こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
「ロードバイクのクランクをアルテグラにするってどうなの?」という相談がありました。
アルテグラって人気ですよね。
なんで、そんなにみんなアルテグラが大好きなんだろうっていうほど人気ですよね。
アルテグラの人気にはきちんと理由があるんです。
今回は、そんなお話です。
ロードバイクのクランクって大事なの?①
「クランクをアルテグラにしたんですけど」
なぜかそういう相談ってよくあります。
「クランク?何でまた?壊しちゃったんですか?」
「いや、壊してないですけど、グレードアップしたいと思いまして!クランクをアルテグラにグレードアップすると良いって聞きました!」
「誰がそんなこと言ってたんですか?」
「インターネットに書いてありました」
みんなインターネットが好きだなぁと思いつつ、私もインターネットに載せる記事を書いているのですが(笑)
インターネットで広まっている評判通り、本当にクランクってそんなに大事なの?っていうことを考えてみましょう。
ロードバイクのクランクって大事なの?②
クランクを変えるメリットは、いくつかあります。
・見た目がカッコ良くなる!
クランクは自転車の顔と言っても良いほど、真ん中にドーンとあります。
変えれば雰囲気が変わります。
・自転車は上側より下を軽量化する方が効果が高い?
理屈はよく分かりませんが、昔から言われるのが、低い位置の軽量化は効果が高いと言われます。
上のパーツの十倍近く効果があるという説もあります。
『効果』というのは、体感するものなので個人差があり、実際の真偽は分かりません。
昔からよく聞く話ですし、何となくみんな納得しているところではあります。
実際に使ってみると分かりますが、クランクの軽量化は嬉しい軽量化です。
・剛性が上がる
剛性については重要です。
剛性がない自転車、ママチャリで坂をダンシングで登ってみると分かります。
ハンドル、クランクが本当に頼りなくて、ダンシングがロクに出来ません。
どちらかというと、クランクは剛性感が大事だと個人的には感じます。
・クランクは消耗品じゃない
さらに嬉しいポイントとしては、クランクは消耗品じゃないということです。
チェーンリングはいくらか摩耗していきますが、クランクはよほどのことが無い限り、長く使える部品です。
そんなわけで、インターネット上では、クランクを交換することが推奨されます。
確かにメリットは多いです。
でも、当然ながら交換しても交換しなくても問題なく走行できます。
最初のままでも、別段問題はないのです。
特に初心者であれば、無理に早い内からクランク交換するよりは、ウェア代やメンテナンス費用として貯金する方が賢い気もします。
特に最初のうちは、ウェアなど持っていないアイテムが多いので、しばらくはあれこれお金も掛かります。
アルテグラクランク?デュラクランク?①
シマノの製品は上から順番に
・Dura Ace(デュラ・エース、通称デュラ)
・Ultegra(アルテグラ、通称アルテ)
・105(イチマルゴ。かっこよくワンオーファイブなんて読みそうだけれど、なぜか純和風にイチマルゴ)
・Tiagra(ティアグラ)
・Sora(ソラ)
・Claris(クラリス)
というグレードに分かれています。
シマノは性能が良く、値段も良心的なパーツを作るメーカーです。
しかし、一番上のデュラエースに関しては、性能も素晴らしいのですが、値段も爆発的に高いんです。
アルテグラまでの値段の上がり方を見ていると、「ふむふむ、なるほど」という感じなのですが、突然デュラエースだけ「えー?!いきなりそんなに高くなるの?!」と跳ね上がります。
例えば、今回の話題であるクランクの税込のお値段を見ていきましょう。
Sora → 約11,000円
Tiagra → 約13,000円
105 → 約16,000円
アルテグラ → 約25,000円
デュラエース → 約57,000円
そう、デュラエースは爆発的に高いので、その手前のアルテグラはリーズナブルなプライスに見えて、とってもお得のような気がするんです。
アルテグラクランク?デュラクランク?②
「やっぱりアルテグラが良いんですね?!」
ええ、アルテグラは確かに良いです。
でも、逆を言うと中途半端でもあります。
もう、これは完全に個人の好み、価値観になりますが。
中途半端にアルテグラにするなら、少し我慢してお金を貯めて、デュラエースの方が良い気がします。
お金がないなら、中途半端にアルテグラを買わず、今のパーツを我慢して使うという形でも良い気がします。
アルテグラが欲しいなら、最初からアルテグラ組みの完成車を買うべきです。
わざわざ、アルテグラクランク 25,000円+工賃を払ってまでクランク交換したいという人は、ほぼ間違いなく1年後には、デュラエースが欲しくなる人です。
合計、約3万円と言うと決して安くないです。
それでも交換したいという人は、もうかなりハマっています。
そういう人には、アルテグラは中途半端なんです。
後からデュラエースが欲しくなるでしょう。
「そうは言っても5万円はお高いわ……」
そう、高いです。
だからこそ満足感も高いわけです。
ロードバイクにとってのデュラ・エース
かつては、アップグレード=デュラ・エースと言っても過言ではなかったです。
デュラ・エースは値段こそ高いのですが、性能はもちろん、耐久性も非常に優れているということも人気の理由です。
アルテグラや105のパーツを買うというのは、アップグレードというより、修理で買うというイメージだったと思います。
アルテグラや105へのアップグレードというのは、割と最近のことのように感じます。
恐らく時代が進んだのでしょう。
かつては、
『アップグレードする人=ある程度ロードバイクが好きな人。それ以外の人=お金を出してまでアップグレードしない』
という背景があったのでしょう。
しかし、昨今ではロードバイク人口も増え、バリバリのシリアスレーサー以外の方でも、アップグレードに興味がある方も増えました。
さらに、かつてはデュラ・エースとアルテグラには、もっと明確に性能差がありました。
時代が進んで、昨今はアルテグラの下の105でも、かなり良い動作をしてくれます。
安い下位グレードの性能の底上げというのは明確に進みました。
そういったことが、アルテグラ人気を後押ししているのかもしれません。
しかし、やはりデュラ・エースとは絶対的存在。
アルテグラももちろん良いのですが、やはり普及グレードです。
「いずれデュラ・エースに手を出してしまうかもしれないな」
というのが何となくでもある人は、アルテグラはスキップして、デュラ・エースへのアップグレードがおすすめです。
それでも、アルテグラはやはり良い!
そうは言っても、アルテグラが良いというのは間違いありません。
ホビーレースでも使いたいという人には、アルテグラ組みの完成車が一番オススメです。
もちろん、105完成車でもレースは出来ますが、やはりアップグレードしたいという欲求に駆られるでしょう。
しかし、後からアップグレードしてアルテグラというのは、先程も申しましたように、ちょっと勿体無いような感じがあるのです。
アルテグラ完成車の良いところは、ホイールだけ変えてしまえば、そのままずっとレースで使って行って問題ないという完成度の高さです。
アルテグラはデュラ・エースには劣るものの、レース機材として十分過ぎるほどの性能を持っています。
無理をしてアップグレードする必要がないのです。
使っていく内に壊れた部品から、デュラ・エースにアップグレードしていくという感じで十分でしょう。
完成車としてのアルテグラは非常に便利です。
一方、最初のコストを抑えてカスタムをして行きたいという人の場合は、105の方が楽しいかもしれません。
ハマって来たら、半年に一箇所ずつデュラエースに変えていくというやり方も出来ます。
Tiagraは、そういう意味ではちょっとツラいコンポーネントです。
2016年現在、105以上は11速、Tiagra10速、Sora9速、Claris8速です。
変速数の違うコンポーネントへのアップグレードは、いろいろとお金が掛かります。
ちょっとずつ変えていくということが難しいです。
もちろん、一番下のグレードのClarisでもレースは可能です。
「レースをするなら絶対に105以上じゃないといけない」
ということはありません。
ただ、予算が合えば105以上を買っておいた方が、後から良かったと思えることは多いかもしれません。
まとめ「アルテグラの良さはバランスの良さ」
ロードバイクのコンポーネント、特にアルテグラクランクをめぐってのお話でした。
いかがだったでしょうか。
実際、アルテグラは良いのですが、インターネット上では「デュラエースと同じくらい良い」というところまで、尾ひれが付いた話になっていることも多いです。
シマノも商売ですので、当然ながら値段が2倍近く違うものを同じ性能にすることはありえません。
特にクランクの場合、さほど安い部品でもないので、本当に自分が求めているものは何か。ということを考えて、購入すると後悔が少ないかもしれません。