ロードバイクのBBに関するメンテとよくある勘違い

ギシギシ、カチカチ、ゴリゴリ…、ロードバイクのペダルを踏み込むたびに伝わってくる違和感と異音。
ペダルを止めた状態では全く音もしないし、ホイールの回転はスムーズそのもの、ノープロブレム!
ということは、問題はBB(ボトムブラケット)か?それしか考えられない。
つい思いがちですが、ペダル、クランク、BBは一体となって稼働し、推進力を生みだす自転車の心臓部ともいえる1つのユニット。回転するたびに違和感があったり、異音がしても、必ずしもBBの回転軸やその軸受け部分のトラブルとは限りません。調べてみると、意外なところにその原因があったりします。
そこで今回は、ロードバイクのBBに関するメンテと、BB周りの違和感と異音のよくある勘違いについてまとめてみました。

ロードバイクのBBで、トラブルといえば

ロードバイクでBB(ボトムブラケット)のトラブルといえば、通常の場合メンテナンス不足によるグリス切れやベアリングの片減りなどの異常摩耗、またカートリッジ内部に異物が入り込むといったことが主な原因で起こります。
その症状は冒頭にも書いたように、ペダリングの際にゴリゴリといった抵抗を感じたり、ギシギシといった渋い感覚が伝わってきます。また、こうしたペダルから伝わる感覚とともに、カチカチとった異音がすることもよくあります。
ロードバイクの場合、通常ではBMXやMTBのように舗装していない路面を走ったり、段差を乗り越える、ジャンプをするといったことはないので、車軸事態に大きな衝撃を受けたり、カートリッジがその衝撃で破損するといったことは基本的にはありません。
稀に、ロードレースなど高速でデッドヒートを繰り広げているような時に、複数台が絡む落車や転倒といった事故が起きた時などはBB自体が大きな損傷を受けることはあります。ですが、一般的には交通事故でクルマやオートバイと接触するといったことがない限りこのような衝撃を受けることはないでしょう。

ロードバイクのBBで、メンテといえば

ロードバイクのBBで、メンテといえばオーバーホールとグリスアップですが、基本的に耐久性の高いパーツなので頻繁に行う必要はありません。雨天での長時間の使用や時間は短くても路肩に砂などが多く路面状況が悪かった時など特別の場合を除き、通常は3000㎞~5000㎞、1年に1度くらいでも大丈夫だといわれています。
日常的に行うメンテでは、チェーンをスプロケットから外し、負荷のない状態でクランクを回し、回転が滑らかかどうかをチェックするようにしましょう。
それから、シェルの周りやクランクの取り付け部分などの掃除をして汚れや異物が入らないように注意することも大事ですね。そしてBB周りをきれいにした状態でフレームを固定し、クランクアームを持って左右に押したり、引いたりしてガタつきがないかをしっかり確かめてください。
ガタつきがある場合は、まずBBのフレームへの組み付け、もしくはクランクの取り付け部が緩んでいないか確かめましょう。ネジの緩みがないのにガタつきがある場合は、軸受け自体に問題がある可能性がありますので、オーバーホールをして原因を確かめるようにしましょう。
ここで、注意を一つ。日頃のメンテでよくある間違いで、ちょっと異音がするとか、軋みがあるからといってBBにスプレー式の潤滑剤を吹き付けたり、チェーン用のオイルを注したりしてはいけません。一時的に異音や軋みは取れても、粘度の低いオイルをBBに注すとグリスが溶け出してグリス切れを起こす原因になります。気を付けてください。

ロードバイクのBB、トラブルのメンテでよくある勘違い①

前の項目でもちょっとお話ししましたが、スプレー式の潤滑剤を吹き付けてグリスが流れ出してしまうという対処法の勘違いの他にも、ロードバイクに乗っていてBBのトラブルかと思うとそうではない場合が結構あるようです。
ここでは、そんな例をいくつか紹介しましょう。
まずよくあるのが、パーツの組み付けが緩んでいる時の軋みや異音をBBのトラブルと間違えることがよくあるようです。
例えば、フレームとBBの組み付けをはじめ、BBとクランク、クランクとスプロケットやペダルの取り付けボルトなどが緩むと、そのガタつきが原因でペダルを踏み込んだ時に力が逃げて余計な負荷を感じることがあります。これをBBのグリス切れやベアリングの異常だと勘違いすることがあるといいます。
また場合によっては、サドルのクイックリリースが緩んでいてペダリングの度に軋みと異音が出るのをBBのトラブルと感じることもあるといいます。

ロードバイクのBB、トラブルのメンテでよくある勘違い②

チェーンの伸びや汚れが原因で起こるペダリングの違和感を、BBのトラブルと勘違いする場合もロードバイクを始めたばかりの初心者などにはよくあるようです。
実際にはチェーンとスプロケットの噛み合わせの悪さであったり、チェーンに付着した細かい砂などによって生じるゴリゴリした感じのペダリングの違和感ですが、BBと直結したクランクを通じて伝わってくるために錯覚を起こすようです。
例えば、チェーンを交換したばかりで雨天に砂や砂利などが多い舗装路を走った後など、チェーンは新品なので違和感の原因として思い浮かばずに、メンテナンスをしていないBBが原因だと思い込むといったことがあるためでしょう。

まとめ、BBのメンテでは周辺パーツのチェックも忘れずに

BBはフレームの真ん中に位置し、ロードバイクを支える要ともいえるパーツです。
ゆえに、ホイールやスプロケット、チェーンなど、ロードバイクの様々な情報がBBを経由し、クランクからペダル、そして足へと伝えられてきます。そのため、様々なパーツの不調やトラブルをBBの不調と勘違いするようなことが起きます。
BBは耐久性の高いパーツですが、頑丈だからといって日頃のメンテを疎かにして良いものではありません。逆にペダルにかけるパワーを自転車の推進力へと変換する大切な装置です。日頃のメンテではコンディションをしっかりとチェックすることが重要となってきます。
特に近年、BBを開発する各メーカーにおいては高剛性と軽量化を同時に適えるために、クランクやスプロケットが一体となった独自の特許技術による製品づくりが主流となっています。メンテを行う際はBBとともに組み付けられたパーツの締結状態などもしっかりとチェックしなければなりません。ボルトの緩みやガタつきといったBB周辺の不調がペダリングに影響し、BB本来の性能の妨げとなるので注意しましょう。