ロードバイクは、ピンからキリまでグレードがあります。
比較的安価で買える初心者向けからプロ仕様の100万円以上のロードバイクまで、さまざまです。
ロードバイクの購入を検討している方は、シマノのクラリスというグレードはいかがでしょうか。
シマノのクラリスがどんなグレードなのか、どうしておすすめなのかをご説明します。
クラリスはシマノ入門にぴったり
シマノは日本が誇る、世界トップクラスの自転車部品メーカーです。
なかでも、ロードバイク用のコンポーネントは、世界中で愛用されています。
そんなシマノのコンポーネントをグレードごとに詳しくご紹介していきます。
【クラリス】
2013年に設定された入門的なグレードです。
他のグレードに比べて、リアのギアが8段と少なく、圧倒的に価格が安いのが特徴です。
パーツ自体も安価のため、ランニングコストも安く済みます。
近年では、初心者用のエントリーモデルのロードバイクに搭載される事が多いため、認知度が高くなっています。
8速駆動系はチェーンやギアの歯が分厚く寿命が長く、ディレーラー関連の調整が9~11速のものに比べれば楽です。
また、入門編らしく、シフトレバーの上に現在何速に入っているのかが、ひと目で分かるインジケーターが付いています。
インジケーター付きは、クラリスとTourney(ターニー) A070(クラリスよりも1つ下のグレード)にしかないものです。
シマノのSORA(ソラ)はブレーキ交換をしましょう
【ソラ】
シマノの入門クラスの中で、クラリスよりも1グレード上なのがソラです。
2016年に上位モデルのジオメトリを、そのまま受け継ぎモデルチェンジを行いました。
今までのソラのイメージを良い意味で裏切り、見た目的には大きな成長を遂げたと言えるでしょう。
また、機能的にも、使われているプレートが肉厚で、チェーン切れを起こしにくい構造になっています。
もしチェーンが切れてしまったときでも、一般的な自転車店にかけこめば、6段から8段用のチェーンに交換してくれます。
なぜなら8段のチェーンは、変速機付きシティサイクルのチェーンと互換性があるからです。
ただ欠点は、ブレーキの性能がほかのグレードに比べて、格段に低い事です。
かなり柔らかめで、強く握らないと止まりそうもなく、やはり上位グレードのものより効きずらいです。
そこでクラリスも含め、この2つのグレードは、ブレーキを交換した方が良いでしょう。
ブレーキキャリパーそのものを交換するのがベストですが、ブレーキシューだけなら、かなり安く交換できます。
もし、ブレーキを交換せずに、そのまま使っているのなら、ぜひ交換してみてください。
シマノの105とアルテグラはレース向き
ここまででご紹介したシマノ・クラリスとソラは、どちらかといえば、サイクリングなどの趣味の世界で使われるグレードでした。
ここからは、レースに出るには用意したい、本格志向のコンポーネントになります。
【105】
ここからリアが11速になるので、世界的なトレンドになっており、レース仕様になってくるわけです。
上位グレード扱いなので、完成車で105かどうかで値段が変わります。
ソラとの間に【Tiagra(ティアグラ)】というグレードがありますが、ティアグラはリア10速なので、迷っているなら、105をおすすめします。
【ULTEGURA(アルテグラ)】
そして、シマノのコンポーネントの中で、最強といっても過言ではないのが、このアルテグラです。
価格は最上位グレードの【デュラエース】の1/2程度ながら、性能に大差はありません。
違いは後ほどお話しますが、とにかくコストパフォーマンスが素晴らしいです。
このクラスから電動で変速できるようになり、変速のロスを軽減するとともに、ケーブルの緩みが無くなり、マシントラブルも少なくなります。
シマノの最高峰グレード
【DURA-ACE(デュラエース)】
シマノ・コンポーネント最高のグレードを誇るのがデュラエースです。
プロレーサーが使うグレードで、価格だけでもクラリスの5~6倍します。
アルテグラと性能はほぼ変わりませんが、使われている素材が違います。
部品の寿命はメンテや乗り方にもよりますが、5万km以上は走れます。
総重量は、アルテグラよりデュラエースのほうが300gほど軽くなっています。
たった300gと思われるかもしれませんが、トップレーサーともなると数十g単位で軽量化を図るので、これはとても大きな差になります。
そのため、デュラエースに使われている素材は、軽量かつ耐久性に優れたものなのです。
もちろん、デュラエースも電動変速が可能ですが、装備できるのが専用のフレームに限られる上に、恐ろしく高額になります。
電動変速のメリットを考えても、趣味の世界でのコストパフォーマンスは低いです。
すべてが贅沢に精巧に造られているのがデュラエースです。
世界最高峰のコンポーネントと断言して構わないでしょう。
クラリスを選ぶメリット
クラリスはシマノ・コンポーネントの中では、入門編的なグレードで決して上位モデルではありませんが、ロードバイク初心者には十分過ぎるほどの性能を持っています。
まず、なんといっても、チェーンやスプロケットなどの消耗品パーツが安いです。
そして耐久性も抜群で、8速チェーンは太くて丈夫で、ホームセンターでも手に入れることができます。
これは10速以上のチェーンではありえないことで、よほどの場所でない限り、どこでも手に入ります。
クラリスはリア8速ですが、そのぶん、チェーンやギアの歯が分厚く長持ちします。
例を挙げると、10速チェーンの寿命は3,000km程度ですが、8速チェーンなら5,000km以上持ちます。
もちろん、メンテナンスと屋内保管をしていることが前提です。
また、モデルチェンジ後にデュアルコントロールレバーを採用し、上位グレードと同様の変速が可能になりました。
シフトチェンジがほかのグレードのものよりも、軽い引きで行えるのも特徴です。
シマノクラリスの弱点
ただ、それでもクラリスは入門グレードですから、当然、物足りない部分もあります。
シマノ・コンポーネントの中で、なんといってもグレードの差が出るのは、ブレーキの制動力です。
クラリスやソラともなると、握力の無い女性では、ちょっと怖い思いをするかもしれません。
比較的安価なロードバイクなどの完成車で、シマノ以外のブレーキを搭載しているものも制動力は疑問です。
これは、ただでさえ止まりにくいロードバイクでは、致命的ともいえます。
そこで、ブレーキだけ105以上の、上位モデルのものに交換する事をおすすめします。
クラリスだけではなく、その上のソラとティアグラまでは、交換したほうが賢明です。
シマノの互換性チャートによると、クラリスのブレーキレバーでも105のブレーキは搭載できる事になっています。
ブレーキは、命に関わるところでもあるので、換えることをおすすめします。
また、20万円台のロードバイクであっても、ブレーキのグレードが低くなっている場合があるので、よくチェックしましょう。
クラリスから始めませんか
シマノのクラリスについて、お分かりになりましたでしょうか。
これからロードバイクを始める方には、コストパフォーマンスに優れたクラリスで十分に楽しめるかと思います。
まずはクラリスで乗り方やメンテナンスに慣れてから、上級クラスの自転車に挑戦してみましょう。