こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
fujiのクロスバイク、スパロウ(SPARROW)について聞かれることがあります。
サイクルベースあさひさんで限定販売しているモデルですね。
5万円台中盤で買えてしまう上にデザインもカッコいい。
fujiっていう響きも良いですよね。
そんなfujiについて、今回は書いてみます。
fuji?いいえ、日米富士自転車。
今はfujiです。
スパロウは特別な自転車です。
後述しますが。
まずは、fujiをみていきましょう。
昔は日米富士自転車、日本の東京、今の町田市役所の場所に本社がありました。
クロスバイクが出てくるより、ずっと昔のころのお話です。
日米富士は、本当にすごいんです。
まず、ママチャリ、軽快車ですね。
冨士覇王号です。
これは戦前ですね。
まだ、ママチャリというジャンルが確立されていない時代。
実用車、今では新聞配達くらいでしか使われませんが。
重い荷物を載せて走れる自転車のことを実用車というのですが、これの機能を省略して値段をリーズナブルにしたものが冨士覇王号です。
ママチャリの草分け的存在ですね。
そして、フラッシャーシリーズ。
1970年ごろから80年代頭くらいまで、少年たちの自転車には、いっぱいライトが付いた時代があったのです。
その先駆けも、やはり富士でした。
左右の方向指示器が付いていたり、変速がなんと車みたいな、ガションッガションッみたいなやつが付いていました。
どうです?
日米富士自転車すごいでしょう。
クロスバイク、スポーツバイクは作ってなかったの?
「日米富士はママチャリメーカーだったの?」
いえ、競輪用の自転車だって作っていました。
fuji bikesの歴史年表を見ると、1951年に競輪用タンデムを作ったとあります。
本当に日米富士、すごい会社です。
未来を行き過ぎています。
もちろん、変わったものばかりじゃないです。
1935年、戦前ですね、日本初のスポーツ自転車フェザー号を発売しています。
今のモデルでも、フェザーの名前のモデルがありますよね。
すごく歴史ある名前なんですよ。
チタンフレームの自転車は、世界で最初に日米富士が作りました。
もちろん、自転車を海外にも輸出していました。
現在は、日本の海外への自転車の輸出ってほとんどゼロですが、かつての日本は自転車輸出大国だったんです。
パナソニックのクロモリロードレーサーが、ツール・ド・フランスを走ってステージ優勝も取っています。
しかし、そんな日米富士自転車も、安い人件費のアジア諸国の製品に押され気味になります。
そして、1997年、日米富士自転車は今のアメリカのfuji bikesへとなったわけです。
引き継がれたのは名前だけっていう感じは否めませんが。
それでも、最近もツール・ド・フランスに、フルカーボンエアロロードバイクを投入したり頑張っています。
そろそろ、fujiのクロスバイク・スパロウについて話していきます。
fujiのクロスバイク・スパロウ
歴史を聞くと、富士の自転車に乗りたくなってきますね。
フラッシャーシリーズとか、案外、最近のスポーツ自転車の事故が社会問題になっているご時勢だと売れるかもしれません。
いや、さすがに今は恥ずかしくて乗らないですかね。
で、そろそろスパロウ(SPARROW)の話をしていきましょう。
スパロウは、サイクルベースあさひさんだけで売られているモデルのクロスバイクですね。
円安になっても、5万円台中盤と、リーズナブルなプライスを守っています。
ただ、fuji bikesのホームページには載っていないんですね。
日本ページにもアメリカの方にも。
似たような車体もありません。
謎のベールに包まれています。
でも、これはスパロウに限ったことじゃなく、fujiの名前自体、もう日米富士自転車から離れた時点で、名前だけ1人歩きしているような状態になってしまっています。
日米富士が、かつてアメリカに輸出していた頃、アメリカですごく人気だったんです。
かっこいいし、よく走るし、しかも安い、と。
今でこそ、日本も人件費の高い国ですが、かつては途上国でした。
だから、安い、しかも物もしっかりしている。
ですから、fujiの名前がアメリカメーカーは欲しかったわけです。
そして買収されちゃったわけです。
ですから、fujiは一応日米富士の延長線上にありますが、中身としては、ほとんど関係ないとも言えます。
まあ、この辺は仕方ないです。
日米富士が好きな僕には悲しい話ですが。
片倉シルクも潰れましたし、時代の流れなんです。
ちなみに片倉シルクの工場跡地は、まだ空き地のままです。
fujiのクロスバイク・スパロウは偽物!?
「じゃあ、あさひさんで売ってるクロスバイク・スパロウは偽物なの?」
別に偽物っていうことはないです。
アメリカで販売されていないから、アメリカのホームページには載ってないですし、日本でもあさひさんでしか売ってないから、日本でのfuji代理店アキボウさんのHPには載っていないというだけの話です。
問い合わせされても、「あさひさんに聞いてください」としか言えませんからね。
おそらく、あさひさんが直接fujiとやりとりして、仕入れているのでしょう。
そもそもに現在の自転車の大半は、台湾と中国で作られています。
そっちの工場に受注して、fujiにロゴを入れてブランドネームを使わせてもらう許可を取れば、それは立派なfujiの自転車というわけです。
fujiのクロスバイク・スパロウの評価
「じゃあ、fujiのスパロウって良くないの?」
心配性ですね。
でも、心配性の方はやめておいた方が良いかもしれません。
心配性の方には、同じ値段帯であれば、ジャイアントのエスケープシリーズをおすすめします。
ジャイアントは安物というイメージもありますが、きちんとしたスポーツバイクブランドです。
日本での販売も、ジャイアント日本法人がやっています。
ですから、仮に一番安いモデルでも、粗悪なものの販売は許しません。
もちろん、fujiのスパロウが悪いとは思いません。
ただ、5万円台中盤のクロスバイクですからね。
多くを期待してはいけません。
円高が終わった2016年現在で、5万円台中盤というのはクロスバイクの値段としては安いです。
悪いとも思いませんが、当然、その値段なりです。
ジャイアントのエスケープだって、メーカーがしっかりしているから粗悪ではないとは言えますが、よく走るスポーツ自転車かといえば、そうではありません。
スポーツ自転車として認められる、最低限の走りをきちんとできるというだけで、決してすごく良いスポーツ自転車とは言いがたいです。
値段相応です。
メーカーもボランティアじゃないので、利益を出さないといけませんからね。
スパロウの良いところ
少々ネガティブなことを書きましたが。
街中を走るには良いクロスバイクだと思います。
まず、おしゃれですよね、スパロウは。
スポーティーなデザインで、5万円台とは思えません。
重量だってあさひさんが言うには、11.6kg。
十分軽いです。
マンションで家の下に置いとくと盗まれそうっていう人は、玄関扉の前まで運ぼうと思えば運べる重量ですよね。
クイックレリーズ、工具を使わずにホイールを外せるので、パンク修理も簡単です。
700×28cタイヤですから、走りも十分に軽快です。
各部品もシマノのアルタスや、ブレーキもテクトロを使っています。
カタログにはfujiブレーキと書いてますが、テクトロです。
テクトロは安いけれど、それなりに動きます。
通勤・通学に特に困ることはないでしょう。
どうですか?
何ひとつとして、不満ないでしょう?
スパロウよりも安いクロスバイク
インターネット上を漂流している、3万円のロードバイクとかクロスバイクっていうのは、あれはすごいです。
昔、友人のを修理してあげたのですが、おぉ、これはすごいな、と。
よく走るとか走らないとかのレベルじゃないです。
一応最初の新品状態では、割とスポーツ車っぽく走れるんですが、すぐに部品が駄目になっていきます。
正直、1万円ママチャリの方が長持ちするくらいです。
でも、所有している当人は「え?!3万円もしたのに?!ママチャリが3台買える値段なのに?!」となってしまうんです。
まあ、気持ちは分かります。
「気持ちは分かるよ、でも、オレのロードバイクのペダルを見てくれ。このペダル片側だけでママチャリが1台買える値段するんだよ。このサドルもママチャリ1台、ブレーキも前だけでママチャリ1台、このブレーキレバーに至っては3台、タイヤでさえ前後でママチャリ1台。良いスポーツ自転車の値段ってそういうものなんだよ。3万円じゃ何かと厳しいんだよ」
「・・・・・・。」
そういう点でいえば、fujiのスパロウは一応は問題ない範囲だと思います。
5万円の割に、よくできてる構成だなと思います。
見た目かっこいいですしね。
近所のお買い物自転車に、1台持ってても良いなって思います。
でも、「良いクロスバイクが欲しい」っていう人は、やっぱりもう少し金額を出した方が良いと思います。
まとめ「スパロウ辺りがとりあえずの最低限?」
僕の愛する日米富士のfujiの話なのに、何だか微妙な話になってしまいました。
でも、実際、fujiのロードバイクなどは決して悪くありません。
ツール・ド・フランスに投入したカーボンフレームでも、とてもリーズナブルなプライスで販売しています。
見た目もおしゃれです。
クロモリのクロスバイクのフェザーなんかも、本当にかっこいいと思います。
スパロウだって、過度な期待さえしなければ、良い自転車だと思います。
最低限クロスバイクしてます。
あさひさんは日本各地にありますから、買いやすいですしね。