海峡を自転車で渡れるってご存知ですか?
もちろん海の上を渡れるわけがありませんので、海底を行くのです。
山口県と福岡県をつなぐ関門トンネルは二重構造になっており、人道が整備されています。
徒歩でも自転車でも通行ができますので、本州から九州へ、人力で渡ってみませんか?
徒歩と自転車で関門トンネルに入れる!
関門トンネルは本州の山口県下関と九州の福岡県門司港を結ぶ海底トンネルですが、徒歩や自転車でも渡れるのをご存知でしょうか。
正式には関門トンネル人道と言って、平日ではおよそ700人、休日ともなると、およそ1,500人もの人が訪れる人気スポットです。
行き来するのに徒歩15分ほどで、自転車や原付を持ち込むことも可能です。
徒歩のみなら無料で通行できますが、自転車や原付を持ち込み場合は、20円の通行料を支払う必要があります。
トンネル内では、自転車と原付は押して歩かないと注意されます。
車でトンネル前まで行き、そこから歩く場合は駐車場が狭いので、止められない可能性があるので注意しましょう。
関内トンネル人道は、地元の人がウォーキングコースとして、利用することもあるくらい人気なスポットです。
壁には観光地の案内であったり、魚のペイントなどがあり、県境にはちゃんと境界線が引いてあり、飽きさせない工夫がされています。
トンネル内は空調が効いていて、車が通らないので、通行しやすい場所となっています。
関門トンネルに入ってみると
自転車や原付の持ち込みもできる全長約780mの関門トンネル人道は、どちらから入っても右側通行になるので、気を付けてください。
海底トンネルのため、1日4,800tもの水がトンネル内に染み出ています。
これを下関、門司両側に設置された水抜き用の杭を利用して、排水ポンプで地上へ流す仕組みになっています。
こういった水漏れや停電対策はきちんとされているので、海底トンネルでも心配せずに通行できます。
トンネル内最大のポイントは、山口県と福岡県の県境になります。
本州と九州の境目と言い換えても良いですね。
6~7分歩くと現れますが、道の上に境界線と互いの県名がペイントされていて、壁にもプレートが掲げてあります。
特に、境界線を跨ぐようにして記念撮影するのが定番となっており、休日ともなると撮影の順番待ちの列ができることもあります。
ちなみに、人道となっていますが、車道同様、国道2号線に指定されています。
下関側の入り口の向かいにある、みもすそ川公園は、源平合戦の最後の舞台となった壇ノ浦に面し、大砲のレプリカが設置されているのが有名です。
関門トンネルと合わせて、観光しておきたいスポットです。
関門トンネルを抜けた先は
本州から関門トンネルを抜けた先は、北九州の和布刈(めかり)公園に到着します。
ここから、周辺を自転車で散策するのがおすすめです。
和布刈公園からは関門海峡が臨め、小高くなっている展望台や、アメリカの姉妹都市の名前を冠したノーフォーク広場、また門司城の跡地としても人気が高いスポットです。
そこから門司港駅方面に向い、関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)を訪れてみましょう。
関門海峡の歴史や文化を紹介している、老若男女を問わない人気のスポットです。
また、門司港駅にほど近い海峡プラザも、オルゴールやガラスのミュージアム、雑貨、お土産店、レストランなどが軒を連ねるおすすめスポットです。
関門トンネルを北九州から通った場合は、海の幸を食べに唐戸市場に向かってみましょう。
下関と言えばフグですが、タイやハマチも有名です。
朝5時から開くので、朝早くに着いても観光することができます。
週末や祝日には、旬の魚をリーズナブルに買うことのできるイベントが開催されているので、そこに合わせて行くのもおすすめです。
レンタル自転車で巡ってみよう
このように、関門トンネル周辺は下関も門司も、魅力あるスポットが多く点在しています。
特に門司港駅周辺の「門司港レトロ」と呼ばれる地域は、外国貿易で栄えた時代の建造物を中心に、ホテル・商業施設などを大正レトロ調に整備した場所で、多くの観光客が訪れます。
ここは自転車で巡るのが便利で、出光美術館近くの「JOYiNT門司港」のレンタサイクルすることもできます。
1日500円で電動アシスト付き自転車が借りられます。
では、門司港レトロのおすすめスポットをご紹介します。
【ブルーウイングもじ】
全国最大級の歩行者専用はね橋です。
全長38.5mの橋は木の板が敷かれ、歩くとやさしい音がします。
恋人の聖地としても、人気のあるスポットです。
【門司港レトロ観光列車「潮風号」】(北九州銀行レトロライン)
門司港駅を降りてすぐの「九州鉄道記念館駅」から、雄大な関門海峡を望む「関門海峡めかり駅」までの約2.1kmを約10分でガタゴトのんびり走ります。
【マリンゲートもじ】
門司港レトロ地区の海の玄関口として、関門連絡船と関門海峡周遊船が就航しています。
関門トンネルも良いですが、自転車も乗せられるので、船で下関に行ってみるのも良いですね。
自転車で通れる海底トンネルがほかにもある
全国には、関門トンネルの他にも、徒歩や自転車で渡れる海底トンネルがあるので、いくつかご紹介します。
【衣浦トンネル】
愛知県の知多半島半田市から碧南市を結ぶ海底トンネルです。
有料道路部分は自動車専用ですが、無料の歩行者、自転車用トンネルが別に設けられています。
碧南側から入ると、地下11階という深いところまで進みます。
自動車専用道は1.7㎞ありますが、人道は約480mなので、あっという間に行き来できます。
【安治川隧道(あじがわずいどう)】
大阪の此花区と西区を結ぶ、全長わずか81mのトンネルです。
ここは海底ではなく、『川底トンネル』です。
昔は自動車道も通行可能でしたが、橋ができたことにより交通量が減少し、現在は歩行者と自転車のみが通行可能です。
通路の幅は1.5mぐらいで、人がすれ違いできるぐらいの幅しかありませんので、自転車は当然のことながら、下りて押して行かねばなりません。
関東にもある自転車で抜けれる海底トンネル
関門トンネルよりもはるかに長い人道トンネルが、神奈川県川崎市にある【川崎港海底トンネル(かわさきこうかいていトンネル)】です。
川崎区にある千鳥町と東扇島を結ぶ人道トンネルは全長1.9㎞にも及ぶ長さで、日本最長の人道トンネルです。
このトンネルも歩行者専用なので、自転車から降りて歩いて通行することになります。
海底トンネルにたどり着くまで、かなり長い階段を下り、ようやく海底部分に到達します。
海底部分は1㎞以上あり、片道で15分くらい歩くことになります。
中間地点を底として、緩やかにくぼんでいるので、どちらから進んできても出口が見えません。
ひたすら同じ光景が続く、殺風景な海底トンネルです。
また、定期的に自転車を降りて通行しましょうというアナウンスが流れるので、他に人がいない場合は、そのアナウンスが頭に残ってしまうことがあります。
歩いて海を渡るという貴重な体験ができる
海底トンネルを歩いて渡るという体験は、なかなかできるものではありません。
実際渡ってみると、中から海が見えるわけではなく、ただのトンネルですが、海底を歩いて渡ったという体験は、貴重な旅の思い出になると思います。
近くに行った際は、ぜひ立ち寄ってみてください!