自転車をペンキで全塗装してみよう!!やり方とコツ

ヴィンテージバイクに乗る方はいますが、ほとんどの場合、使い古した自転車はそのまま放置したり、捨ててしまう方が多いのではないでしょうか。

塗装が剥げていたりして、見た目が悪くて乗りたくないと思っている方は、セルフで自転車をペンキで全塗装にチャレンジしてみませんか?

塗装する道具は、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。

今回は、塗り方のコツなどをご紹介します。

ペンキを使って自転車を全塗装する前に①

まずは用意するものです。

・ラッカースプレーまたはペンキ

・マスキングテープ・新聞紙
(塗料が付着しては困る部分を覆います)

・プラスドライバー・マイナスドライバー・スパナ
(部品を分解する時に使用します)

・ワイヤーブラシ
(不要な塗膜や錆を落します)

・布ヤスリ
(120・240・400番)
(錆落しや塗装する前の下準備等に使用します)

・ペイントうすめ液
(脱脂やハケ等を洗浄したりします)

・ウエス(ぼろきれ)
(脱脂の時や汚れの拭き取り等に使います)

あったら便利なもの

・マスキングシート

・サビ落とし剤

まずは自転車の部品を分解しましょう。

分解する時の注意点は、最後に元通りに組み立てられる範囲に留めておくという事です。
自力で戻せそうにない部分は、分解するのを避けておいたほうが賢明です。

錆が発生している箇所は、ワイヤーブラシやサビ落とし剤で丁寧に処理して下さい。

塗装が剥がれた箇所には段差が生じ、周囲の塗膜も浮いて剥がれかかっています。

そのままの状態で上からペンキで全塗装しても直ぐに剥がれてしまいます。

ワイヤーブラシで剥がれる所は、徹底的に取り除いて下さい。

ペンキを使って自転車を全塗装する前に②

塗膜が剥がれた箇所を、そのままペンキで塗装すると、段差が明瞭に見えてしまい、デコボコな見た目になってしまいます。

そのままでも構わない方は、剥がれかけの部分を除去して、次のステップへ進みましょう。

では、段差が気になる方は、そのままいきましょう。

触ってみて差異を感じなくなる程度まで、サンドペーパーを荒い番手から順番にかけていきましょう。

数字が小さいほど荒くなっています。

120番で段差を無くす⇒240番で120番のキズを消す⇒更に400番で240番のキズを消す
このようなイメージで作業しましょう。

指先で触って段差を感じなくなるまで、120番はかけるようにしましょう。

ペーパー掛けの仕上がりしだいで、完成時の美しさに差が表れます。

滑らかにすればするほど、跡は目立たなくなりますので、キレイにしたい方は頑張りましょう。

その他に、全体をサンドペーパー400番でキズをつけておくと、塗料が全体になじむので、よりキレイな仕上がりになります。

ペンキを使って自転車を全塗装しよう!

塗装する前には、重要なことが2つあります。

まず1つめが、マスキングです。

マスキングとは、全塗装等をするときに、塗料が付着するのを避けたいところ(タイヤやハンドルのメッキ部分等)を新聞紙やテープで覆う作業です。

2つめが、脱脂です。

脱脂とは、塗装したいところの表面に付着した油分を取り除く事です。

手で触れてしまったりして、塗装したいところに油分が残っていると、その部分だけ塗料が弾かれてしまいます。

ですから、作業の度毎に脱脂を必ず行うことが重要になります。

それではウエス(ぼろ布)に、ペイントうすめ液を十分に染み込ませて、拭き取りましょう。

すぐに乾いたウエスで、その場所の拭き取りを行うと、さらに効果的です。

下塗りです。

下塗りの注意点として、蛍光色の場合は、塗料が透けて見えてしまう可能性が高いので、白を使って下塗りしましょう。

下塗りは必須の作業ではありませんが、塗りたい色を重ね塗りする回数が減り、発色も良くなります。

いよいよ本塗り・全塗装です。

下塗りが乾いてから、塗り残しが無いように確認しながら塗っていきます。

自転車の部品は、曲がっているところが多く、塗料が垂れやすいので、一度に多量のペンキをかけないようにしましょう。

数回に塗り分けて、「しっとりと濡れた感じ」になるようにして下さい。

自転車の全塗装を成功させるポイント①

・塗装は晴れた日に行いましょう

気温が低い日の全塗装等は、人間のみならず塗料にも辛い状況です。

特に水性塗料は、気温に関わらず塗装面が5℃以下の状態で塗ると、乾いてから簡単に剥がれてしまいます。

また、湿度が高い場合も乾燥に時間がかかったり、結露や白濁等の原因になります。

湿度(65%以内)、温度(15~20度)の晴れた日に塗装するのが望ましいです。

・塗料は材料に合わせて選びましょう

基本的には、材料に適合した塗料を選択します。

間違った塗料を選ぶと、直ぐに剥がれてきたりして美観や保護効果が持続しません。

・材料に合わせた用具を使いましょう

刷毛は水性用・油性用・ニス用など様々な種類があります。

自転車の入り組んだ箇所には、細かい刷毛、広い箇所には、平刷毛やローラー刷毛など、塗装箇所に合わせて使い分けると効率が上がります。

・うすめ液を上手く使いましょう

塗料の粘度が高いと塗りにくいので、うすめ液で粘度を下げましょう。

水性には水、油性にはペイントうすめ液、ラッカー系にはラッカーうすめ液を使います。
こぼれたペンキや衣服についた塗料を薄める用途もあります。

・入念に下地調整をしましょう

塗装する箇所に汚れや錆、古い塗膜などが残っていると、仕上がりが美しくありませんし、直ぐに剥がれてしまいます。

下地調整は、塗装の出来・不出来を左右する重要な作業ですから、念入りに行いましょう。

自転車の全塗装を成功させるポイント②

・必ずマスキングをしましょう

自転車の全塗装の時等には、新聞紙やマスキングテープ等で、ペンキが付いては困る箇所を覆っておきましょう。

適切にマスキングがされていれば、作業効率が上昇し、仕上がりも美しくなる大切な作業です。

・使用前に塗料をよく混ぜましょう

顔料が沈殿し、溶剤と分離した状態で塗ってしまうと色ムラになりますから、よくかき混ぜて使用して下さい。

スプレー塗料は、顔料が沈殿した状態で使用すると、詰まりの原因にもなりますから、30秒~1分程容器を振って下さい。

・下の塗料が乾いてから重ね塗りしましょう

乾燥が不十分なまま、更に塗ってしまうと、厚塗りと同じような状態になってしまいますので、確認してから作業しましょう。

乾燥の目安は、指紋が付かなければ大丈夫ですが、塗料缶に表示されている塗り重ね乾燥時間も参考にして下さい。

・塗料の厚塗りは禁物です

塗料を一度に厚塗りすると乾燥までに時間を要し、表面が収縮してシワになったり、ひび割れが出来たりします。

2~3回に分けて、薄く重ね塗りしましょう。

乾きが速い1回塗り塗料であれば、多少厚塗りしても問題ありません。

・風通しを良くし、換気に注意しましょう

洗濯物同様、塗料も風通しが良ければ速く乾きます。

また、有機溶剤が含まれている油性塗料や、ラッカー系塗料等を使用する場合、換気には十分注意して作業しましょう。

ペンキの基礎知識

ペンキには、油性塗料と水性塗料があります。

ひと昔前までのペンキといえば、油性が主流でした。

現在は、水が主成分の水性塗料が数多く出回っています。

乾燥が速く、臭いも少ないのが水性塗料の特長で、乾いてしまえば、水で流れ落ちることはありません。

塗料の使用前には、容器を逆さまにして振ってから蓋を開けて、底の方から十分にかくはんして下さい。

この時に粘度が高いようでしたら、各塗料に適合したうすめ液を使用して薄めて下さい。

特に1回塗りの場合には、うすめ液を5%~10%ほど加えると塗りやすくなります。

油性塗料の保存法ですが、表面が乾燥して皮膜が出来るのを防ぐ為に、少量のペイントうすめ液を加えて混ぜずに蓋をして下さい。

水性塗料は、蓋を密閉すれば保存は可能ですが、塗料に水を加えた場合は、水が腐るので保存は6ヶ月が限度です。

ペンキ以外にもスプレー式塗料があります。

自転車の全塗装やホビー用品等を手軽に塗装したい場合には、スプレー式塗料が便利です。

先ず、使用前に容器を30秒~1分程度、よく振って下さい。

そして、30cm程の距離で、薄く満遍なく吹き付ける作業を、複数回行って下さい。

同一箇所に噴射し続けたり、対象に近すぎると塗料が垂れてしまう点には留意して下さい。

最後に、火気と換気には十分注意して作業しましょう。

自転車を塗りなおして新しく

自転車を自分で塗装するのは、それなりに時間もお金おかかりますが、出来上がったとき綺麗な自転車を見ると、それだけで達成感がありますよね。

ペンキのほかにも、スプレータイプの塗装もあります。

自分にあったやり方でやってみましょう。

仕上がりが気になる方は、やはりプロに任せるのが一番のようです。