と36/40mm) ●コーンレンチ(13/15㎜と14/16mm)
●ペダルレンチ(15/16と15/17) ●タイヤレバー

これが、初心者が最初に覚える基本的なメンテナンスに必要な工具類です。まだ初歩のお手入れ用ですが、結構いろいろありますよね。これらをすべてバラで買うと非常に割高になります。
そこでおすすめなのが、初心者向けロードバイク用メンテナンスセットというお買い得パックがいろいろ出ています。お値段は5000円前後からあり、上記の工具の他にクランクやBB(ボトムブラケット)のグリスアップができる専用工具やスポークの調整工具、パンク修理キットなどもすべてコンパクトなアタッシュケース型の専用ツールボックスに入った便利なセットです。これ一つあれば、殆んどのメンテナンスはOKです。
さらに、これに合わせて買っておいた方が良いのがメンテナンスブック。ロードバイクのメンテナンスについて写真入りで詳し解説と手順がまとめられた解説本がいくつか出ていますので、書店で見て自分に合ったものを1冊買っておくと良いでしょう。それと、メンテナンス用のスタンドがあると作業がしやすく便利です。
全部合わせても安いものなら¥8000円程度で揃います。

ロードバイク初心者が買うべきメンテナンス用品〈ホイール関連〉

ロードバイクのメンテナンスで初心者が最初に覚えるべきメンテナンスが空気圧の管理とパンク修理及びチューブ交換です。ロードバイクで標準となっている700C のタイヤは25㎜もしくはそれ以下の細さで非常に高圧の状態で使用します。ママチャリやシティサイクルなどと比べれば幅も厚みも半分以下です。そのため初心者の方は車道から歩道に入るちょっとした段差でもリム打ちといって路面の凸凹とリム(ホイールの枠)にチューブが挟まれてすぐにパンクをします。
というわけで、なるべくパンクをしないように乗る時は常に高圧の状態にしてタイヤが潰れないようにすること。そして、もしパンクをしたらすぐに修理をするかチューブを交換できるようにならなければいけません。
そこで揃えるべきアイテムは以下の通りです。

[初心者用ホイール関連メンテナンス用具]
●ゲージ付きフロアポンプ ●タイヤレバー ●イージーパッチセット 
●携帯ポンプ ●CO2ボンベ ●瞬間パンク修理剤 ●交換用チューブ(3~4本)

これらのうち、タイヤレバーとイージーパッチのパンク修理キットは、前の項目のメンテナンス用工具セットを買うと殆んどの場合一緒に入っています。
また、CO2ボンベや瞬間パンク修理剤は携帯ポンプがあれば、なくても大丈夫です。ですが、フロアポンプと違い携帯ポンプで空気を入れるのは結構手間がかかります。なので出先でのパンクの対応は、チューブ交換をしてCO2 ボンベでエアを入れるか。瞬間修理材で素早く対応するか。どちらかをおすすめします。

ロードバイク初心者が買うべきメンテナンス用品〈チェーン関連〉

ホイール周りの次は、チェーンです。ロードバイクで快適に走るためには、チェーンの掃除と注油は欠かせないメンテナンスです。チェーンの汚れ、油切れ、伸びなど放っておくとチェーンリングやスプロケット、ディレーラーなど様々なパーツを傷め、寿命を縮める原因になることはもちろん、ペダリングの負担が増して余分なエネルギーを浪費する元になります。
通常は灯油やチェーンクリナーなどを使って拭き上げれば十分ですが、定期的に洗浄をしてしっかり汚れを落とすことも必要です。特に雨の日や水たまりなどがあるウェットな路面を走った後などは念入りなチェーンの洗浄が不可欠です。
ということで、初心者の方が買うべきアイテムは以下の通りです。

[初心者用チェーンメンテナンス用具]
●チェーン洗浄器 ●チェーン洗浄剤 ●パーツクリーナー ●専用ブラシ ●チェーンオイル ●ウエス

チェーン洗浄は灯油を使う人もいますが、その場合はチェーンを外して行う必要がありますが、専用のチェーン洗浄器を使えばチェーンを外さず、手も汚さず、しかも素早くキレイにできるのでおすすめです。
工具と同様、チェーンメンテナンス用具もセットで買うとお得です。

ロードバイク初心者が行うべきメンテナンスについて①

凡そ以上の3項目で挙げたアイテムが初心者として買うべきメンテナンス用品です。では、これらを揃えたら初心者がやらなければいけないメンテナンスについて簡単に説明しましょう。
まずは、先に述べたようにホイールの適切な空気圧の管理とパンクの対応。さらに、ホイール周りではブレーキとハブ、そしてホイールの振れのチェックをしましょう。ブレーキシューの間隔が合っていない場合は修正し、片減りしているような時は面出しや交換が必要です。また、リムが汚れているようならウエスを使って水拭きもしくは水洗いをしてキレイしましょう。ワイヤーの張りも調整ボルトでできる範囲はするようにしてください。
ホイール周りでは、ここまでできれば初心者では合格です。あとはタイヤの減り具合や傷み具合を見て交換時期を見極めるくらいですが、タイヤの寿命は3000kmから5000㎞くらいといわれ、交換は1年に1度程度です。
ハブの不調やホイールの振れに関しては、初心者ではメンテナンスが難しいので無理をせずショップに頼みましょう。

ロードバイク初心者が行うべきメンテナンスについて②

フレームやチェーン、スプロケットなどに関しては、初心者が行うべきメンテナンスは主に掃除です。ママチャリやシティサイクルでは殆んどセルフでメンテナンスをするという概念はありませんが、ロードバイクはメンテナンスなしで快適に乗ることはできません。逆に、メンテナンス不足は走行中の思わぬアクシデントにつながることがあります。
例えば、変速機のワイヤーを伸びたままで放置をしておくとシフトチェンジの際にチェーンが脱落するといったことが起きます。転倒など大けがの元になるので注意しなければいけません。
ということで、フレームについてはキチッと拭き上げ、各部のボルトなど緩みがないか確認するようにしましょう。ペダルやクランクの取り付けボルトなどが緩んでいるとペダリングの際に違和感を感じたり、踏み込みのパワーがしっかりと伝わらないといったことが起こります。
また、チェーンに関してはメンテナンス用具のところでも説明したように、チェーンの汚れや油切れは快適な走りの妨げとともに連動した様々なパーツの劣化につながります。チェーンは常にキレイに、そして注油を欠かさず行うようにしてください。

まとめ、ロードバイクの快適さはメンテナンスが命

さて、皆さんロードバイクのメンテナンスについてどう思われましたか。買うべきものは多いし、やるべきこともたくさんあって、意外に大変だと思いましたか。
でも、手間がかかるからこそ趣味として奥が深くて面白いということも言えるのです。誰でも簡単なら競い合っても面白味はありませんよね。
いろいろ工夫をして手間をかけて自分の身体の一部のように使いこなしてゆく。それがロードバイクの楽しさなのです。皆さんもぜひ、そんなロードバイクのすべてを楽しんでもらえることを期待しています。