自転車に乗るときに、とても重要な部分であるブレーキ。
この部分が調子悪くなってしまうと大変です。
自転車のパーツはたくさんあり、ブレーキも例外ではなく、キャリパーやVやコースターなどの種類や、それに対するメーカー各社のパーツがたくさんあります。
今回は、たくさんある中で、キャリパーブレーキについてや、それを交換する方法などについてお伝えしていきます。
交換する前に。キャリパーブレーキの種類1つめ
自転車に使われているブレーキに、キャリパーブレーキというものがあります。
その名前の由来は、形状がキャリパーという測定工具に似ていることから取られています。
ちなみにキャリパーのそもそもの意味は「挟む」です。
また、側引き(サイドプル)ブレーキと呼ばれることがあります。
1876年に発明・特許取得されたもので、左右に伸びたアームを上端の1ヶ所を支点に、タイヤを挟み込むことでブレーキ機能を果たします。
アーム比が1程度と小さく、シューとリムの平行移動性が良く、ブレーキの効きが滑らかです。
そのため、高速走行しないシティサイクルに向いていると言えます。
ただし、他のブレーキと比べると利きが強くないため、下り坂での制動には難があります。
1970年代から1980年代にかけて、ロードレース用のブレーキとして活躍したあと、現在ではシティサイクルの前輪ブレーキとして活躍しています。
比較的安価ということもメリットです。
片利きという問題を抱えることがありますが、適度な整備や適度なブレーキパッドの交換によって解消できるため、使いやすいブレーキだと言えます。
交換する前に。キャリパーブレーキの種類2つめ
自転車のブレーキには、デュアルピボットキャリパーブレーキというものもあります。
1軸キャリパーブレーキよりも、アーム比が長いためブレーキの効きが良く、ブレーキの中心調整が容易で、使用中のバランスの崩れが起き難いブレーキになっています。
また、アームの移動距離が短いため、応答性も早いです。
クイックリリースもついて、ブレーキパッドの間隔を広げることができるので、車輪の交換を邪魔しません。
そのため、ロードバイク用のブレーキとして使われており、スポーツサイクルの分野でキャリパーブレーキというとデュアルピボットのものを指します。
設計自体は古くに発明されていたものの、シングルピボットよりも構造が複雑だったため、長い間、実用的とは言えなかったブレーキです。
1980年になってから、シマノ社がこのブレーキ技術を再発見して製作したことで、ようやく脚光を浴びるようになりました。
近年ではロードバイクだけでなく、シティサイクルや電動アシスト自転車にも採用されています。
ブレーキのキャリパーを交換するときに確認すべき事
自転車のブレーキ交換にキャリパーブレーキを選択した場合、ポイントとなるのは固定ナットのタイプとアームサイズの2つです。
固定ナットのタイプとして挙げられるのは、枕頭式ナットと六角ナットの2つです。
枕頭式ナットの穴は、直径10.5mm。
六角ナットの穴の直径は、6.5mm。
ナットのタイプによってフレームの穴サイズが違うため、互換性はありません。
どちらを使用するかはフレームによって決まっています。
フレームの仕様を確認するか、現在ついているブレーキを確認しておきましょう。
穴の大きさが倍くらい違うので、フレームを見ただけでも確認できるかと思います。
それからアームサイズは、数種類から選ぶことになります。
シマノでは、49mmと57mmの2サイズとなります。
それは一番下まで下げたときのサイズで、多少、上方向にブレーキパッドをつけることで長さを短くできます。
アームサイズは、フレームよって決まってくるので、仕様など確認しておきましょう。
ブレーキにはキャリパーの他にも種類があります
自転車のブレーキを交換しようするときに、キャリパーブレーキ以外の他のブレーキを使用できることがあります。
そこで、交換可能かもしれないブレーキを見ていきたいと思います。
コースターブレーキというのは、ペダルを逆回転させることでブレーキできるものです。
止まった状態だとペダルを回せないので、中途半端な場所にペダルがあると発進し難くなります。
また、段差を飛び越えようとしたとき、意図しないブレーキをしてしまって、転びそうになることもあります。
それでも、慣れると非常に楽です。
ブレーキは後輪ハブの内部にあるため、外に露出することなく、雨の日でも制動力が低下しません。
カンチレバーブレーキは、左右別々のアームでリムを挟み込むことでブレーキするものです。
泥詰まりが少なく、太いタイヤでも装着できます。
しかし、太すぎるタイヤの場合は、ブレーキワイヤーとタイヤが接触してしまいます。
そして、制動力を強くするにはアームを長くする必要があることから、アームがフレームから左右に、大きくはみ出してしまうことが弱点になります。
Vブレーキというものは、制動力の大きいものです。
リムが泥などで汚れているときでも、コーナーでタイヤをロックさせたいというような、MTBでは良いかもしれません。
ですが、速度コントロールするためのブレーキングを必要とするロードバイクでは、強すぎるでしょう。
キャリパーブレーキの交換の仕方
それでは、自転車に付いているキャリパーブレーキを交換してみましょう。
まずは、ブレーキワイヤーの取り外しです。
ボルトを緩めて、ワイヤーだけを外していきます。
キャリパーブレーキ自体は、ボルトひとつで固定されているだけなので、固定ボルトを緩めるだけで簡単に外せると思います。
作業はワイヤーとキャリパー自体だけなので、意外と簡単に取り外せることでしょう。
前輪でも後輪でも同じように外せます。
キャリパーブレーキの取り付け穴は結構汚れているので、綿棒などで綺麗にして掃除しておくと良いでしょう。
取り付けは反対の順でします。
つまり、キャリパーブレーキから取り付けていきます。
仮止めにしてから、キャリパーを両側から押さえ込んで、ブレーキパッドとリムを密着させた状態で本止めします。
仮止めから本止めする作業は、結構重要なことなので必ず行ってください。
ブレーキワイヤーを通してボルトで固定するときには、パッドとリムの間隔をしっかり調整して、ボルトを締めていきましょう。
前輪と後輪に作業の違いはありません。
両方ともブレーキを付けたら交換完了です。
キャリパーブレーキを交換したら確認作業を
自転車のキャリパーブレーキを交換してから、ブレーキパッドを確認しましょう。
ブレーキパッドは正しい位置にあるでしょうか。
正しい位置にないと、十分な制動力を得られなかったり、タイヤを痛めたりすることがあります。
正しい位置とは、リム上端より1mm~2mmくらい下にパッドがあることです。
それから、パッドの調整を行います。
ブレーキパッドを固定しているナットを軽く緩めて、ブレーキを握ります。
すると、ブレーキパッドがリムのブレーキ当たり面に平行になります。
また、リムからパッドがはみ出していないことも確認しておきましょう。
はみ出さず平行である位置になったら、ナットを締めて、ブレーキを固定しましょう。
パッドを正しく付けてからは、ブレーキレバーの遊びを調整します。
アジャスターを動かすことで、ブレーキレバーの動く範囲を調整できます。
また、ブレーキパッドが磨り減ってきたときにも、アジャスターを使って調整できることを覚えておきましょう。
パッドのすり減りでブレーキタイミングが遅くなっても、元のタイミングに調整し直すことができます。
ブレーキパッドの交換時期としては、ブレーキパッドは、すり減ってパッドホルダーが露出する前に交換するべきです。
パッドホルダーは金属であるため、リムと接触するとリムを削ってしまいます。
リムは、平坦であることでブレーキ効果を最大にしているので、傷が付いてしまうと、今後ブレーキが効きにくくなってしまう可能性があります。
自転車のブレーキのキャリパーを交換するときに確認すべき事 まとめ
ブレーキが効き過ぎるのも、スピードを求める人にとっては、危ない事になりますね。
止まることのため以外にも、スピードの調節をしてくれる役割があるのがブレーキですので、うまく調節したいですね。