答えは、「同じ」です!
下から見れば上り坂、上から見れば下り坂です。
ですので、どちらが多いというはありません。
ヒルクライムには欠かせない坂。
なかなか近所に練習できる坂がないという方は、まず体力作りから始めてみませんか。
また、ヒルクライムの醍醐味は、上り坂だけでなく下り坂にもあります。
下り方のコツと、東京近郊の練習スポットをご紹介します。
上り坂に挑戦する前にローラー台で練習
ヒルクライムを始めるとき、いきなり山道に行くのは、はっきり言って無謀です。
やはり、それなりのトレーニングをしてからということになります。
ということで、まずは平地で行なうトレーニングをご紹介します。
その方法は、専用のローラー台を使って行ないます。
まずギアですが、フロントはアウター、リアは7~8速にセットし、ローラー台はケイデンス65~75rpmくらいでキープできる強さにしてください。
回し始めて、ケイデンスが65くらいに達したらキープし、心拍数が165~170に達したら時間を計り始めます。
その状態で5分漕ぎ続けますが、最後の1分間は倒れるんじゃないかと思うくらい全力で漕いでください。
終わったらローラーの負荷を弱めて、クールダウンをして終了です。
上り坂や下り坂の多いヒルクライムでは、ケイデンスを維持するのがとても難しいので、そのための練習でもあります。
最初のケイデンスを維持するためには、辛くなればなるほど回転数を上げるくらいの感覚でいかないと、どんどん落ちていきます。
辛くなってからが本当の勝負だと思って、漕ぎ続けましょう。
上り坂より下り坂のほうが事故が起こることが多い
ヒルクライムでは、上り坂よりも下り坂の方が事故が多いです。
下り坂でロードバイクともなれば、そのスピードをコントロールするのも、ひと苦労です。
しかもヒルクライムのレースともなれば、普段はあまり経験のない周りのスピードに触発されたり、慣れないコースで、ブレーキのタイミングが上手くいかないこともあります。
いずれにしても、下り坂は危険が多く潜んでいるということです。
その下り坂を、より安全に走行するコツを覚えましょう。
あくまでも安全を大前提に考えてのことなので、速く走るようなテクニックではありませんが、とても重要な事です。
ここで取り上げる下り坂とは、ペダルを踏まなくても勝手にスピードが出てしまうような、きつい勾配を想定しています。
緩やかな坂であれば、スピードのコントロールが可能で、サドル荷重の移動や、ハンドリングで十分対応できますからね。
下り坂を下るコツ
では、具体的に下り坂を安全に走る方法をご紹介します。
まず、重心を下げるようにします。
上り坂もそうですが、下り坂のときには特に安定感が欲しいので、低くすることが必要です。
サドルにしっかりと腰かけてしまうと、重心が高くなり、かえって安定感を欠きます。
ですので、お尻を軽くサドルから浮かせて、ペダルの上に立つようにしましょう。
こうすることで、ペダルに重心がかかるので、低い位置で安定します。
また、視線の方向も重要なポイントです。
自転車は視線を向けた方向に曲がっていく特性があるので、カーブなどは特に意識が必要です。
急カーブなどは膨らみたくないので、ついつい外側に視線がいきがちですが、そうなると自然と外に張り出していってしまうものです。
あとは下を見ずに、前を見て走行するのも重要です。
また、コーナーなどで体重移動が必要なときは、自転車だけを傾けるようにしましょう。
コーナーで、体ごと傾けてしまうことは多いですが、タイヤがスリップする可能性が高くなるので、自転車だけ傾けるようにしましょう。
さらにコーナーでは、外側の足を地面に向けて突っ張るようにすると、自転車が安定します。
このとき、内側のペダルを12時方向にキープして、地面に接触しないようにバランスを保つことが肝心です。
下り坂はスピードを出しすぎない
サドルに重心をかけないメリットは、ほかにもあります。
サドルにしっかりと座りながら下り坂を走っていると、どうしても衝撃が伝わり、体の上下運動が多い状態になります。
そうなると視線がぶれてしまい、とても危険なので、重心を少し下げ気味にしておいた方が良いのです。
また、下り坂はペダルを漕がなくても進んでいくので、上り坂などを考え、体力温存のためにペダリングを休みがちになります。
ですが、これはレース全体を考えればマイナスです。
ただでさえ多くの風を受ける下り坂は、どうしても血行が悪くなったり、体温が下がりがちになります。
すなわち、下り坂といっても、運動量をキープする必要が出てくるわけです。
軽くで構わないので、下り坂でもペダルを漕ぐようにしましょう。
あとは、何と言っても、自分がコントロールを失わずに済む速度を知ることです。
これは熟練度や体力によって個人差があるので、一概には言えませんが重要なことです。
ブレーキテクニックを例に挙げても、片方のタイヤだけでブレーキングしても切り抜けられる人もいるでしょうし、コーナーの寸前でブレーキングできる人もいます。
しかし、最初はまず両手でブレーキングをして、コーナーの手前からしっかり減速して、コーナーに入るようにすればよいのです。
神奈川は上り坂の練習ができる峠が多い
それではここからは、ヒルクライムの練習が可能なコースをご紹介します。
《ヤビツ峠》
神奈川県秦野市にある、海抜761mの峠です。
東京から近く、ヒルクライムするのには有名な場所で、初心者で挑戦する人が多いです。
最大傾斜が10%を超え、ひたすら上り坂を上り続けるコースです。
《大垂水峠》
東京都から神奈川県に向かって抜ける、国道20号線を走る大垂水峠。
平均勾配が4.5%と低く、高尾山から相模湖へ抜ける観光ルートでもあるので、初心者の人におすすめのルートです。
《和田峠》
東京都八王子市にある、陣馬山に向かう陣馬街道を走るコースで、平均勾配が10%と難関コースです。
中盤に入るとワインディングが連続して押し寄せて来ますし、カーブへの入射角もかなりきつめです。
ゴールにある売店に立ち寄り、英気を養ってから、帰りの下り坂に挑みましょう。
北関東も峠が多いことで有名
《筑波山》
茨城県は筑波山の不動峠~つつじヶ丘までの距離12㎞、標高差500mのコースです。
レースイベント・ツールドつくばを開催しているコースでもあります。
勾配に緩急があり、レベルを問わず楽しめます。
不動峠は路面が荒れているので、下り坂はスリップの可能性が多いので注意しましょう。
頂上付近にはロープウェイのつつじが丘駅があり、ちょっとした観光スポットになっているので、ゆっくりと休憩できます。
《いろは坂》
世界的な観光地でもある、栃木県日光市のいろは坂です。
いろは坂は、第一いろは坂が下り専用で、第二いろは坂が上り坂専用の一方通行の道路です。
カーブごとに「い・ろ・は・に・ほ・へ・と…」と、ひらがながあるのが有名ですね。
平均勾配が、上り9.1%、全長約7㎞あります。
ゴールとなる明智平を抜けて少し走れば、中禅寺湖にたどり着きます。
時期としては、もちろん紅葉の季節がおすすめなのですが、この季節は車の通行量もハンパないので、平日に行けば多少は乗りやすいでしょう。
上り坂はしんどいから魅力的
上り坂を登るときはしんどいな、と思うこともあるかと思います。
しかし上り切ったそのあと、町や海を見下ろす風景に、感動を覚えた経験が誰しもあるでしょう。
上り切った後のダウンヒルは爽快です。
しかし爽快だからといって、スピードの出しすぎにはご注意を。
怪我なく帰宅することが、一番大切ですよ。