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ロードバイクのホイールは柔らかい物と硬い物どちらが良い?

2018.7.13

ロードバイクのホイールの特徴の話になると、「硬い」「柔らかい」という硬質の話が良く出ます。

剛性という言葉でも置き換えられるわけですが、私たちがロードバイクに乗る際に一体どういった影響があるのでしょうか。

そこで今回は、ホイールの特徴を剛性面を中心に考えていきます。

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ロードバイクのホイールで柔らかいとは?

ロードバイクのホイールは、手に持って何かをするわけではないので、硬いや柔らかいというのは触感の話ではありません。

人が乗って加重された時に、たわまないのが硬いホイール、たわむのが柔らかいホイールとなります。

そしてこれは、「剛性」という言葉で表現される事でもあります。

剛性は物質の変形しにくさを表し、高低で表現されます。

たわまない硬いホイールは剛性が高いという事になり、たわみが大きい柔らかいホイールは剛性が低い事になります。

ホイールはペダルを漕いだ力が動力となる場所なので、剛性の高低はパワーの伝達という意味でも大きく関係します。

後述しますが、単純に言えば剛性の高いホイールは反応が良くなり、剛性が低いとパワーロスが大きくなるという事です。

また、剛性の高低は乗り心地が違ってきます。

硬いパイプ椅子に座るのと、柔らかいソファーに座るのとでは全く座り心地が違うのと意味は同じです。

ロードバイクのホイールでは剛性がとても重要

前項ではざっと、硬いホイールと柔らかいホイールの違いをお話しましたが、ここからひとつずつ掘り下げていきましょう。

まずは、ロードバイクのホイールの剛性を決める要素からお話します。

ホイールは外周部分である「リム」、屋台骨の「スポーク」、この2つを繋ぐ「ハブ」で構成されています。

中でもホイールの剛性は、リムの素材や強さ、スポークの素材によって左右されます。

リムは大まかに分けて、カーボンとアルミに分かれます。

カーボンは繊維、アルミは金属なので、普通に考えれば繊維であるカーボンの方が柔らかい事になります。

しかし、必要な部分にだけ繊維の層を厚くして剛性を高めているホイールもありますので、一概にカーボンリムの剛性が低いとは言えません。

プロが使用しているので、プロの脚力に応えられるだけの剛性はあるわけです。

一方、アルミリムの硬さはメーカーによって差があります。

有名どころではシマノが柔らかめ、カンパニョーロが普通、フルクラムとマビックが硬めと言われています。

スポークはスチールよりも硬いアルミ製の方が、剛性が高くなります

柔らかいホイールは乗り心地が良い

ロードバイクホイールの硬質の話をしていますが、次に掘り下げていくのは乗り心地についてです。

硬いホイールは地面からの振動がダイレクトに伝わってきますし、クッション性が無い分、衝撃吸収性は良く有りません。

その為に、当たりが強くなるので乗り心地が悪くなります。

クッション性に関してはタイヤも関係しますが、硬いホイールはタイヤでは衝撃を吸収しきれないので身体にダメージがきます。

一方、柔らかいホイールはたわみがあるので、クッション性が増し衝撃吸収性には優れています。

地面からの振動ははボクシングのボディーブローの様にジワジワと効いてくるので、長い距離を乗る場合などは柔らかめのホイールの方が向く事になります。

乗り心地は、乗り手から掛かる縦方向の加重に対して、剛性が高いか低いかで決まります。

という事は、乗り手の体重が重いと柔らかいホイールはたわみ過ぎてしまい、かえってフワフワして乗りづらいという事にもなります。

従って、ホイールの剛性と乗り心地は、一筋縄ではいかない難しい関係なんですね。

パワーの伝達力では柔らかいホイールは硬いホイールにかなわない

ホイールはロードバイクの動力の要なので、剛性がパワーの伝達に大きく関係してきます。

剛性の高い硬いホイールは、ペダルを漕いだ力が逃げずにストレートに動力になりますので、反応が良くなり加速力が上がります。

また、スピードに乗ると小さな力で回転を維持出来るので、高速巡航性にも長けています。

ただし、硬いホイールは大きな漕ぐ力を要するので、脚にもきます。

一方、柔らかいホイールは動力の伝達に関しては、不利と言わざるを得ません。

タイヤにも言える事ですが、転がる円形の物体は変形によるパワーロスが一番大きな抵抗となります。

その為、柔らかくてたわむホイールは、漕いだ力が逃げてしまうので、前に進みにくい物になってしまいます。

以前は「こんにゃくホイール」などと揶揄される、グニャグニャの剛性のホイールもあったそうです。

しかし、現在はよほど安物のホイールでない限り、そこまで剛性の低いホイールは存在しません。

用途で変わるホイールの硬質の適正

それではここまでの話を踏まえて、ロードバイクのシチュエーション別に、どんなホイールが向くのかを考えてみましょう。

まずは、レースに使用する場合ですが、これは種類によって違ってきます。

例えば、登坂競技であるヒルクライムは重力に逆らわなければいけませんので、何よりも軽さが求められます。

それと同時に大きな力を込めてペダルを漕ぐ事になるので、柔らかいホイールではたわみが大きく不向きです。

また、ヒルクライムは短距離なので乗り心地は二の次にしても、剛性や反応性を重視したいところです。

ただし、アルミリム+アルミスポークの様なホイールだと、今度は硬すぎて踏み抜けなくなりますので適度なものに限ります。

一方、通常のロードレースの様に長距離を乗る様な場合は、衝撃吸収性も考えなければいけません。

その為、少し剛性を抑えてクッション性のあるホイールも視野に入ります。

レースでは、余り剛性を抑えすぎてしまうと巡航性に劣るので一概には言えません。

しかし、趣味のツーリングなどであれば、剛性はやや低い方が満足できるはずです。

ロードバイク界で硬い事で有名なホイールと柔らかい事で有名なホイール

それでは最後に両極端ですが、硬い事で有名なホイールと柔らかい事で有名なホイールを紹介します。

まず硬い方からですが、これはアルミリム+アルミスポークに優る物はありません。

中でも硬い事で有名なのが、フルクラムの【レーシング・ゼロ】です。

少し触れましたが、フルクラムは全体的にリムが硬いところに持ってきて、レーシングゼロはアルミスポークなので相当な硬さになります。

その分、反応の良さはピカイチで、加速力は異次元であると表現する専門家もいるほどです。

脚力が無い人には少し硬すぎるかもしれませんが、とにかくロードバイクで速く走りたいと思ったら試してみる価値大のホイールです。

一方柔らかい事で有名なのは、「シマノ」製のホイールです。

先ほども言いましたが、柔らかいといってもグニャグニャなわけではなく、あくまでも他メーカーとの比較で柔らかめという事です。

中でも、アルミリムにカーボンがラミネートがされている、「デュラエース」グレードの【WH-9100 c24】は乗り心地の面で高評価を得ています。

アルミリムの中では最軽量クラスですし、9100番台へのモデルチェンジでリムの剛性が上がったという話もあります。

オールラウンダーに近づいてきたという評価がありますので、柔らかい事を気にしていた方も一考してみて良いはずです。

ホイールの硬質は優劣を決める事ではありません

今回は、ロードバイクホイールの硬質について考えてみました。

硬い物と柔らかい物はどちらが優れているかという尺度ではなく、ロードバイクに乗る状況によって向き不向きがあるという事です。

ホイールの購入だけで試乗するのは難しいですが、両極端なホイールで乗り比べてみて自分に合う柔らかさのホイールを見つけて頂きたいと思います。

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