もらった自転車のフレームの色が気に入らなかったり、愛用の自転車にキズがついてしまったりしたとき、あなたならどうしますか?
気に入らない自転車のまま乗るのも良いですが、いっそのこと塗装を落として新しくペンキを塗ってはいかがですか?
ここでは自転車のペンキを自分で落として塗り直す方法をご紹介します。
自転車のペンキの落とし方①
今回はママチャリのペンキ塗装の落とし方について説明していきます。
塗装を落とす前に部品ばらしをします。ママチャリ自体が、ばらしを前提に作られていないため作業が特徴的なものがあります。
前照灯はハブダイナモ式となっているため、シャフトのナットを回して外そうとするとシャフトごと回ってしまいます。このフォークと端子の間の狭い部分にスパナを入れてナットを固定する必要があるため、薄いスパナが必要です。
部品の機能が理解し難いところがあるので、順番を守らずに分解を進めていくと復元ができなくなるので注意して下さい。
リヤブレーキはドラムブレーキのため、ブレーキ本体はホイールのまま外せます。内装3段の変速機については、軸の棒を押せば変速できます。ここのワイヤーは簡単に外すことができます。
チェーンを一旦切断して、再度接続する部品は自転車屋ならどこにでも置いてるので購入して下さい。
クランクは クランクはコッタレスクランク抜き工具を使用して外す必要があります。
BBはカップ&コーン式でカップを挿入して玉に接触したところでスパナをフックして外輪のナットを締めて位置を決めを行ましょう。左側のカップはモンキーレンチ等で回すことが可能ですが、右側は星型のアダプターが必要となります。
このアダプターは自転車屋では買うことができないため、ネットで検3000円程度で買えます。
ここでは右側のカップのみ残して塗装することにしました。ヘッドワンポンチで上下ワンを抜き外しして、フォーククラウンもマイナスドライバーで叩き外します。
自転車のペンキの落とし方②
自転車のペンキ塗装の落とし方の続きを書いていきます。
今回の剥離剤は、三彩化工のネオリバーというものを使用することを前提に説明していきます。
大きめサイズですと4kg入りがあります。中身は緑色のドロッとした液体で、定番のカンペの剥離剤と見た目は同等です。
泥除けの塗装は簡単に剥がれたのでそのままキャリアに塗ってみましたがこれが全然剥離が効きません。
剥離剤としてはジクロロメタンとパラフィンが効力として最も強力とのことです。剥離効果が強いのはジクロロメタンで、揮発性が高いためパラフィンで揮発を抑えてなおかつ塗装面に留めて浸透させるという仕組みとなっています。
塗装が剥がれない場合は内部に剥離剤が浸透するまで待つ必要があります。アルミ箔を上から被せて揮発をさらに抑えるという方法もあるんですね。
時間を置いてみると、わずかに剥離が始まります。フォークやフレーム部分は剥離の強度がそこまで強くないため簡単に剥がれますが、チェーンガードのような平面部は非常に強く、剥離剤をもってしても少し表面が軟化する程度です。
削り落とし、錆び取り用の工具を使いようやく落とすことができました。ちなみにジクロロメタンというのはあの有名となった塗装工場での胆管がん発生で問題となった有機溶剤で毒性が非常に強いです。
やりすぎると垂れてくるので段ボールや新聞紙等を下に敷いて対策を行い屋外でやることをお勧めします。剥離効果が無くなる時には、ただのパラフィンになっており、それが凝固する前に水で洗い流しましょう。
ペンキを落としたら、新しく塗り替える①
まずペンキを落としたので、新しく塗り替える方法について紹介していきます。
道具は、塗料オリジナルカラードライドプラムレッド、塗料オリジナルカラーフレンチグレー、サンドペーパー、ナイロン刷毛、マスキングテープ、シート、ゴム手袋です。
水性塗料は比較的簡単に使用ができて、乾くと耐水性を持つことが特徴です ブルーシートとワイヤーブラシを準備してください。
作業スペースにブルーシートを敷いて作業を始めます。シートは余裕をもって2つ購入しましたが、飛び跳ねも少なかったため一つで十分です。
不要なシールは外してしまいます。外すことができるパーツはすべて外したほうが塗装作業が楽になります。
ワイヤーブラシで錆取りを行い、600番のサンドペーパーでやすり掛けを行います。表面を拭き、さらに塗料の密着性を高めて剥がれを防止するために、非鉄バインダーを塗布することをよいでしょう。
非鉄バインダーは油性なのでそのまま筆で塗ることをお勧めします。塗りたくないところは、マスキングしたほうがいいでしょう。ここの作業は丁寧に行ってください。
サンドペーパーとマスキング作業は30分必要です。不要な容器にペンキを移して、いよいよペイント作業です。
まずは下塗りから始めます。平刷毛が推奨です。コシがあって細かいところまで作業ができます。平筆五本セットはコシが弱いので、途中で毛を半分にカットして使用しています。
自転車を横倒しして塗り始めます。ここで下地塗りが完成します。所要時間1時間程度ですね。
ペンキを落としたら、新しく塗り替える②
赤系の塗料を塗る場合には下地が透けやすいことに注意が必要です。あらかじめ下地を塗っておくのがよいでしょう。
ドライドプラムレッドの一回目の塗布が終了です。まだ下の色が透けていることが確認できます。
今の段階で所要時間1時間程度です。ここで一日起きます。ドライドプラムレッドを再び塗布開始です。
塗りムラ防止のために、塗料に水を混ぜます。 刷毛の跡や塗りムラが出たところについては、サンドペーパーでやすり掛けを行います。
サンドペーパー後には、メラミンスポンジで軽くたたくようにして色を載せていきます。そうしていくうちにムラがなくなります。
金属部分のペンキは完全に乾燥する前であれば 濡らした歯ブラシでこすりながら 要らない布で拭き取ることによって表面がキレイに取れます。これで完成です。
結局、ドライドプラムレッドについては3回塗りましたが、2回目3回目にかかった時間については、それぞれ所要時間10分程度です。
サイクルショップにて、カゴ、サドル、グリップ、ベルを組み付けてもらい、これで完成です。ネジが錆び付いていて外すことができないこともありますが、その場合は、そのまま塗布してしまいましょう。
ペンキ塗装を落として、新しく塗り直すと自転車に愛着が湧きますね。
自転車にスプレーをしちゃって落としたい!そんなときは
誤って自転車にスプレーしてしまう、なんてことをしてしまうこともありますよね。簡単に色を落とす方法を説明致します。
油性塗料ならシンナーをつかうと良いでしょう。広い面積に使用しないのであればネイルリムーバーも使えます。
自転車がペンキなどでの「再塗装」品の場合は難しいですが、粉体塗装やウレタン塗装の場合は、普通のラッカー系スプレーを落としたい場合に 比較的簡単に落とすことができます。ホームセンターなどで購入できます。
手の届かないような狭い箇所については「スプレーシンナー」 を使用すると良いでしょう。ホームセンターの車の塗料コーナーに置いているので それを散布して歯ブラシなんかを使用して数回こすって紙タオルで 押さえてあげればきれいになるでしょう。
自転車の元塗料が傷んでいたりするところにシンナーを当ててしまうと色落ちする場合がありますので目立たないところで試しにスプレーしてみるのがよいでしょう。
水性塗料に関しては十分に乾燥させてからブラシでこすってあげたり、水をかけながらスコッチブライトなんかでブラッシングしてあげると落とすことができます。
ウレタン系塗料の場合は落とすのが難しいと思ったほうがよいでしょう。下地まで全部落として再塗装になる場合がほとんどです。
試しにやってみて、うまくいかなかった場合にも責任はとれませんので注意してください。
錆はペンキの塗り替えをしなくても落とせる
ペンキの塗り替えをしないで、自転車の錆の落とし方について説明していきます。
まずは、揮発性のオイルを使って錆が出た場所に集中して塗っていく方法です。
スプレー式のオイルを使う場合は錆びた箇所にそのまま撒布していきます。灯油ならばウェスにしみこませて、少し多いと思うくらいの量を塗りこみます。
次にスチールブラシでこすっていく方法です。
オイルを塗った場所についてスチールブラシでこすっていきます。この時あまり力を入れ過ぎずに、傷つかないように注意してください。
一番避ける必要があるのが、塗装面含めて、サビが発生していない箇所に傷をつけることです。そこから新たに錆が発生してしまうためです。
一度錆が発生すると再びきれいに仕上げるのは難しいです、この工程である程度サビ取りを行うことができたら、次のステップに移行します。
その次は、サビ落としクリーム(研磨剤)を使用して表面を磨いていきましょう。
研磨剤入りのサビ落としクリームをウェスにつけていく、無い場合は紙ヤスリで十分です。スチールブラシでこすった箇所を磨いていきます。このステップで、スチールブラシでついた傷を滑らかにしていきます。
磨いていくうちに表面が平滑になっていきます。指で触れてざらざら感を感じなくなったら次のステップです。
最後に表面にオイルを塗布します。
新しいサビ防止に、磨いた箇所に揮発性オイルを塗布します。これでサビ落としは完了します。特にチェーンについては、表面に機械油を塗ることをわすれないでください。
塗り直しや修正で何度でも美しく
自転車のペンキを落として新しく塗り直す方法をご紹介しました。
また、ペンキの塗り直しをせずともオイルによって錆取りができることがわかりましたね。錆が付いてしまったら、自転車屋さんに落としてもらうのも良いですが、自分で錆取りを行えば安上がりなのでオススメです。
錆さえ落とせばまだ使える自転車は、新しいものに買い替えるのではなく錆取りを行うと良いでしょう。