みなさんはどんなタイプの自転車に乗っているのでしょうか。ロードバイクなどでレースに出る際は速度を気にしたりすると思います。シティサイクル(ママチャリなど)に乗っている方はどうでしょう。気にしたことありますか。自分の乗っているものがどのくらいの速度で走っているのか、ちょっと考えてみましょう。今回はそんなお話です。
自転車の速度、意識したことありますか?
自転車における道交法の改正があってから、以前よりも少し「自転車は軽車両なのだから」という意識が芽生え始めてきたのではないでしょうか。「軽車両だから車道を走ることが原則」、少なくとも私個人はそれまで歩道を走ったこともあり、立場はほぼ歩行者と一緒だと考えていたので、「そうなのか!」と目から鱗状態でした。そう、軽車両なのです。それでもスッキリとこないのはやはり、同じく車道を走る車と圧倒的に速度の違いがあるからだと思うのです。びゅんびゅん飛ばす自転車が歩行者にとって危ないと感じるように、同じく車道を走る自転車としては、車のスピードに圧倒されます。では実際、自転車ってどれくらいのスピードが出ているのでしょうね。車ならよくわかるのですけど、自転車の速度っていまいちピンときませんよね。また、その種類によっても違いが出てきます。ロードバイクほどのスピードをママチャリでも出せるのでしょうか。種類別にみていく必要もありそうです。
自転車の種類別速度!①
自転車の速度を見ていく前に、歩行者の時速も基準としてお話ししておきましょう。もちろん人も年代や性別によって変わってきますが、人が歩く平均速度は4km/hとされています。これを基準に考えていきましょう。
まずはママチャリからです。子供からお年寄りまで幅広く利用されるママチャリ。こちらの速度は人の歩行速度の約3倍~5倍ほど、12~20km/h程度だと言われています。ママチャリの走る場所や乗る人を考えれば、状況によってもっと速度が出る場合などあるかもしれません。一般的な平均速度としては15km/hあたりでしょう。
次にマウンテンバイク。こちらはだいぶ前から街中でもよく見かけるようになりました。坂や悪路などを走るのに適していて、名前の通り山地を走るためのバイクです。安定性維持のため、その車体は重くタイヤも太めになっています。マウンテンバイクの時速は18~25km/h。こちらももちろん状況によって変わります。例えば急な坂道などでは、安定性がある故70km/h近くの速度が出ることもあります。その車体の安定感だけに、体感よりもスピードが出てしまうこともあるため、運転には注意が必要ですね。
自転車の種類別速度!②
続いてはクロスバイクの速度です。こちらもマウンテンバイクの速度とほとんど変わらず18~25km/hです。クロスバイクはマウンテンバイクとロードバイクの良いところをとってつくられたバイクです。ママチャリやマウンテンバイクなどから比べると車体が軽いため、走行の速度が少し上がるように感じますが、実際はマウンテンバイクとほぼ同じスピードです。
そしてロードバイクです。人力の乗り物の中では一番速いのがロードバイクでしょう。レースに出たりすることが目的の自転車なので、車体は軽く、タイヤは半径が大きくて細い、出来るだけ無駄なパーツを削ぎ落とし、速さを生み出すことを目的につくられています。その平均時速は20~30km/hですが、舗装された道でのトップスピードは自動車に値する40km/hをも出すことが可能です。
ロードバイクほどのスピードになると、車道を走ることにも納得してしまいます。そして、自動車に感じることと同じように「安全運転で」ということがしっくりきますね。
自転車の速度違反ってあるの?罰則は?①
さて、自転車の速度についてお話ししてきましたが、自動車と同様に自転車の速度違反ってあるのでしょうか。
道路交通法によりますと、(以下、引用)
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
と、あります。この中に出てくる「車両」には自動車、原動機付自転車、軽車両、トローリーバスが含まれています。自転車は軽車両ですから、やはり速度違反の対象になるわけです。
また、上記条文の「最高速度」についてですが、こちらの記載もあり(以下、引用)
道路(車道)における最高速度は、道路標識等(道路標識または道路標示)によって指定される。これらの表示が設けられ、最高速度の指定がなされている場合には、それを越えるスピードを出してはならない。
と、いうことなのです。では、最高速度の指定がない場合。自転車には法廷最高速度の規制がないので、標識で指定速度が無い場合はどれだけスピードを出しても速度超過には問われないことになります。
自転車の速度違反ってあるの?罰則は?②
速度指定の標識のないところはどれだけスピードを出してもいい、という話になりましたが、安全運転義務というものがあります。(以下、引用)
車両を運転する際は、安全運転の義務を果たさなければならないため、速度超過にならない場合でもあっても、次のいずれかに該当するようなスピードを出せば、安全運転義務違反に問われることとなる。
・ハンドルやブレーキを確実に操作できないほどのスピード
・他人に危害を及ぼすようなスピード
当たり前のことですが、スピード出しすぎは自動車でも自転車でもいけないということです。
そして、速度違反には罰則がついてきます。道路標識等で指定された最高速度を超えるスピードで進行した場合、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金です。この罰則は自動車の速度超過よりも重いものになっています。自動車が速度違反をした場合は交通反則通告制度の対象となり、販促点数の加点とそれぞれの速度に反則金がつく処罰が与えられます。しかし、自転車には運転免許制度がないため交通反則通告制度の対象外となります。よって、略式起訴または正式裁判により、先ほどお話ししたように、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金という重い処罰になるのです。
自転車のスピードメーター(速度計)
ではロードバイクなど、状況によっては自動車並みにスピードが出る自転車に乗った時、速度超過をしないために、どのように気を付ければ良いのでしょうか。ロードバイクに乗っている方ならご存知かもしれませんが、速度計は販売されています。それを取り付けて乗るのもひとつの方法です。様々なタイプが販売されており、単に速度を測るためというより、レースに出る際の走り方の検証ができるよう、ケイデンスなどに関係するメーターでもスピードを知ることができます。
または、通常の走行をしている自動車と同じスピードかそれより遅く走行すれば、最高速度を超えずにルールや安全運転義務を果たしたと言えるでしょう。速度計を備えていない時は自動車を追い抜いたり追い越したりしないように注意して走行した方が良いですね。
まとめ、自転車の速度超過には注意!
これまで見てきたように、自転車にも様々な種類があり、それにより出せる速度も変わってきます。自転車の中ではロードバイクは最高速度を出せますが、公共の道路を走っている際には速度超過の罰則規定もあり、それは大変重い処罰であることもみてきました。
罰則に関しては、最近自転車に関係する重大な事故も多いので、「自転車だから見逃してもらえる」などという気持ちは捨てたほうが良いでしょう。取り締まりも厳しくなっています。何より、乗っている自分自身の安全もしっかりと考えて、楽しい走行をしましょう。