自転車のバルブは、どれも同じではありません。
また、空気入れによって対応しているバルブは違います。
対応していないバルブを装着したタイヤには、空気を入れることができません。
では、どの自転車にどのバルブが一般的なのでしょうか。
それぞれのバルブの空気入れの方法は、どのように違うのでしょうか。
タイヤのバルブは3種類
日常生活で誰もが使っているママチャリは、日本人の体型に合わせて発展を遂げてきたものなので、日本のオリジナル自転車といっても過言ではありません。
一方、ヨーロッパやアメリカから広まったスポーツタイプの自転車は、ママチャリとはあらゆる部分が異なります。
もちろん、タイヤのバルブも自転車の種類によって違います。
スポーツサイクルに使われていることが多いものは、仏式バルブです。
ママチャリをメインとしている人は、空気の入れ方が分からずに戸惑うことがあるかもしれません。
米式バルブもスポーツサイクルに用いられますが、こちらはマウンテンバイクなどの、太いタイヤに取り付けられたバルブです。
自動車やオートバイに付いているものと同じ形をしているため、空気が抜けてきたらガソリンスタンドへ行けば入れ直すことが出来ます。
日本人にとって一番馴染みがあるのは、英式バルブでしょう。
ママチャリのバルブがこのタイプなので、恐らくほとんどの人は、空気をどうやって入れるのかを知っているはずです。
このように、ひと口にバルブといっても、いくつかの種類があります。
まずは、自分の所持している自転車のバルブが、どのタイプに当てはまるのかを確認するところから始めましょう。
仏式バルブのメリットとデメリット
ロードバイクのタイヤには、一般的に仏式バルブが使われています。
バルブそのものが軽く作られていて、空気圧の調整がしやすく、中に取り付けられた弁のおかげで、微調整も難なく行えます。
専用の空気入れさえあれば、高い空気圧でも空気を入れやすいという特徴があります。
ただし、細いので、丁寧に取り扱わなければ折れてしまう可能性があります。
また、高い空気圧でも入れやすいからといって、極端に高すぎたり、逆に低すぎてもタイヤに負担が掛かってしまいます。
そうなると、傷や破裂、パンクを引き起こします。
乗り心地も良くありません。
空気入れは、専用のものを使わなければならないというのも難点です。
まずは、きちんと適正の数値の量を入れて、乗る前にはタイヤを指で押してみて下さい。
これを繰り返せば、指の感覚だけで、どのくらいの空気圧が良いのかが分かるようになります。
空気圧はタイヤの側面に表記されているので、確認して下さい。
単位は「kPa」「PSI」「kg/m」のどれかが使われています。
仏式以外のバルブのメリットとデメリット
自転車のタイヤに使われるバルブのうち、英式バルブはママチャリに使われているものなので、最も日本人に馴染みのあるバルブと言えるでしょう。
このバルブに使える空気入れを所持している人も多いため、空気が抜けたときは、誰かに頼めば空気入れを借りられる可能性があります。
ただし高い空気圧は入れられず、入れた後で微調整することや、どれくらいの空気圧なのか測定することも出来ません。
このような点から、日本のタイヤメーカーのひとつである「パナレーサー」は
「指定された空気圧を守らなければならないのに、測定出来なければ意味がないので、米式バルブと同じ機能を使えるようにするパーツを販売する」という手段を取っています。
その米式バルブは、太く頑丈に作られているため、空気が漏れることも滅多にありません。
空気圧の微調整も可能です。
ですが、耐久性があるぶん、重量もあります。
そのため、スピードを重視するロードバイクには向いていません。
なおリム側には、バルブを通す穴がなければいけませんが、英式と米式は同じサイズで、仏式はひと回り小さい穴を空けます。
仏式バルブのタイヤの空気入れ
仏式バルブのタイヤは、必ずバルブを緩めた後に、残っている空気を全て抜いて下さい。
空気が入っていると、新しい空気が入らなくなるのです。
空気を抜いたら、改めて空気の入れ直しを行います。
まずは、タイヤの側面に記されている空気圧の適正値を確認します。
単位はいくつかあり、タイヤによって異なるので、自分が持っているゲージの単位を読んで下さい。
次に、バルブの先端に付いているキャップを外して、そのまま先端部分を時計回りに回して緩めます。
先端を緩めたら、指で押すと空気が抜けます。
こうすることで、空気の通り道を作ることができます。
外したキャップは転がらないように、平らな場所に置いておくか、一旦何処かにしまっておきましょう。
空気入れの口金は、バルブにしっかりと押し込んで下さい。
それからレバーを立てますが、空気入れによっては、レバーを倒して固定するものもあります。
空気入れとバルブが固定されて、動かないことを確かめたら、空気入れの根元を足で押さえ付け、両手で空気入れのグリップを握り、ストロークを行います。
きちんと深くまで押し込まなければ空気は入らないので、ストロークの際には全力を込めましょう。
英式バルブのタイヤの空気入れ
基本的にママチャリなどのタイヤに付いている英式バルブは、空気圧の測定が出来ないように作られています。
そのため、タイヤの側面を指で押して、へこんでいたら空気を入れるという方法で、タイミングを見極めています。
もしくは単純に、タイヤが地面と接触することが多くなり、今までよりも走りにくくなってきたら、空気の入れ直しを考えてみて下さい。
頼れるのは自分自身の感覚しかないので、どうしてもタイミングを掴みにくければ、1ヶ月に1回くらいのペースで入れ直しましょう。
ちなみに、入れる空気の量も感覚に頼るしかありません。
指で押して、へこまなくなったら適量に達したという合図です。
それ以上入れてしまうとタイヤが耐えきれず、破損やパンクを引き起こします。
またネジを緩めてしまうと、チューブの中に溜まっている空気が漏れ出してしまうので、ネジには触らないで空気を入れて下さい。
バルブに対して、クリップを直角に固定するのが空気漏れを防ぐポイントです。
米式バルブの空気を入れる方法
タイヤが米式バルブの場合は、まずはキャップを外してから、空気入れの口金を取り付けます。
空気漏れが起こらないように、しっかりと奥まで押し込んで下さい。
そして、レバーを起こします。
するとバルブが挟み込まれ、動かなくなります。
このタイミングで、空気入れのメーターを確認しながら、空気圧を正しい数値に調整して下さい。
適正値は、タイヤの側面に表記されているので、すぐに分かります。
空気を入れるときは、高い空気圧なら空気入れのハンドルを腕の力だけではなく、体重を掛けてやると楽に入れられます。
また、一気に多くの空気を入れられるように、ピストンは大きく伸ばしましょう。
空気入れが揺れ動かないように、足で押さえるのも忘れないで下さい。
適量の空気を入れたら、レバーを戻してから口金を抜きます。
空気圧が高いと、弾みで遠くへ飛んでいくことがあります。
手で押さえながら、親指で押し出せば、何事もなく抜き取れるでしょう。
最後にキャップをはめ込めばおしまいです。
クロスバイクは1週間、マウンテンバイクは2週間に1度のペースで空気を入れ直すことをおすすめします。
説明に従って空気を入れよう
今回は、バルブごとの特徴や空気の入れ方についてご紹介させていただきました。
空気入れごとに対応するバルブが違うので、自分の自転車に空気入れが対応しているかどうか、確認してから購入するようにしましょう。
同様に、ママチャリからクロスバイクやロードバイクに買い替える場合は、お持ちの空気入れが非対応の場合は、新たに空気入れを買い直しましょう。