自転車の無灯火は警察につかまる?ルールをしっかり確認!

道路交通法が改正され、自転車に対する罰則もだいぶ強化されました。
悲惨な事故を減らすためにも、多くの方の気軽な交通手段として用いられる「自転車」のルールは周知徹底が必要です。
地域などでルールが少し変わってくるものもあり、警察によって明確でないラインが多すぎるのかもしれません。

今回は、そんな中から無灯火についてお話ししていきたいと思います。

自転車の無灯火、警察につかまる?~道路交通法では~

自転車の無灯火は警察に捕まるのでしょうか?

普段何気なく乗っている自転車ですが、自動車とは違い、免許があるわけでもないのでまさか自転車の無灯火くらいで警察に逮捕されるとは思いたくないものです。

しかし、法律上はどうなっているかというと、意外なことに以下のような道路交通法があります。

「第五十二条  車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする」

ここで言う車両等には当然自転車も含まれるので、夜間の無灯火は立派な違法行為ということになってしまいます。
しかも、法令で定める場合においては夜間以外の時間にあっても同様・・・ということは、昼間でも自転車の無灯火は警察に捕まる場合があるということです。

これは具体的に言うと、50m先明瞭に見通せないトンネル内等を通行する場合なのだそうですが、トンネルと言い切ってないあたりがなんともグレーな感じです。

実質的にはどんな場合にも拡大解釈できるのではないかと思えてしようがありません。ともかく、自転車にはライトを装備しておいた方が良さそうです。

自転車の無灯火、警察につかまる?~罰金は~

夜間、後方100mから自動車の前照灯(ハイビーム)で照らし、反射光を容易に確認できること。
自転車の無灯火は警察に捕まる。ということがわりました。

それでは自転車の無灯火で警察に捕まった場合、どのようなことが待ち受けているのかということを見ていきましょう。

まず罰金ですが、5万円以下の罰金が科されます。
これは、以下の道路交通法が根拠となっています。

「第五十二条  車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても同様とする」

「第六十三条の九 自転車の運転者は、夜間(第五十二条第一項後段の場合を含む)、内閣府令で定める基準に適合する反射器材を備えていない自転車を運転してはならない。ただし、第五十二条第一項前段の規定により尾灯をつけている場合は、この限りでない」

上記に違反した場合には、5万円以下の罰金が科されるということです。

ここで注意しなければならないのは、自転車にはライト(前照灯)だけではなく、反射器材(尾灯)も必要ということです。

前方の車両等に注意を促すだけではなく、後方にも目立つようにする必要があるということです。

無灯火というと、ついついライトだけに注意がいってしまいますが、反射器材(尾灯)という意外な落とし穴もあるのです。
ただし、反射器材に関しては以下に挙げる一定の条件を満たせば100均で売っているものであっても、まったく問題はないようですので、もしも装備していない場合は早めの装備をお勧めいたします。

色:だいだい色または赤色。

自転車の無灯火、警察につかまる?~実際の警察の対応は~

それでは次に、実際の警察の対応についてです。
皆様ご存知の通り、幸か不幸か法律に書いてあることと実際の警察の対応は、必ずしも一致しないのが現実です。

実際に自転車の無灯火で警察に捕まった場合、どのような対応が行われるのでしょうか。経験者の声を聞いてみたいと思います。

「夜間無灯火で警官に呼び止められた。素直に応じ注意を受けたところ、名前を聞かれ、自転車の防犯登録番号を照会された。登録されている名前が一致すると、黄色いカードをもらい、無灯火運転の危険性などを説明された後ですぐに開放された」

「無灯火で走っていたところ警察に呼び止められ、名前・住所・生年月日などを聞かれ、黄色い紙に記入された。記入された黄色い紙は渡されずその場で解放された」

「無灯火で走っていると、警察にとめられ、名前、身分証の確認、防犯登録の確認をされた。何も渡されずその場で解放された」

以上、挙げた3件のような経験談がほとんどです。

身分を確認され、防犯登録を確認され、黄色いカードをもらったり、もらわなかったりして、その場で解放されます。

いずれにしても、警官の要求に素直に従っていれば、その場で即逮捕ということはないようです。

また、法律上では5万円の罰金が科されていますが、実際には自転車の無灯火で警察に捕まっても、罰金が科されることはほぼ無いようです。
とは言え、違法行為は違法行為です。

何度も繰り返して捕まっていたり、警察の要求に素直に従わなかったりすれば、罰金が科される可能性は多いにあり得ます。

また、場合によっては、公務執行妨害などの自転車の無灯火とは別件の罪に問われてしまうこともありえます。
自転車の無灯火で警察に呼び止められた場合には、もうすぐ子供が産まれるとか、日没までに帰らないと親友が磔にされるなど、よほどの事情がない限り素直に要求に従ったほうが良さそうです。

無灯火自転車の事故、責任は?①

「自転車の無灯火はやめよう」
ここまでの記事を読んでくださった方のほとんどは、そう思ってくださっていると思います。

かくいう筆者も、今後は無灯火運転をすることは、極力控えようと思い始めてまいりました。

ここへきて、自転車の無灯火運転で事故を起こした場合の責任という、さらに重い話題です。

どうか皆様ここらへんで読むのをやめて、動画を観始めるとか、やりかけていた家事を思い出すとかしないで、もう少々お付き合いください。

ここからがめちゃくちゃ面白い展開になります!
※面白いという感覚には個人差がございます。

「夜間に無灯火で自転車を運転中に乗用車と衝突事故を起こしてしまった場合、損害賠償の金額が減らされてしまう可能性が高い」
「無灯火の事実は『自転車側の著しい過失』の一例として、過失割合が10%加算される。また、実際の裁判例でも、無灯火であったことが原因で、損害賠償の金額が減らされてしまうという例は枚挙にいとまがない」

上記は、自分が自動車事故の被害者の場合に起こりうる事態です。

自転車を無灯火で運転していた場合には、自転車の側にも過失がありますので、賠償額が減らされてしまうのは仕方のないことかもしれません。

自転車のライトであれば100均でも売っています。
自転車の無灯火によって減らされてしまう賠償額が100円以下であることは絶対にないと思います。

100均のライトを点灯して走るというだけの、ちょっとした手間をかけるだけで、数十万円のお得になるかもしれません。
とは言え、もちろん交通事故は起こさないことが一番です。

無灯火自転車の事故、責任は?②

自転車の無灯火で事故を起こした場合、自分が被害者のときには、賠償額が減額されてしまう可能性がかなり高いようだということがわかりました。

では、自分が加害者の場合にはどうなってしまうのでしょうか?

自転車の無灯火とは直接関係はありませんが、最近は自転車事故の高額損害賠償事件が多発しているようです。

一例を挙げれば、小学5年生が運転する自転車が追突して怪我をしたとして、被害者が損害賠償を求めていた裁判で、男児の母親が225万円の支払いを命じられた事例もあるようです。

弁護士業務の虎の巻である「判例タイムズ」でも自転車事故の記載が大幅に増加しているようです。

便利でお手軽で経済的負担も極めて軽い自転車は、このご時世、庶民の強い味方です。
利用者が急増するのも当然のことかと思いますが、それに伴って、事件も増えてしまうことは悲しいことです。

それでは、以下は自転車の無灯火で事故を起こした場合、しかも自分が加害者の場合にどんなことが起こるのか、以下に挙げるのは平成17年11月25日横浜地裁の判決です。

「市道を歩行中の54歳の看護師女性に対し、無灯火で携帯電話を使用していた16歳の女子高生の自転車が追突。被害者は、歩行困難となり、職も失うことになりました。結果、この女子高生(判決時19歳)に対し、約5,000万円の賠償命令を下されました」

この女子高生は携帯も操作していたので、無灯火がどの程度賠償額に影響しているかは不明ですが、賠償額の大きさには驚きです。

たかが自転車と軽く考えていると、人生を台無しにする悲惨な事故の加害者になってしまうこともありえます。

そういったことに対する用心のためにも、まずは夜間の点灯から初めてみるのはいかがでしょうか。

夜間自転車に乗る時はライトをつけよう~おすすめライト~

自転車にライトを付けたい!!
ここまでの記事を読んで下さった方は、そのような謎の衝動に心を支配されているかもしれません。

皆様のその「ライト欲求」にたいして、別に思い当たるふしは全くありませんが、なぜかそんな予感がしたので念のため、一応お勧めライトを以下に挙げさせていただきます。

ジェントス 懐中電灯 閃 355

明るさ:100ルーメン
光源タイプ:高輝度チップタイプ白色LED1灯
照射距離:最大約100m
稼働時間:点灯10時間 点滅22時間
使用電池:単4×3本使用
付属品の一覧追加:アルカリ単4乾電池×3本、ストラップ、オリジナルポーチ、パイプホルダー
防滴仕様
重量:102g(電池込み)
本体サイズ:φ29×104mm

こちらは筆者も実際に使用しているおすすめライトです。

その特徴は、なんといっても明るくて丈夫ということに尽きます。

感覚的には、車のライトに匹敵するほどの明るさで、電池も単四を3本も使用するので驚くほど長持ちです。
防滴仕様で、少しくらいの雨なんかへっちゃらです。

また、もうひとつの大きな特徴としては、自転車から外せば普通の懐中電灯として使えるということです。
そもそも、このライトは自転車用としても使える懐中電灯なので、当然といえば当然なのですが。
とにかくおすすめのライトです。

自転車のライトを楽しんでしまおう

ここまで、どちらかというと重い話題の記事が続きましたが、自転車の無灯火で警察に捕まる、もしくは事故を起こすということの深刻さは十分にお伝えできたと思います。

自転車の無灯火は警察に捕まる、捕まらないという問題以前に、人命に関わる大切な問題なのだと、筆者も認識を改めました。

しかし、どうせ付けなければならないのであれば、楽しんでしまうのもひとつの手段であろうと思います。

自転車のライトは100均で買えるものから、専門店で扱っている高機能のものまで様々です。

反射材についても同様で色々な種類があります。
ご自分の愛車にぴったりなライトや反射材を探して付けてあげるというのは、楽しいひと時ではないでしょうか。

どうか皆様もお気に入りのライトと反射材をつけた愛車で、快適で安全なサイクルライフをお楽しみください!