こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
じてんしゃライターということをしてると、実にいろいろな質問を受けます。
「そんなカーボンの専門的なこと、大学で材質工学を専攻している人とかに聞いてくれよ」ということから、今回書こうとしている「クロスバイクを買おうとしたらホイールのサイズが700cって書いてあったんだけど、他に種類があるの?」ということまで。
初心者からの質問には、できるだけ分かりやすく丁寧に書いていきましょう!
そもそもホイールサイズの700cって?
まずは、そもそもホイールサイズの700cって何なのかってところから見てみましょう。
そもそも700って何の数字なのでしょう?
答えは、700ミリメートルです。
ママチャリだと、26インチとか27インチっていう数字をよく見ますよね。
1インチは2.54センチメートルですね。
26インチは66.04センチメートル、27インチ=68.8センチと。
この長さはタイヤの直径のだいたいの長さなのですね。
「え?だいたいで良いの?」
だいたいというのは、タイヤの幅によっては、微妙に数字がずれてしまうからです。
なので、27インチの直径とひと口に言っても、実は厳密にはいくつかのホイールが存在してしまうんですが。
一般的にママチャリで27インチと言えば、「27×1-3/8というタイヤを使うもの」と常識的に決まっていまして、それを略して27インチ、とかって呼ぶわけです。
クロスバイクの700cの場合も、ホイール直径622mmのものでタイヤを付けたら、だいたい直径700mmくらいの「よく使うあのホイール」というのを700cと呼ぶわけです。
700c以外のサイズのクロスバイクもあるの?
最近では非常に少なくなりましたが、26インチのクロスバイクというのも一応はあります。
正確に言うと、26インチのマウンテンバイクに少し細目のサイズのタイヤを付けたやつを、「クロスバイク」と呼んで販売しているわけです。
そもそも、クロスバイクというのには明確な定義はありません。
海外ではハイブリッドバイクなどと呼ばれます。
スポーティー過ぎず、ゆっくり過ぎず、街乗りとたまにフィットネスで使うのに、ちょうど良い中間どころ程度の意味でしょう。
ですから、26インチのマウンテンバイクを町でも走りやすいように、ちょっとタイヤなんかを換えたやつも、一応はハイブリッドバイク・クロスバイクと言っても問題ないわけです。
ただ、最近では、正統派のクロスバイク=700cのホイールに、25~35c程度の幅のタイヤをはめて、街中をスルスル走れる自転車くらいの意味になりつつあります。
フロントサスペンションについても、最近は「クロスバイク=サスは無し」という感じになりつつあります。
サスが付いているモデルもありますが、正統派のクロスバイクよりも、もう少し速度域が低くてラフに乗り回せる自転車みたいな位置づけになりつつあります。
700c以外のサイズのクロスバイクって何か駄目なの?
26インチのクロスバイクも、もちろん駄目ということはありませんが、後で修理のときに少々困る可能性があります。
26インチの街乗りに便利なタイヤって、最近は減りつつあるのです。
もちろん、いくらかは売ってもいますが、かつてほど置いてはいません。
700cに比べてタイヤも少なければ、当然ながら、その中のチューブも少ないわけです。
探せば見つかるものの、ふとしたところでパンクして、近くの自転車屋さんに入ったものの「今、26インチはタイヤもチューブも在庫してないから修理できないよ」と言われてしまうこともあるわけです。
パンクがすぐ直せないというのは、実に困りますよね。
これはデメリットです。
もうひとつのデメリットとしては走行性能です。
ホイールサイズが大きいほうが、スピードを持続しやすいんですね。
路面の段差も乗り越えやすいです。
700cより大きいホイールサイズもあるの?
700cより大きいサイズも一応、世界には存在するのですが、基本的には普通に流通している中で700cのホイールサイズが最大です。
一応700Aとかの巨大サイズもあります。
ただ、僕自身、生で見たことはないです。
マウンテンバイクで29インチというのもありますが、実はホイール直径は700cと同じです。
ときどき、29erなんて呼ばれたりもします。
「大きいホイールのほうが速くて、段差も乗り越えやすいのに、どうしてそれ以上のサイズはないの?」
という疑問もあるでしょう。
答えのひとつは、身長の問題でしょう。
例えば、750Aくらいのサイズが仮にできたとすると、身長170センチ以上の人しか乗れませんよ、なんてことになってしまうかもしれません。
これは困ります。
さらにはコーナーでのハンドリングにも影響が出ます。
そして、大事な問題として、強度の問題が出てきます。
横にねじれる力に弱くなってしまうんですね。
あれやこれやの歴史の積み重ねの結果、700cというサイズが人間が舗装路でクロスバイクなどに乗るときのベストなサイズとなっているわけです。
クロスバイク以外のホイールサイズは?①
クロスバイクは今のところ700cが標準的で、世の中に流通している数も多いので、修理のときなどにも楽だし、パーツのお値段もリーズナブルということでした。
余談ですが、クロスバイク以外ではどうでしょう?
まず、小径車ですね。
ミニベロとか呼ばれたりします。
DAHONやBD-1、Cannondale FOOLIGAN、アレックス・モールトンなど、スポーティーに走るモデルもいくつかありますね。
「え、車輪が小さいのにスポーティーに走れるの?」
ええ、なかなかスポーティーです。
僕も18インチの折り畳み自転車、BD-1を所有していますが、かわいいルックスからは想像できないほどにスポーティです。
定価で15万円くらいしますし、僕のは少々イジってるので、それなりにシャキシャキ走ってくれます。
50kmくらいの距離は、特に問題なく走れてしまいます。
頑張れば、150kmくらいまで頑張れるかもしれません。
あまり頑張りたくないですが。
「すごい、クロスバイクと同じくらい走るの?」
と聞かれると、5万円くらいの安いやつと同じ程度には走るかもしれませんが、ある程度しっかりしたクロスバイクと比較すると負けてしまいます。
サイズの割にはよく走りますが、値段の割にはイマイチ走りません。
それでも、見た目が素敵なので、僕は小径車って好きです。
アレックス・モールトンがいつか欲しいです。
モールトンは、普通に50万円以上するものも珍しくありません。
もちろん、値段は高いからといってロードバイクと同じように速くは走れません。
優雅に街を流す自転車ですね。
軽自動車のオープンカーみたいなイメージです。
クロスバイク以外のホイールサイズは?②
クロスバイクには700cが一般的ですが、マウンテンバイクには、今でもいくつかのホイールサイズの規格があります。
26インチ,29er,650b辺りが有名ですが、BMXのダートジャンプなんかも一応はマウンテンバイクの仲間と考えると、本当にたくさんあります。
マウンテンバイクの場合、コースによって適したホイールサイズというのが変わります。
ロードバイクやクロスバイクのように、整備された道を走るということはありません。
崖から落ちていくように走るダウンヒル、山や森の中に設定したトレイルを周回するクロスカントリー、最近はエンデューロなど多様な競技、コース設定があります。
また、ひと昔前の旅行用自転車の定番ホイールサイズは650Aでした。
今でも海外ツーリングでは、26インチを好む人が多いです。
26インチは途上国だと、タイヤやチューブを入手しやすいという背景があります。
その他、世の中には車イスもあれば、一輪車もありますし、農業なんかでよく使うネコ車(手押しの一輪車)や廃品回収のリヤカーだったり。
実に様々なサイズの車輪があります。
どれも用途に合わせて、最適なサイズというものがあるんです。
まとめ「今のところクロスバイクは700c」
クロスバイクのホイールサイズについて考えてみました。
とりあえず、今のところクロスバイクは700cが最も一般的で、オススメのサイズだと言えそうです。
時代が変われば、新しい常識が現れてサイズが変わることもあるかもしれません。
もしかすると、三輪車全盛の時代が来るかもしれません。
未来は分かりません。
でも、とりあえず今クロスバイクを買うなら、700cにしとくと間違いないでしょう。