無灯火など、自転車の道交法違反はどんなものがある?

自動車を運転するには、免許が必要です。
しかし自転車は免許制ではありません。
このため、自転車のルールを知らずに走っていたり、知っていても無視していたりする人が後を絶ちません。

道路交通法で定められた規則は様々で、無灯火などを違反した場合には罰金の可能性もあります。

ルールを守って自転車走行しましょう。

夜間の無灯火は道交法違反です

暗闇やトンネル内を通るときや、濃い霧が出ている場合には、ライトを点けなければいけない決まりになっています。

無灯火で走るのは基本的に道路交通法違反となりますが、後ろ側のライトに関しては、反射板を取り付けていれば良いとされています。

使うライトの基準は都道府県によって異なりますが、今回は、東京都で定められているライトについてお伝えしたいと思います。

フロントライトは、街灯などがない場所を照らした際に、最低でも10m先にある障害物や段差などが、しっかりと確認できるくらいの光量を持っていなければなりません。

色は白か淡い黄色と決められています。

リアライトは後ろから見て、100mほど離れている位置から、光っていることが分かるものを使って下さい。
こちらの色は、赤色となっています。

点滅するタイプもライトとして扱われますが、メインライトが常に点灯してるという、条件を満たしていることが必要です。

もしも、違反しているとみなされれば、5万円以下の罰金を支払う必要があります。
場合によっては、過失罰も科せられるかもしれません。

ライトを照らさずに走ることは事故の原因となるので、電池が切れていればすぐに入れ替えて、壊れているなら早めに修理して、安全運転を心掛けて下さい。

無灯火などの違反は子供であっても罰金対象

自転車にも交通ルールやマナーは定められていますし、それに違反すれば、子供でも罰則の対象となります。

今回はどのような行為が違反とみなされるのか、そしてどれくらいの罰が科せられるのかをみていきたいと思います。

《3ヶ月以下の懲役か5万円以下の罰金》

逆走、一時停止をしない、信号無視、右側通行、『自転車通行可能』という標識が見られない歩道の通行、踏切で止まらないか、遮断機が下りているのに無理矢理通る。

《5万円以下の罰金》

音楽を聴きながらの運転、携帯端末をいじりながらの運転、無灯火の夜間走行、合図を出さずに方向を変える、傘を差したまま運転する。

《2万円以下の罰金か科料》

右折用の車線に入る、2台以上が横並び、2人乗り、許可された歩道を通行中などのときに歩行者の邪魔をする。

《5年以下の懲役か100万円以下の罰金》

アルコール摂取後の運転。
基本的に自転車は車道の左端を通るものであり、また免許こそ取得の必要がないものの、分類としては軽車両に含まれるので、酒気帯び運転も立派な法律違反となります。

無灯火などの取り締まりが厳しくなった理由

自転車の法律違反に関しては、これまでも取り締まられてきましたが、今まではそれほど厳しいものではありませんでした。

しかし、最近はわりとルールやマナー違反で警察のお世話になる人が増えてきたように感じられます。
それには、次のような理由があります。

これまでは無灯火などの違反を犯しても、『青色切符』と呼ばれる反則金の支払いが適用されてなく、『赤色切符』という罰金の支払いのみが行われていました。

赤色切符というのは飲酒運転などを起こした際に科せられるもので、これを支払うことになると前科が付く上に、裁判所へも行かなければなりません。

警察側も専用の書類を作成したり、そもそも自動車の運転手にすら滅多に切られないものなので、違反者がさらに少なくなる自転車では、ほぼ赤色切符を切ることはないと言われています。

つまり、手間が掛かるので、なるべく切りたくないというわけです。

ですが、時代が移り変わるにつれて、法律も徐々に改正されていき、その手間も省けるようになりました。

運転免許を所持していないと乗る許可が下りない自動車とは違い、自転車は老若男女問わず誰でも乗ることができます。

決まりを頭に入れておかなければ、思わぬところで違反してしまうかもしれません。

道交法違反、罰則の対象は何歳から?

自転車にも道路交通法によって定められた決まりが存在しますが、これに違反した場合、14歳を超えていれば誰でも罰則を受けることになります。

この年代の子供で多くみられるのは「信号無視」です。

中学生や高校生は、車が通っていないタイミングや、急いでいるときなどに、赤信号でも平気で通っていくことが多いようです。

もちろん守っている子供も大勢いますが、他の子につられてやってしまう子も、いるのではないのでしょうか。

また、通行を禁止されている道を通ったり、一時停止をしない子供もよく見かけます。

禁じていることを示している標識が立っていても、走ることに集中していると大人でも見落としてしまいがちなので、子供の場合は恐らく、ほとんどが標識を意識せずに通っているかと思われます。

最も厄介なものは「安全運転義務違反」です。

具体的には複数が横並びで走らない、音楽を聴いていたり、スマートフォンを見ながらの運転をしない、暗闇を無灯火で走らないなどといった安全上の決まりを守らないことです。

これを厳しく取り締まるかどうかはその場にいる警官の主観も入ってくるので、細かく注意されることもあれば、あっさり見逃されることもあるかもしれません。

逆走も違反になります

無灯火や飲酒後だったり、携帯端末などをいじりながらの運転など、自転車は自由に運転できるように見えて、意外と禁止されていることは多いのです。

歩道の通行も、禁止事項のひとつに含まれます。
特に道路交通法の内容が変更されたことで、違反すると必ず罰金を支払うようになりました。

これを機に、自転車の正しい乗り方をおさらいしてみましょう。

基本的には、車道の左端を走ります。
場合によっては、逆走も認められます。

他の自転車とすれ違うときは、相手が右側をすり抜けられるように避けて下さい。
自転車専用の道路は、車道とは縁石や柵などで区切られていることが多いようです。

この場合も、左側通行でなければいけません。
車道の左側に設けられている場合も、独立したひとつの道路として扱われるので、上り下りの両方を通ることができます。

一方通行だったときは、その指定に従って下さい。

単純に線を引くことで自転車のための通路が作られているときは、道路ではなく路側帯として認識されます。
この場合は、逆走してはいけません。

自転車を対象とするエリアが歩道にある場合、これは単なる歩道としてみなされます。

走るなら、なるべく車道側に寄って、すれ違うときは左側に移動しましょう。

道交法や違反について、もっと周知させたい

道路交通法が改正されたおかげで、路側帯を走るときの方向が明確になりました。
自動車から自転車を視認しやすくなったり、自転車と自転車がぶつかる可能性も減りました。

しかし、問題点がゼロになったわけではありません。
そもそも法律の内容が変更されたり、何が違反行為になるのかを知らない人も多いのではないのでしょうか。

官報には記載されているものの、それを目にすることはあまりないかと思われます。

また、自転車の通行が認められている道路は、車道の状況によっても変わってくるので分かりにくいのです。

子供には、なるべくルールやマナーを守って安全運転をしてもらいたいところです。
しかし、大人でも混乱することを、自転車に乗れるようになったばかりの幼い子供に教えても、なかなか理解することは出来ないでしょう。

まずは道路交通法を把握しやすいように、誰もが確認できる手段で広める必要があります。

自転車が通れる専用道路が、少ないというのも難点です。

最初は信号無視や逆走、無灯火運転など当たり前のことを自転車の乗り手がきちんと守るように言い聞かせましょう。

そして最終的には、自転車も自動車も気持ち良く通行出来る環境を、作り出せる日が来ることを願いましょう。

道交法は安全のためにも守ろう

道交法の中には、人によっては正直面倒だなと感じる規則もあると思います。

しかし、道路を走る以上、自分や周りの人の安全のためにもルールを守って走行しなければなりません。

うっかり違反にならないよう、ライトは常に電池を入れた状態で着用することをおすすめします。