あなたはどんな自転車に乗っていますか?
その自転車には、変速機が付いていますか?
ママチャリでも、変速機が付いている自転車が一般的です。
しかし、この変速機、実は内装と外装の2種類あるのです。
今回は、そんな自転車の変速機についてご紹介します。
外装変速と内装変速
一般的な自転車には、ほとんどの場合、変速機がついています。
変速機とは、漕ぐ力をタイヤに伝えるとき、力の大きさをギアの回転数で調整して、タイヤに伝わる力の大きさを変えて快適に走れるようにする機です。
自転車の変速機には、外装変速機と内装変速機があります。
外装変速機は、チェーンを大きさの異なるギアに掛け替えることで変速します。
つまり、ペダルについたチェーンリングというギアと、後輪の車軸についたスプロケットというギアを、大きさの異なるギアにチェーンを掛け替えます。
そうすることで、ペダルの回転数に対する後輪の回転数の比率、変速比を変えていきます。
変速数は、チェーンリングのギア数とスプロケットのギア数を掛けた数になります。
内装変速機は、ハブという後輪の車軸に収められた、遊星歯車機構という仕組みで構成されています。
遊星歯車機構は、内側の太陽歯車の周りに内場車と遊星歯車があり、これらの歯車の組み合わせで回転数を変えるという、かなり複雑な変速方式です。
内装変速より外装変速の方が良いの?
自転車の外装変速機と内装変速機について簡単に説明しましたが、ここでは外装変速機の長所をご紹介します。
外装変速機は、構造がシンプルで、パワーロスが非常に少ないです。
構造がシンプルなので、メンテナンスや修理がしやすいです。
変速のタイムラグや、変速時にペダルを漕ぐ力を緩めなければならないなどのデメリットはあります。
ですが、最近の外装変速機は性能が良く、そういったデメリットも解消されつつあります。
昔の変速機のように、変速の際に大きな音がして、なかなか変速できないようなことも、なくなりつつあります。
内装変速機は、パンクした場合などホイールを外すときに、ハブブレーキや変速機のケーブルを外す必要がありますが、外装変速機はそういった手間も必要ありません。
内装変速機に比べて、価格も安く軽量です。
シティサイクルのようにメンテナンスをあまり必要としない自転車は、内装変速機の方が向いているでしょう。
ロードバイクのようにメンテナンスを必要とし、なるべく軽量化が求められる場合は、外装変速機の方が適していると言えます。
外装変速自転車には無い、内装変速自転車の良いところ
自転車の外装変速機のメリットについて述べましたが、次に内装変速機のメリットをご紹介します。
見た目がおしゃれということで、切り替えのないシングルスピードのピストバイクを買う人も多いようです。
しかし、変速機がないため、漕ぎ出しのときには、脚力と体力を必要とします。
デザインは重視したいが、変速機もほしいという方に、おすすめなのが内装変速機の自転車です。
内装変速機は、ギアが外観から見えないので、見た目が非常にすっきりしています。
そのため、シンプルなデザインに見えます。
変速機が外側にないので、雨天時に外に出しておいても錆びることもなく、注油などの手間がいりません。
よって、メンテナンスの手間が省けます。
外に出しておくと、風などで倒れた場合、変速機が外に出ていないので壊れる心配もありません。
外装変速機は、走行時にしか変速ができませんが、内装変速機は停止中でも変速ができます。
市街地など、発進と停止を繰り返すような場所では、内装変速機の方が向いています。
何段の内装変速がおすすめ?
自転車の内装変速機は、外装変速機にはないメリットがあることをご紹介しました。
内装変速は、自転車の用途によって、おすすめの段数があります。
内装変速は、一般に市販されているものは、3段変速・5段変速・8段変速のものがほとんどです。
買い物や通勤がメインだという人には、3段変速のベルトドライブがおすすめです。
普段の買い物や通勤ならば、3段変速でも充分に対応できます。
3段変速では物足りない、もっと多い変速が欲しいと感じる人には、5段変速がおすすめです。
3段変速には、軽い・普通・速めという3段しかないので、不便な点もあるといえばあります。
価格もそれほど高くはないので、多少高くてもいいという人には、5段変速をおすすめします。
自転車にスポーツとして乗りたい人には、8段変速をおすすめします。
価格は3段変速に比べて1万円以上高くなり、5万円ほどになります。
8段変速のベルトドライブ自転車は、ラインナップがそれほど多くなく、シティサイクルから見れば、かなり高くなってしまいます。
普通の生活に使う分には5段変速で充分ですので、8段変速は必要ないでしょう。
内装変速自転車ならベルトドライブ
少し話題で触れましたが、ベルトドライブ自転車についてご紹介します。
ベルトドライブ自転車には、チェーン式の自転車にはないメリットが数多くあります。
ただし、ベルトドライブ自転車は内装変速機を使用し、外装変速機は構造上取り付けることができません。
そのため、内装変速機のメリットである、外観がすっきりしている・メンテナンスがしやすい・壊れにくい・錆びにくい・止まっていても変速ができるなどの点をそのまま受け継いでいます。
ベルトドライブの特長は内装変速による特長だけではありません。
・走行中の音が非常に静か
ベルトドライブ自転車は走っていても、乗り手に駆動音が聞こえないほどです。
そのため、非常に快適な走行が楽しめます。
チェーン式の自転車では、どれだけ高価な自転車でもチェーンの音がします。
注油をせずに整備不良で走っていると、特にひどい音がします。
ただし、走っていて歩行者に気づかれにくいという点がデメリットと言えるかもしれません。
ベルトドライブ自転車の良さは他にも
引き続き、ベルトドライブ自転車の特長を述べていきます。
・メンテナンスの必要が少ない
年に1度くらいの定期的なメンテナンスと空気入れぐらいで済みます。
チェーン式の自転車は数か月に1度、注油しなければなりませんが、これに比べるとメンテナンスの必要が少なくなります。
・ベルトドライブのベルトが伸びにくい
ベルトドライブのベルトは伸びにくく、数年交換せずに使っても全く問題ありません。
これに対して鉄のチェーンは、使っているうちに伸びてきます。
伸びたままのチェーンで走ると、漕ぐ力にロスが発生したり、チェーンが外れやすくなったりします。
そのため、定期的にチェーンを外して交換したり、切って短くしたりする必要があります。
・ベルトドライブのベルトが外れない
チェーン式の自転車に乗ったことがある人なら経験したこともあるでしょうが、チェーンは外れやすいという欠点があります。
その場合、チェーンを直す必要がありますが、非常に手間がかかります。
しかし、ベルトドライブのベルトは基本的に外れないので、そのような手間がかかりません。
以上、自転車の外装変速機と内装変速機の違いとメリットとデメリット、そしてベルトドライブ自転車について述べました。
まとめて言うとすると、用途に合わせて選ぶことが重要だということになります。
自転車や用途に合った変速機を選ぼう
外装変速は、安く一般的であることから「外装の方が内装よりも良い」と思われがちです。
しかし、先ほどご紹介させていただいたように、通学自転車やママチャリであれば内装をおすすめします。
ただ、ロードバイクなどパンクしやすいタイヤのついた自転車であれば、外装変速をおすすめします。
用途や自転車の種類に合った変速機を選ぶことが大切ですね。