シマノ・アルテグラのペダルは、初めてビンディングを付ける人がお試しで装着してみるには、値段もこなれていて、とてもいいペダルだと思います。
軽量性や丈夫さにも優れていて、初心者にも扱いやすいです。
今回の記事では、デュラエースと105のペダル、そして他社のペダルとも比較しながら、アルテグラペダルの魅力について語っていきたいと思います。
シマノ・アルテグラのペダルPD-6800について
シマノ・アルテグラグレードに分類される、PD-6800は、カーボン製の本体とクロモリの軸で生産された、シマノのセカンドグレードのペダルです。
実際の販売価格は、7000円ほどです。
重量はペアで260g、新品だとクリートも付属しています。
PD-6800の特徴としては、本体がカーボン製になっているため、軽量にできており、デュラエースと比べても遜色ない重量になっています。
105も5800からは、ペダルがカーボン製の本体になっています。
重量差はアルテグラと20gほどで、販売価格は、4000円ほどです。
シマノはペダルでは、ほとんど重量の差をつけておらず、デュラエースで軸長+4㎜というラインナップがありました。
ですが、頑張って上位のペダルを買おう、という購買意欲を引き出すことが難しいモデルでした。
実際、私もシマノペダルを使っていたときは、6800の中古を使っていました。
しかし、2016年の9100の登場で、ペダルはかなりの軽量化を果たし、公称226gという軽さを誇ります。
他のフラッグシップのペダルと比べても、遜色ない軽さになりました。
プロショップなどでは、デュラエース・アルテグラ・105、他のSPD-SLのペダルが、まとめて展示されているコーナーなどがあります。
そこでは、ペダルのベアリングの回転の軽さなどが比較できますが、正直ペダルのベアリングは、重くても軽くても、走行感にはあまり関係がありません。
シマノのペダルのラインナップは、純粋に重量だけで決めてしまっても良いでしょう。
軽いバイクを作りたい人は、デュラエースの9100、安く済ませたい人は、105の5800のペダルあたりを選ぶと良いでしょう。
シマノ・アルテグラのペダルをスニーカーで使ってみる
シマノのペダルの特徴としては、平面の面積が多く、ビンディングシューズではない普通のシューズでもペダリングができるということが特徴です。
もちろん、正しい使い方ではないですし、雨の日などペダルや靴底が濡れたまま乗ろうとすると、ツルツル滑ってまともにペダリングできません。
しかし、ビンディングシューズでもスニーカーでもとりあえず乗れる、というのは汎用性の面で優れています。
実際、私もビンディングシューズとシマノのペダルを買い揃えたものの、立ちごけを何回かするうちに怖くなって、普通のスニーカーでペダリングするようになってしまいました。
ビンディングシューズの恐怖を解決してくれたのは、私にとってはスピードプレイのペダルでした。
ですが、スピードプレイのペダルは、スニーカーでは絶対にペダリングできません。
踏面がとても小さく、ツルツル滑るので、そのまま乗車するとペダルから足が離れてしまいます。
ビンディングの使用機会は増えたものの、スニーカーで楽に乗れる自転車がなくなってしまったため、もう一台自転車を買う決断をしました。
ツーリングなどでは、友人が普通のスニーカーとビンディングシューズを持ってきていました。
シマノのアルテグラペダルを装着し、博物館などに行くときにはスニーカーを履き、ヒルクライムなどが予想されるコースでは、ビンディングシューズを履いていました。
反則的な使い方ですが、こんなマルチな使い方ができるのも、ある意味シマノのペダルの魅力かも知れません。
シマノのペダルの中には、表はビンディングのSPD、裏はフラットペダルというような仕様のペダルもあります。
このようなペダルは、重量がかさむので、SPD-SLのペダルを上記のように使っています。
シマノ・アルテグラペダルの耐久性
シマノのビンディングペダルは、ペダル本体よりも、クリートの耐久性が少し低いように感じます。
特にクリートを付けたまま歩くと、あっという間に削れていきます。
保護カバーを装着すれば良いのですが、かなり面倒です。
結果、シマノのペダルのクリートはすぐに使えなくなり、一時期ビンディングペダルから遠のきました。
それを解決してくれたのは、スピードプレイのペダルでした。
スピードプレイのペダルは、保護カバーを付けたまま歩き、クリートをはめることができます。
保護カバーを外すことなく、歩き・乗り・また歩くということができるので、活動の幅が広がります。
ペダル本体については、デュラエースもアルテグラも105も素材が変わらないので、差がないように思えます。
ですが、デュラエースは、金属部分の仕上げがきれいで耐久性も高いです。
ペダルは、デュラエースにしても、あまり性能の差を感じることが少ない部分です。
しかし、路側帯などで削れやすい場所を走ることが多い人は、耐久性の高いデュラエースのペダルを選ぶに越したことはありません。
デュラエースにしてもアルテグラ、105にしても、本体はカーボンで覆われているので、激しく転倒すると割れる可能性もあります。
ペダルが割れたまま走るのは、非常に危険なので、転んだり自転車が転倒してしまったときには、ペダルも確認しましょう。
ただ、アルテグラで何回もこけたことがありますが、特に本体のカーボンが割れた・軸が曲がった・動きが渋くなったなどは、したことはありませんでした。
ペダル軸の交換
世の中は広く、思わぬ製品に出くわすこともあります。
私が中国にいるときにびっくりした製品は、シマノやルック、スピードプレイのペダルの軸と互換性のあるチタン軸でした。
元々こういったペダルは、クロモリやステンレスをペダル軸の素材として使うことが多いです。
何故なら、ほぼ全体重がひっきりなしにかかる場所なので、破断したり、すっぽ抜けたり、曲がったりしやすい場所であり、そういった疲労に強い素材を使わなければいけないからです。
スピードプレイなどは、元からチタン軸のラインナップがありますが、5万円ほどします。
元のクロモリ軸のペダルに、こういったチタン軸をはめ込むほうが、とても安く済むように思えます。
しかし、チタンという素材は溶接が難しく、加工もまた難しいです。
強度を確保するにも、高度な技術が必要です。
下手な加工をされたチタンは、とても破断しやすく、脆い素材となってしまいます。
このような軸を買って交換するのは、あまりおすすめできません。
また、ペダル軸は精度も求められる部品です。
ベアリングの軸があたる部分などは、特にそうです。
こういった製品は、純正品の軸ほどの精度はありません。
精度の低いペダル軸は破断したり、曲がったりしやすいです。
曲がってしまったペダル軸では、まともにペダリングは出来ないでしょう。
アルテグラほどのグレードなら、そのまま使うほうが良いでしょう。
シマノ・アルテグラのペダルの踏面
踏面の大きさについては先ほど言及しましたが、単純に漕ぎやすさについても述べていきます。
シマノのペダルは全体的に大きく、外側に拇指球がズレず、しっかりと踏みしめることができます。
これは、ペダリングにおいては、大きな強みであり、スプリントやヒルクライムで力を発揮します。
アルテグラや105のペダルは、カーボン製の本体にもかかわらず、軸が丈夫で太いため、かなり踏み心地が硬いです。
スピードプレイなどと比べると、しっかり進むかわりに疲労も大きいと感じます。
ですが、クリート自体が大きいため、付け心地は良いです。
スピードプレイは、クリートもシマノに比べると小さいです。
長距離を走ると、疲労は少ないかわりに、足が痛くなるときがあります。
ペダル選びも良し悪しがあり、自分に合ったペダルというのは、ある程度試さないとわかりません。
よくサドル沼、という言葉を耳にします。
より良いサドルを求めて、何個も購入して試す様を言います。
ペダルにもペダル沼という言葉があっても、良いのではないかと思います。
まとめ:シマノ・アルテグラのペダルを買うべき人
とりあえず信頼のシマノで、ペダルもシューズも揃えておこうという人は多いと思います。
アルテグラというグレードは、コスパも耐久性も非常に優れていているので、選ぶのはおすすめです。
確かにシマノで揃えておくのは、壊れる心配が無い、日本国内でのアフターサービスは完璧、という面では良いです。
しかし、自分に合うペダルというのは、必ずしもシマノではないかもしれません。
いろいろなペダルを試してみて、自分に最適なペダルを見つけてください。