今度のタイヤはコンチネンタルグランプリにしよう!

コンチネンタルグランプリ…カッコいい名前ですね!
いかにも速そうです。

しかもアタック&フォースなんて種類もありますから、近代的なにおいがプンプンしますね。

まあ余談はさておき、コンチネンタルグランプリはロードバイク用タイヤとしては、かなりの高額の部類なのですが、果たして性能はどうなんでしょうか。

コンチネンタルグランプリとタイヤ考察①~タイヤの種類~

コンチネンタルグランプリの話をする前に、まず自転車のタイヤについて、簡単に触れておきましょう。

まず、自転車用のタイヤには種類があります。

タイヤの中にチューブが入っている「クリンチャー」、チューブが縫い付けられている「チューブラー」、チューブが無い「チューブレス」大体はこの3種類です。

クリンチャーは、ママチャリからスポーツ自転車まで幅広く普及しています。
チューブが容易に取り出せるので、パンク修理がしやすいのがメリットです。

今回の主役コンチネンタルグランプリもクリンチャータイヤです。

パンクの心配が低いチューブレスタイヤは、MTBを中心に普及しつつあります。

クリンチャー、チューブレスの両方に対応できるホイールが発売され始めているのを見ると、今後チューブレスの需要が増えてくると予想されます。

チューブラーは空気入りのタイヤが発明された当時の構造で、限界スピードが非常に早いので、日本のプロレーサーの9割はチューブラーを使用していると言われています。

ただ、1度パンクしたら修理は理論上可能ですが、ほぼ元通りになる可能性が無いので、即交換になるデメリットがあり、現在の市販車に搭載されていることはほとんど無いと思います。

コンチネンタルグランプリとタイヤ考察②~タイヤのサイズ~

自転車用のタイヤサイズは表記がまちまちで、大変ややこしいことになっています。

そのため、タイヤサイズを説明した文章がネット上に山ほどあるので、詳しく知りたい人はWikipediaなどを参照してください。

コンチネンタルグランプリはロードバイク用のタイヤですので、ここではロードバイクのサイズの話だけしておきましょう。

ロードバイクのタイヤサイズは「700×23C」などと表記されています。

700はタイヤの外径、23はタイヤの幅(太さ)をmmで表しています。

また、Cはホイールのタイヤをはめる部分であるリムの外径を記号で表しています。
(700mmのタイヤに関しては現在、ほぼCしかありません)

ロードバイクの場合は、ほとんどが700mm外径のサイズを使用しています。
厳密には700mmではないのですが、便宜上700サイズとして規定されています。

幅に関しては23C・25Cが主流でしたが、最近では少し太めの28Cも使用されるようになってきました。

それに伴って、ホイールの方も太いタイヤに合わせてリム内径をワイド化する流れがきており、今後23Cの肩身が狭くなってくるのではないかと言われています。

コンチネンタルグランプリを造っている会社

コンチネンタルは1871年に創業したドイツの老舗タイヤメーカーです。

自動車では、ヨーロッパの4大自動車会社にタイヤを供給しているほどの世界的なメーカーのひとつです。

自転車部門の詳しい歴史は分かりませんが、創業当時から自転車タイヤも製造していたようで、現在も毎年のように、ツール・ド・フランスで採用されているタイヤということです。

現在、コンチネンタル製のロードバイク用クリンチャータイヤが10種類以上、チューブラーも8種類以上ラインナップされています。

中でも、クリンチャータイヤの7種類に名前が付いているグランプリモデルが売り上げの中核を担っています。

雑誌やネットでおすすめのタイヤベスト○○などのランク付け記事には、必ず名前が挙がるメーカーですから、まず安心して選んでいただいて大丈夫だと思います。

その中でも、今回は日本での売上本数No.1と目される「コンチネンタルグランプリ4000SⅡ」と、決戦用タイヤとして評価の高い「アタック&フォース」についてご紹介していきます。

コンチネンタルグランプリの超人気タイヤ4000SⅡ

では、具体的にコンチネンタルグランプリのインプレを見ていきましょう。

コンチネンタルに限りませんが、自転車のタイヤを製造しているトップメーカーのミシュランやブリヂストンは、車のタイヤもトップランクですから、グリップ力や転がり抵抗の少なさは自動車譲りとも言える訳です。

この4000SⅡも、特にグリップ力では他の追随を許さないほどの高評価を得ています。

少し固いタイヤなので、頑丈で耐久性も抜群です。
メーカー側は5,000kmを限界点と定め、車でいうところのスリップサイン的な目印も用意しているのですが、何の問題も無く5,000kmを突破できるでしょう。

頑丈な作りのぶん、乗り心地が硬めというインプレもありますが、転がり抵抗が低いので高速巡航でグングンとスピードに乗っていける感覚は気持ちが良いということです。

価格は、最安値サイトで1本4,000円前後です。

また、熟練者の方はお分かりかと思いますが、タイヤにはチューブが付いていませんので、同時に購入する必要があることを覚えておいてください。

1本1,000~2,000円くらいです。

コンチネンタルの個性派・アタック&フォース

さて、次は「アタック&フォース」ですが、最大の特徴は前後でタイヤの幅が違うことです。

一般的なタイヤは特に前後輪に区別が無いのですが、こちらはアタックが前輪、フォースが後輪と決まっています。

2017年モデルの「アタック&フォースⅢ」はアタックが23C、フォースが25Cとなっています。

全モデルまでは22C-24Cでしたので、前輪(アタック)がかなり細いタイヤだったのですが、リムのワイド化に伴い通常のタイヤと同じような構成になったことで、「意味が無い」「改悪だ」と当初は不評だったと聞いています。

そもそもコンチネンタルが、なぜ前後非対称のタイヤ幅の物を商品化したかというと、横風の影響が大きく関係しています。

タイヤやホイールのリムは、幅が広くなると横風を受けやすくなります。

そして、前輪の方が後輪よりも横風の影響を強く受けるので、前輪は幅を細くして、なるべく空気抵抗を低減させ、後輪は太くしてグリップ力や安定性を求めるという構成にしたわけです。

ですから、ホイールもリム幅が前後非対称の物が増えてきています。

アタック&フォースはロードレースように開発されていますので、当然ながらグランプリの中でもフラッグシップモデルになりますので、個人的には普段使いには、少しもったいないかなとは思います。

ロードバイクタイヤの選び方

ここまで、コンチネンタルグランプリの性能を見てきました。

しかし、元来タイヤは商品名ありきではなく、自分がどういう乗り方をするか、いわゆる用途によって選んだ方が良いと思います。

例えば、ロードレースの中でも長距離を(100km程度)目指す人には転がり抵抗が低く、少し柔らかめで衝撃吸収性が高く、疲れにくいようなタイヤを選ぶと良いと思います。

今回ご紹介した中では、アタック&フォースがおおむねそれに該当します。

また、短距離でストレートを走ることが多いクリテリウムなどには、とにかく転がり抵抗だけを重視してスピード勝負ですね。

その点から見ると、コンチネンタルは少しバランスを取り過ぎている感が強いので、個人的にはミシュランのタイヤをおすすめしたいですね。

また、通勤などに使用するので街中でも乗りたいという人は、何は無くても耐久性と耐パンク性重視です。

レースに出るような人は練習でタイヤを1本乗り潰して、レースには新たな決戦用タイヤで臨む人が多いですが、街乗りでは頻繁にダメにするわけにはいきませんから耐久性が最も大切です。

また、未舗装の道を走ったからといって、すぐにパンクする訳では無いですが、平坦な舗装路だけを走るような乗り方に比べれば可能性は高くなります。

そのため、走行性能には目をつぶっても、丈夫さが売りのタイヤを選んだ方が良いと思います。

タイヤが太くなる?

さて、今回はコンチネンタルグランプリを中心にロードバイクのタイヤについて考えてみました。

ロードバイクのタイヤはワイドリムの流れにより、これから太くなっていくことが予想されますが、コンチネンタルグランプリにもその波は既にきていました。

賛否両論大きく分かれるところですが、興味深く見守っていきたいと思います。