自転車のチェーンの洗浄のおはなし

こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
自転車のチェーンの洗浄、人によっていろいろな方法がありますよね。

外人さんなんかは、自転車まるごと豪快に水をじゃぶじゃぶかけて洗いますよね。
エアーコンプレッサーなんかで、バシューっと水を飛ばして。
かっちょいいですよね。

今回は自転車のチェーンの洗い方のお話です。

自転車のチェーンはどうして油が必要?

「え?自転車のチェーンって洗浄が必要なの?」
中にはそういう人もいるかもしれません。

最近は自転車に関する知識も広まったので、チェーンには油を差さないといけないというのは、ほとんどの人が知っているかもしれません。
でも、洗浄しないといけないっていうのは知らない人もいます。

基本的には、チェーンは洗浄してから注油です。
なぜでしょう?

まずは、どうしてチェーンには油が必要かという問題から考えてみましょう。
チェーンは、たくさんの金属プレートとその関節部分でできています。

関節部分は日々動きます。
こすれます。
こすれると削れます。
ですから、油が必要です。

油を差すことによって、次のような効果があります。

・錆止め
・摩耗の防止
・漕ぎ味が軽くなる

性能と耐久性のアップのために、注油は大事なんですね。

自転車のチェーンはどうして洗浄が必要?

機械物には油を差す。
まあ、理屈はよく分からずとも世界の常識です。

しかし、機械をゴシゴシして洗浄するのが大事っていうのは、知らない人も多いです。

ママチャリのチェーンに限らず、自転車のチェーンが黒くなってしまっている人は、少なからずいますよね。
そしてギトギト。

それは油ではありません。
汚れです。
ゴミです。

チェーンは、元々シルバーですよね。
チェーンに塗る油も手に付けてみると分かりますが、割とさらさらしていて、透明だったり白かったり、たまに緑だったり青っぽかったり、メーカーによって違うのですが。

何にせよ、真っ黒なギトギトした油というのは、滅多にありません。
汚れが油に溶けて、黒くてギトギトになるわけです。

汚れと言うのは、簡単に言えば粉です。
砂だったり、チェーンの削れカスだったり。
粒々なんです。

この粒々がヤスリのような効果を発揮して、パーツを削ってしまうのです。

汚れた上に油を差しても、やはり汚れています。
そう、洗浄しないと、せっかく油を差すのに効果が少ないんです。

人によって違う?自転車チェーンの洗浄方法

さて、具体的な洗浄方法ですが、これは人によって違います。
簡単な方法から順に見ていきましょう。

<あまり汚れていないときは洗わない?!>

オートバイ乗りの人に多いですね。
オートバイでは、シールチェーンというものがあります。

リンク部分にグリスが封入されています。
おかげで長持ちです。

しかし、このグリスの封入のために、ゴムのシールが使われています。

これがパーツクリーナーによって、劣化するという場合があります。
なので、オートバイ用のチェーンルブリカントやクリーナーは、シールチェーン対応というものが多いです。

元々シールチェーンは耐久性が高く、クリーナーによるシール部分への攻撃のことも考え、さほど汚れていなければ、クリーナーは使わないという人もいます。

しかし、自転車は全てノンシールチェーン、グリスなどは入っていません。
もちろん、ゴムのシールなどもありません。

クリーナーで、じゃぶじゃぶやってもダメージはありません。
ですから、心置きなく洗ってもらって大丈夫です。

ただ、自転車でも面倒くさいので、さほど汚れていなければ、洗わないという人もいます。
この辺は個人の自由ですが、洗ってあげる方がベターではあります。

面倒な場合は、クリーナーと注油が同時にできるオイル&クリーナータイプの製品を使うと楽です。
有名どころだと、FINISH LINE(フィニッシュライン)の1ステップクリーナー&ルブリカントですね。

混合タイプは、
・メリット→楽。クリーナーを別に買わなくても良い
・デメリット→汚れを流し出すために多めに使う必要がある

といった感じです。

一番スタンダードなチェーンの洗浄方法

<パーツクリーナーと布でゴシゴシ洗う>

一番スタンダードな方法は、パーツクリーナーと布でゴシゴシ洗うという方法です。

チェーンにブシューっと、クリーナーを吹き付けます。
周りに汚れが散らないように、裏側から布を当てておくとベターです。

そして、汚れごと布で拭き取ります。
手ごろな布がない場合は、ホームセンターなどでペーパーウエスを買ってくると良いと思います。
ペーパーウエスは、あると便利です。

パーツクリーナーは、好みのものを使ってください。
オートバイの場合は、シールチェーンにも使えるチェーン専用のクリーナーを使いますが、自転車のチェーンの場合は、さほど気にする必要はないでしょう。

ホームセンターで売ってる激安クリーナーでも良いですが、汚れの落ちが悪かったり、別のパーツ、特にディレイラー(変速機)のプーリー(歯車)の樹脂が劣化する可能性があります。
ある程度、きちんとしたものの方が安心です。

王道はワコーズのスーパージャンボ。
1,500円ちょっとくらいで、名前の通り大きいです。

汚れが頑固な場合は、遅乾系のものを使うとより良いです。
ワコーズなら、中乾性のBC-8などが有名ですね。
歯ブラシなんかで、ゴシゴシしてやっても良いですね。

速乾のスーパージャンボの方が、すぐ乾くので、すぐに注油できます。
乾くのが遅いタイプのものは、しっかりクリーナーが乾いて、なくなったのを確認してから注油しましょう。
クリーナーが残ったまま注油すると、油がそのまま流れ出てしまいます。

クリーナーでの洗浄のコツはケチらずブシューッです。
クリーナーの噴出の勢いで、汚れを外に追い出します。

しっかりとチェーンを洗いたい人は

<少々値段はするけれどチェーンマシン!>

がっしり洗いまくりたい人には、チェーンマシンが良いです。

チェーンマシンは、中にたくさんブラシがあり、上からクリーナーを注いでやって、チェーンをゴシゴシ磨いてくれます。
マシンと言いますが、手動です。

チェーンをパクッと挟んでやるようにセットし、クリーナーを注いでペダルを回すだけです。
少々慣れが必要ですが、驚くほどきれいになります。
一番オススメの洗浄方法です。

<玄人好み?チェーンを外して灯油で洗う>

あまりオススメはしませんが、チェーンを自転車から外して灯油に付けて、ジャブジャブ洗う方法もあります。
チェーンを外して、灯油を入れた容器にジャボンと入れて、しばらく放置します。

奥の汚れた油まで、灯油に溶けだしてくれます。
ペットボトルに入れて、ジャブジャブ振るという人もいますね。

確かに物凄くきれいになります。
工場なんかで機械を洗うときにも、灯油はよく使われます。
安くて洗浄力はありますし、人体への悪影響も少ないです。

「じゃあ、何でオススメじゃないの?」
チェーンを外さないと、いけないからです。

大変でしょう?
チェーンマシンでも十分綺麗になります。
ただ、数か月に1回、とことん綺麗にしたいというときには良い方法です。
一番きれいになる洗浄方法ではあります。

チェーンのミッシングリンクを使えば?

「ミッシングリンクを使えば、何回でも簡単にチェーンの着脱ができるんじゃないですか?」

ミッシングリンク、あるいはパワーリンクコネクタという商品ですね。
チェーンカッターなしで、チェーンを着脱できるというアイテムです。

ただ、何度も繰り返し使えるものではありません。
メーカーさんはミッシングリンクの着脱回数には、制限があると言っています。
(まあ、当たり前ですが。すべての形あるものはいずれ壊れますから)

何回も着脱していると、自転車から外れやすくなります。
私の知り合いもミッシングリンクの貧乏使いのせいで、実業団の練習途中で破損して困ったことになったという人がいます。

パンクなどと違い、チェーンの破損は厄介です。
スペアのチェーンを持ち歩いている人って、あまり聞いたことがありません。

特に11速チェーンについては、明確に1回限りと表示しています。
自己責任での使用については否定しませんが、基本的に自己責任は他人に迷惑がかかることがあるので、オススメしません。

同様の理由で、チェーンのリンクピンの寸止め再利用もオススメしません。

もちろん、毎回新品のリンクピン、ミッシングリンクを使うという方には、素晴らしい洗浄方法です。
ただ、そこまでしなくても、一般的な使用には十分なレベルでチェーンは洗浄できます。

トラック競技などで0.1秒を競うので、とことん限界までチェーンをきれいにして挑みたい!という用途なら良い方法かもしれません。

まとめ「普通にパーツクリーナーでの洗浄を」

その他のパーツのメンテナンスなら⇒「ロードバイク メンテナンス

いろいろなチェーンの洗浄方法を見てきましたが、一般的には普通にパーツクリーナーで、洗浄するのが一番でしょう。
まとめてガッチリ洗うより、こまめに洗ってクリーンさを保つという方が有効だと思います。

確かにパーツクリーナーじゃ洗いきれず、残ってしまう汚れがあるのは事実です。
ですので、数か月に一度はガッチリ洗いたいというのも良いでしょう。

ただ、一般の人には、そこまでガッチリ洗浄するということまではオススメしません。
こまめにチェーンを洗浄する習慣を付けるというのが大事です。