タイヤの空気はほっといても勝手に減るんです

こんにちは、じてんしゃライターふくだです。
自転車のタイヤ、放置しておくと勝手に空気が減ってしまったことってありませんか?

そう、自転車のタイヤの空気は、別にパンクしていなくても勝手に減るものなんです。
定期的に正しく空気圧を入れると、走り味もグッと良くなります。

今回は、そんな自転車のタイヤの空気のお話です。

タイヤの空気は減るものなんです

タイヤの空気は、ほっといても減るんです。
簡単な話ですが、お祭りでもらったゴム風船の空気が抜けていくのと同じ原理です。

もちろん、風船とタイヤじゃゴムの厚みは違いますが、基本的にはゴムということは同じです。
空気はゴムから、徐々に抜けてしまいます。

「空気はバルブから抜けているんじゃないの?」
という人もいます。

ママチャリなどによく使われる英式バルブ(イングリッシュバルブ、ダンロップバルブとも呼ぶ)の場合、虫ゴムの劣化によりバルブから抜けることもあります。

ロードバイクやクロスバイクでよく使われるフレンチバルブ、自動車によく使われるアメリカンバルブなどでは、空気が漏れるということは少ないでしょう。
やはり、タイヤのゴム自体から、自然と空気が抜けていくというのが大きいようです。

窒素ガスをタイヤに入れれば減るのが遅くなる?

なぜタイヤの空気が自然に減るのかと申しますと、ゴムの膜も分子レベルまで拡大すると、ネットみたいになっています。
このネットの隙間を、徐々に空気が出ていってしまうというわけですね。

自動車なんかでは窒素ガスを入れたほうが良いということも、ときどき言われます。
窒素は比較的、ゴムを透過しにくいので、そう言われます。

もちろん、いくらかは自然に抜けていってしまいます。
完璧に窒素は漏れない、というわけではありません。

現実問題としては、純粋窒素にせよ通常の空気にせよ、ある程度は抜けていきます。

自動車と違い、自転車の場合、少しの空気圧の差でも乗り味に影響が出ます。
自動車の場合、窒素ガスを入れておけば長期間放置しても大丈夫でも、自転車の場合、少し抜けるだけでも気になることもあるでしょう。
そういった理由からか、自転車ではあまり窒素ガスを入れるという話は聞きません。

普通の空気より減るのが早いCO2とラテックス①

最近はパンク修理で、CO2のカートリッジを使う人も増えました。
CO2を使えば、簡単にすぐに空気入れができます。

しかし、CO2は通常の空気よりも、タイヤのゴムから空気が減るのが早いので注意が必要です。
特にCO2とラテックスチューブ(天然ゴム系)のチューブを一緒に使うと、半日せずに空気が抜けてしまうということもあります。

ラテックスチューブは、通常のブチルゴムのチューブと違い、しなやかなので、タイヤの中での摩擦などが減り、走行性能、走り心地が良くなります。
異物に対しても、しなやかに伸びて耐えてくれるので、パンクの率も減らしてくれます。

しかし、ブチルゴムよりも、空気を透過しやすいという性質があります。

CO2を使う場合には、帰宅後にCO2を抜いて、通常の空気を入れなおすという作業をした方が安心です。
少々面倒かもしれませんが、外でシャコシャコとハンドポンプを使う労力を考えれば、家に帰ってから通常の大きいポンプで空気を入れる方が楽ですよね。

普通の空気より減るのが早いCO2とラテックス②

ラテックスチューブは、乗車前に必ず空気圧の点検をしてから乗車しましょう。

また、ラテックスチューブを入れたまま車体を置いていると、空気が減るので、チューブが押しつぶされた状態で保管してしまうことがあります。
ラテックスチューブを使っている車体を保存するときは、吊るか、上下ひっくり返すなど、タイヤが地面に接さないようにする工夫が必要です。

そんな厄介なラテックスチューブですが、実際に使う人が少なからずいるのは、やはりその走り心地でしょう。

そうは言っても、正直なところ、ラテックスチューブの走行感を実感できるかどうかというのは、ちょっと微妙なところがあります。
実際、私もヒルクライムレースなどではラテックスチューブを使いますが、正直なところ効果があるかと言われると微妙です。

それでも、使わないよりは使った方が何となく心強いですので使っています。
もちろん、いくらかは違うんですけど、明確に走りが変わるという程ではないと私は感じています。

「じゃあ、ラテックスチューブは実は意味がないの?」
と言いますと、決してそういうわけではありません。

通常のブチルのチューブと比べて、ラテックスチューブは非常に軽量です。
比較すると1本につき約20~50g程度の差があります。

前後で合計すると実に40~100g。
(メーカー、製品によって違います)

「たったそれだけ?!」
ええ、それだけです。
ただ、現実問題として、ホイール前後セットで50g違うというのは、それなりの数字です。

当然、チューブを換えても、ホイール剛性は変わりません。
走行性能を一切落とさずできる軽量化としては、悪くない数字じゃないでしょうか。

もちろん、レース以外でラテックスチューブを使う人もいます。
レースじゃなくとも、快適な乗り心地というのは良いものです。

空気が抜けるのが早かったりと、少々扱いに気を遣いますが、特別難しいものではありません。
気になる人は、一度使ってみるのも良いかもしれません。

ラテックスチューブは、ゴム糊や接着剤で簡単に修理できるというメリットもあります。

太いタイヤと細いタイヤは空気の減りが違う?

太いタイヤと細いタイヤで空気の減り方や、パンクのしやすさが違うのかという問題も、昔からよく言われるところです。

空気の減りについては、細いタイヤの方が空気圧が高いので空気の減りは早いです。
これは細いか太いかというよりも、空気圧の問題ですね。

100PSIから80PSIに落ちるのと、50PSIから40PSIに落ちるのだと、やはり高い空気圧のところの方が早いです。

パンクしやすいかどうかについては、タイヤの細い太いはあまり関係ないと考えて大丈夫です。
どちらかというと、問題になるのは、スリックタイヤかブロックタイヤのようにタイヤの厚みと、耐パンクベルトが入っているかどうかですね。

ブロックパターンのタイヤの場合、何か異物が刺さっても、ブロックパターンのところで異物が食い止められることも多いです。
耐パンクベルトが入っていると、非常にパンクに強くなります。

同じスリックタイヤ同士であれば、厚みでガードするよりも高級な耐パンクベルトでガードする方が強くなりやすいです。
ブロックパターンのタイヤほどの厚みになると、少々話も変わってきますが、やはり市街地で走るのにブロックパターンはくたびれます。

タイヤの空気圧を正しく入れて走り心地を

タイヤの空気圧はパンクや空気が減るという話以外にも、走り心地の違いにも影響します。
高いタイヤに交換しても、空気圧管理が適正にできていないと、走り味は良くありません。

ホイールを高いものにアップグレードするよりも、適正な空気圧管理の方が重要かもしれません。
そのくらい、タイヤの空気圧と走り心地には密接な関係があります。

簡単に言えば、空気圧が高いと、タイヤはよく転がりますが跳ねます。
地面のデコボコを敏感に拾ってしまいます。

ガタガタと振動がダイレクトに伝わってくるわけですね。
コーナーを曲がるときも、空気圧が高いとタイヤが跳ねます。
滑りやすいです。

なので、ヒルクライムレースなど、とにかく速く登りたいときには、空気圧をパンパンに上げるという場合が多いです。
普段乗るときは、適度な空気圧というのが一番です。

まとめ「タイヤの空気圧を管理するのは大事」

タイヤの空気のお話をしてきました。
どうしても空気は、タイヤから勝手に抜けてしまいます。

空気圧が低いままだと、パンクしやすくもなります。
かと言って、パンパンに空気を入れていると、乗り心地が悪くなってしまいます。

最初のうちは少々面倒に感じるかもしれませんが、マメにタイヤの空気を入れましょう。
とても大事なことです。
初めのうちは月に1、2回でも良いので、タイヤに空気を入れるという習慣を付けられると良いですね。