自転車のフロントフォークを交換したいと思ったことはありませんか?
スポーツ自転車などは比較的エントリーモデルに近い車種でも、フォークだけがカーボンなどの軽い素材でできていたりします。
また、MTBなどは、このフォークにサスペンションが付いていますので、重要なパーツです。
サイズも様々あり、どう選べばいいのか迷うこともあるので、今回は自転車のフォークについてお話したいと思います。
自転車のフォークってどの部分?
自転車のフロントフォークは簡単に言えば、ハンドルが舵取りをできるように、前輪とハンドル下部のステムを繋ぐパーツで、単純にフォークと呼ばれることの方が多いかもしれません。
MTBなどでサスペンションが組み込まれている物をサスペンションフォークと呼び、それ以外は「固定した」という意味のリジッドフォークと呼ばれます。
ステアリングコラムというパイプを、フレームのヘッドチューブ内に通してステムに固定しますが、この固定方式をアヘッド式と呼び、今はほとんどがこの方式です。
ヘッドチューブの内径とフォークのクラウン外径(コラムと下に伸びるパイプを繋ぐパーツ)のサイズが合わないといけませんので、慎重に選ぶ必要があります。
なお、競輪では従来のスレッド式(ねじ切り)しか認められていません。
前輪を支える2つのパイプは「ブレード」「レッグ」と呼ばれ、前輪の軸に両側から挟み付けるようにして固定します。
アルミフレームのエントリーモデルなどではフォークもアルミであることが多いですが、少しグレードが上がってくるとカーボンなどの軽量な素材が使われ、ハンドルの取り回しが良くなります。
自転車のフォークの選び方・サイズなど
上記でもお話したように、自転車のヘッドチューブに取り付ける際に、チューブの内径とフォークの外径のサイズが合わないと装着できません。
また、フォークのステアリングコラムが長いと切らなくてはいけませんし、逆に短いと取り付けられません。
当たり前のことが後回しになってしまいましたが、自分のタイヤのサイズも合わなければいけませんね。
ですから、交換するに当たってはまず、この3点を確認しておく必要があります。
さらに先ほども少し説明した、フレームとの固定方式がアヘッド式なのかスリック式なのかも確認しておいてください。
確認したら、今度は素材と機能を考えますが、軽さが特徴のロードバイクはカーボンがおすすめです。
MTBの場合、サスペンションは本格的にオフロードを極めようと思っている方には必須と言えますが、街乗り程度ならお好みで決めて良いです。
また最近のMTBのフロントフォークは、ほとんどディスクブレーキ専用ですので、Vブレーキやカンチレバーブレ―キを使っている方は専用の物を用意しなくてはいけません。
サイズの話①・ヘッドチューブ径とフォーク径のサイズを合わせましょう
ここではヘッドチューブの内径とフォーク径の適合について説明します。
今回は現在の主流である、アヘッド方式の規格について説明したいと思います。
★ヘッドチューブ内径が30.0mmの場合
フォークはノーマルサイズでJIS規格の1インチ(コラム径25.4mm)が適合。
厳密に言えばロードバイクなら22.2mm、MTBなら25.4mmに対応しています。
★ヘッドチューブ内径が34.0mmの場合
オーバーサイズの1-1/8インチ(コラム径28.6mm)が適合。
MTBから始まった規格ですが、今ではロードバイクにも普及しています。
★ヘッドチューブ内径が37mmの場合
スーパーオーバーサイズの1-1/4インチ(コラム径31.8mm)が適合。
29erを考案し提唱したことでも有名なゲイリー・フィッシャーが考案したので「フィッシャーサイズ」とも呼ばれています。
まず、大方この3種類ですが、自転車メーカー「キャノンデール」が独自の規格として、レフティ(ブレードが片側1本しかない)などに採用していたワンポイントファイブがあります。
また、チューブ内径が「オーバーサイズ」でコラム径が「スーパーオーバーサイズ」の「テーパード」という規格もあります。
サイズの話②・フォークはコラム長も重要です
自転車の完成車を購入すると、あまり気にならないと思いますが(気にできない?)、フォークを交換するとなれば、長さも当然考えなければいけません。
もちろん元から付いていたものと同じポジションにしたいなら、肩下長(フォークのコラムを除いた部分)の長さを合わせなくてはいけません。
肩下長のサイズは通販サイトなどでは記載されていないものもありますが、そこは気にせず、購入されても大丈夫です。
なぜかと言うと、ほとんどのフォークはコラムをカットしない状態で出荷されているからです。
そもそもコラムが短いとフレームに装着できませんから、長めにしておくのが基本ですが、ハンドルの高さが調整できなくなるのは不便ということで、長いままのものが多いです。
ですから、一旦フォークを組み付けて好みの長さが分かったところで、余分なコラム部分をカットすれば良いわけですね。
専用工具もありますが、金ノコで切ることができるので、自分でもできると思います。
自転車のフォークを組み付ける際の注意点
実際に自転車のフォークを交換するとなると、ただ単にフレームに突っ込めば良いわけではないので、結構手間が掛かります。
ベストなのはショップで組み付けてもらうことですが、近くに無い場合など、自分で行う必要性があると思うので、注意点をいくつかお話します。
サイズに関しては先ほどお話した通りですが、タイヤのサイズとヘッドチューブの内径とフォーク径さえ間違わなければ大丈夫です。
最も苦労するのは、下球押しをコラムの根元まで圧入することだと思います。
指で入るようなレベルでは無いので、ハンマーなどで叩いて入れていくのですが、特にカーボンだと破損する恐れがあるので(それくらい強い力で叩かないと入ってくれません)、ゆっくりと慎重に行ってください。
あとはヘッドセットのパーツを向きと順番を間違えないようにして挿入すればOKですが、途中に噛ませるベアリングにグリスを塗ってコラムに入れるようにしてください。
MTBには必須?サスペンションフォーク
MTBにはエントリーモデルから標準装備と言ってよいほど、フォークにサスペンションが付いています。
オフロードを走ることが大前提のため、路面からの衝撃吸収と車輪が浮いたりせず、しっかりと路面を捉えられる路面追従性が向上するという働きがあります。
しかしシティサイクルや2~3万のノンブランドのMTBに装備されている安価なサスペンションは、上記のようなメリットは期待できず、ただふわふわする乗り心地になるだけです。
それだけに、やはり本格的に山道や悪路を走っていきたい方は、サスペンションフォークのメリットを享受する意味で、初心者向きのエントリーモデルだとしても、完成車は「GT」や「コナ」など、名のある自転車メーカーのものを選ぶのが賢明です。
フォーク単体だけで考えた場合、タイヤサイズなどで選択の余地は変わりますが、最低でも3万円以上のものは選びたいところです。
また、最近のサスペンションにはロックアウトと言って、サスの機能をON/OFFできる装置が付いているので、用途によっても使い分けることができます。
フォークは自転車のかじ取り役
今回は自転車のフォークについてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?
フォークは自転車の取り回しをする上で、非常に大切なパーツです。
それだけに素材にこだわったり、規格が複雑だったりしますので、今回の話が少しでも選択の参考になれば、うれしい限りです。