自転車を長年使っていて、パンクやタイヤの減りだけでなく、異音がするといった不調が起こったことはありませんか?
自転車の不具合を直すためにベアリングを交換したいけれど、自転車屋さんに頼むと工賃がかかりそうですし、自分でなんとかしてみようと思った人もいるでしょう。
ここでは自転車のベアリングを交換する方法をご紹介します。
自転車のベアリングの交換部品と工具について
自転車のベアリングから、異音が聞こえるようなら、早めに交換することをおすすめします。
専門店に頼めば引き受けてもらえますが、店によっては、適当な調整をされるだけで、全然改善されていないケースもあるようなので、気を付けて下さい。
また保証期間が過ぎていると別料金を取られることもあるので、期間内かどうかを確かめておくのも忘れないようにしましょう。
部品だけを買っておく場合は、リテーナベアリングを購入するか、リテーナが壊れているようなら、ベアリングの玉だけでも買って下さい。
リテーナの調子が悪くても、玉を敷き詰めれば十分働いてくれます。
少し値段は高めなので、いっそのこと予備として、リテーナベアリングを丸ごと買ってしまった方がお得かもしれません。
工具は、ドライバーやソケットレンチなど、基本となるものは最低限用意しておきたいところです。
ペダルなどは、専用の工具がなければ外せないため、ベアリングを注文する際に、一緒に買ってしまいましょう。
また、ベアリングを調整する時は、スパナなどで固定すると作業が楽になるので、モンキーレンチだけではなく、自動車にも使えるモーターレンチも用意すると良いでしょう。
自転車のベアリングの交換:左ペダルの取り外し①
自転車のベアリングを交換するなら、まずはペダルを取り外さなければいけません。
今回は、左のペダルについてお伝えしたいと思います。
ペダルが付いているシャフトの近くには、樹脂で出来たキャップがはまっています。
この中に、クランクを外すためのネジが隠れており、それを取ればペダルも取ることが可能になります。
一部分だけ切れ込みが入っているので、そこにドライバーを差し込んで、キャップを持ち上げるような感じで引き抜いてやれば取れます。
キャップが取れると、頭の部分が六角形になっているボルトが現れます。
これには、ソケットレンチを使います。
もし、ソケットレンチが上手く入らなければ、薄いソケットを用意するしかありません。
あらかじめ、ソケットが入るのかどうか確かめておきましょう。
左側のペダルに付いているボルトは、左に回せば外れます。
後輪のブレーキを押さえながらやると、スムーズに出来ます。
ボルトの下からは、ワッシャーが付いた別のボルトが出てきます。
この外したボルトは、ゴミなどがくっつかないように、布の上などに置いておくと良いでしょう。
自転車のベアリングの交換:左ペダルの取り外し②
自転車のベアリングの交換を行うためには、最初にペダルを外します。
クランクの部分に、エキストラクタを取り付けたら、あとは真ん中を締めて、突き出してやれば良いのですが、真ん中だけを回すと、エキストラクタそのものも締め付けられてしまいます。
これを防ぐために、エキストラクタには、2つほどレンチを引っ掛けておきましょう。
1つ目のレンチは、奥にある縞模様の滑り止めの、平らにカットされている部分に引っ掛けます。
2つ目は、エキストラクタを入れる部分の手前です。
やはり、同じようにカットされているので、そこに掛けましょう。
手前にある六角形の穴に、棒状のスパナを差し込んでも構いませんが、柄が短いので上手く力が入れられません。
この部分を取り外すには、ある程度の力がいるので、大型のレンチを使うことをおすすめします。
締めていくと、だんだんクランクが浮き上がってきます。
楔のような形をしているので、途中で一気に外れる可能性があります。気を付けましょう。
手応えがなくなってきたら、レンチではなく、手で引き抜いた方が良いかもしれません。
この時、ペダルに近い位置を掴むとシャフトに負担が掛かります。
なるべく両手で抜きましょう。
自転車のベアリングの交換:右ペダルの取り外し
自転車のベアリング交換の作業工程のうち、左のペダルを外し終わったら、今度は、右に取り掛かります。
チェーンカバーは外した方が良いのですが、あえて付けたままにすることで、クランクペダルが落ちなくなります。
外し方は、左側と同じように、樹脂製のキャップを取ってからボルトを外します。
右側はクランク部分を上手く使い、ソケットレンチを挟み込むように緩めていきます。
ラチェットで調節しながら、最も力を入れやすいところを見つけましょう。
ボルトを外したら、その部分にエキストラクタを取り付けます。
付ける前に、飛び出している真ん中の部分をきちんと元に戻して下さい。
そしてレンチを2つ使い、この場所と中央をそれぞれ押さえます。
レンチを回す時は、必ず手前側だけを回して、奥に掛けてあるレンチは回さないように気を付けましょう。
そして、丸いカバーが手前に出てくることか、カバー中央の穴からスプロケットが出てきたのを確認しつつ、カバーを押し上げないようにします。
この丸いカバーは、後輪側にあるボルトによって留められています。
プラスドライバーを使えば外せますが、小さいので、無くさないように注意して下さい。
カバーは、真ん中辺りにドライバーを差し込んで持ち上げれば取れます。
無理矢理やると形が変わるので、ゆっくり外しましょう。
あとは、ペダルを前輪に向かって回転させ、付け根部分にカバーを移せばオーケーです。
自転車のベアリングの交換:チェーンとペダルの取り外し
自転車のベアリングを交換するためには、一通りのパーツを外さなければいけません。
細かい部品を全て取り外したら、今度はチェーンとペダルに手を付けましょう。
右側のペダルは、チェーンのスプロケットギアと組み合わさっているため、チェーンを外さないと取れません。
チェーンの穴にマイナスドライバーを差し込んで、ギアに当たっているところを軸として、ギアからチェーンが取れるようにスライドさせましょう。
チェーンのテンション次第では、後輪の軸を留めているナットを、両方緩めてからテンションも緩めるか、いっそのこと全部取ってしまいましょう。
あとはペダルを回して、チェーンが取れたら、シャフト側の付け根を引っ張れば、ギアとペダルがまとめて取り外せます。
チェーンの内側から、スプロケットギアを抜き取るように外すと楽かもしれません。
クランクが抜けない場合は、丸いカバーを取ってから、もう一度、エキストラクタを先程の場所にセットしましょう。
外れたチェーンは、傷と錆を防ぐために、きちんとチェーンカバーの中に入れて下さい。
自転車のベアリングの交換:新しいベアリングを組み込む
自転車のシャフトとベアリングを取り出すことが出来たら、いよいよ本番のベアリング交換に移れます。
まずは、粘り気の強いグリスを用意しましょう。
これをベアリングの玉が隠れている方に塗り付けます。
そして、こちら側から差し込み、ベアリング受けまで押し込んでいきましょう。途中にある、盛り上がっているところもです。
グリスは、ベアリング受けにも塗るのですが、横着しないで工具を使って、少しずつ塗って下さい。
量は多めが良いでしょう。
もし、ベアリングが抜け落ちたら、一旦パーツクリーナーで洗い、グリスを塗り直してから再び入れて下さい。
ベアリング受けを取り付ける際の注意点は、レンチなどで締め付けないことです。
レンチを使うと、ベアリングそのものを潰してしまうので、微調整は手で行いましょう。
締めすぎるとシャフトが回せなくなりますし、緩すぎるとガタつきが出てしまいます。
シャフトを回しつつ、ベアリング受けを締め、回転が重くなったら、少しだけベアリング受けを戻してみて下さい。
この時、軽いと感じた位置が最適な位置です。
次は、リングのような形のナットを、専用のレンチを使ってしっかりと固定させます。
取り付けたあとは、念のためにもう一度、ベアリング受けを調整しておきましょう。
これでベアリングの交換は終わりました。
あとは、左右のペダルとチェーンを付ければ作業終了となります。
自分でできる?自転車のベアリングの交換方法 まとめ
いかがでしたか?
自転車のベアリングだけを交換するといっても、ペダルやチェーンの取り外しなどが必要になるため、時間がかかりそうですね。
また、工具を買い揃える必要があるので、工具を持っていない人や時間のない人は自転車屋さんで修理を頼むと良いかもしれません。
工具もあり、時間もあってやってみたいという方は是非、ご自分でチェレンジしてみてください。